告白ゲーム

茉莉花 香乃

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告白ゲーム

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「暇だな」
「何か、ゲームしねぇ?」
「何?何?何する?」
「お前ら、本命っているの?」
「えっ?好きな子ってこと?」
「おう!」
「俺いな~い」
「「俺も」」
「じゃあ、告白ゲームってどうよ?」
「こ、告白?」
「それぞれ一人の名前を書いた紙をここに入れて、それを適当に取る。そんで、紙に書いてある子に告白して、オッケーもらえたら勝ち。勝ったら一日言うこと聞くってどうよ?」
「なんか、面白そう」
「でもさ、でもさ、誰の名前書くの?」
「そうだな、自分が気になる子を書いても良いし…」
「でも、それを自分が引くとかはわからないじゃん!」
「まあ、そうだな」
「同じ名前が二つあったら?」
「そりゃ、それぞれ告ったらいいんじゃね?」
「オッケーもらえたら付き合うの?」
「まあ、そうだろな」
「え~、面倒臭いよ」
「適当に付き合って、フラれろよ」
「何それ?ヒドッ!」
「女子だって、ちょっと気になるって告って、フラれりゃ次の日には別のヤツに告ったりしてるじゃん。なあ、たつき
「まあ、そうだな」
「でも、たつきに告られたら誰でもオッケーする!不公平だよ!」
「そうか…そうだな。じゃあ、たつきは一ヶ月間続いたらって条件付きってどうよ?」
「「「それ良い!」」」
「ちょっ!お前らな!お前らも一週間くらいは付き合えよ!それならその条件でも良い」
「え~一週間?」
「だいたい自分から告って、付き合うのに一週間持たないっておかしいだろ?」
「そりゃ、そうか?」
「じゃあ、誰かノート破って」
「あっ、俺、メモ帳ある。これで良いだろ?」
「流石、たつき
「じゃあ、誰の名前を書いたかは内緒な」
「そ、そうだな…。うん。それがいい」
「何?稲葉、気になる女子の名前書くの?」
「えっ…えっと」
「良いじゃん、書いたら?」
「誰に告るかはここで発表な」
「じゃあ、誰が一番に引く?」
「俺」
たつき、ズルい!」
「俺が一番条件キツイんだから良いだろ?」
「まあさ、残り物には福があるって言うしな。それに、一番だからって誰に当たるかはわかんないぞ?」



「俺、西沢」
「え~、俺、田口」
「俺は柳井」
「俺は北村。たつきは?」
「俺は佐久間」
「「「えっ?」」」
「佐久間って、クラスの?佐久間博也ひろや?」
「書いてある」


ガタッ……


「なあ、今何か音しなかった?」
「そか?気にならなかったな。それより、たつき、佐久間に告る?」
「良いじゃん。たつきの負けるとこ見てみたい」
「案外、勝つかもよ」
「え~、一ヶ月も付き合うんだろ?無理だよ。藤井じゃあるまいし」
「どう言う意味だよ」
「痛たっ!ちょ、止めろ」
「やってやる!」
たつき、マジ?何か、ヤケになってない?」
「じゃあ、止めても良いか?」
「いやいや!おもしれー。じゃあ、決定。今日から一週間以内に一度は告れよ。じゃないと、罰ゲームな」
「罰ゲームって何?」
「勝てなくっても良いってんなら、告らずにそのままって考えてないか?」
「えっ?」
「図星じゃん。だから、一度は告れ」


♢♢♢♢♢


何?
何?
何で、こんなことになってるの?

忘れ物を取りに教室に戻ればクラスの男子が五人、ガヤガヤとしゃべってる。入り辛く、早く帰ってくれないかなと中の様子を伺ってた。

僕に告白?

階段が近くて良かった。三階の教室から一気に下りてピロティー脇の陰に隠れる。しゃべりながら通り過ぎるクラスメイトを確かめて、教室に戻った。

ため息をつきながら、教室に入る。薄暗くなりかけの教室は静かで、先ほどの悪巧みを微塵も感じさせない。西日が最後の輝きを放ってる。こんなに教室に入るのが億劫なことってない。明日、休もうかな。あの五人の顔を見たくない。完全に面白がってた。

窓際の一番前の自分の机に掛かってる袋を持つ。空のお弁当は重くはないけど、重い足を引きずり出口へと向かう。三階まで往復は結構きつい。普段なら何でもないことでも、今は違うドキドキが煩いくらいに負担になる。

「佐久間」
「えっ?」

帰ったんじゃないの?そこにはスラリとした身長で、僕を見下ろす寺本たつきが立っていた。
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