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番外編
03
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お昼ご飯を五人で食べて片付けを済ませ、碧空くんの部屋に行く。途中で売店に寄って買い物をしていたら何故か泣けてきた。碧空くんの隣にいる時にこんなに醜い気持ちになるなんて…。
お昼を食べている時も、碧空くんは横田くんが僕の隣に座るのを嫌い、碧空くんの隣に座らせた。
違うのに!
違うのに!
叫びそうになった。
何気なく碧空くんの膝に触れる横田くんの手。
それを見て俯く僕を挑戦的に眺めニヤリと笑う横田くん。
そのどれも見ていたくなくて、ただただ作った料理を食べた。
「どうしたの?ご飯作ってる時から変だったよね?身体、辛い?熱ある?」
僕を抱き寄せ、熱を確かめる為におでこ同士をコツンと当てる。ここは売店で、そんなに多くはないけれど買い物をしている生徒もいる。そんな中で碧空くんの行動は目立つ。
シルバーブロンドの髪をクシャリと撫でて熱はないなと安心する。思わず背中に腕を回し碧空くんの体温を確かめるように力を込める。
「ありがと…ちょっと、不安になっただけ」
一瞬の後そっと碧空くんから腕を離し笑顔を見せた。もう大丈夫。ここのところ横田くんと会ったあとはいつもこんな調子だ。僕の様子が変になるのと横田くんが関係しているとは思っていないだろう。訝しみながらも笑顔を見せる僕にホッと息を吐いた。
「何が不安なの?」
「夏休みに、碧空くんと離れるのが、嫌なの」
これは本当のこと。今までの僕なら夏休みに実家に帰ることぐらいで嫌な気持ちにはならなかったと思う。けれど今は、一日でも碧空くんの側を離れたくない。横田くんが、とか思うことはあるけれどそれだけじゃない。ただ一緒にいたいんだ。
両思いだって知って欲張りになってる。横田くんの事はそんな僕に思い上がるなよと釘を刺される出来事だった。でも、だからって碧空くんの側を離れたくないし、碧空くんも僕と一緒にいることを望んでくれている。
「そんな可愛いこと言って…嬉しいよ。俺も離れたくないな」
何も夏休み全部を別々に過ごすわけじゃない。母さんと姉さんに夏休みが始まったらとりあえず一週間で良いから帰ってこいと言われていた。碧空くんと付き合う前の僕は快くそれにOKの返事をしてしまっていた。
入学して一ヶ月のゴールデンウィークに帰らないと言うとじゃあ夏休みねと言われた。まだこの寮にも学校に慣れる前の僕が帰らないなんて選択肢はなかった。
今なら、忙しいからとか色々な理由を付けて帰らなくていい方法を探すだろう。しかし、今更ダメになったと言って、母さんはともかく姉さんがわかったと言ってくれるわけはない。
強引で、僕の事を自分の所有物とでも思っているのか僕に対する態度は横柄だ。普段は優しい姉さんだけどそれは僕が従順なる僕である時だけ。少しでも反抗しようものならどんな手を使ってでも、自分の思い通りにしてしまうのだ。
そんな姉さんに襲われかけたことがバレてしまった。きっと、八城さんが言ったんだ。だから、余計に夏休みに帰ってこいと言う。八城さんは碧空くんの事も話していると思うからそれも怖い。とりあえず、夏休みにに入った一週間を実家で過ごすことになっている。その後のことは未定だ。姉さんは一週間だけとは思ってないかもしれない。
憂鬱だ。
食事の準備中に碧空くんと智親くん、横田くんが夏休みの計画を立てていたのは僕のいないこの一週間の予定だった。僕がいない間に楽しいことをしようとしているんだ。嫌だとは言えない。僕と会わなかった五年以上の時間を共に過ごしてきた友だちだから嫉妬するなんて変だよね…。
横田くんの気持ちを碧空くんに言うのも嫌だ。横田くんが碧空くんの事好きだから一緒に遊ばないで、触らないでと言えたら楽なのに。今は考えない…考えない。
「今日、晩御飯何にする?」
「俺は何でも良いんだけど…そうだな…グラタンが良いな」
「うん。わかった」
何でも良いと言いながら必ず何が食べたいかを言ってくれる。毎日のことになると考えるのは大変だ。まるで主夫だな…。グラタンと他に何を作るかを考え、冷蔵庫の中の残り物を思い浮かべながら買い物をする。そうしていると不安な気持ちが薄らいで、碧空くんに自然な笑顔を見せることができた。
お昼を食べている時も、碧空くんは横田くんが僕の隣に座るのを嫌い、碧空くんの隣に座らせた。
違うのに!
違うのに!
叫びそうになった。
何気なく碧空くんの膝に触れる横田くんの手。
それを見て俯く僕を挑戦的に眺めニヤリと笑う横田くん。
そのどれも見ていたくなくて、ただただ作った料理を食べた。
「どうしたの?ご飯作ってる時から変だったよね?身体、辛い?熱ある?」
僕を抱き寄せ、熱を確かめる為におでこ同士をコツンと当てる。ここは売店で、そんなに多くはないけれど買い物をしている生徒もいる。そんな中で碧空くんの行動は目立つ。
シルバーブロンドの髪をクシャリと撫でて熱はないなと安心する。思わず背中に腕を回し碧空くんの体温を確かめるように力を込める。
「ありがと…ちょっと、不安になっただけ」
一瞬の後そっと碧空くんから腕を離し笑顔を見せた。もう大丈夫。ここのところ横田くんと会ったあとはいつもこんな調子だ。僕の様子が変になるのと横田くんが関係しているとは思っていないだろう。訝しみながらも笑顔を見せる僕にホッと息を吐いた。
「何が不安なの?」
「夏休みに、碧空くんと離れるのが、嫌なの」
これは本当のこと。今までの僕なら夏休みに実家に帰ることぐらいで嫌な気持ちにはならなかったと思う。けれど今は、一日でも碧空くんの側を離れたくない。横田くんが、とか思うことはあるけれどそれだけじゃない。ただ一緒にいたいんだ。
両思いだって知って欲張りになってる。横田くんの事はそんな僕に思い上がるなよと釘を刺される出来事だった。でも、だからって碧空くんの側を離れたくないし、碧空くんも僕と一緒にいることを望んでくれている。
「そんな可愛いこと言って…嬉しいよ。俺も離れたくないな」
何も夏休み全部を別々に過ごすわけじゃない。母さんと姉さんに夏休みが始まったらとりあえず一週間で良いから帰ってこいと言われていた。碧空くんと付き合う前の僕は快くそれにOKの返事をしてしまっていた。
入学して一ヶ月のゴールデンウィークに帰らないと言うとじゃあ夏休みねと言われた。まだこの寮にも学校に慣れる前の僕が帰らないなんて選択肢はなかった。
今なら、忙しいからとか色々な理由を付けて帰らなくていい方法を探すだろう。しかし、今更ダメになったと言って、母さんはともかく姉さんがわかったと言ってくれるわけはない。
強引で、僕の事を自分の所有物とでも思っているのか僕に対する態度は横柄だ。普段は優しい姉さんだけどそれは僕が従順なる僕である時だけ。少しでも反抗しようものならどんな手を使ってでも、自分の思い通りにしてしまうのだ。
そんな姉さんに襲われかけたことがバレてしまった。きっと、八城さんが言ったんだ。だから、余計に夏休みに帰ってこいと言う。八城さんは碧空くんの事も話していると思うからそれも怖い。とりあえず、夏休みにに入った一週間を実家で過ごすことになっている。その後のことは未定だ。姉さんは一週間だけとは思ってないかもしれない。
憂鬱だ。
食事の準備中に碧空くんと智親くん、横田くんが夏休みの計画を立てていたのは僕のいないこの一週間の予定だった。僕がいない間に楽しいことをしようとしているんだ。嫌だとは言えない。僕と会わなかった五年以上の時間を共に過ごしてきた友だちだから嫉妬するなんて変だよね…。
横田くんの気持ちを碧空くんに言うのも嫌だ。横田くんが碧空くんの事好きだから一緒に遊ばないで、触らないでと言えたら楽なのに。今は考えない…考えない。
「今日、晩御飯何にする?」
「俺は何でも良いんだけど…そうだな…グラタンが良いな」
「うん。わかった」
何でも良いと言いながら必ず何が食べたいかを言ってくれる。毎日のことになると考えるのは大変だ。まるで主夫だな…。グラタンと他に何を作るかを考え、冷蔵庫の中の残り物を思い浮かべながら買い物をする。そうしていると不安な気持ちが薄らいで、碧空くんに自然な笑顔を見せることができた。
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