君は幼馴染み

石月煤子

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「……無理してないか? 痛くないか?」
「ん、大丈夫……大和のおっきいの、ダイレクトに感じてビビっただけ……」
「……」
「ちょっと怖いけど、うん、でも……おれも大和とちゃんとシたい……」
「……」

両膝をぐっと掴み直されて幸太は「あ」と微かな声を洩らす。

入り口付近で留まっていた熱塊が肉圧に逆らってナカへじわじわ侵入してくると、大和の手に爪を立て、小さく呻吟した。

「ンんん……っ」
「大丈夫か……?」
「んっ……だいじょう、ぶ……」
「……俺は大丈夫じゃない」

ぬるぬるしたペニスの硬さを腹底で痛感していた幸太はパチパチ瞬きする。

ずぷ……ずぷ……っ、浅い抜き挿しが始まった。

まだ全て挿入していない段階で緩やかに動き出した大和は、身を捩じらせる幸太を見下ろし、彼もまた本音を告げる。

「幸太のこと、一番奥まで気持ちよくするとか言っておきながら……俺自身が気持ちよくて堪らない……」

目一杯、押し拡げられた内壁。
狭い後孔内を擦り上げられた。

「あ……っ」

逞しいペニスがソコを掠めて幸太は甘い声を洩らす。

「ああ……幸太はココがイイんだったな……?」
「んっ……ソコぉ……変になる……」
「ん……」
「あっ……ゃぁっ……あっ……あっ……あっ……」
「幸太も……気持ちいいか……?」

緩々と腰を揺らす大和に問われて幸太は素直にコクコク頷いた。

「……よかった……」

まだ眉間に僅かに皺を寄せながらも大和は口元に笑みを浮かべた。
目の当たりにした幸太もまた切なそうに顔を歪める。
いつどんなときも自分を気遣ってくれる幼馴染みに胸の奥がぎゅうっと締めつけられた。

「大和ぉ」

目尻に涙を溜め、甘えたなこどもみたいに幼馴染みの名前を呼べば、大和は食い入るように幸太を見つめてきた。

「んっ」

緩やかな律動とは真逆の勢いでキスされた。
一瞬で獰猛と化した唇に捕らわれて幸太の胸はぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう締めつけられた。

「ッ……幸太……可愛い……小さい頃からずっと好きなんだ……」

貪るようなキスの合間に言葉でもとことん甘やかされる。

額にくっついていた前髪を掻き上げられ、そのまま頭を撫でられて、鼻先や頬にも短く口づけられた。

「気持ちいい……こんなの知らない……」

夢見ていた時間に酔い痴れた大和はいつにもまして幸太を愛おしむ。

熱烈な溺愛っぷりに幸太は幸太で限界寸前で、優しいながらも激しい、自分への愛情を剥き出しにした幼馴染みに「胸ぎゅっ」が止まらなくなった。

「そんなに……気持ちいい……?」
「うん。すごく……」
「大和ぉ……えろぃぃ……」
「幸太が俺をえろくさせてるんだろ……? 俺がえろいのは幸太のせい……」

視線を繋げたまま浅く律動する大和の欲深げな眼差しに中てられて。
幸太の理性は前にもまして崩れかかる。

「えろぃ大和見てたら……おれまで気持ちよくなってきたぁ……」

胸の奥はぎゅうぎゅう締めつけられ、お腹の底はキュンキュン高鳴りっぱなし、居ても立ってもいられなくなって広い肩にしがみついた。

「幸太……俺にめちゃくちゃにされたい……?」
「っ……されたぃぃ……してぇ……大和……」

徐々に深くなっていく繋がり。
熱く息づくペニスに小刻みに突かれ、ナカを擦り立てられ、時に一思いに奥を貫かれた。

「あんっ」
「ほら……幸太のナカ、めちゃくちゃにしてる……」
「あんっ……お……おっきぃのに……こんなすごぃのにぃ……」
「気持ちいいんだ……?」
「ん……いい……本番……すごぃぃ……」
「よかった、幸太も俺と同じで……嬉しい……」

グチュグチュと奥を突き上げられた幸太は大和の滑々した肩に爪を立てる。

「はぁっ……はぁっ……っ……ぁ……大和……」

ベッドの縁に転がっていたローションのボトル。
片手で手繰り寄せた大和は、やや上半身を起こすと、あられもない結合部に直に大胆にローションを注いだ。

卑猥に濡れそぼったところで抽挿を再開する。
ぬるぬるが増してスムーズになり、もっと奥深くまで届くようになった熱源。

強弱つきのピストンは不意打ちで最奥を貫かれるスリルもあり、初体験にして病みつきになりそうだった。

「ぁっ、ぁっ……ぁっ……ふぁぁッッッ……大和のっ……奥、当たる……ぅ」

幸太のお腹に溜まっていたローションを掌に掬い、大和は、純潔ペニスを握り締める。
心許ない風にピクピクしていた竿をちょっと強めにしごいた。

「ゃっ、らめっ……っ」
「よすぎて変になりそう……?」
「なる……なっちゃぅ……っ……あっあっあっ……チンコきもちぃ……っ」
「うん……正直な幸太も可愛い……」

優しくてえろいにも程がある幼馴染みに幸太は為す術もなくぐずぐずにされていく。

「あ……うそ……大和の、ぜんぶ……?」

とうとう大和のものを根元まで健気に迎え入れた幸太のお尻。

みちみちと拡げられた後孔内部は細やかに収縮し、延々とうねって、幼馴染みのペニスを手厚くおもてなししていた。

「大和ぉ……おれのお尻ぃ……ちゃんとお尻のまま……?」
「ふ……お尻のままだよ、幸太……」

濃密な繋がりに陶然となる一方で、自分のお尻が原形を留めているか不安になった幸太は。
大和にイイコイイコと頭を撫でられて、頭の奥がぽんっと弾けたような気がした。

「もっと……大和ぉ……イイコイイコって、して……」
「うん。ほら……」
「ん……頭もだけど……おれのナカも……」
「……」
「大和の、おっきぃチンコで……イイコイイコして……?」

幼馴染みにつられてスケベ化してしまった平凡男子。
小さい頃よりも素直にひたすら甘えた……。

「あんっ……大和ぉ……あんっ……きもちいっ……本番しゅごぃぃ……っ」
「幸太……俺でもっとえろく可愛くなって……? ほら、次も一緒に……」
「あっあっあっあっ……大和ぉ……大和ぉ……っ……っ……しゅきぃ……」
「俺も、しゅき、だよ。幸太」






――朝、蝉の声を聞きながらの起床。

「う~~……暑ぃぃ……」

遮光カーテンの隙間に覗く朝陽。
恐らく父親に次いで母親が出勤していった際の物音で起きたのだろう。

寝返りを打った幸太はベッド下に置いてあった冷房のリモコンを寝ぼけまなこで手にし、設定温度を下げた。

「……ふわぁ……」

冷感の肌布団を丸めて抱き枕代わりに抱き着く。
二度寝する気満々で目を閉じた。

……キィ……

部屋の扉の開閉音。
幸太は然してリアクションするでもなく、そのままの状態でいた。

(あれ、お母さん出てったと思ったけど、まだいたんだ……)

てか、何で部屋に来たんだろ。
緊急の用事でもあるのかな?

普段なら我が子を起こさずに家を出ていく母親が部屋へやってきたようで、眠たいものの、幸太は目を開けようとした。

(え?)

いきなり後ろから抱きしめられて幸太は目を開く……というよりヒン剥かせた。
慌てて背後を窺えば。

「うわ!? 大和!!??」

なんと、制服姿の大和がベッドに不法侵入していて度肝を抜かれた。

「なななななっ……な!?」
「おはよう、幸太」
「おおっ、おっ、おっ!?」
「寄ってみたら、丁度、おばさんが仕事に行くところで。入れ代わりにお邪魔させてもらった」
「おおおお……!?」

寝起きでまだ理解が追いつかず、ろくに発声できていない幸太に大和は吹き出す。

スポーツバッグは玄関に置き、長袖シャツを腕捲りして朝の身支度が完全に整っている爽やか幼馴染みは、半袖シャツが捲れて覗く幸太のお腹にするりと両手を回した。

「部活前に幸太の顔見れたら一日頑張れそうかなって」

大和の言葉をやっとまともに理解した幸太は赤面する。

「……一日って、午前中のみだろ、大袈裟なんだってば」
「寝起きの幸太、ちょっと生臭いのな」
「生臭い!? このッ……あっち行け!! さっさと部活行け~~!!」
「うそだって。何だか小さい頃と同じ匂いがする」
「っ……あ、ちょっと……どこ触ってんだぁ……っ」
「午前中のヤル気、幸太からチャージさせてくれ」
「やだやだやだやだ……やだってばぁ……もぉっ……うぉいこらぁっ……あ~~も~~……!!」


→果たして大和はチャージで済むのか、それとも部活に遅刻するのか、またはサボってしまうのか。

→もしくは真っ当なチャージで済ませて大和は部活へ向かい、一人残された幸太は幼馴染みが会いにくるまで悶々とした半日を過ごすのか。

→あるいは不用心だから戸締りするよう言いに戻った大和に、ひとりえっちを目撃されて、そのままふたりえっちに突入するのか。

→→とにもかくにも恋人になった幼馴染み同士の夏休みはまだまだ始まったばかり←←


end
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