10年前に戻れたら…

かのん

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再会④

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「はは…敦子ちゃんには何でも話せちゃうな。」




「あ、いや、その…」




「うん、まぁ、そんなんだ。本当は昨日その人と10年前に会う約束してたんだけど…1度も公園に来なかったな。」





「そうなんですか…」




来なくても10年も待っていた恭平はどんな気持ちだったのかな




「10年目の昨日会えたらプロポーズしようと思ってた。」




だから昨日スーツだったんだ




「10年も思い続けるなんて…女々しいというかなんというか…」




「そんなことないです!」




敦子が大声で言ったため、恭平は驚いていた。




「だって…10年も思い続けて、来るか来ないかの人を待つのは…すごいと思います。」




恭平が思い続けることを否定したら、敦子も自分のことを否定することになる。





だって敦子だって、ずっと話したこともない、一年で一度しか会わない恭平を思ってきたからだ。






「ありがとう。そうだね、そういわれて嬉しいよ。」




敦子はほっとした。





「敦子ちゃんは片想いしたことあるんだね。」



「え!?いやいや、私は、その…」




敦子はタジタジになりながら答える。





「そっか…でも敦子ちゃんは可愛いし、彼氏いるんだろうな。」





「彼氏なんていません!」





「本当!?じゃあデートする?」





「…えぇぇぇえ!?」



恭平とデートするなんて夢のようだけど…




なんか思っていたようなキャラと違うような?




「あはは、冗談ですよね?」





「冗談じゃないよ。本気だよ?敦子ちゃん可愛いし、優しいし。」




恭平がじっと敦子の顔を見つめながら言う。





「え?いや、あの…」



「嫌?」




「嫌とかじゃなくて、嬉しいけど、でも恭平さん失恋したばかりですよね?」





「…俺はもう10年前にとっくに振られているよ。」





とっくに振られていても10年間いつも公園にきていたくせに…




















「俺、結婚するんだ。」
















「は!?」




話の展開についていけない。





「親父が決めた人と…病院をもっと大きくするために…だから敦子ちゃん、彼女の役やってくれない?」




「彼女の…役?」





「親父に紹介が終わったら、ご飯おごるよ。」





ああ、そういう意味のデートね。





でも恭平にもっと近づけるチャンスだ。






「じゃあ、今度の土曜日1時に病院にきてくれる?」




二人はすでに敦子の家に着いていた。





「はい!」





「あと、敬語なしね。名前も好きに呼んでいいから。」



「わかった…デス。」





「ハハ、じゃあ土曜日よろしくね、あっちゃん。」





恭平は敦子に背を向けて歩き出す。





「き、きょうちゃん!」





恭平は目を丸くして振り返る。





「またね!」





夕日で敦子の顔はあまり見えなくてシルエットになっていた。
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