10年前に戻れたら…

かのん

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婚約者

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次の恭平の休みの日に会うことになった。




待ち合わせはあの公園。




二人きりだからデートみたいな感じだ。






でも大好き人が想っているのを探すのは、ちょっと切ない。




それでも敦子にとっては恭平と一緒にいられることが嬉しかった。




「敦子、湿布いる?」



「お母さん、ありがとう。」




「貼ってあげようか?」




「大丈夫だよー子供じゃないんだし。」




「服出しっ放しじゃないーデートでもするの?」




「え!?」




「その反応はデートなのねーこうちゃんとついに?」



「こうちゃんじゃないよ。」




「…じゃあ薔薇の人だ。」




「え?」




敦子は誕生日の日に恭平から薔薇をもらったことを思い出した。




「あ…うん。でもデートじゃなくて私の片想いなんだ。」




「そっか…でも今度紹介してね!」



「うん。でも服が決まらない。どうしようー」





「ふふ、じゃあ私の服はどう?」




「え?いいの?」




「好きなの選んでいいよ。」




敦子は母親のクローゼットから服を選ぶ。




「えーどんなのがいいかな。」



「これがいい!」




敦子が選んだのは淡いピンクのワンピースだった。




「あ…」





「え?これ借りちゃダメ?」




「えっと…これね、ここにシミがあるの。」




「え、本当だ。可愛いのにもったいないなぁ。シミ取りしなかったの?」



「うん、これもまた思い出なのよ。あ、これどう?」




「白のワンピもいいね!じゃあこれ貸してね!」




「私みたいに汚さないでね。」





「うん、大事にする。お母さんありがとう!」




敦子は嬉しそうにワンピースを抱えて自分の部屋に戻る。




母親は敦子が最初に手に取ったピンクのワンピに触れる。



「思い出…か…」




母親はクローゼットの中に閉まってある段ボールに手を伸ばす。




「お母さん、裾がほつれてる!」





「あ、ハイハイ!裁縫箱出してあげるから自分でやりなさい。」






「えーーー」





母親は伸ばした手を下ろして敦子の部屋へ向かった。







待ち合わせ当日




「行ってきます?」




敦子はルンルン気分で玄関を開けた。





公園から家までは徒歩10分くらいで、敦子は待ち合わせの一時間前に出た。




家でソワソワと待つよりは天気もいいので公園のベンチで待つことにした。




白いワンピースの上にリボン付きのトレンチコートをきて、女の子らしい格好だった。



敦子が公園に着くとすでにベンチで誰かが座っている。




いつも誰もいない公園。




いつも恭平が座っていた場所に今日は女性が座っている。





「あ…」




敦子が近づくと座っていた女性がたちあがる。




20代前半ぐらいだろうか、いかにもお嬢様というオーラだ。
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