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第03章 20枚の地図~護衛依頼編
第13話 お宝発見?
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地図が示す✖印。
何の地図かは分からない。
実際に何かがあるかどうかも分からない。既に、先に誰かに取られているかもしれない。
でも、宝の地図って浪漫じゃないか。
それで、宝の地図の場所に来ている訳なんだけど、何も無さそうなんだ。
「エイジ、付いて来いと言うから一緒に来たが、何があると言うのじゃ」
「俺にも分からないんだ。何か良い物があると思うんだけど、あるかどうかも分からないんだ」
「なんじゃそれは。それなら妾は向こうで楽しそうな事をしておるようじゃから、そっちに行くとするかのぅ」
「向こう?」
「なにやら人間共が争っておるのじゃろ? 妾も参加してくるとしようかのぅ」
それはダメだろ! お前はただ暴れたいだけじゃないの?
「それはダメだよ! そんな事をしたら討伐対象にされちゃうぞ。クラマだって怪我をするかもしれないだろ。そんな事より、この辺りに何かあるはずなんだよ。そんな物騒な事を言ってないで一緒に探してよ」
「そんなものはエイジのいつもの魔法で探してしまえば良いのではないか」
あ、確かに。でも、いくら衛星でも分かるのかなぁ。
《衛星。この地図で印してあるものを探してくれる? 持って来れるんなら持ってきてほしいんだけど。できる?》
『Sir, yes, sir』
やっぱり衛星だ、頼りになるね。
でも、これって、ここに来なくても衛星に頼めば全部集めてくれるとか……いやいや、それじゃ浪漫にならないよ。まずは現場に行かないとね。
だったら自分で探せって? 探したいけど、まったく手がかりが無いんだよ。周りには手掛かりになるような印も無いし、周りには木が所々生えてるだけだし。探しようが無いんだよ。
コトン
え? 箱?
衛星が箱を運んで来た。
木箱? 鉄箱? 金色の装飾を施された箱。見た目は直方体だな。宝箱なら蓋の部分が盛り上がってるけど、蓋も四角い箱だった。
鍵が付いてるな。閂が付いてる海老錠とか舟形錠って呼ばれる大きな鍵。あ、でも、鍵の解除までやってくれてる。さすが衛星、サービスがいいね。
でも、どこにあったんだろ? あっ、あの斜面のとこ、大きな岩の根元の所に穴が掘ってある。
あんな所にあったのか。地図に大岩は書いてあるけど、✖印の位置と全然違うんだけど。
あれじゃ俺には分からないよ。でも今後の参考にしよう。
箱に近寄って、まずは叩いてみた。
どうも木の箱みたいだけど、薄い金色の鉄板で装飾してあるみたいだ。全然錆びてないって事は最近隠された物なのかな? それともこの世界の事だから、魔法で錆びないようにしてあったとか?
クラマとマイアが見守る中、ゆっくりと箱を開けた。
「むっほー、美味そうじゃのぅ」
そう言って手を出そうとしたクラマの手を掴んで止めた。
「何言ってんの! 美味そうじゃないし! 卵だからってこれは食べないよ」
そう、箱の中には卵が一個入っていた。
周りには高級で柔らかそうな生地が敷き詰められていて、卵が割れないように大事に入れられていた。
大きさは鶏卵の倍ぐらい。高さが十センチちょっとある。大きさだけならダチョウの卵だと言われても信じるかもしれない。
色は黄色で青くて大きな斑点が付いている。その斑点だけど、星型に見えなくもない。
「食べないのならどうするのじゃ」
「孵化できないかな。せっかく見つけたんだ、どんなのが孵るか見てみたいじゃん」
「それでどうするのじゃ、育てるのか? 魔物だったらどうする気なのじゃ。それでも育てるのか?」
「魔物って育てちゃだめなのかな?」
魔物にだって可愛いのがいるじゃん。だってこんなに可愛いタマゴなんだよ、可愛いのが生まれるって。
「それはエイジ次第じゃ。ゾンビが生まれたとて育てると言うのじゃな?」
「うぐっ、ゾンビ……そ、育ててやるさ。浪漫のためだ、絶対育ててやるよ」
ゾンビかぁ…いや、男の浪漫の宝の地図で見つけたタマゴなんだ! ゾンビなわけがないよ。
そもそも、ゾンビって卵から生まれるのか?
「ゾンビって卵から生まれるの?」
「生まれぬ。ゾンビは魔素の濃い場所で死んだ動物が魔物化したものじゃ。ゾンビが卵から生まれる訳が無かろう」
「だって! 今クラマが!」
「何か言うたかえ?」
「むぐぐぐ……もういい! それで卵ってどうやって孵化させるの? やっぱり温めるとか?」
「知らぬ」
いや、知らぬって…そこまで偉そうに言うんだったら知ってると思うじゃん!
役に立たねーな。
「マイアは知らない?」
「卵の孵し方ですか、知りませんね。でも、この卵ですが、どこかで見た事があるような気がするのです」
「ホント? どこで見たの?」
「それが……思い出さないのです。私の思い違いかもしれませんね」
「まさか、ゾンビの卵なんて言わないよね?」
「ゾンビはタマゴから生まれません。やっぱり私の思い違いですね」
それはクラマからもさっき聞いたね。マイアの得意は植物系だけど、森の精霊だったら森の動物にも詳しいかも。
「森の動物の中で卵から生まれるって鳥とか? そう、普通に鳥の卵じゃないの?」
「そんな大きな卵の鳥はいません。しかもその斑点。その特徴的な斑点に見覚えがあると思ったのですが、やはり何も思い出しません」
「そう。何か思い出したら教えてね」
「わかりました」
天馬達にも聞いてみたが、卵の正体は何も分からなかった。
だったら孵化させてみれば分かるじゃん!
《衛星! 抱っこ紐を作ってよ。寒い冬でも防寒してる暖かいやつがいい、この卵を俺が抱いて温めるからサイズも考えてね。できる?》
『Sir, yes, sir』
パサ
衛星が抱っこ紐を作ってくれた。お母さんが赤ちゃんを抱くようなやつ。
俺は抱っこ紐を装着し、卵を抱っこ紐に押し込み落ちないように調整した。
暑っ! 今の気候は春から夏の間って感じだもんな。これは暑いわ。でも、浪漫の為だ。がんばろう。
じゃあ、次は二枚目の地図だ。Bポイントに向かおう。
卵が入っていた箱は収納バッグに収納した。小さいからポーチなんだけど、収納バッグの方が異世界って感じがするからそう言うようにしてるんだ。キッカ達も収納バッグって言ってるしね。
「クラマ、次はあっちに向かうんだけど、今どんな状態かわかる? さっき人間が争ってるって言ってたけど、まだ争ってる?」
クラマは周囲の気配を感じ取るためか、上を見上げ目を閉じて集中していた。
「今は静かじゃのぅ。気配は感じるが争ってはおらぬの。天馬の足なら一気に抜けられるかもしれぬな」
そうか、今は戦闘を休憩しているのかもしれないな。だったらクラマが言うように天馬で一気に駆け抜けた方がいいかも。
「わかった、クラマありがとう。じゃあ、一気に駆け抜けようか」
俺達はそれぞれ天馬に乗り、次のBポイントに向かって走り出した。
「おっ! エイジ、待つのじゃ」
衛星の作ってくれた地図を見る限り、ここが戦地の最前線だと思われる辺りに来た時、クラマが声を上げた。
え? なになに? どうしたの?
「クラマ?」
「……しばし待て」
「いや、今お前が……」
「うるさいのじゃ! 集中できんであろうが。少し黙っておれ」
……俺が、主だよね?
「マイア?」
「私も集中したいので、少し静かにしていてください」
……グスン。
「ノワール、二人共集中したいんだって。少し止まって待とうか」
『御意!』
「ヴァイスとブランシュもノワールと一緒にここにいよう」
『『御意』』
うん、いい返事だ。俺が主って実感できるよ。
クラマも見習ってほしいよね。マイアは言葉使いはいいんだけど、俺の扱いはクラマと変わらないからね。
待つ事五分。ようやくクラマが口を開いた。
「エイジ、其方何かしたか?」
「え?」
お前が待てって言うから待ってるんだけど。
「そうですね、エ・イジ。野営の時も思っていましたが、何かしてますか?」
別に何もしてませんが。衛星に守ってもらってるだけですよ。
「えっと、どういう事かな? 二人を待ってるだけだけど、何かしてるように見える?」
「見えぬ」
「見えませんね」
「何か分からないけど、もういいんなら出発しようよ」
納得いかない表情の二人だけど、いつまでもここにいる訳にはいかないので、出発する事にした。
戦闘が始まったら大変だからね。
そこからは快調で、Bポイントまで三十分も掛からなかった。ホント天馬って速ぇーよ。
たぶん、普通の馬なら二時間ぐらい掛かったんじゃないかな、俺の憶測だけど。
でも、今回の護衛で馬車の速さが身についたし、馬はそれより速いけど、それを考えても大体合ってるんじゃないかな。
ここの地図は分かり易かった。
大きな樹と祠の絵があって、✖印が付いている。
だったら、この辺の近くに大きな樹があって、そこに祠があるんだろう。
大きな樹はすぐに見つかった。しかし祠が無い。
一応探したんだよ? ノワールに乗って走り回ったり、降りて自力でも頑張ったんだ。
マイアには樹に問いかけてもらって聞いてもらったり、クラマにはこの辺りにいる動物に探させたりしたんだ。でも、見つからなかったから最後は衛星だよ。
樹の根元を三メートル掘った所から祠が出て来た。
地図があって、その地図を何人もが見ていて宝が残ってるんだから、誰も探せなかった所にあるのは分かるけど、これは見つからないよ。
他の地図もこうなんだろうか。
衛星が祠を掘り起こしてくれて、祠は今、地上にある。
人が入れない程小さな祠だった。中を覗いてみると、鍵が祀られていた。
これって取ってもいいのかな? なんかヤバそうなんだけど。
「クラマ、この鍵って何か分かる?」
「知らぬ」
もうちょっと考えろよ。
「マイアは?」
「私も分かりません」
「取ってもいいと思う? 何かが悪い霊が封印されてるとか無い?」
「そのような結界は感じません」
「そうじゃ、結界があれば祠にも触れられぬのじゃ。鍵が取れるという事は封印などされておらぬという事じゃ」
結界は無かったって事? でも、何か忘れてるような……
ま、いいか。何かあってもこの二人がいるんだし、大丈夫だろ?
鍵を取って、祠も収納バッグに収納。何かに使えるとは思えないけど、祠をこのままにはしておけなかったんだよね。捨てる事もできないし、燃やすとバチが当たりそうだし。収納バッグから出す事は無いかもしれないけど、収納しておいた。
ここも完了だね。二日丸々掛かると思ってたけど、凄く順調だ。
このまま最後のCポイントまで行ってみようか。
「エイジ、腹が減ったのじゃ」
「そうですね、食事にしましょう」
そう言えば、俺もお腹が空いたな。
食事をしながら地図の確認でもしますか。
でも、卵と鍵ってお宝と言えるの?
何の地図かは分からない。
実際に何かがあるかどうかも分からない。既に、先に誰かに取られているかもしれない。
でも、宝の地図って浪漫じゃないか。
それで、宝の地図の場所に来ている訳なんだけど、何も無さそうなんだ。
「エイジ、付いて来いと言うから一緒に来たが、何があると言うのじゃ」
「俺にも分からないんだ。何か良い物があると思うんだけど、あるかどうかも分からないんだ」
「なんじゃそれは。それなら妾は向こうで楽しそうな事をしておるようじゃから、そっちに行くとするかのぅ」
「向こう?」
「なにやら人間共が争っておるのじゃろ? 妾も参加してくるとしようかのぅ」
それはダメだろ! お前はただ暴れたいだけじゃないの?
「それはダメだよ! そんな事をしたら討伐対象にされちゃうぞ。クラマだって怪我をするかもしれないだろ。そんな事より、この辺りに何かあるはずなんだよ。そんな物騒な事を言ってないで一緒に探してよ」
「そんなものはエイジのいつもの魔法で探してしまえば良いのではないか」
あ、確かに。でも、いくら衛星でも分かるのかなぁ。
《衛星。この地図で印してあるものを探してくれる? 持って来れるんなら持ってきてほしいんだけど。できる?》
『Sir, yes, sir』
やっぱり衛星だ、頼りになるね。
でも、これって、ここに来なくても衛星に頼めば全部集めてくれるとか……いやいや、それじゃ浪漫にならないよ。まずは現場に行かないとね。
だったら自分で探せって? 探したいけど、まったく手がかりが無いんだよ。周りには手掛かりになるような印も無いし、周りには木が所々生えてるだけだし。探しようが無いんだよ。
コトン
え? 箱?
衛星が箱を運んで来た。
木箱? 鉄箱? 金色の装飾を施された箱。見た目は直方体だな。宝箱なら蓋の部分が盛り上がってるけど、蓋も四角い箱だった。
鍵が付いてるな。閂が付いてる海老錠とか舟形錠って呼ばれる大きな鍵。あ、でも、鍵の解除までやってくれてる。さすが衛星、サービスがいいね。
でも、どこにあったんだろ? あっ、あの斜面のとこ、大きな岩の根元の所に穴が掘ってある。
あんな所にあったのか。地図に大岩は書いてあるけど、✖印の位置と全然違うんだけど。
あれじゃ俺には分からないよ。でも今後の参考にしよう。
箱に近寄って、まずは叩いてみた。
どうも木の箱みたいだけど、薄い金色の鉄板で装飾してあるみたいだ。全然錆びてないって事は最近隠された物なのかな? それともこの世界の事だから、魔法で錆びないようにしてあったとか?
クラマとマイアが見守る中、ゆっくりと箱を開けた。
「むっほー、美味そうじゃのぅ」
そう言って手を出そうとしたクラマの手を掴んで止めた。
「何言ってんの! 美味そうじゃないし! 卵だからってこれは食べないよ」
そう、箱の中には卵が一個入っていた。
周りには高級で柔らかそうな生地が敷き詰められていて、卵が割れないように大事に入れられていた。
大きさは鶏卵の倍ぐらい。高さが十センチちょっとある。大きさだけならダチョウの卵だと言われても信じるかもしれない。
色は黄色で青くて大きな斑点が付いている。その斑点だけど、星型に見えなくもない。
「食べないのならどうするのじゃ」
「孵化できないかな。せっかく見つけたんだ、どんなのが孵るか見てみたいじゃん」
「それでどうするのじゃ、育てるのか? 魔物だったらどうする気なのじゃ。それでも育てるのか?」
「魔物って育てちゃだめなのかな?」
魔物にだって可愛いのがいるじゃん。だってこんなに可愛いタマゴなんだよ、可愛いのが生まれるって。
「それはエイジ次第じゃ。ゾンビが生まれたとて育てると言うのじゃな?」
「うぐっ、ゾンビ……そ、育ててやるさ。浪漫のためだ、絶対育ててやるよ」
ゾンビかぁ…いや、男の浪漫の宝の地図で見つけたタマゴなんだ! ゾンビなわけがないよ。
そもそも、ゾンビって卵から生まれるのか?
「ゾンビって卵から生まれるの?」
「生まれぬ。ゾンビは魔素の濃い場所で死んだ動物が魔物化したものじゃ。ゾンビが卵から生まれる訳が無かろう」
「だって! 今クラマが!」
「何か言うたかえ?」
「むぐぐぐ……もういい! それで卵ってどうやって孵化させるの? やっぱり温めるとか?」
「知らぬ」
いや、知らぬって…そこまで偉そうに言うんだったら知ってると思うじゃん!
役に立たねーな。
「マイアは知らない?」
「卵の孵し方ですか、知りませんね。でも、この卵ですが、どこかで見た事があるような気がするのです」
「ホント? どこで見たの?」
「それが……思い出さないのです。私の思い違いかもしれませんね」
「まさか、ゾンビの卵なんて言わないよね?」
「ゾンビはタマゴから生まれません。やっぱり私の思い違いですね」
それはクラマからもさっき聞いたね。マイアの得意は植物系だけど、森の精霊だったら森の動物にも詳しいかも。
「森の動物の中で卵から生まれるって鳥とか? そう、普通に鳥の卵じゃないの?」
「そんな大きな卵の鳥はいません。しかもその斑点。その特徴的な斑点に見覚えがあると思ったのですが、やはり何も思い出しません」
「そう。何か思い出したら教えてね」
「わかりました」
天馬達にも聞いてみたが、卵の正体は何も分からなかった。
だったら孵化させてみれば分かるじゃん!
《衛星! 抱っこ紐を作ってよ。寒い冬でも防寒してる暖かいやつがいい、この卵を俺が抱いて温めるからサイズも考えてね。できる?》
『Sir, yes, sir』
パサ
衛星が抱っこ紐を作ってくれた。お母さんが赤ちゃんを抱くようなやつ。
俺は抱っこ紐を装着し、卵を抱っこ紐に押し込み落ちないように調整した。
暑っ! 今の気候は春から夏の間って感じだもんな。これは暑いわ。でも、浪漫の為だ。がんばろう。
じゃあ、次は二枚目の地図だ。Bポイントに向かおう。
卵が入っていた箱は収納バッグに収納した。小さいからポーチなんだけど、収納バッグの方が異世界って感じがするからそう言うようにしてるんだ。キッカ達も収納バッグって言ってるしね。
「クラマ、次はあっちに向かうんだけど、今どんな状態かわかる? さっき人間が争ってるって言ってたけど、まだ争ってる?」
クラマは周囲の気配を感じ取るためか、上を見上げ目を閉じて集中していた。
「今は静かじゃのぅ。気配は感じるが争ってはおらぬの。天馬の足なら一気に抜けられるかもしれぬな」
そうか、今は戦闘を休憩しているのかもしれないな。だったらクラマが言うように天馬で一気に駆け抜けた方がいいかも。
「わかった、クラマありがとう。じゃあ、一気に駆け抜けようか」
俺達はそれぞれ天馬に乗り、次のBポイントに向かって走り出した。
「おっ! エイジ、待つのじゃ」
衛星の作ってくれた地図を見る限り、ここが戦地の最前線だと思われる辺りに来た時、クラマが声を上げた。
え? なになに? どうしたの?
「クラマ?」
「……しばし待て」
「いや、今お前が……」
「うるさいのじゃ! 集中できんであろうが。少し黙っておれ」
……俺が、主だよね?
「マイア?」
「私も集中したいので、少し静かにしていてください」
……グスン。
「ノワール、二人共集中したいんだって。少し止まって待とうか」
『御意!』
「ヴァイスとブランシュもノワールと一緒にここにいよう」
『『御意』』
うん、いい返事だ。俺が主って実感できるよ。
クラマも見習ってほしいよね。マイアは言葉使いはいいんだけど、俺の扱いはクラマと変わらないからね。
待つ事五分。ようやくクラマが口を開いた。
「エイジ、其方何かしたか?」
「え?」
お前が待てって言うから待ってるんだけど。
「そうですね、エ・イジ。野営の時も思っていましたが、何かしてますか?」
別に何もしてませんが。衛星に守ってもらってるだけですよ。
「えっと、どういう事かな? 二人を待ってるだけだけど、何かしてるように見える?」
「見えぬ」
「見えませんね」
「何か分からないけど、もういいんなら出発しようよ」
納得いかない表情の二人だけど、いつまでもここにいる訳にはいかないので、出発する事にした。
戦闘が始まったら大変だからね。
そこからは快調で、Bポイントまで三十分も掛からなかった。ホント天馬って速ぇーよ。
たぶん、普通の馬なら二時間ぐらい掛かったんじゃないかな、俺の憶測だけど。
でも、今回の護衛で馬車の速さが身についたし、馬はそれより速いけど、それを考えても大体合ってるんじゃないかな。
ここの地図は分かり易かった。
大きな樹と祠の絵があって、✖印が付いている。
だったら、この辺の近くに大きな樹があって、そこに祠があるんだろう。
大きな樹はすぐに見つかった。しかし祠が無い。
一応探したんだよ? ノワールに乗って走り回ったり、降りて自力でも頑張ったんだ。
マイアには樹に問いかけてもらって聞いてもらったり、クラマにはこの辺りにいる動物に探させたりしたんだ。でも、見つからなかったから最後は衛星だよ。
樹の根元を三メートル掘った所から祠が出て来た。
地図があって、その地図を何人もが見ていて宝が残ってるんだから、誰も探せなかった所にあるのは分かるけど、これは見つからないよ。
他の地図もこうなんだろうか。
衛星が祠を掘り起こしてくれて、祠は今、地上にある。
人が入れない程小さな祠だった。中を覗いてみると、鍵が祀られていた。
これって取ってもいいのかな? なんかヤバそうなんだけど。
「クラマ、この鍵って何か分かる?」
「知らぬ」
もうちょっと考えろよ。
「マイアは?」
「私も分かりません」
「取ってもいいと思う? 何かが悪い霊が封印されてるとか無い?」
「そのような結界は感じません」
「そうじゃ、結界があれば祠にも触れられぬのじゃ。鍵が取れるという事は封印などされておらぬという事じゃ」
結界は無かったって事? でも、何か忘れてるような……
ま、いいか。何かあってもこの二人がいるんだし、大丈夫だろ?
鍵を取って、祠も収納バッグに収納。何かに使えるとは思えないけど、祠をこのままにはしておけなかったんだよね。捨てる事もできないし、燃やすとバチが当たりそうだし。収納バッグから出す事は無いかもしれないけど、収納しておいた。
ここも完了だね。二日丸々掛かると思ってたけど、凄く順調だ。
このまま最後のCポイントまで行ってみようか。
「エイジ、腹が減ったのじゃ」
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