衛星魔法は最強なのに俺のレベルが上がらないのは何故だろう

うしさん

文字の大きさ
96 / 224
第06章 伝説の剣

第05話 ユーの決意

しおりを挟む
 ハイグラッド経由で王都から戻って三日目の朝、目覚めると卵が割れていた。
 ハイグラッドの町の近くのダンジョンでゲットした卵が孵ったみたいだ。

 おお! また衛星が何か進化するのかな? 明るさからいくとまだ夜明け前って感じ? 夕方じゃないと思うけど、ずっと寝てたからどっちか分からないな。
 で、いつもなら雑魚寝だけど、誰もいないって事は、前回同様また衛星が入れなくしたのかな?

「えーと、タマちゃん? アップデートできたのかな?」
「はい、アップデート完了しました」
 お! 大阪弁じゃなくなってる? ちょっと機械っぽくて冷たい感じがするけど、大阪弁より万倍はいいね。

「じゃあ、名前も変わった? タマちゃんって呼ぶのが恥ずかしいんだけど」
「いいえ、名前はそのままです」
「……そ、そうなんだね」

 ま、声に出さなくても話せるようになってるし、人前でいる時は声を出さなければいいんだよな。

「それで、何が変わったの?」
「言語と魔物使いテイマー能力が増えました」
 テイマーって……そんなの今までもあったような気がするんだけど。トレントなんか俺の奴隷になってるんだし、それってテイマーの能力じゃないの?

「それに伴い名付け能力も強化されました」
 それも持ってたよ。っていうか、持って無くても名付けはできたけど。強力ってどれぐらいかよく分からないけど、特に必要性は感じないね。

「あっ、それならさ、ユーに付いてる、俺の従者って称号を外してやれない?」
「本人が望むのであれば可能です」
 おお! そこは良かった。今回のアップデートでの収穫は大阪弁じゃなくなった事と、ユーの称号をはずしてやれる事だな。

 今が何時かよく分からないけど、周りの静けさからすると夜中のようだし、目が覚めちゃったから鍛錬にでも行こうかな。

 あと、今日から日記を付けるようにしよう。
 この世界に来てから、どういう事をして来たのかちゃんと書いておかないと何年か後には忘れちゃうかもしれないからな。
 今までの事も思い出せる所は思い出して纏めておこう。

「タマちゃん、日記帳を作ってよ。今日までの事を分かる範囲で書き足してくれると助かるな」

『Sir, yes, sir』

 え? 戻った? いやいや、さっき話せてたから大丈夫だ。返事だけだろう。

 パサッ

 出してくれた日記帳を確認。
 前半ページはびっしりと記入済みだった。
 さすが衛星、しっかりと纏めてあり、この世界に来てから今までどういう事をしてきたのか、毎日一ページにしっかりと纏めてあるね。これって、俺が今日から日記を付ける意味ってあるの?

 いやいや、自分で書く事に意味があると思う。自分で書くと感情も入るからね。
 衛星のは日記と言うより記録帳みたいだし、今日からは自分で書くようにしよう。

 さて、魔道具で確認したらやっぱり明け方前だった。日記はもう書いてあるし、やっぱり鍛錬に行くとするか。
 鍛錬も、出来る時は毎日でもやる事に意味があると思うんだ。熟練度? 関係ないね。俺が満足できればいいんだよ。あ、あと、王都の雑貨屋で買った魔法書も契約しとこ。契約する時に凄く光るから中々街中ではできないんだよな。ダンジョンではいっぱいいっぱいだから忘れてたしね。衛星に複製もしてもらって原本は置いておきたいね。


 いつも鍛錬してる山の麓に来ると、先に魔法書の契約を済ませた。
 全部で十冊。先に衛星に複製してもらって、魔法書との契約をした。
 契約の時に、また凄い光を放った。
 周りに樹が生い茂ってるから誰にも気づかれないはず。

 魔法書は空間魔法と重力魔法と付加魔法書だった。
 上中下巻の三冊でワンセットだったようで、契約すると三冊が一気に消えてなくなった。
 あの雑貨屋のおばさんが続きものだと言ってたのも、あながち間違いじゃなかったんだな。
 ただ、その内容は三冊分に相当するほど大したもので、空間魔法では結界を作れたり、空中に足場を作れたりする魔法で、使う人によっては凄く重宝する魔法だと思う。

 重力魔法は自分の体重の増減や、相手に重力攻撃をかける魔法。もしかしたら、この世界ではレアな魔法かも。キッカ達が起きてきたら聞いてみよ。

 残りの四冊は付加魔法。属性の効果を物に貼り付ける魔法だ。
 例えば剣に炎属性を付けてファイアソードとか、鎧に回復を付加してリジェネアーマーとか、やりようによっては色んなパターンができると思う。

 これは四冊セットで、契約すると一気に四冊が消えて、知識として消えて俺の中に宿った。

 今までの火や水の魔法書って初級から基礎が身について、中級、上級になるに従ってドンドン強力な魔法になっていくものだったけど、今回の魔法書は一気に覚えないとダメみたいだ。
 例えば空間魔法だと、一つ一つの術の強弱というよりは、術の種類がそれぞれ違うのでその為に魔法書を基礎と種類に分けてる感じだった。

 上巻で基礎、中巻で種類、下巻で調整や応用といった感じだった。
 付加魔法書が一冊多いのは基礎編が素材の事もあったりと長いというのもあるけど、消去デリートの書があったからだった。付加効果は消す事もできるんだな。

 ただ、俺にはやっぱり関係ないな。衛星がいるからね。全部、今まで衛星にお願いしてきた事を今更自分で持ったからと言って、使わないだろうな。今は心の中で考えるだけで衛星と意思疎通ができるようになったから、やっぱり衛星にお願いするだろうな。

 でも、魔法を使うってロマンがあるじゃん。持ってて損は無いんだし、箔もつくよね? 一応、Aランクの国家公認冒険者なんだから、見せるためにも持ってた方がいいと思う。だから無駄じゃないんだけど、ちょっと空しい。

「エイジ」

 ドキーッ!

 バッっと振り返ると、そこにはユーがいた。たぶん、五○センチは飛んだと思う。
 ビックリしたー。誰もいないと思ってたから、こんな所で声を掛けられるとは思ってなかったから驚いて飛び上がっちゃったよ、恥ずかしいとこ見られちゃったな。

「ビックリしたー。ユーか、どうしたの?」
「そんなに驚かなくても」
「いや、ビックリするって。皆、寝てると思ってたし」

 こういうのって衛星は教えてくれないからな。今覚えた空間魔法で範囲検知ってあるみたいだから、こういうのを使えば分かるのかな。
 それより、衛星に教えてくれって言った方が早そうだけど。

「何やってたの?」
「うん、今は魔法書との契約。それが終わったんで今から弓の稽古でもしようと思ってたんだ」
「魔法書との契約?」
「あ、ユーは初めから色んな魔法が使えてたんだね。この世界では普通、魔法書を読んで理解するか、魔法書と契約して覚えるんだけど、契約の場合は魔法書が取り込まれるから無くなっちゃうんだよ」
「ふ~ん」

 ま、ユーの場合、チート勇者だもんな。転生の王道だから魔法も全部元々持ってたし、魔法の覚え方なんて知らなくても仕方ないか。称号が【勇者の卵】だった時から持ってたもんな。

「さっき確認したんだけど、ユーの称号にある俺の従者ってやつ、あれって消せるみたいなんだけどユーも願ってくれないと消えないみたいなんだ。俺の従者を辞めたいって願ってくれない?」
「……迷惑?」
「え?」
「私の称号にエイジの名前が付いてるのって迷惑?」
「いや、そういう問題じゃなくて、従者って称号が嫌じゃないのかって思うんだけど」
「私は嫌じゃないよ。何か恩恵もあるみたいだしさ、エイジの物って感じで嬉しいの。そういうのって迷惑だったりする?」

 い~え~、全然迷惑じゃありません! そう思ってくれてるだけで最高に嬉しいっす!

「でも、いいの? 嫌になったらいつでも言ってよ、解除はできるみたいだからさ」
 ニヤける~。これってモテてるんだよね。今までの俺には考えられないよ、なんかどんでん返しがありそうで怖いけど、今は幸せに浸っていたい。
 脱DTするとこんな事になるの? モテ期到来?

「うん、大丈夫。それで魔法ってどんなのがあるの?」
「空間魔法と重力魔法と付加魔法だよ。ユーもいる?」
「うん! ほし~!」

 くっ、可愛い…俺もユーに惚れちゃったかな。だって、胸は大きいし、可愛いし、俺には勿体無いぐらい素敵だよ。なんで、この前突き放すような言い方をしちゃったのかな。今の俺の気持ちから考えられない事をしたよな。
 今でも【星の家】や【星菓子】が大事な事には変わりが無いけど、他にも言い方があったよな。反省だ。

 早速、衛星に頼んで魔法書を出してもらって、ユーも魔法を会得した。
 魔法書との契約を終えると、俺の横にユーが並んで座った。

 広いんだからくっつかなくてもいいじゃない、なんて事は思いません。たぶん、今の俺ってずっとニヤけてると思う。
 ここは二人きりなんだし、キスぐらいはしてもいいのかな? って考えてると、ユーから話し掛けてきた。

「あのね」
「うん」
 ユーと見つめ合う俺。
 いい雰囲気だし、これはやっぱりキスの流れ? こういう雰囲気でキスなんかしたこと無いからドキドキしちゃうね。
 DTじゃなくなったとは言っても、こういう段階は踏んでないからね。

「私さ、やっぱり『伝説の剣』を探しに行こうと思うの」
「え?」
 キスじゃなくてカミングアウトなの? この雰囲気で?

「エイジの事は好きよ。魔族から助けてもらった恩も感じてるし、レベリングに関してはクラマさんとマイアさんのお陰もあるけど、エイジの仲間だったから私に協力してくれたんだと思ってるわ。そんな事は関係なく、出会ってから王都に着くまでにエイジの事は好きになってた。でもね、異世界に来てチートな能力を持ってるんだから、今の自分の力を試したいって思っちゃうの。エイジに助けてもらって時には12だったレベルがもう70を超えたのよ。冒険者たちのレベルも見てみたけど、レベル70を超える人ってプリとシェルとここにいた三人ぐらいしか見た事も無いし、私より上のレベルの人と比べても遥かに私のステータスの方が上なのよ。これなら軽く魔王でも倒せそうな気がするじゃない」

「だから武器を探しに行くの?」
「うん、もうエイジにもらった武器だと私の力について来れないみたいなの」
「じゃあ、強い武器があれば、探しに行かない?」
「…エイジだったら用意できそうね。でもね、そうじゃないのよ。探す苦労をする所からが勇者の務めだと思うの。だから……行ってもいいかな」
「もしかして、この前行った事を気にしてる? だったら俺も一緒に行くよ。【星菓子】の様子とか、領主様や商業ギルドの挨拶が終わったら俺も行けるから、少し待っててよ。一日か二日で終わらせるから」

 まだ王都から戻って来てから冒険者ギルドぐらいしか挨拶に行ってないからな。もう、戻って来てる事は分かってるかもしれないけど、挨拶には行っておかないとね。

「それはいいの、エイジの言葉も気にしてないよ。私一人で行きたいだけなの。自分の腕を試してみたいのよ」
「一人? それはダメだよ、危険すぎる。何かあっても一人じゃ誰もフォローできないじゃないか。あっ、プリとシェルが一緒に行くからそれは問題ないのか」
「ん~ん、シェルはもうちびっ子達にメロメロで一緒には行かないと思うわ。プリもヤスさんにゾッコンみたい。あの二人、ここに永久就職するんじゃないかしら」

 俺が見てない間に、そんな事になってたの? あのヤスがモテてるんだ。しかも、プリのような美人に。
「永久就職って……それなら一人で行く事になるじゃないか。そんなのダメだ、一人で行くなんて許せるもんか」
 いくら強くなったからって、一人は危険すぎる。もし何かあっても一人なら知らせる事もできないじゃないか。

「大丈夫よ、今の私なら盗賊のアジトにだって武器も持たずに制圧できる自信はあるし、魔物の巣だって簡単に殲滅できると思うわ。龍の巣にだって乗り込めそうな気がするもん。魔族だって十人程度までなら何とかなると思うわ」

 それはちょっと盛り過ぎじゃない? 魔族十人はさすがにユーでも無理でしょ。

「…いつ出発するつもり?」
「今から」
「え……」
「だから馬を一頭借りていくね。後で当番の子に伝えておいてね」
「そ、そんな。急すぎだよ」
「皆に話すと止められそうだし、このまま行くのがいいと思うの」
「そりゃ止められるよ。プリやシェルだって、やっぱり付いて行ってくれると思うよ」
「だから言ったじゃない。腕試しも兼ねてるの」

 これはもう、何を言っても聞いてくれないみたいだね。無理やりでも止めた方がいいのかな。
 いや、馬で行くって言ってるんだし、後からノワールで追いかければ追いつくだろ。

「分かった、馬の事は言っておくよ。念の為に武器を渡すからちょっと待ってね」
 ユーに少し待ってもらって衛星にお願いした。

『タマちゃん、剣を作ってほしいんだ。クラマやマイアに作ったやつみたいに強力なやつを。勇者が使うものとして相応しい強力な剣を作ってよ。しかも、ユーを守ってくれるような剣がいいな』

『Sir, yes, sir』

 コトリ

 白い鞘に白い柄の剣が出てきた。
 所々宝石なのか魔石なのか分からないけど、綺麗な石を散りばめた剣だった。
 刀身は鉄色か。ホント、衛星はどうやって作ってるんだろ……今更だな。

 『鑑定』

――剣
  勇者の剣 攻撃力:2200
  発動技:結界デニーゾーン


 ……

 勇者の剣って……これって、剣を探しに行く意味なくね?

「……これ、結構、強力な剣だよ。とりあえず持って行ってよ。剣が無いと困るだろ?」
「うん、ありがとう。大切に使わせてもらうわ。じゃ、行ってくるわね」チュッ

 不意にキスをされてフリーズしてしまった。
 その隙にユーは行ったみたいで、フリーズが解けた時には、もうユーの姿は見当たらなかった。

 行っちゃったか。たぶん、大丈夫だと思うけど、俺も急いで用を済ませてユーの後を追おうか。
 クラマとマイアも一緒に来るって言うかな? 一応、聞いておかないとね。

 あっ、ユーも鑑定スキルを持ってたけど、武器も鑑定できるのかな? 鑑定したらなんて思うんだろ……武器の鑑定ができませんように、とユーの向かった北の空に浮かぶ黄色い月に願うのであった。
しおりを挟む
感想 81

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

戦国転生・内政英雄譚 ― 豊臣秀長の息子として天下を創る

丸三(まるぞう)
ファンタジー
戦国時代に転生した先は、豊臣秀吉の弟にして名宰相――豊臣秀長の息子だった。 現代では中世近世史を研究する大学講師。 史実では、秀長は早逝し、豊臣政権は崩壊、徳川の時代と鎖国が訪れる。 ならば変える。 剣でも戦でもない。 政治と制度、国家設計によって。 秀長を生かし、秀吉を支え、徳川の台頭を防ぎ、 戦国の終わりを「戦勝」ではなく「国家の完成」にする。 これは、武将ではなく制度設計者として天下を取る男の物語。 戦国転生×内政改革×豊臣政権完成譚。 (2月15日記) 連載をより良い形で続けるため、更新頻度を週5回とさせていただきます。 一話ごとの完成度を高めてお届けしますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (当面、月、水、金、土、日の更新)

処理中です...