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第07章 チームエイジ
第05話 三組織会議
しおりを挟む何とか領主様から解放された。
アイリスから頼まれてた『封魔の剣』だけど、思いもよらぬ方法でバレずに領主様の手に戻すことが出来た。
雑な対応だった事は少し反省してるけど、長いんだもん。
普段だったら「そこに落ちてました」って言っても信じないだろうけど、今回のは信じたと思う。
だって「儂の元に帰って来た!」とか「選ばれた勇者だ!」ってノリノリでやってたから大丈夫じゃない?
俺だったら黒歴史に一ページを刻んでるよ。
もう今日は今から商談などできないだろうから、予約だけでもして帰ろうか。
商業ギルドと農業ギルドに行き、明日重要な話があると伝えて我が家に戻った。
そして翌朝、いつものように【星菓子】男子トリオと共に町に行こうかと思ってたのだが、院長先生が一緒に行きたいと言うので、男子トリオとは別で行く事にした。
ユーはまた修行に行くので残るそうだ。何かレッテ山山頂付近にユーの興味をそそるものがあるらしい。俺が行くのはダメなんだそうだ。俺が行くと魔物が出ないからね。
「エイジさん。この子達も一緒に連れて行っても構いませんか?」
院長先生が最上級生の二人を連れて来た。
ロイドという金髪の男の子とロジャーという赤毛の男の子だ。
「ええ、構わないですが、どうしたんですか?」
「この子達は戦うのはあまり得意じゃないの。でも、おつむが優秀でね。エイジさん力でここに住めるようになったでしょ? そしたらこの子達、農業に目覚めちゃってね。二人とも読み書きや計算は得意だし、畑の責任者になってもらおうと思ってるの」
確かに賢そうだけど細いな。弱そうに見えるのは俺とドッコイか。
「この子達に将来の選択肢が増えたのもエイジさんのお陰よ」
ニッコリ笑ってさりげなくヨイショしてくれる院長先生。
もうどこまでも登って行きそうだよ。
「エイジさん、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
お、ちゃんとお礼が言えるんだな。このぐらいの歳なら当たり前か? でも、来た当初からしたら大した進歩だと思うな。
「いや、いいんだよ。それで、農業だと何かしたいとかあるのか?」
「はい、僕はもっと美味しいパンが作れる小麦を作りたいんです」
おお、品種改良とかするのか? 凄い夢を持ってるんだな。
「はい、僕は砂糖をもっと作って、もっと沢山ケーキを作ってもらうんです」
はは、こっちのロイドは子供っぽい夢だな。
でも、今日の話題にちょうどいい、今日の話について来れる様なら責任者にする事も考えてみるか。今の所、誰も候補はいないしな。
「この前の話で今度人が増える予定でしょ? だったらこの子達が先頭に立って指導できたらと思うの」
「それはいい考えですね。それほどロジャーとロイドは優秀なんですね」
「ええ」
笑顔で返事をくれた院長先生の横では、二人の男の子がモジモジしていた。
吹き出しがあったら『それほどでも~』とか言ってるんだろうな。
照れすぎだ!
今日は四人でそれぞれ馬に乗って行く。もちろん俺の相棒はノワールだけど、ロジャーとロイドも馬の扱いが上手い。
【星の家】の子達は、ここに来てから全員乗馬の練習と馬車の操車練習はよくしてるもんな。娯楽が少ないから遊び感覚でやってるんだろうけど、馬の世話も当番を決めてキチンとやってるようだし、そういうのも含めていい環境ではあるんだな。
「こんにちわ」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。商業ギルドマスターのボダコリーさんも、もおういらっしゃっております」
農業ギルドに着くとマスターのフェーマルさんが出迎えてくれた。
昨日、来てもらうように言ったボダコリーさんも、もう来てるみたいだ。
「あ、すいません。遅か……ったわけではないですね。ボダコリーさん、態々お呼び立てしてすいません」
時間を確認したが、まだ集合前だった。
「いえいえ、私が早く来すぎたのです、お気になさらずに。昨日、あらましは伺いましたが、非常に興味をそそるお話でした。是非とも農業ギルドさんと協力をして成功させたいものです」
「それは私どもも同じです。ま、立ち話も何です。奥に席を用意しましたので参りましょうか」
会議室だと思われる部屋に通されて、全員が着席した。
うちからは俺と院長先生とロジャーとロイド。商業ギルドからはマスターのボダコリーさんと自称俺の担当のセシールさん。農業ギルドからはマスターのフェーマルさんと職員の方々が五名。あとは女子職員がいて、飲み物などの世話をしてくれるようだ。
まずは各自紹介から始まり、全員の紹介が終わるとマスターの二人が挨拶をした。
最後にうちの代表は俺なんだけど、こういうのは苦手なので院長先生に任せた。
挨拶が終わり、農業ギルドマスターのフェーマルさんに促され、今日の議題の内容を俺から話す事になった。
「みなさん、お集まり頂きありがとうございます。昨日、領主様のお城に行った際に少し話が出まして、それを何とかできないかと思い、みなさんにご協力をお願いしたいのです」
「それで、勝算はどれほどあるとお考えですか?」
「はい、ボダコリーさん。ある程度の準備や指導はこちらでできると思いますので、生産については100%勝算はあります。まず赤字は無いでしょう」
おおおおおお。と、どよめきが起こる。
「それは素晴らしい。それで私ども農業ギルドは何をやればいいのですかな?」
「はい、流れとしては、生産、加工、流通です。まずは農業ギルドさんには生産と、あと加工の九割を行なって頂きたいのです。そして出来上がった砂糖を商業ギルドさんで運搬、販売までをお願いしたいのです」
そう、今日の議題は砂糖について。昨日、領主様に砂糖が高いからケーキも高く売れって言われたから、それなら砂糖の流通をもっともっと増やして砂糖自体を安くしてしまおうという作戦なんだ。
こればっかりは、俺だけではできないから、国内のネットワークと多くの資本を持つギルドに協力を求めたわけだ。
「確かに砂糖を求める人は多いですが、今の販売価格ではそう多くの人には購入できません。それについてはどうお考えですか?」
「はい、それはこちらの方が聞きたいのですが、どのぐらいあれば一キロ銀貨一枚で買うことができますか?」
「ぎ、銀貨一枚ですって!? 今の価格はキロ単価金貨五枚ですよ! 無理があります」
キロ単価金貨五枚? そりゃ領主様ももっと高く売れって言うわけだ。
「今、うちの【星菓子】で使われてる砂糖の量ですが、一日に大体一〇キロ~一五キロぐらい使っています。作る個数によって変わってきますが、毎日大体それぐらいです。お陰様で毎日完売なので」
「確かに美味しいですな、【星菓子】のケーキは。私も毎週買っております」
「私は三日に一回は買ってます」
「私なんか毎日」
「私も毎日行ってるけど、遅いといつも売り切れなんだ」
「……」
「……」
ケーキ購入自慢がしばらく続き、ようやく話を続けられた。
「みなさん、購入頂きありがとうございます。折角ですから新作のモンブランを試食してください」
こういう事もあろうかと、前もって衛星に作ってもらってたモンブランケーキを収納から出す。
いつも思うけど、これって見た目は同じなんだよね。収納から出しても衛星に出してもらってもさ。
「もうお分かりだと思いますが、キロ単価金貨五枚であれば普通だと赤字です。ですが、うちは独自に砂糖を精製しているのです」
「本当ですか!」「まさか、そんな事ができるのですか!」「ありえない!」「だからケーキも安いのか」
皆が口々に感想を言うので、また少し収集が付かなくなった。
「ですが、今うちで作られてる砂糖は【星菓子】で使う程度なので、それを皆さんで大掛かりにやってほしいんです」
「なるほどー……」と皆が納得行ったように肯いている。
「では、敷地を押さえて加工場を作れと言うのですか?」
「そうです」
「どのぐらいの規模を考えてますか?」
「商業ギルドの三倍ぐらいの大きさはほしいですね」
「んー……その広さになると、難しいですな……」
「そこで、ですね。院長先生?」
「はい、スラムですわね?」
さすが院長先生、察しがいい。
今度スラムから【星の家】より奥地に居住区を作って、そこで生活をしてもらう人をスラムから連れて行く予定だ。全員ではないだろうけど、スラムにも大分空きができると思う。そこを買い取って加工場を建ててしまおうってわけだ。
本当はスラムの人達にやってもらおうかとも思ったんだけど、出所が俺のとこだけだと不味いとは思ってたんだ。
砂糖生産量ダントツの第一位は【星の家】ってなったら超目立つしな。
院長先生からスラムの住人を保護する名目で移住させる計画がある事をここにいる全員の前で発表された。
そうすると、今スラムの住人が住んでいる区画が無人となる。そこに工場を建設すればいいという案が出され、皆でそれを話し合った。
スラムの住人の大半が行く事になるだろうけど、聞いてる話では二〇〇人もいない。院長先生には希望者だとか五年以上出られないだとか言ったけど、入れてしまえばこっちのものだ。衛星と妖精樹のヨウムに言って出られないようにしてしまえばいい。
クックック、そして一生馬車馬のように働かせる事も……
「エイジさん?」
「……え? はい」
「今、凄く悪い顔になってましたけど、スラムの方々を保護するだけで、誰も戦ったりしませんからね」
「あ、はい……」
しまった、顔に出てしまってたか。
「どうかしましたか?」
「い、いえ。スラムの人達ですけど、希望者はもちろん、どうしようかと悩んでる人達も体験という事で来て頂きましょうか」
「ええ! それはいい案だと思います。エイジさんの建てた家なら皆さん満足されるでしょう!」
院長先生の隣にはウンウンと肯くロジャーとロイドがいた。
二人も院長先生の意見には賛成のようだ。
「イージさん、それではスラムの住民の引越しが終わり次第、あの辺り一帯を押さえて加工場を建てればいいのですね?」
「そうです、ボダコリーさん。お願いできますか?」
「はい、それは私の得意とする分野ですのでお任せください」
餅は餅屋に任せるのがいい。
「では、私共の方はそれまでは待ちという事ですか?」
「いえいえ、待つ必要はありませんよフェーマルさん。生産をして頂きます」
「生産? というと?」
「はい、砂糖というのはサトウキビから取れるのですが、てん菜という大根のようなものからも取れるんです。加工場はその両方に対応できるように作りますので、農業ギルドの方では、そのどちらかを大量に作ってほしいんです」
うちではマイアとクラマが張り切り過ぎて、大量に作ってるけど、それは内緒だ。たぶん、国中を賄えるぐらいあると思う。
「ほう、サトウキビは名前ぐらいは聞いた事がありましたが、てん菜は初めて聞きましたな」
「そうでしたか。作り方は大根を育てるようにしていただければ結構です。苗はうちに大量に持ってますから、それをお分けします」
「ほぉ、そこまでして頂けるとは。これは失敗できませんな」ふぉっふぉっふぉっふぉ
「そうです。私も誰もいない土地を押さえるだけ。楽な仕事です。土地さえ押さえてしまえば後はどうとでもなりますからね」おっほっほっほ
「そしてスラムから移住してきた人材は僕が確保するという事で」へっへっへっへ
「みなさん。悪い顔になってらっしゃいますよ」
「「「そうですか~? ひっひっひっひ~」」」
「エイジさん、怖いです」
「僕も、もう帰りたいです」
ありゃ、怖がらせちゃったか。ちょっと悪乗りがすぎたな。
「ゴメンゴメン。でも、ロジャーにロイド。君たちにも大いに手伝ってもらうからな」
「「はい!」」
これで話は纏まったかな?
と思ってたらボダコリーさんから待ったが掛かった。
「イージさん。話の流れは良く分かりました。この計画はイージさんのアイデアや、初めの負担の事を考えますとイージさん抜きでは考えられませんが、間違いなく成功するでしょう。ただ…」
「ただ…なんです?」
「領主様の許可は誰が取りに行くのでしょうか。やはりここは発案者でもあるイージさんだと思うのですが」
「そうですな。ここは我々のリーダーのイージ殿に行ってもらいましょう」
あれ? この二人裏切った? みんなで行けばいいんじゃないの? いつから俺がリーダーになったんだよ!
「話は纏まったようですわね。では、私はエイジさんが領主様の所へ行ってる間に、スラムの方々を纏めておきましょう」
「なるほど、それはいいですね。私も手伝いましょう」
「それは私共の方でもお手伝いしましょう。農夫としてスカウトできるものもいるかもしれませんしな」
ここでも丸投げか……なぜこうなる。
はぁ~。昨日の件もあるから領主様の所へは行かないといけないとは思ってたけど、仕事を増やさなくてもいいんだよ。
皆の励ましに見送られ、今日も領主様の城に向かうのであった。
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