悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました

ぽこぺん

文字の大きさ
86 / 155

第86話 コスタリア貧民街の日常2

しおりを挟む
わたしと身長があまり変わらないテトと一緒に孤児院の方へ歩いていく

テトはスキル[テイマー]なのでやや正確ではないが意思の疎通が出来るのだ
低レベルな動物や魔物相手だと「ハラヘッタ」や「スキ」「キライ」などの簡単な意思しか読み取れないらしいがそこはそれ、わたしはテトの言葉を完璧に理解しているので普通の人間同士の会話レベルで話をしている。

フフフ、優秀なわたしとだから出来るのですよ?
他の魔物たちとは同じように意思の疎通が出来るとは思わないことですね

「ゴブ」(なんか広くなって壁が出来たりして隣りに行くのも面倒になったゴブ)

「え~、もうおやつ食べたいって~?まだ早いよ~、おっかしい~」

「ゴブー」(違うゴブ、遠くなって歩くのが面倒だっていったんだゴブ)

「そうだね~、着いたらみんなと食べよう~」

・・・ちゃんと通じていますよね?
5歳児ぐらいだから人の話を最後まで聞けないんだろうか
まぁこちらが言葉を理解出来ているから問題は起きないか
今更ながらお嬢様の[翻訳]は超優秀スキルですな~

孤児院にはテトと同じくらいの4,5歳くらいの子どもたちが野菜を洗ったり箱に詰めたりして働いていた

「ゴブー」(みんな~休憩してお菓子でも食べるゴブ~」

「みんな~、今日はゴブリンさんがお土産くれたよ~」

「ゴブー」(きちんと手を洗ってから食べるゴブ~)

小さい子どもたちばかりだな
この前いた成人間近のお兄さんたちはいないのか?

「今日のお仕事はもう終わりです~おままごとして遊ぼう~」

テトが自分の部屋から人形たちを持ってきた
なんだかゲーセンのUFOキャッチャーの景品であったような2頭身の人形だ
むちゃくちゃクオリティが高いぞ
シスターに孤児院のお姉さんたちやアイラ様まで作られている
特にアイラ様はドレスまで再現し小さなゴブリンを抱きかかえているこだわりだ

「きょうも女神セレスティア様と聖女アイラ様に感謝の祈りを捧げてからご飯を食べましょう、いただきま~す」

「いただきまーす」
「ゴーブ」(いただきま~す)

アイラ様人形を一段高いところに座らせて人形をぺこりとお辞儀させてからご飯を食べる仕草をさせる
きちんと足も折れて座らせられるようになっていますな~
それに目がつぶらでかわいい、作った奴はなかなかのセンスの持ち主だな

「きょうは週に一度のメイヤーナ先生の秘密の授業があるので12さい以上の女子は男子に見つからないように晩ご飯のあとにシスターの寝室に集合してください」

「それではきょうも一日がんばれるようにいやしの時間で~す」

アイラ様人形を他の人形たちの前で手をパタパタさせて回復の仕草をさせる
わたしは人形たちを順番に頭をペコペコさせて感謝させる

「ゴブゴーブ」(ありがとうございます~聖女アイラ様~)

うむ、この界隈でアイラ様が着々と聖女認定されてきておりますな

「ゴブ」(少し貸してみるゴブ)

どうせなら本当に癒しがあるようにしてやるゴブ

聖魔法レベル5[祝福] 回復と浄化を付与

祝福されし人形
回復と浄化の効果(極小)
汚れが付いても一晩できれいになる

う~ん、少し効果が鈍い。材料が安い布だからか付与がうまくいかないゴブ

「すご~い、本物の聖女アイラ様みたいに魔法が使えるようになった~」

ふふふ、わたくしミセッティこと癒しのゴブリンがいてこそですよ
アイラ様人形のゴブリンよりわたしの方が肌の色は鮮やかで薄い緑ですけどね!

「あはは~同じだよ~。そこの緑色はこだわるんだ~、おもしろ~い」

何を言っているんだこのガキンチョは!全然違うよ!
わたしはもっと新緑のような鮮やかな緑色をしているでしょうが!
レディに失礼ゴブ

そうだ、ちまたでは精霊銀がどうのとかいっていたな
じゃあ精霊銀もどきを作って人形に埋め込んでしまえばいいんだゴブ

「ゴブ」(テト~、教会に行って小銀貨をもらってくるゴブ)

「うん、いいよ~、でも小銀貨ならわたしも何枚か持ってる~」

少し待つと小さな袋にチャラチャラと音をさせてテトが戻ってきた

聖魔法レベル5[祝福] 回復と浄化を付与

わたしは人形と同じように聖魔法を付与してみた

祝福されし銀硬貨
回復と浄化の効果(中)
疲労回復効果(小)
魔物への忌避効果(小)
幸運値 +5

うん、いいんじゃないか?やっぱり素材が良いと効果もしっかり出ますな~
難点はわたしが持つとヤケドしそうになるのと近くにあるだけでなんだかぞわぞわ寒気がしてイライラすることかな

「ゴブ~」(これをこうして私の人形部分に埋め込むゴブ)

アイラ様人形に抱かれている小さいわたしの人形の背中を開いて銀貨を隠し入れる
これでアイラ様がわたしを通じて聖魔法を使っていることを忠実に再現したゴブ

「わ~い、なんだか抱いてるだけでいい感じ~。今日も一緒に寝ようね~」

テトの奴も気に入ったようだな
これを抱いて寝てれば1日の疲労回復、病気や少しのケガも早く治るだろう

「ほほう、さすがミセッティ様ですな。精霊銀を作るだけでなく子供用のおもちゃに仕込んで隠すとは・・・我々と手口がそっくりです」

会計士となって改心した闇魔法ギルドの副会長が興味深そうに覗いている

「ゴブ~」(何を言っているゴブ、違法物と一緒にしないでほしいゴブ)

「この人形はね~アンネが絵を書いてカリナが布から作ってくれたんだよ~スキルってすごいよね~」

ふ~ん、絵画とか模写とかのスキルに裁縫とかのスキルなのかな
確かに何かのスキル持ちじゃないとここまで精巧に作れないよな

「これはこの教会の新しい目玉商品になりそうですね、ボス・・・シスターに相談してすぐに量産化する手はずを整えましょう」

「わ~い、お仕事、お仕事~。わたしはゴブリンちゃんに銀貨を入れる係する~」

しょうがないな~、じゃあわたしは出来るだけ銀貨を[祝福]しておいてやるか
前の世界ではお金を加工したり用途以外で使用するとダメだったような気がするけど
まぁ小銀貨だし少しくらい聖魔法が付与されたからどうってことないゴブ
とりあえず会計士さんが持ってきた500枚くらいを[祝福]しておいた

「・・・コレは私とボスだけが開けられる金庫にしまって存在自体を隠したほうがよさそうですね、最後の仕上げはテトと私だけで作業しましょう」

「わ~い、秘密、秘密~」

うむ、テトも自分の割り当てのお仕事ができて喜んでいるゴブな
わたしの小人形はテトだけが開封できるように[結界]をかけておこう

しばらくして貧民街の子供たちは病気になる子が極端に少なくなり、評判を聞きつけた商人が聖女アイラ様人形をこぞって買い求めるようになる

「フフフ、シリアルナンバー付きの聖女様人形はここでしかお買い求めできませんよ、アイラ様を聖女と認めアイラ派の証明書にサインいただけなければお渡し出来ませんよ~証明書はこちらです、お客様に必ず自筆でサインしてもらうのですよ」

「フフフ、今月の生産分100体は全て完売、もしくは予約済みです。欲しければ来月分の前予約券を競りにだすのでそちらに挑戦されることですね」

~~~~~~~~
「なんだか最近ゾクゾクしたり妙なプレッシャーを感じることがありますが、社交界が近付いてきて緊張しているのでしょうか?」

アイラお嬢様が悪寒を感じてなんだか身ぶるいされている

「ゴブ~?」(風邪でもひいたゴブか~、体調には気を付けるゴブ~)

コスタリア領都にとどまらず王都や辺境の都市まで大商人、貴族の娘たちを中心に聖女アイラ派という新派閥が秘密裏に広がりつつあるのを誰も気付いていない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!

たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。 途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。 鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒! 素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。 裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。 とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。 …‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。 「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」 これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め) 小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~

雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。 左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。 この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。 しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。 彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。 その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。 遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。 様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...