18 / 155
第18話 帰還
しおりを挟む
「ゴブフ・・・」(燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・)
オレは今ゴトゴトと揺れる馬車の中で椅子の上で座ってうつ向いている。
満足げ、自虐的に薄ら笑いを浮かべていて、某ボクシング漫画の最終回のようだ。
「すごかったです、お嬢様。負傷者全員を回復させるなんて」
回復魔法が使えると分かったメイドが騒ぎ出し護衛たちも回復するはめになったのだ
全力で拒否したのだが、オレの言葉が理解できるのはお嬢様のみ、さらに隊長が剣をシャコシャコと高速で研いでいるプレッシャーに負けた。
こいつ絶対オレがテイマーされていないのに気付いているだろ。
結局、最初は自力で歩けない重傷者のみのはずだったが軽傷者、果てはスリ傷まで治すことになったのだ。
「お嬢様、やっぱりすごいです。私の長年の悩みだった手のあかぎれまで治してくださるなんて。これは領地に早く帰ってみんなにも教えてあげないと」
「ゴブ!」(なんだと!気付かなかったゴブ!)
こいつ、回復希望者がズラッと並んで、流れ作業になってオレが注意散漫になっていたどさくさに紛れてケガしていない自分の手にも回復をかけさせていたのか。
許せないゴブ。
こっちは聖魔法を使うたび軽いやけどをするってのに。
「ゴブ!」(お嬢様、こいつに説教するゴブ!)
「すやすや、くぅくぅ・・・」
寝てるし・・・。
「無理もありません。テイムしたまま聖魔法をあれだけ連発されたのですから」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
そう聖魔法はお嬢様が行使したことになっているのだ。
本来お嬢様は聖魔法の素質とテイマーの素質をお持ちであったが、魔法を行使するのに少し問題があり、テイムした従魔を通してでしか魔法を発現できないらしい。
テイムしつつ魔法も行使するのはかなりの精神力と集中力が必要になるはず。
っていうのが同行している魔法使いの見解だ。
全然、違うけどな!!
まぁ魔物が強力な聖魔法をバンバン使いまくり、通常では治せない内部の見えない部分まできっちり治療しているのを認められんだろ。
ただオレが痛がりながら回復を行使しても全てお嬢様に感謝がいくのは納得できねぇ
お嬢様は否定も肯定もせずただオレの横にいてにこにこ笑っているだけだし。
そちらが勝手に誤解してそう思うのは止めませんってところか。
まだ小学生高学年くらいなのにそういうところはしっかり上流貴族だな!
まぁオレも隊長がシャコシャコ鳴らす隣りで満面のゴブリンスマイルで対応したけど
そして全員を回復しおわったところで緊張の糸が切れて倒れたのだった。
「ゴブ~」(ところでこの服はなんだゴブ)
オレは少し薄地の白いワンピースを着させられている。
袖口にかわいいフリフリが付いていて胸の真ん中にリボンが付いている。
「ゴブリンさんが着ていた何の動物の皮か分からない気持ち悪い腰みのは脱がしちゃいましたよ。お嬢様の下着が余っているので上着だけかぶせたら結構似合いました」
おいこら。勝手に装備を変えるんじゃない。
こっちもゴブリンとしてのアイデンティティーがあるぞ。
「ゴブ?」(そういえばオレの革袋も無い)
革袋を探してきょろきょろしているとメイドがどや顔で言ってきた。
「ゴブリンさんの腰みのと臭いものがいっぱい入った革袋は魔物の死骸を燃やしている時に一緒に放り込んでしっかり燃やしてきたから大丈夫ですよ」
「ちゃんと捨てたあと手を入念に洗いましたから心配いりません」
「ゴブ~」(オレの全財産が生ゴミあつかいゴブ)
オレは少し遠くなった立ちのぼる煙を見ながら涙した。
「泣くまで喜んでくれるなんて、かわいい恰好をさせたかいがあります~」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
オレは今ゴトゴトと揺れる馬車の中で椅子の上で座ってうつ向いている。
満足げ、自虐的に薄ら笑いを浮かべていて、某ボクシング漫画の最終回のようだ。
「すごかったです、お嬢様。負傷者全員を回復させるなんて」
回復魔法が使えると分かったメイドが騒ぎ出し護衛たちも回復するはめになったのだ
全力で拒否したのだが、オレの言葉が理解できるのはお嬢様のみ、さらに隊長が剣をシャコシャコと高速で研いでいるプレッシャーに負けた。
こいつ絶対オレがテイマーされていないのに気付いているだろ。
結局、最初は自力で歩けない重傷者のみのはずだったが軽傷者、果てはスリ傷まで治すことになったのだ。
「お嬢様、やっぱりすごいです。私の長年の悩みだった手のあかぎれまで治してくださるなんて。これは領地に早く帰ってみんなにも教えてあげないと」
「ゴブ!」(なんだと!気付かなかったゴブ!)
こいつ、回復希望者がズラッと並んで、流れ作業になってオレが注意散漫になっていたどさくさに紛れてケガしていない自分の手にも回復をかけさせていたのか。
許せないゴブ。
こっちは聖魔法を使うたび軽いやけどをするってのに。
「ゴブ!」(お嬢様、こいつに説教するゴブ!)
「すやすや、くぅくぅ・・・」
寝てるし・・・。
「無理もありません。テイムしたまま聖魔法をあれだけ連発されたのですから」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
そう聖魔法はお嬢様が行使したことになっているのだ。
本来お嬢様は聖魔法の素質とテイマーの素質をお持ちであったが、魔法を行使するのに少し問題があり、テイムした従魔を通してでしか魔法を発現できないらしい。
テイムしつつ魔法も行使するのはかなりの精神力と集中力が必要になるはず。
っていうのが同行している魔法使いの見解だ。
全然、違うけどな!!
まぁ魔物が強力な聖魔法をバンバン使いまくり、通常では治せない内部の見えない部分まできっちり治療しているのを認められんだろ。
ただオレが痛がりながら回復を行使しても全てお嬢様に感謝がいくのは納得できねぇ
お嬢様は否定も肯定もせずただオレの横にいてにこにこ笑っているだけだし。
そちらが勝手に誤解してそう思うのは止めませんってところか。
まだ小学生高学年くらいなのにそういうところはしっかり上流貴族だな!
まぁオレも隊長がシャコシャコ鳴らす隣りで満面のゴブリンスマイルで対応したけど
そして全員を回復しおわったところで緊張の糸が切れて倒れたのだった。
「ゴブ~」(ところでこの服はなんだゴブ)
オレは少し薄地の白いワンピースを着させられている。
袖口にかわいいフリフリが付いていて胸の真ん中にリボンが付いている。
「ゴブリンさんが着ていた何の動物の皮か分からない気持ち悪い腰みのは脱がしちゃいましたよ。お嬢様の下着が余っているので上着だけかぶせたら結構似合いました」
おいこら。勝手に装備を変えるんじゃない。
こっちもゴブリンとしてのアイデンティティーがあるぞ。
「ゴブ?」(そういえばオレの革袋も無い)
革袋を探してきょろきょろしているとメイドがどや顔で言ってきた。
「ゴブリンさんの腰みのと臭いものがいっぱい入った革袋は魔物の死骸を燃やしている時に一緒に放り込んでしっかり燃やしてきたから大丈夫ですよ」
「ちゃんと捨てたあと手を入念に洗いましたから心配いりません」
「ゴブ~」(オレの全財産が生ゴミあつかいゴブ)
オレは少し遠くなった立ちのぼる煙を見ながら涙した。
「泣くまで喜んでくれるなんて、かわいい恰好をさせたかいがあります~」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
73
あなたにおすすめの小説
落ちこぼれ職人、万能スキルでギルド最強になります!
たまごころ
ファンタジー
ギルド最弱の鍛冶師レオンは、仲間に「役立たず」と笑われて追放された。
途方に暮れる彼の前に現れたのは、伝説の鍛冶書と、しゃべる鉄塊(?)。
鍛冶・錬金・料理・魔道具――あらゆるクラフトスキルを吸収する《創精鍛造》を極め、万能職人へと覚醒!
素材採取から戦闘まで、すべて自作で挑む“ものづくり異世界成り上がり譚”が今、始まる。
裏切った元仲間? 今さら後悔しても遅いぞ!
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由
瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。
神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる