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幼稚園
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わたし、たかなし きらら。
きのう、五歳になりました。
「それでね、お誕生日にステッキをもらったの」
わたしは、ソラくんに教えてあげます。
誰かに、この嬉しさを伝えたくてたまらなかったのです。
だって、ステッキがあれば、きっと魔法が使えるはずです。
テレビに出てくる女の子たちみたいに、きらきらと輝く魔法が使えるはずなのです。
「へえ、いいなあ」
ソラくんが羨ましそうにしています。
ソラくんも魔法を使う女の子が出てくるテレビが大好きです。
よく一緒におうちで見ます。
「魔法が使えるようになったら、ソラくんにも見せてあげるね」
「うん、楽しみにしてるよ」
ソラくんが嬉しそうにしています。
これは頑張って魔法の練習をしなければなりません。
きのうは練習が足りなかったせいか、ステッキを振っても魔法が使えませんでした。
ポーズが間違っていたのかも知れません。
でも、練習をすれば、必ず使えるはずです。
「ばーか、魔法なんか使えるわけないだろ」
わたしが練習を頑張ろうとやる気を出していると、それを台無しにする台詞が聞こえてきます。
わたしは、むっとして、そちらを見ます。
「魔法なんてテレビの中だけの話なんだよ」
その台詞を言ってきたのは、リクくんでした。
リクくんは魔法を使う女の子が出てくるテレビはあまり見ません。
それよりも、お外で遊ぶ方が好きみたいです。
だから、魔法が本当にあるということを知らないのでしょう。
かわいそうなリクくんです。
仕方がないので、魔法が使えるようになったら、リクくんにも見せてあげることにします。
「心配しなくても、リクくんにも見せてあげるよ」
わたしが、にっこりと微笑むと、リクくんの顔が赤くなります。
きっと喜んでいるのでしょう。
「見たくねえよ、ばーか」
わたしが、せっかく見せてあげると言っているのに、リクくんは見たくないと言います。
そして、走って向こうに行ってしまいます。
他の男の子たちと遊ぶのでしょう。
「素直じゃないなあ」
魔法を見なくない人なんているはずがありません。
だから、リクくんは素直に見せて欲しいと言えないのだと思います。
わたしがステッキをもらったから、悔しがっているのかも知れません。
でも、実際に見せてあげたら、きっと喜ぶと思います。
わたしは大人だから、素直になれないリクくんにも、ちゃんと見せてあげるつもりです。
「いっちゃったね」
ソラくんも、リクくんが向こうに行くのを見送ります。
ソラくんは男の子たちと遊ばないようです。
わたしと遊んでくれるみたいです。
「わたしたちも、あそぼっか。なにして、あそぶ?」
わたしが聞くと、ソラくんが、きょろきょろと周りを見ながら考えます。
ブランコもシーソーも、他の子が使っています。
空いているのは、砂場くらいでしょうか。
「砂場でお城を作る? それとも、おままごとにする?」
ソラくんが、もじもじと提案してきます。
わたしに選ばせようとしていますが、わたしは知っています。
ソラくんは、好きなものを後に言います。
だから、おままごとがしたいのだと思います。
そういえば、ソラくんは女の子がおままごとをしていると、入りたそうにしていることがあります。
けど、女の子たちの中に、男の子が一人だけ入るのは恥ずかしいのか、なかなか言い出せないようです。
どうしましょう。
わたしは砂場でお城を作りたいのですが、ソラくんはおままごとがしたいようです。
わたしが砂場でお城を作りたいと言えば、ソラくんは一緒に作ってくれると思います。
でも、それだと、ソラくんは好きな遊びをすることができません。
それは、とてもかわいそうです。
「おままごとをしましょう」
「やった」
わたしの返事を聞いて、ソラくんが嬉しそうにします。
やっぱり、おままごとがしたかったようです。
砂場でお城を作れなかったのは残念ですが、ソラくんが喜んでくれているので、これでよかったのです。
「あのね、キララちゃん」
ソラくんが、またもじもじとしています。
何か言いたいことがあるようです。
「キララちゃんは、どっちがいい? おとうさん? それとも、おかあさん?」
おままごとで、どの役をするかを聞いてきました。
それに対する、わたしの返事は決まっています。
「わたしは、おとうさんがいいな」
「やった」
ソラくんが、お花のような笑顔になりました。
きのう、五歳になりました。
「それでね、お誕生日にステッキをもらったの」
わたしは、ソラくんに教えてあげます。
誰かに、この嬉しさを伝えたくてたまらなかったのです。
だって、ステッキがあれば、きっと魔法が使えるはずです。
テレビに出てくる女の子たちみたいに、きらきらと輝く魔法が使えるはずなのです。
「へえ、いいなあ」
ソラくんが羨ましそうにしています。
ソラくんも魔法を使う女の子が出てくるテレビが大好きです。
よく一緒におうちで見ます。
「魔法が使えるようになったら、ソラくんにも見せてあげるね」
「うん、楽しみにしてるよ」
ソラくんが嬉しそうにしています。
これは頑張って魔法の練習をしなければなりません。
きのうは練習が足りなかったせいか、ステッキを振っても魔法が使えませんでした。
ポーズが間違っていたのかも知れません。
でも、練習をすれば、必ず使えるはずです。
「ばーか、魔法なんか使えるわけないだろ」
わたしが練習を頑張ろうとやる気を出していると、それを台無しにする台詞が聞こえてきます。
わたしは、むっとして、そちらを見ます。
「魔法なんてテレビの中だけの話なんだよ」
その台詞を言ってきたのは、リクくんでした。
リクくんは魔法を使う女の子が出てくるテレビはあまり見ません。
それよりも、お外で遊ぶ方が好きみたいです。
だから、魔法が本当にあるということを知らないのでしょう。
かわいそうなリクくんです。
仕方がないので、魔法が使えるようになったら、リクくんにも見せてあげることにします。
「心配しなくても、リクくんにも見せてあげるよ」
わたしが、にっこりと微笑むと、リクくんの顔が赤くなります。
きっと喜んでいるのでしょう。
「見たくねえよ、ばーか」
わたしが、せっかく見せてあげると言っているのに、リクくんは見たくないと言います。
そして、走って向こうに行ってしまいます。
他の男の子たちと遊ぶのでしょう。
「素直じゃないなあ」
魔法を見なくない人なんているはずがありません。
だから、リクくんは素直に見せて欲しいと言えないのだと思います。
わたしがステッキをもらったから、悔しがっているのかも知れません。
でも、実際に見せてあげたら、きっと喜ぶと思います。
わたしは大人だから、素直になれないリクくんにも、ちゃんと見せてあげるつもりです。
「いっちゃったね」
ソラくんも、リクくんが向こうに行くのを見送ります。
ソラくんは男の子たちと遊ばないようです。
わたしと遊んでくれるみたいです。
「わたしたちも、あそぼっか。なにして、あそぶ?」
わたしが聞くと、ソラくんが、きょろきょろと周りを見ながら考えます。
ブランコもシーソーも、他の子が使っています。
空いているのは、砂場くらいでしょうか。
「砂場でお城を作る? それとも、おままごとにする?」
ソラくんが、もじもじと提案してきます。
わたしに選ばせようとしていますが、わたしは知っています。
ソラくんは、好きなものを後に言います。
だから、おままごとがしたいのだと思います。
そういえば、ソラくんは女の子がおままごとをしていると、入りたそうにしていることがあります。
けど、女の子たちの中に、男の子が一人だけ入るのは恥ずかしいのか、なかなか言い出せないようです。
どうしましょう。
わたしは砂場でお城を作りたいのですが、ソラくんはおままごとがしたいようです。
わたしが砂場でお城を作りたいと言えば、ソラくんは一緒に作ってくれると思います。
でも、それだと、ソラくんは好きな遊びをすることができません。
それは、とてもかわいそうです。
「おままごとをしましょう」
「やった」
わたしの返事を聞いて、ソラくんが嬉しそうにします。
やっぱり、おままごとがしたかったようです。
砂場でお城を作れなかったのは残念ですが、ソラくんが喜んでくれているので、これでよかったのです。
「あのね、キララちゃん」
ソラくんが、またもじもじとしています。
何か言いたいことがあるようです。
「キララちゃんは、どっちがいい? おとうさん? それとも、おかあさん?」
おままごとで、どの役をするかを聞いてきました。
それに対する、わたしの返事は決まっています。
「わたしは、おとうさんがいいな」
「やった」
ソラくんが、お花のような笑顔になりました。
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