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不良退治8
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「ようやく捕まえたぜ」
私の腕を掴みながら、悪人が下卑た笑みを浮かべます。
私の自由を奪ったと思っているのでしょう。
事実、腕力では私は勝てそうにありません。
「手こずらせやがって」
「ひん剥いてやる」
先ほど攻撃を躱した二人も、私が捕まったのを見て、下卑た笑みを浮かべながら近付いてきます。
そして、別方向からも声が上がりました。
「キララ!」
「あ! リク君!」
声の主はリクとサオリでした。
そういえば、もともとリクとサオリを助けるために悪人と戦っていたのでした。
リクは私がピンチと思ったのか、こちらに向かって来ようとしています。
サオリも向かってきますが、こちらは私がピンチだからではなく、リクを追いかけてのことでしょう。
「…………」
リクとサオリに来られても邪魔なだけなので、とっとと決着をつけることにします。
私はリクとサオリから視線を外し、悪人どもに視線を移します。
最初に行動を起こしたのは、先ほど私を痴女呼ばわりした悪人でした。
「おらっ!」
私のスカートに向かって、手が下から上に振られます。
いわゆるスカートめくりというやつです。
私をひん剥くと言っていたので、その前段階のつもりなのでしょう。
魔女っ子衣装の短いスカートがふわりと捲れ、その中に隠れていた下着が下卑た視線に――
ぼわっ!
――晒されませんでした。
「うわっ! なんだ! 煙!?」
私の下着が露わになる寸前、私のスカートから煙幕が噴き出したのです。
これこそ、NEW魔女っ子衣装に仕込まれた疑似魔法の一つ、マジカルミストです。
この衣装を提供してくれたカメラマンさんは、この疑似魔法のことを『地上波で現れる不自然に多い湯気』と呼んでいました。
私の下着が人目に晒されそうになると、自動的に煙が噴き出るらしいです。
詳しい原理は知りませんが、かなり高度な技術が使われているそうです。
その分、お値段もお高くなっていると思うのですが、カメラマンさんは『地上波で流せるように頑張った』と言っていました。
意味は分かりませんでしたが、とりあえず感謝しておきました。
「ごほっごほっ! クソッ!」
おっと、煙が着れないうちに行動しなくてはいけません。
私は魔女っ子衣装の隠しポケットから、一見するとキーホルダーのようにも見える道具を取り出します。
そして、それを使って悪人どもの両手の親指を拘束していきます。
「マジカルバインド! マジカルバインド! マジカルバインド!」
煙が晴れる頃には、残り三人の悪人どもは全員拘束が完了していました。
これで決着です。
「なんだこれ……くそっ、取れねえ!」
悪人どもは拘束を解こうとしますが、無駄なことです。
私が使ったのは、指錠と呼ばれる親指用の手錠です。
小さいですが、手首にかける手錠に負けない拘束力を発揮します。
それどころか、親指同士をくっつけるとハサミやペンチなどの道具が使いづらくなるため、手錠よりも外しづらいと言えるでしょう。
ちなみにこれは、魔女っ子衣装を提供してくれたカメラマンさんではなく、先輩モデルさんからの貰い物です。
彼氏さんが浮気をしたときに、お仕置きのために使っていたものを、お下がりでくれたのです。
なにはともあれ、これで決着です。
「くっくっく、私の勝ちよ」
「キララ、おまえの方が悪人っぽいぞ」
決着がついた後になって、ようやくリクが私のもとに辿り着きました。
リクの後ろにはサオリの姿も見えます。
二人とも怪我は大したことがないようで安心しましたが、一つ訂正しなければならないことがあります。
「キララじゃないわ。マジカル☆キララよ」
ここ重要です。
本名がバレてしまうと色々と面倒なので、二つ名を名乗るのは魔女っ子の嗜みなのです。
「もうちょっと待っててね。今、最後の仕上げをするから」
「まだ何かする気なの?」
サオリが問いかけてきたので、私は頷きます。
正義の執行は、悪人を倒して終わりではありません。
後始末が大切なのです。
私は拘束した悪人どもと向かい合います。
「てめえ、こんなことして、タダで済むと思って――」
「私が言ったこと、覚えているわよね?」
悪人が悪態をつきかけますが、私はそれを遮ります。
そして、言葉を続けます。
「あなた達を社会的に殺すわ。まずは、フルチンになってもらいましょうか」
『ちょっ!』
有言実行。
私のモットーです。
「ま、待て! 俺はおまえのことを痴女なんて呼んでないだろ!」
「お、俺も言っていないぞ! 心の中で痴女だって思っただけだ!」
「痴女って言ったけど、これは、その……あれだ! 誉め言葉だ!」
悪人どもが見苦しく言い訳をします。
けれど、私の行動を止めるほどの説得力はありません。
というか、この期に及んで痴女を連呼して、喧嘩を売っているのでしょうか。
「あ、サオリ。脱がすのを手伝ってちょうだい」
「え? いやよ」
「じゃあ、リク。手伝って」
「なあ、止めないか? こんなんでも、部活の先輩だしさ」
サオリとリクは手伝ってくれそうにありません。
「仕方ないわね」
諦めたように私が呟くと、悪人どもが、ほっとした顔になります。
どうやら、なにか勘違いしたようです。
「私一人で脱がせるわ」
悪人どもの顔が強張りました。
私の腕を掴みながら、悪人が下卑た笑みを浮かべます。
私の自由を奪ったと思っているのでしょう。
事実、腕力では私は勝てそうにありません。
「手こずらせやがって」
「ひん剥いてやる」
先ほど攻撃を躱した二人も、私が捕まったのを見て、下卑た笑みを浮かべながら近付いてきます。
そして、別方向からも声が上がりました。
「キララ!」
「あ! リク君!」
声の主はリクとサオリでした。
そういえば、もともとリクとサオリを助けるために悪人と戦っていたのでした。
リクは私がピンチと思ったのか、こちらに向かって来ようとしています。
サオリも向かってきますが、こちらは私がピンチだからではなく、リクを追いかけてのことでしょう。
「…………」
リクとサオリに来られても邪魔なだけなので、とっとと決着をつけることにします。
私はリクとサオリから視線を外し、悪人どもに視線を移します。
最初に行動を起こしたのは、先ほど私を痴女呼ばわりした悪人でした。
「おらっ!」
私のスカートに向かって、手が下から上に振られます。
いわゆるスカートめくりというやつです。
私をひん剥くと言っていたので、その前段階のつもりなのでしょう。
魔女っ子衣装の短いスカートがふわりと捲れ、その中に隠れていた下着が下卑た視線に――
ぼわっ!
――晒されませんでした。
「うわっ! なんだ! 煙!?」
私の下着が露わになる寸前、私のスカートから煙幕が噴き出したのです。
これこそ、NEW魔女っ子衣装に仕込まれた疑似魔法の一つ、マジカルミストです。
この衣装を提供してくれたカメラマンさんは、この疑似魔法のことを『地上波で現れる不自然に多い湯気』と呼んでいました。
私の下着が人目に晒されそうになると、自動的に煙が噴き出るらしいです。
詳しい原理は知りませんが、かなり高度な技術が使われているそうです。
その分、お値段もお高くなっていると思うのですが、カメラマンさんは『地上波で流せるように頑張った』と言っていました。
意味は分かりませんでしたが、とりあえず感謝しておきました。
「ごほっごほっ! クソッ!」
おっと、煙が着れないうちに行動しなくてはいけません。
私は魔女っ子衣装の隠しポケットから、一見するとキーホルダーのようにも見える道具を取り出します。
そして、それを使って悪人どもの両手の親指を拘束していきます。
「マジカルバインド! マジカルバインド! マジカルバインド!」
煙が晴れる頃には、残り三人の悪人どもは全員拘束が完了していました。
これで決着です。
「なんだこれ……くそっ、取れねえ!」
悪人どもは拘束を解こうとしますが、無駄なことです。
私が使ったのは、指錠と呼ばれる親指用の手錠です。
小さいですが、手首にかける手錠に負けない拘束力を発揮します。
それどころか、親指同士をくっつけるとハサミやペンチなどの道具が使いづらくなるため、手錠よりも外しづらいと言えるでしょう。
ちなみにこれは、魔女っ子衣装を提供してくれたカメラマンさんではなく、先輩モデルさんからの貰い物です。
彼氏さんが浮気をしたときに、お仕置きのために使っていたものを、お下がりでくれたのです。
なにはともあれ、これで決着です。
「くっくっく、私の勝ちよ」
「キララ、おまえの方が悪人っぽいぞ」
決着がついた後になって、ようやくリクが私のもとに辿り着きました。
リクの後ろにはサオリの姿も見えます。
二人とも怪我は大したことがないようで安心しましたが、一つ訂正しなければならないことがあります。
「キララじゃないわ。マジカル☆キララよ」
ここ重要です。
本名がバレてしまうと色々と面倒なので、二つ名を名乗るのは魔女っ子の嗜みなのです。
「もうちょっと待っててね。今、最後の仕上げをするから」
「まだ何かする気なの?」
サオリが問いかけてきたので、私は頷きます。
正義の執行は、悪人を倒して終わりではありません。
後始末が大切なのです。
私は拘束した悪人どもと向かい合います。
「てめえ、こんなことして、タダで済むと思って――」
「私が言ったこと、覚えているわよね?」
悪人が悪態をつきかけますが、私はそれを遮ります。
そして、言葉を続けます。
「あなた達を社会的に殺すわ。まずは、フルチンになってもらいましょうか」
『ちょっ!』
有言実行。
私のモットーです。
「ま、待て! 俺はおまえのことを痴女なんて呼んでないだろ!」
「お、俺も言っていないぞ! 心の中で痴女だって思っただけだ!」
「痴女って言ったけど、これは、その……あれだ! 誉め言葉だ!」
悪人どもが見苦しく言い訳をします。
けれど、私の行動を止めるほどの説得力はありません。
というか、この期に及んで痴女を連呼して、喧嘩を売っているのでしょうか。
「あ、サオリ。脱がすのを手伝ってちょうだい」
「え? いやよ」
「じゃあ、リク。手伝って」
「なあ、止めないか? こんなんでも、部活の先輩だしさ」
サオリとリクは手伝ってくれそうにありません。
「仕方ないわね」
諦めたように私が呟くと、悪人どもが、ほっとした顔になります。
どうやら、なにか勘違いしたようです。
「私一人で脱がせるわ」
悪人どもの顔が強張りました。
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