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痴漢退治16
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「なるほどねぇ。小学生のイタズラだったわけか。スカートめくりなんて、痴漢にしてはおかしいと思ったのよ」
部長が納得した顔になります。
おっぱいお化けも安心したような表情です。
犯人が大人だとしたら、裁判とか色々と面倒なので、安心したのでしょう。
そう思っていたら、おっぱいお化けの顔が少し複雑なものになりました。
どうしたのでしょう。
痴漢の慰謝料をむしり取れなくて残念とでも思っているのでしょうか。
「ねえ、キララさん。お仕置きしたって言っていたけど大丈夫? ほら、相手は小学生だし、あんまりキツイお仕置きは……」
どうやら、おっぱいお化けは過剰防衛を気にしていたようです。
もちろん、抜かりはありません。
魔女っ子は暴力など振るいません。
振るうのは魔法です。
「大丈夫、暴力なんて振るっていないわ。マジカルメイクで、とっても可愛くしてあげただけよ」
「?」
私の説明に、おっぱいお化けが首を傾げます。
それを見て、ソラが補足します。
「えっとね。その子にスカートを穿かせたんだ。自分がスカートめくりされる側になれば、スカートめくりをしなくなるだろうって」
「そ、そう。なら、大丈夫……なのかな?」
「大丈夫よ」
「う、うん。そうだね。大丈夫……だよね?」
おっぱいお化けは、なぜか疑問形です。
でも、一応は納得したようです。
これで、一件落着です。
そう思っていたら、部長が話に混ざってきました。
「でも、ちょっと心配かな。その子、学校でいじめられたりしない? ほら、子供って、そういうことに無神経なところがあるから」
部長はお仕置きのやりすぎではなく、犯人のその後を気にしているようです。
言われて私も少し気になってきました。
その場のお仕置きには、いつも細心の注意を払います。
けれど、その後のことまでは気にしていませんでした。
魔女っ子が出てくるアニメでも、倒した悪人のその後を追跡調査などしないからです。
倒した悪人が再登場するのは、改心して味方になるときか、パワーアップして敵として立ちはだかるときくらいです。
「キララのメイクでとっても可愛くなったから、きっと人気者になっていますよ」
「うーん、でもねぇ」
ソラがフォローしてくれますが、部長は気になっているようです。
そして、私も気になっています。
しかし、部室で悩んでいても解決しないことは明確です。
こういうことは行動あるのみです。
「様子を見てきます。どこの学校かはわかっていますから」
今朝途中で降りた駅のすぐ近くに小学校があります。
あの子はそこの生徒です。
今から行けば、帰るところに会える可能性が高いです。
ダメなら、明日の朝に様子を見ることにします。
「ソラ、行きましょう」
「あ、待って。私も行くよ」
私がソラと一緒に向かおうとすると、おっぱいお化けもついてくると言い出しました。
ソラを誘惑しようとする意図が見え見えです。
正直に言うと邪魔です。
しかし、被害者であるおっぱいお化けには、痴漢騒動の結末を見届ける権利があります。
仕方なく、私は彼女の同行を許すことにしました。
*****
駅に着くと、ちょうど多くの小学生が下校している時間でした。
「いた。あの子じゃないかな?」
さっそく、ソラが見つけたようです。
私はそちらに視線を移します。
「ああ、そうね。あの子ね」
私も見つけました。
そして、ソラがすぐに見つけることができた理由を理解しました。
「え? どの子?」
一方、おっぱいお化けは、まだ見つけられていません。
彼女は犯人の顔を見ていないので当然です。
私は教えてあげることにします。
「ほら、男の子の集団に一人だけ女の子に見える子がいるでしょう」
「いるね…………え? あの子なの!? だって、あの子、女の子でしょ!?」
どうやら、おっぱいお化けには、朝のあの子が男の子には見えなかったようです。
それもそのはず。
あの子は男の子ではありません。
男の娘です。
私が朝着せてあげた服のままで、すっかり馴染んでいます。
周囲を男の子に囲まれ、笑顔で一緒に下校しています。
いじめられている様子はありません。
むしろ、モテモテです。
「どうやら、ソラの推測が正しかったみたいね。すっかり、人気者になっているわ」
普通、小学生くらいの子供は、異性を意識しはじめて、男女で分かれて行動することが多くなります。
異性に興味はあるけど、素直に仲良くなれない。
そんな関係性になるのです。
そんなところに現れたのが、あの子です。
興味のある異性の格好をしていて、けれど中身は同性なので親しみやすい。
人気者になるのも納得です。
「部長の心配はこれで解決ね」
「そうだね。あの様子なら、いじめられることはなさそうだね」
「ええ。それに、男の子達があの子に夢中になれば、スカートめくりも減るでしょう」
スカートめくりは、素直になれない男の子が、興味のある女の子の気を引きたくておこなう行為だと思います。
いわゆる、好きな子をいじめたくなる心理というやつです。
しかし、あの子に対してであれば、異性に近い同性なので、素直になることができます。
つまり、スカートめくりをする必要がなくなるのです。
「これで一件落着ね。子供を正しい道に導くことができて、よかったわ」
「これで安心できるね。キララは将来、よいお母さんになると思うよ」
私とソラが安堵の息を吐きます。
しかし、おっぱいお化けだけは、複雑そうな表情を浮かべます。
「そ、そうかな? 痴漢の道から引き戻そうとして、勢い余って、別の道に突き落としてないかな?」
まったく、おっぱいお化けは心配性です。
でも、私は胸を張って答えることができます。
そんな心配は無用です。
「なにを言っているの、おっぱ……加藤さん。あの子の笑顔を見て」
私は男の子の集団に囲まれて、嬉しそうにしているあの子を指さします。
「あんなに可愛くて、あんなに幸せそうなのよ。道を踏み外しているわけないじゃない」
「可愛いのも認めるし、幸せそうなのも認めるけど……うーん……いいのかな?」
「いいに決まっているじゃない。それとも、加藤さんは、あの子を性犯罪者にしたいの?」
「そ、そんなわけないよ」
「じゃあ、一件落着ね」
「う、うん。うん? うーん?」
おっぱいお化けの複雑そうな表情は変わりませんでしたが、それ以上の反論はありませんでした。
だから、私は宣言します。
「ミッションコンプリート!」
これにて、痴漢騒動は終結です。
部長が納得した顔になります。
おっぱいお化けも安心したような表情です。
犯人が大人だとしたら、裁判とか色々と面倒なので、安心したのでしょう。
そう思っていたら、おっぱいお化けの顔が少し複雑なものになりました。
どうしたのでしょう。
痴漢の慰謝料をむしり取れなくて残念とでも思っているのでしょうか。
「ねえ、キララさん。お仕置きしたって言っていたけど大丈夫? ほら、相手は小学生だし、あんまりキツイお仕置きは……」
どうやら、おっぱいお化けは過剰防衛を気にしていたようです。
もちろん、抜かりはありません。
魔女っ子は暴力など振るいません。
振るうのは魔法です。
「大丈夫、暴力なんて振るっていないわ。マジカルメイクで、とっても可愛くしてあげただけよ」
「?」
私の説明に、おっぱいお化けが首を傾げます。
それを見て、ソラが補足します。
「えっとね。その子にスカートを穿かせたんだ。自分がスカートめくりされる側になれば、スカートめくりをしなくなるだろうって」
「そ、そう。なら、大丈夫……なのかな?」
「大丈夫よ」
「う、うん。そうだね。大丈夫……だよね?」
おっぱいお化けは、なぜか疑問形です。
でも、一応は納得したようです。
これで、一件落着です。
そう思っていたら、部長が話に混ざってきました。
「でも、ちょっと心配かな。その子、学校でいじめられたりしない? ほら、子供って、そういうことに無神経なところがあるから」
部長はお仕置きのやりすぎではなく、犯人のその後を気にしているようです。
言われて私も少し気になってきました。
その場のお仕置きには、いつも細心の注意を払います。
けれど、その後のことまでは気にしていませんでした。
魔女っ子が出てくるアニメでも、倒した悪人のその後を追跡調査などしないからです。
倒した悪人が再登場するのは、改心して味方になるときか、パワーアップして敵として立ちはだかるときくらいです。
「キララのメイクでとっても可愛くなったから、きっと人気者になっていますよ」
「うーん、でもねぇ」
ソラがフォローしてくれますが、部長は気になっているようです。
そして、私も気になっています。
しかし、部室で悩んでいても解決しないことは明確です。
こういうことは行動あるのみです。
「様子を見てきます。どこの学校かはわかっていますから」
今朝途中で降りた駅のすぐ近くに小学校があります。
あの子はそこの生徒です。
今から行けば、帰るところに会える可能性が高いです。
ダメなら、明日の朝に様子を見ることにします。
「ソラ、行きましょう」
「あ、待って。私も行くよ」
私がソラと一緒に向かおうとすると、おっぱいお化けもついてくると言い出しました。
ソラを誘惑しようとする意図が見え見えです。
正直に言うと邪魔です。
しかし、被害者であるおっぱいお化けには、痴漢騒動の結末を見届ける権利があります。
仕方なく、私は彼女の同行を許すことにしました。
*****
駅に着くと、ちょうど多くの小学生が下校している時間でした。
「いた。あの子じゃないかな?」
さっそく、ソラが見つけたようです。
私はそちらに視線を移します。
「ああ、そうね。あの子ね」
私も見つけました。
そして、ソラがすぐに見つけることができた理由を理解しました。
「え? どの子?」
一方、おっぱいお化けは、まだ見つけられていません。
彼女は犯人の顔を見ていないので当然です。
私は教えてあげることにします。
「ほら、男の子の集団に一人だけ女の子に見える子がいるでしょう」
「いるね…………え? あの子なの!? だって、あの子、女の子でしょ!?」
どうやら、おっぱいお化けには、朝のあの子が男の子には見えなかったようです。
それもそのはず。
あの子は男の子ではありません。
男の娘です。
私が朝着せてあげた服のままで、すっかり馴染んでいます。
周囲を男の子に囲まれ、笑顔で一緒に下校しています。
いじめられている様子はありません。
むしろ、モテモテです。
「どうやら、ソラの推測が正しかったみたいね。すっかり、人気者になっているわ」
普通、小学生くらいの子供は、異性を意識しはじめて、男女で分かれて行動することが多くなります。
異性に興味はあるけど、素直に仲良くなれない。
そんな関係性になるのです。
そんなところに現れたのが、あの子です。
興味のある異性の格好をしていて、けれど中身は同性なので親しみやすい。
人気者になるのも納得です。
「部長の心配はこれで解決ね」
「そうだね。あの様子なら、いじめられることはなさそうだね」
「ええ。それに、男の子達があの子に夢中になれば、スカートめくりも減るでしょう」
スカートめくりは、素直になれない男の子が、興味のある女の子の気を引きたくておこなう行為だと思います。
いわゆる、好きな子をいじめたくなる心理というやつです。
しかし、あの子に対してであれば、異性に近い同性なので、素直になることができます。
つまり、スカートめくりをする必要がなくなるのです。
「これで一件落着ね。子供を正しい道に導くことができて、よかったわ」
「これで安心できるね。キララは将来、よいお母さんになると思うよ」
私とソラが安堵の息を吐きます。
しかし、おっぱいお化けだけは、複雑そうな表情を浮かべます。
「そ、そうかな? 痴漢の道から引き戻そうとして、勢い余って、別の道に突き落としてないかな?」
まったく、おっぱいお化けは心配性です。
でも、私は胸を張って答えることができます。
そんな心配は無用です。
「なにを言っているの、おっぱ……加藤さん。あの子の笑顔を見て」
私は男の子の集団に囲まれて、嬉しそうにしているあの子を指さします。
「あんなに可愛くて、あんなに幸せそうなのよ。道を踏み外しているわけないじゃない」
「可愛いのも認めるし、幸せそうなのも認めるけど……うーん……いいのかな?」
「いいに決まっているじゃない。それとも、加藤さんは、あの子を性犯罪者にしたいの?」
「そ、そんなわけないよ」
「じゃあ、一件落着ね」
「う、うん。うん? うーん?」
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「ミッションコンプリート!」
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