転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜

咲宮

文字の大きさ
7 / 74
第二章

6

しおりを挟む



登城当日。

今私は王城へむかう馬車の中にいる…。


「お嬢様、顔をなんとかしてください」

「リーシェ…いつも通りよ」

「いえ、明らかに今顔に出てます。めんどくさい!と」

「事実だからいいわ」

「仮にも公爵令嬢なのですから、そこは仮面をかぶってください」

「…………はい」


憂鬱だ…。
さっさと帰ってこようと思っていても、やはり行きたくないという気持ちが勝る。


「お嬢様、もう少しで着きますから」

「…そう……切り替えないとね」

「はい。目立たずを心がけて、最速でかえりましょう。お嬢様ならできます」

「そう…よね」

「というか、お嬢様にしかできません」

「…頑張るわ」

「はい」


本当にリーシェは頼りになる。
というか私の扱いが上手い。
ついてきてくれて良かった…。











そんなこんなで王城に着いた。

「リーシェ…最後みたいね」

「はい…」

「…皆来るの早すぎるのよ」


でもこれは、私以外が気合いを十分に入れてきているという証拠。
それは私にとってはありがたいしこの先のことを考えると安心する。


馬車から出ると王城の執事がいた。


「ようこそいらっしゃいました。オルティアナ公爵家令嬢アイシア様。他の皆様は広間にいらっしゃいますので案内いたします」

「はい」



私以外の七人の公爵令嬢…。
正直言うと、ほとんどの人のことを知らない。
年齢が離れていたり、そういう機会がなかったり…。
なので、初めて会う人も多いだろう。


案内された広間には、もちろんすでに他の令嬢がいた。
連れてきた侍女は広間の隅に集まっているみたいなので、寂しいがリーシェと少し離れることになった。

それにしても皆様のまぁ派手なこと派手なこと…。
ミラと作っておいて良かったわ。
そうでなければ完全に浮いていた。
…このドレスもギリギリセーフくらいだ。

挨拶をしようか悩んでいると、一人の令嬢が声をかけてくれた。


「ごきげんよう。私はルクタリエ公爵家令嬢のローゼです」

「ごきげんよう。私はオルティアナ公爵家令嬢のアイシアと申します」

「私も先程来たばかりなの…何だか緊張するわね」


そう優しく微笑む姿からは幼さを感じるが、この方は私より2つ上の16歳である。

「そうですね…」

「もうすぐで、ルディエル殿下が来られるそうなの」

「そうなのですか」

「えぇ。アイシア様は殿下の婚約者をどう決めるかご存知?」


そう言えば、知らない。
王城に来て半分くらい終わった気でいた。
大事なことなのに…。


「実は先程気になって、王城の執事に尋ねたのよ」

うわ、凄い。
行動力のある方だな…。


「そしたらね、挨拶という名の顔合わせが終わったら、一人ずつ殿下との時間を設けられるみたいなのよ」


何それ…まるでお見合いじゃない。
殿下はそれを8人ともやるのか。
凄いな…。


「殿下と一対一なんて緊張しちゃうわ!どうしましょう…」

「…一対一」

「えぇ。何を話せばいいのかしらね…」


一対一!?
そうだよ、お見合いって一対一だよ!
うわ、凄く嫌だ。
もう帰りたい。
私は殿下とは今日初めて会う。
そんな人とどんな話をしろと!
…無理があるでしょ。


「…!アイシア様、殿下がいらっしゃったわ!」


一気に令嬢方が殿下の方を向く。







はぁ……始まっちゃったよ。
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

完 独身貴族を謳歌したい男爵令嬢は、女嫌い公爵さまと結婚する。

水鳥楓椛
恋愛
 男爵令嬢オードリー・アイリーンはある日父が負った借金により、大好きな宝石だけでは食べていけなくなってしまった。そんな時、オードリーの前に現れたのは女嫌いと有名な公爵エドワード・アーデルハイトだった。愛する家族を借金苦から逃すため、オードリーは悪魔に嫁ぐ。結婚の先に待ち受けるのは不幸か幸せか。少なくとも、オードリーは自己中心的なエドワードが大嫌いだった………。  イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜

橘しづき
恋愛
 姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。    私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。    だが当日、姉は結婚式に来なかった。  パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。 「私が……蒼一さんと結婚します」    姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。

婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました

春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。 名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。 姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。 ――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。 相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。 40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。 (……なぜ私が?) けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。

婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました

有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。 魔力が弱い私には、価値がないという現実。 泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。 そこで目覚めた彼は、私を見て言った。 「やっと見つけた。私の番よ」 彼の前でだけ、私の魔力は輝く。 奪われた尊厳、歪められた運命。 すべてを取り戻した先にあるのは……

【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi
恋愛
ポーシャは、平民の特待生として貴族の学園に入学したが、容貌もパッとしなければ魔力もなさそうと蔑視の対象に。それなのに、入学早々、第二王子のルーカス殿下はポーシャのことを婚約者と呼んで付きまとう。デロ甘・辛辣・溺愛・鈍感コメディ(?)。殿下の一方通行がかわいそう。ポジティブで金儲けに熱心なポーシャは、殿下を無視して自分の道を突き進む。がんばれ、殿下! がんばれ、ポーシャ? 

【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~

塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます! 2.23完結しました! ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。 相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。 ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。 幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。 好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。 そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。 それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……? 妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話 切なめ恋愛ファンタジー

処理中です...