転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜

咲宮

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第二章

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殿下がこちらへ向かってくるのが見えたので、令嬢方と侍女達は一気に礼をとった。
もちろん私も遅れず。


そのせいでまともに殿下のことを見れなかったのだけど。


「顔を上げてください」

殿下の声が響く。

「本日は足を運んでいただきありがとうございます」

 
初めて見たルディエル殿下。
彼は銀の髪色をしていた。肩につかない程度の長さ。そして見た目はとても麗しい。顔のパーツは全て整っている。まさに美丈夫だろう。

王子様オーラはあるのに、噂の通り顔にも声にも感情が見えない。
もはや冷たいなどというレベルには到底思えない。


「これからは私の婚約者候補となりますが、どう婚約者を決めるのか…それは執事のガイから聞いてください。ガイ、後はよろしく」

「かしこまりました」


さっきのここまで案内してくれた人はガイと言うのか。 
若そうに見えるけど20代くらいかしら。


「殿下。お初にお目にかかりますギャルツ公爵家令嬢のジュゼッペと申します」

「申し訳ありません。今は準備をするので後ほど。皆様、また後でお会いしましょう、失礼します」


令嬢が一人挨拶をしようとしたが、それは冷たく消された。
殿下は一方的な挨拶を済ませるとすぐにこの部屋を後にした。
終始表情が変わることなく。

今回のことには興味がないのだろう。
入ってきても、別に令嬢方の顔を見るわけでもなくただ少し話して出ていった。


殿下がいなくなったことを確認すると今度はガイさんが口を開いた。

「殿下の多忙のため、説明が私からになってしまうことをなにとぞご理解ください」

そう前置きをして説明が始まった。

「今回はまず皆様それぞれお一人ずつ、殿下と一対一の時間を設けさせていただきます。その後、殿下が興味を持った方を何人かを選ばれるそうです」


いわゆる一次選考と言うやつだ。
じゃあ、その一対一の地獄の時間さえ過ごせば帰れる!


「順番は?決まってますの」

ジュゼッペ様が口を開く。

「まだにございます。今から決めさせていただきます」

「まぁ。どうやってかしら」

「殿下の、婚約者候補は皆等しき立場であると言うご意向からクジにさせてもらいます」

「な!クジですって!?」


これにはジュゼッペ様だけでなく、私以外の他の令嬢方も気に食わないみたいだ。

殿下がそういうことを考えるとは少し意外だけれども。


「皆様のお気持ち勝手ながらに察せさせていただきます。……ですが、あくまでも殿ですので」

「……」


ガイさんの一言で誰もが黙る。
殿下に逆らう人間はさすがにいない。


そういうことで、クジをひいた。
引く順番は公爵家の中にひそかにある序列の順番で。
もちろん私は最後だ。


クジの結果としては…なんと最初であった。


いや…私は何も悪くないです。何もしてないから。
それなのに令嬢方の視線が痛い。
さっき仲良くなれそうと感じたローゼ様には良かったですねと言われたけど目が笑っていなかった。

これだから公爵令嬢は苦手なんです。


「では、アイシア様。準備は間もなく済みますので別室にご案内いたします」

「……お願いします」



ま、まぁ。
ポジティブに考えよう。
来るときにリーシェと話した、最速で帰るということ。
これが叶いそうだ。


「お嬢様、頑張って下さい」

合流したリーシェからは不安げに応援された。

「大丈夫よ…」


自分にも言い聞かせるつもりでガイさんについて行った。









地獄の時間さえ終われば…!
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