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第二章
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しおりを挟むいつの間にか一時間ほど経っていた。
ガイさんが部屋に来てそろそろお時間ですと言いに来たのだ。
「……わかった。ガイ、少し外で待て」
「かしこまりました」
ガイさんの前では今まで通りの王子になっている。
いや、ずっとそのままでいいと思うよ。
「お嬢様……本当なら貴女を離さずに永遠と傍にいたいのですが、立場上そういうわけにもいかなくなってしまいました」
「いや、仕方のないことよ」
「…申し訳ありません。…呼び出した以上、他の令嬢方にも挨拶をしなくてはなりませんので」
「えぇ」
必要ないとか言いながら、しっかりと礼儀は守るみたいで安心した。
どうにか殿下が他の令嬢方と話しているすきに帰る道を見つけないと。
「では…これにて失礼します」
「はい」
やっと解放される!
少し安心しながら部屋を出た。
「………お嬢様、貴女の全てを手に入れてみせます」
扉の閉まる音と同時に殿下が呟いた。
そんな呟きなど私は知らずに元の部屋へ戻る。
てっきりガイさんが案内してくれるのかと思っていたけど、どうやら彼は次の令嬢を迎えに行ったみたいで今回は王城の侍女の一人に案内してもらった。
「…!お嬢様」
「リーシェ…!」
思わず安堵する。
今はお嬢様という言葉がしっくりくるのは絶対にリーシェの方だから。
「少し遅いなと……心配でした」
「ごめんなさいね」
「いえ!」
どうやらここは、殿下との話が終わった令嬢専用の部屋みたいだ。
他の七人の令嬢はおらず、先程とはまた別の部屋に今はいる。
「ここは控え室かしら?」
「そのような感じですよね。……お嬢様、大丈夫でしたか?」
「大丈夫……」
「では、ないのですね?」
「うん…少し逃げる方法を探さないと」
「逃げる…?お嬢様…まさか殿下に不敬罪にあたるようなことをなさったのですか…!?」
「違うわよ」
そりゃそうよね。
リーシェには転生も前世もわからないだろうから、そう考えるのが普通。
…どうやって説明しようかな。
「ま、まさか……」
「うん」
今度は何…?
「殿下に見初められた、とかですか?」
「うっ」
「…!!!ええっ!!」
「リ、リーシェ!声が大きいわ!」
「申し訳ありません!…ですが…まさか……お嬢様が……冗談ですか?」
「本当冗談で済ませれるなら済ましたいわよ」
「ということは事実……凄いですよお嬢様」
「それを私がどれだけ望んでないか、リーシェならわかるでしょう?」
「あ…そうですね」
「そう。……だから、逃げるわよ」
「!本気ですか?」
「本気よ。本気に決まってるじゃない。…リーシェ、急ぐわよ」
「今のうち、ということですね?」
「えぇ」
「まぁ…万が一の為に、荷物なら準備してあります。今すぐにでもここをでれますよ」
「!さすがリーシェだわ!」
「備えることに越したことはございませんから」
本当に頼りになる。
今は、一刻を争う。
もし殿下の想いが本当なら、令嬢方との話が終わり次第何か仕掛けてくるかもしれない。
チャンスは今しかないのだ。
「さぁ。そうと、決まれば急ぐわよ」
「はい。お嬢様」
そう言って、さっき入ってきた扉へ向かう。
急いで歩ける準備をして扉を開けた。
「どちらへ行かれますか。オルティアナ公爵令嬢様」
そこにいたのはガイさんと複数の騎士。
「……え?」
…何が起こっているの?
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