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第二章
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しおりを挟む扉の向こうには他の令嬢方の世話をしていたはずのガイさん。
それだけならまだ普通なのだが、後ろの屈強な騎士は何!?
「どちらへ、行くおつもりなのでしょうか。オルティアナ公爵令嬢様」
「どちらへって…」
帰ります。
これは禁句のように感じる。
言ったら最後なのでは無いかと。
というかガイさんは優しく微笑んでてるけど絶対に私にとって良からぬ何かを考えている。
この人のことをまだ何も知らないけど、勘かそう伝えるのだ。
…ここでひるんではいけない。
「どちらへ…とういか、貴方はここへ何のようでしょうか」
「オルティアナ公爵令嬢様、いえアイシア様の保護に参りました」
「保護…?」
「はい。殿下より護衛をつけろとのことですので、その説明と挨拶を」
「……」
やられた。
直感的にそう思った。
護衛、護衛ですって?
監視の間違いでしょう。
「…何故私などに護衛を?必要無いと思うのですが」
「いえ。十分あります。貴女様は殿下の婚約者────この国の王妃になられるお方ですから」
「!」
いやいやいやいやいや!!
どうして話が進んでいるの!
私は一回も同意をしていないのに!
…まずい。
このままだといずれ外堀を埋められて逃げられなくなってしまう。
何か、何か考えなくては…!
「婚約者になると……同意をした覚えはないのですが」
「左様ですか。ですが…これは殿下の命ですので」
…そう言われると何も返せない。
前世では私の執事でも今は王子。
あっちの方が立場が上だ。
下手に動けば、逃げられなくなる理由に繋がってしまう。
「殿下は他の令嬢様方と挨拶をしておりますが、すぐに終わると思います。それまでこの部屋で待機をお願いいたします」
そういうと、護衛の騎士の挨拶を済ませ部屋を出ていった。
護衛は扉の前にいるよう。
どこにもいくなよ、そう遠回しに言われた気がする。
浅はかだった。
相手はあの赤月。
元超完璧執事だ。
……本来なら相手にしてはいけないのだ。敵に回すべきではない。
けど、婚約者になるわけにはいかない。
王妃なんてなるわけには!
「…ーっ」
「お嬢様…かなり見初められてますね」
嬉しくない。
そんなのちっとも嬉しくない…。
「さて、どういたしますか?」
「どう……今私に何ができるのかしら…」
扉の前の護衛に聞こえぬように小声で話す。
部屋を見渡すも解決策が見当たらない。
「扉が駄目ならもう窓しかありませんよね」
……待って。
まだ窓があるじゃない!
「リーシェ…!」
「え!まさか…窓から?」
「それしかないわ!」
「…お嬢様運動できませんよね…?」
「いえ、意地でも行くわ」
「いや…ここ四階ですよ」
「関係ないわ」
「……でもそれしかないですよね。わかりました。お嬢様の命の保証は私がいたします。降り方を考えましょう、早急に」
「えぇ…!」
さすがリーシェ、頼りになりまくりよ。
私は絶対に逃げる!
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