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第四章
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しおりを挟む赤月の放つオーラはどこが黒かった。
「……」
「ルディ。部屋に入るときはノックをするものだよ?」
「しましたよ?」
「おや。それは失礼」
絶対にしてないと思う…。
二人部屋にいたら普通気づくもの。
「それにしてもセラン。貴方がここまで………シアと親しいとは思いませんでした」
「ん?兄妹なんだから普通だよ」
ちょっと待って。
赤月なんかさり気なく愛称で読んでるのだけど?
「兄妹にしては仲が良すぎでは…?」
「そう?他の兄妹を見たことないからあまり基準がわからないよ」
それにしても王子相手にタメ口をしてる時点で兄様が本当に赤月と交流があったのだと納得した。
「ところで。ルディはシアに何の用?」
「会いたくて来ただけです」
「へぇ。さっきも散々聞いたけど、本当にシアのこと気に入ってるんだね」
「気に入る……そんな言葉と一緒にしないで欲しいものですが」
「それはそれは…」
「セラン。先程も言いましたが、…シアの代わりはいませんので」
気のせいか、黒いオーラが濃くなった…ような…。
「……ふーん」
どこか見定めるような目をする兄様。
「…だってさシア。後はシア次第みたいだね」
「…う」
「ま、慎重に決めな」
「………はい」
兄様は微笑みながら私の頭に手を置いた。
「そんなに心配はして無いけど、何かあったらいつでも言うんだよ?」
「…ありがとうございます兄様」
「そういうことだからルディ。大切な妹に変なことしたら君相手でも僕は容赦しないよ?」
「それは大変なことですね。嘘でもセランは敵に回したくないものです。最も、心配されるようなことをシアには絶対にしないとここに誓いますが」
「それなら安心かな」
うん。
気のせいかな。
兄様の穏やかな雰囲気が一転して黒いのが見えるのは。
「ま、しばらく心配はしないよ。ここに留まるから」
「……え?」
「あれ。言ってなかったっけ?学園の長期休みに入るから少しの間はここにいようと思ってね。ルディにはそれを頼むことも会いに来た理由かな」
「聞いて無いです兄様」
「あ、そう?ごめんね」
「相変わらず抜けてますねセラン」
「相変わらずは余計だからね。ま、そういうことだから。しばらくよろしくねシア」
「いや、あの。家に帰ってください?父様方は会いたがってるでしょうから」
「うん。でも今は小言は聞きたくないんだ。しばらくゆっくりしたい」
「……」
「セランも早く婚約者を見つけるべきですね」
「少し前まではルディも同じだったのに」
「申し訳ありませんね。私にはもうシアがいますから」
「まだ婚約者じゃないんですけど…」
「良かったね、そういう相手が見つかって。…でも俺は見つからない気がするなぁ」
私の呟きは悲しいことに無視された。
「ま、いずれは誰かと婚約するよ。これでも家を継ぐ人間だからね」
「私も良い女性がいたら紹介しますね」
「え、やめて。ミラと同じことしなくて良いから」
「そうですか」
「うん。わかって言ってるよねルディ」
「まさか」
「………別にいいんだけど」
見ていてかなり親しい仲なのだなと感じる。
何だか色々不思議。
兄様の友が王子なのも、その王子が赤月で彼にも兄様という友がいるのが。
良いことであるのは一目瞭然なのだが私からしたらどうしても不思議なのだ。
というか、兄様いい加減婚約しないとだよな…。
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