転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜

咲宮

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第四章

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荷造り等の準備があると言って兄様は部屋を後にした。

「まさかお嬢様がここまでセランと仲が良いとは…」

「兄妹仲が良いのは良いことでしょ?」

「そうですね。……私と会うまでは寂しく無かったようで安心です」

「え」

「お嬢様は寂しがり屋ですからね?」

「そんなことない…」

「冗談はさておき。前世では周りに私くらいしかいませんでしたから。…お嬢様が今世は大丈夫だったと考えると…どうやら幸せそうで何よりです」

「!」

…やっぱり赤月は変わらない。
私の行動一つがどこまでも心配させてしまうのなら、いい加減成長したいな…。心配を無くすのは多分無理だろうから、安心できる面を増やしていけたらな。

「赤月は…?前世と比べて今世は幸せに過ごせた?」

「失礼ながらお嬢様。それは愚問でございます。私はお嬢様が全て。貴女が…貴女さえいてくれればそれだけで幸せです。今世ではそれだけでは終わらせませんが」

そう言いながら赤月は私の腕を優しく持ち、自分の方へ引き寄せた。

「失礼します」

「あっ」

抵抗する間もなく、私は赤月の暖かな腕の中に収まってしまった。

「前世に比べて今世ではお嬢様に触れることができる…これがどれほど幸せなことでしょうか」

…どうしよう、おかしい。
兄様とハグしたときよりも圧倒的に緊張してしまっている。
…というか、私は腕を回すべきなのだろうか。

「こんなに幸せなことを常にセランがやっていると考えると少し妬いてしまいます」

「赤月…」

「お嬢様…。少しこのままでいることを許してください」

そう言って腕に少し力がこもる。
その腕には優しさや暖かさはもちろん今までの分の愛しい想いも込められている気がした。

「……」

ふと視線を上げれば、綺麗な殿下赤月の横顔。
でもそこからは少しばかり疲れが見えた。
最近会っていないから忙しいのかなとは思っていが、自分の想像以上に疲れていそうだった。

「赤月…お疲れ様」

そう思いながらそっと腕を回した。

「!…全くお嬢様…貴女と言う人は…」

「…?」

「どれだけ私を好きにさせれば気が済むのですか」

「え…そんなつもりは」

「えぇ…。もちろんそれは知っています。そこも込みで貴女を愛しているのですから」

声から伝わる想いがあった。

「…お嬢様。貴女の全てが愛おしいです。……困りましたね離れ難いです」

「……っ」

赤月の笑みがこぼれている気がした。

別に今までの言葉を信用してなかったわけではないけど、どうしてか今日は赤月の言葉が純粋に嬉しかったし照れくさかった。
思えば、赤月にしっかり触れたのはこれが初めてだ。
だから調子が少しおかしいのかもしれない。
だって、変だ。








赤月とのハグが全く嫌じゃ無く、むしろ良かったと思うだなんて。
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