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第五章
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しおりを挟むジュゼッペ様が何をやりたいのか。
そこは自由に決めて良いと思う。
「突然言われても困るとは思うのですがジュゼッペ様は何かやりたいこととか気になっていることとかありますか?」
「やりたいこと…」
「はい。優秀になるとしても具体性に今のところ欠けていますから」
「……」
少しジュゼッペ様は考えていた。
もし今それが無かったとしたらこれから作れば良い話なのだが、それが難しい人もいる。
とにかくあるに越したことはないのだ。
「少し話すのが恥ずかしいのですが…笑わないでいただけると嬉しいです」
「いや、大丈夫です!笑いませんよ」
「なら…」
良かった。どうやらやりたいことがあるみたいで安心した。
「やりたいこと、というよりもなりたいものになってしまいます。私はその…普通に幸せになりたいです」
「……といいますと?」
「ふ、普通に、どなたかに嫁いで立派な淑女として過ごせたら幸せだろうなと思ってて…」
ジュゼッペ様は恥ずかしそうに顔を伏せた。
「あ、憧れるんです普通の生活に。自分の家が普通で無いことはかなり前から感じていましたから…その…それもあって、憧れる気持ちが強いんだと思います」
さっきと比べてみて、だいぶ雰囲気が明るくなった。
心なしか、瞳が輝いている気がする。
「全然恥じることではありませんよ。憧れが強いならそれは良いことです。そのために頑張ろうと思えると思います。だから、御自身の夢に誇りを持って下さい」
「アイシア様……あ、ありがとうございます…っ…」
ジュゼッペ様にとっての予想外の言葉だったのか、少し涙ぐんでいた。
「なら!そうと決まれば今からはジュゼッペ様が思う立派な淑女になれるように頑張りましょう!」
おそらく、ジュゼッペ様のいう普通に幸せな家庭ではギャルツ家を見返すことはできないかもしれない。
それでも彼女が望むなら彼女が望む幸せを叶えれるように私はサポートをするだけだ。
「は、はい!」
「とはいったものの…立派な淑女は年下の私には少し無理があると思うのですが……」
さて、どうしたものか。
「それは!もちろん大丈夫です!私はその…教えてもらいたいことがありまして…」
「あぁ…」
そりゃそうだ。
ジュゼッペ様は年齢を除けば既に立派な淑女だと思う。
だから今さら新しくそれに関して頑張る必要は無い。
「その…教えてもらいたいというか、一人だと恥ずかしいので一緒に学んでほしいというか」
「?」
「お、お料理に…興味がありまして」
「そうなんですか!」
「は、はい…」
もちろん貴族はあまり料理をしない。
だから一人だと恥ずかしいという気持ちは良くわかる。
しかし。
私には前世という武器がある。
墓穴を掘らなければ便利なものが。
「ジュゼッペ様。ご安心を」
「え?」
「こう見えて、私料理の知識はあるんです」
「え!」
「ですからジュゼッペ様が料理を学びたいと望むなら、私でよければお教えしますわ!」
「もちろん!よろしくお願いしたいです!」
私はこう見えても前世では料理をかなりしていたと思う。
もちろん前世でもお嬢様で赤月という有能執事がいる状況でありながらだ。
まぁ、いわゆる趣味の延長でやり込んだパターンにすぎない。
だから専門家というわけではないのだが…。
「教えれることは多いと思います…!」
「はい!喜んでお願いします!」
こうしてジュゼッペ様の新しい第一歩が決まった。
料理、楽しみ…!
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