転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜

咲宮

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第七章

62 side ジュゼッペ その3

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 呆然と立ち尽くしている間に、事は進んでいった。
 あの人は、セランスト様が連れてきたであろう騎士の人達に連れて行かれた。王城で事情聴取を受けるとの事だ。
 そして私は…。

「突然婚約などを結んでしまい、本当に申し訳ありません」

「い、いえ」

「貴方をこの家から離したいが為にも、勝手なことをしてしまいました。婚約は破棄してくれてかまいません。トリミア家には説明しておきますので」

 婚約を破棄…?そんなの、嫌だ。どうしてかそう思ってしまう。ほとんど一目惚れに近い形で貴方のことを好きにはなったけれど、私の事を助けてくれた貴方は本当にカッコよかった。

「そんな、寂しいこと言わないで下さい」

「え…?」

「セランスト様が……お嫌でなければ、私は貴方の婚約者でいたいです」

「……本当によろしいんですか?私などで」

………それは私の台詞ですよ。私には勿体無いくらい素敵な方です。…私で良いのですか?」

「もちろん……ジュゼッペ嬢。貴方が良いです。……私と改めて婚約して下さいますか」

「……喜んで」

 どうしてセランスト様が私の事を好きになったのかはまた後で聞こう。自分の事をここまで思ってくれる人はこの先きっと現れない。それに彼はあのアイシア様の兄君だ。それだけでなぜか安心できる。

「ジュゼ、とお呼びください」

「では私の事はセランと」

「はい」

「その…敬語もやめませんか?歳は変わりませんし」

「そうですね」

「ジュゼ、私……いや、俺の婚約者になってくれてありがとう」

 そう言って、私の事を優しく抱き締めてくれました。

 人生何が起こるかわからないものですね。
 私のような、諦めていた人にこんなにも素敵な奇跡が訪れるだなんて。

「あ…セラン。アイシア様は…」

「シアなら、ルディ…殿下が助けに」

「あぁ、良かった」

 あの部屋に残してしまったのは間違いだったと後々気づいたのだが、無事で本当に良かった。

「ジュゼ、行こう。二人がきっと待ってる」

「えぇ」

 そうして私達は二人が待つ馬車へと向かった。








 セラン、ありがとう。
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