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64話 どんな特性を持っているのか教えてもらいました
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スライム君たちに名前を与えてから数日が過ぎた頃、俺たちは湖に来ていた。
というのも、ふれあい広場を制作した時に出た大木たちを処理するためだった。
家の側にあった大木は、範囲も狭かったし、ロウキが粉々にしてくれたから問題なかったんだけど。
今回、ミルが一生懸命伐採してくれた大木をそのまま放置していたから、そろそろ処理しなくちゃと思っていた。
「ヨシヒロ様!木材の加工なら私に任せて!」
「ガーネット!そういえば皆、色んな能力を持ってるんだっけ!
ガーネットは木材の加工が得意なの?」
「うん!私は木材と石材の加工が得意なの!待っててね!」
湖にはスライムたちも一緒に来ていて、赤いスライムのガーネットが「自分が加工するよ」と前に出た。
どうやらガーネットは木材と石材の加工が得意らしく、大量の大木の前に行くと、大きなお口を開けて木材をいくつか飲み込んだ。
すると、ガーネットの体がふにゃふにゃと動き始め、しばらくすると口からポンッポンッと、一定の大きさに加工された木材が飛び出してきた。
まるで機械で加工したように均等で、王都の木材屋で売っている木材品と何ら変わりない仕上がり。
その作業を繰り返すこと約20分。
その場にあった木材すべての加工が終わった。
「ヨシヒロ様、終わったよ!」
「凄いよガーネット!お店で加工されたみたいだ!とっても綺麗!」
「嬉しい!いつでも言ってね、ヨシヒロ様!」
ガーネットの加工力は本当に見事で、その技量に惚れ惚れするほどだった。
これを大量に作っておけば、冬場の薪に困らないんじゃない?
そう思っていると、ラピスが肩の上にやってきて教えてくれた。
「ヨシヒロ様、実は僕は解析が得意なスライムです!
その解析した情報を、緑色のスライムのルドに伝達すると、
ルドはまったく同じものを複製することができます!」
「え?じゃあ、ラピスが解析担当のスライム君だったの?すごっ!」
「はい!実はそうなのです!
そして、銀色のスライムのムーンは、その色合いからも分かるように金属加工を得意とするスライムです!
鉱石を飲み込むと、体内で精錬して、武器や防具の素材となる延べ棒を生み出します。
ムーンは火属性と水属性を併せ持つ特別なスライムなので、
その二つの力を組み合わせることで、より高度な金属加工を可能にしているのです!」
「知らなかった…。なんて有能なスライムちゃん…
俺のヘパイトスの加護で作るものよりも、品質めっちゃいいよね?絶対。」
「ヨシヒロ様は存在しているだけで尊いので、問題ないです!
それに、ヨシヒロ様の生成の能力は、この世の誰よりも有能だと思います!」
「なんだよそれー!ラピス、ありがとなー。
それにしてもすごいなぁ…とんでもない子たちが来てくれたんだ…」
ラピスは自分の能力、そしてルドとムーンの能力についても詳しく教えてくれた。
その瞬間、「自分が探していた子たちだったんだ」と初めて気づいた。
利用しようなんてこれっぽっちも思ってはいないけど、
改めてスライムたちの能力と可能性に、心から驚かされていた。
「試しにじいさんの鉱石を加工してもらってみたらどうだ?」
「セルリアを?…確かまだ小さいけど鉱石が残ってたような?
あったあった! ムーン、これを延べ棒みたいに出来る?」
「ヨシヒロ様、待ってな!すぐ加工してあげるから!」
皆の能力にひたすら感心していると、ロウキが「試しにセドラのセルリアを加工させてみたらどうか」と提案してきた。
アーロンさんに献上した残りがあったかなと思いながら鞄を漁ると、メロンパンサイズのセルリア鉱石がまだ残っていた。
ムーンは俺が差し出したセルリア鉱石をパクリと飲み込み、製錬を開始。
体の中から「ゴオオオオッ」という音が聞こえたかと思えば、今度は「カンカン!」と金属を叩くような音が響き、
その場はまるで金属加工工場のような雰囲気に包まれた。
興味津々で見ていると、ムーンの銀色の体がプルプル震え、時々「シュウウーッ!」と蒸気まで吹き出す。
その姿はまるで機関車のようで、可愛くて思わず笑ってしまった。
そして、ムーンの体がぐにゃぐにゃと形を変えたかと思えば、ポンッ!と口から延べ棒を吐き出した。
出来た延べ棒を頭に乗せたムーンが、俺のもとにやってきて「ハイッ」と差し出してくれた。
「ヨシヒロ様!出来た!これでいい?」
「うわぁ…!すごい綺麗な青いセルリアの延べ棒…」
「これはいい値で売れるぞ?」
「何てことを!初めてムーンが作ってくれた延べ棒だよ!
ガーネットが作ってくれた木材と一緒に家に飾るに決まってるでしょうが!」
「親ばかだなお前は…」
ムーンが差し出してくれたセルリアの延べ棒は、ツルツルした手触りでヒンヤリしていて気持ちが良かった。
金の延べ棒はテレビで見たことがあったけど、セルリアの延べ棒もそれに負けないくらいの輝き。
その出来栄えを見たロウキは「いい値で売れるぞ」とニヤリと笑っていた。
確かに売れば確実にお金持ちになれる代物だ。だけど、俺は絶対にそんなことはしない。
初めてムーンが作ってくれたものだから、記念にとっておきたい。そう言うと、
ロウキに鼻で笑われ、「親ばかだな」と呆れられた。
「ヨシヒロ様!今度は僕の番だよ!ラピス、解析をお願い!」
「はーい!任せてルド!」
「ん?あ、もしかして解析して複製するの?」
「そうだよー。ちょっと待っててねー!」
ロウキとの会話をしていると、緑色のスライム・ルドがピョンピョンとこちらにやってきた。
「今度は自分の番だよ」と言い、ラピスにセルリアの延べ棒の解析を頼んでいた。
ラピスは延べ棒を口の中に放り込み、体をクネクネさせながら解析を開始。
しばらくするとポイッと延べ棒を取り出し、そのままルドにピタリとくっ付いた。
その姿は、揃えて消すあのゲームのようで、めちゃくちゃ可愛くて思わず口をキュッと結んだ。
俺が一人想像している間に情報伝達が終わったのか、今度はルドが延べ棒をパクリと食べた。
そして、しばらく待っていると、ルドの口からポイッ、ポイッと複製されたセルリアの延べ棒が飛び出してきた。
「できたー!どうだー!鑑定してみて!」
「見事に複製したな。かなり有能だぞ、ルド。」
「鑑定してみようかね。
……本当に見事に複製してる…これはマズイ…
絶対に人に見せないようにしなきゃ…うちの子たち、全員狙われるな…」
ルドが複製したセルリアの延べ棒は、それはそれは綺麗で完成度が高く、
鑑定スキルを使って見てみると、元の延べ棒とまったく同じもので驚かされた。
やっぱりスライムはとても優秀で、俺なんかよりはるかに役に立つんだなぁ……。
そう思うと同時に、この事実が広まってしまえば狙われる可能性もある。
だからこそ、気をつけなければ。そう強く感じていた。
ラピスたちにも、この領地以外では絶対に能力を使わないようにと注意しておかなくちゃ。
「変な人間とかに捕まって、悪用されなくて本当に良かった…
領地以外では、みんなその能力を見せないように!いいね?」
「はーい!」
「それじゃあ、ふれあい広場も無事に片付いたことだし…
今後、もし傷ついた動物や魔物がいたら俺に教えて!助けられる子は、ちゃんと助けたいから!」
「分かったー!じゃあ、俺はユキと早速パトロールしてくるぜ!」
「クロ兄さん、行きましょう!」
「二人とも、領地から出ないようにな!」
「分かりました!行ってきます!」
注意すると、みんな素直に「はーい」と言ってピョンピョン跳ねていたけど…
本当にちゃんと分かってるかな。
自分たちが思っている以上に、君たちのその能力は人間にとって必要で、
利用価値があると判断されてしまう可能性があるんだからな。
そう思うと、少し心配になった。
そんな中、今後この場所に傷ついた子がいたら連れてきてと伝えると、
早速クロとユキは「パトロールに行ってくる!」と張り切って出かけていった。
なんと可愛らしい警備隊なんだろう。
そう思いながら、皆で一度家に戻った。
この領地にどんな子たちがいるのかはまだ分からないけど、ちゃんと助けられたらいいな。
そして、もし王都やその道中の村などで傷ついた、傷つけられた子がいた時も、可能な限り手を差し伸べたい。
そう思っていた―…。
というのも、ふれあい広場を制作した時に出た大木たちを処理するためだった。
家の側にあった大木は、範囲も狭かったし、ロウキが粉々にしてくれたから問題なかったんだけど。
今回、ミルが一生懸命伐採してくれた大木をそのまま放置していたから、そろそろ処理しなくちゃと思っていた。
「ヨシヒロ様!木材の加工なら私に任せて!」
「ガーネット!そういえば皆、色んな能力を持ってるんだっけ!
ガーネットは木材の加工が得意なの?」
「うん!私は木材と石材の加工が得意なの!待っててね!」
湖にはスライムたちも一緒に来ていて、赤いスライムのガーネットが「自分が加工するよ」と前に出た。
どうやらガーネットは木材と石材の加工が得意らしく、大量の大木の前に行くと、大きなお口を開けて木材をいくつか飲み込んだ。
すると、ガーネットの体がふにゃふにゃと動き始め、しばらくすると口からポンッポンッと、一定の大きさに加工された木材が飛び出してきた。
まるで機械で加工したように均等で、王都の木材屋で売っている木材品と何ら変わりない仕上がり。
その作業を繰り返すこと約20分。
その場にあった木材すべての加工が終わった。
「ヨシヒロ様、終わったよ!」
「凄いよガーネット!お店で加工されたみたいだ!とっても綺麗!」
「嬉しい!いつでも言ってね、ヨシヒロ様!」
ガーネットの加工力は本当に見事で、その技量に惚れ惚れするほどだった。
これを大量に作っておけば、冬場の薪に困らないんじゃない?
そう思っていると、ラピスが肩の上にやってきて教えてくれた。
「ヨシヒロ様、実は僕は解析が得意なスライムです!
その解析した情報を、緑色のスライムのルドに伝達すると、
ルドはまったく同じものを複製することができます!」
「え?じゃあ、ラピスが解析担当のスライム君だったの?すごっ!」
「はい!実はそうなのです!
そして、銀色のスライムのムーンは、その色合いからも分かるように金属加工を得意とするスライムです!
鉱石を飲み込むと、体内で精錬して、武器や防具の素材となる延べ棒を生み出します。
ムーンは火属性と水属性を併せ持つ特別なスライムなので、
その二つの力を組み合わせることで、より高度な金属加工を可能にしているのです!」
「知らなかった…。なんて有能なスライムちゃん…
俺のヘパイトスの加護で作るものよりも、品質めっちゃいいよね?絶対。」
「ヨシヒロ様は存在しているだけで尊いので、問題ないです!
それに、ヨシヒロ様の生成の能力は、この世の誰よりも有能だと思います!」
「なんだよそれー!ラピス、ありがとなー。
それにしてもすごいなぁ…とんでもない子たちが来てくれたんだ…」
ラピスは自分の能力、そしてルドとムーンの能力についても詳しく教えてくれた。
その瞬間、「自分が探していた子たちだったんだ」と初めて気づいた。
利用しようなんてこれっぽっちも思ってはいないけど、
改めてスライムたちの能力と可能性に、心から驚かされていた。
「試しにじいさんの鉱石を加工してもらってみたらどうだ?」
「セルリアを?…確かまだ小さいけど鉱石が残ってたような?
あったあった! ムーン、これを延べ棒みたいに出来る?」
「ヨシヒロ様、待ってな!すぐ加工してあげるから!」
皆の能力にひたすら感心していると、ロウキが「試しにセドラのセルリアを加工させてみたらどうか」と提案してきた。
アーロンさんに献上した残りがあったかなと思いながら鞄を漁ると、メロンパンサイズのセルリア鉱石がまだ残っていた。
ムーンは俺が差し出したセルリア鉱石をパクリと飲み込み、製錬を開始。
体の中から「ゴオオオオッ」という音が聞こえたかと思えば、今度は「カンカン!」と金属を叩くような音が響き、
その場はまるで金属加工工場のような雰囲気に包まれた。
興味津々で見ていると、ムーンの銀色の体がプルプル震え、時々「シュウウーッ!」と蒸気まで吹き出す。
その姿はまるで機関車のようで、可愛くて思わず笑ってしまった。
そして、ムーンの体がぐにゃぐにゃと形を変えたかと思えば、ポンッ!と口から延べ棒を吐き出した。
出来た延べ棒を頭に乗せたムーンが、俺のもとにやってきて「ハイッ」と差し出してくれた。
「ヨシヒロ様!出来た!これでいい?」
「うわぁ…!すごい綺麗な青いセルリアの延べ棒…」
「これはいい値で売れるぞ?」
「何てことを!初めてムーンが作ってくれた延べ棒だよ!
ガーネットが作ってくれた木材と一緒に家に飾るに決まってるでしょうが!」
「親ばかだなお前は…」
ムーンが差し出してくれたセルリアの延べ棒は、ツルツルした手触りでヒンヤリしていて気持ちが良かった。
金の延べ棒はテレビで見たことがあったけど、セルリアの延べ棒もそれに負けないくらいの輝き。
その出来栄えを見たロウキは「いい値で売れるぞ」とニヤリと笑っていた。
確かに売れば確実にお金持ちになれる代物だ。だけど、俺は絶対にそんなことはしない。
初めてムーンが作ってくれたものだから、記念にとっておきたい。そう言うと、
ロウキに鼻で笑われ、「親ばかだな」と呆れられた。
「ヨシヒロ様!今度は僕の番だよ!ラピス、解析をお願い!」
「はーい!任せてルド!」
「ん?あ、もしかして解析して複製するの?」
「そうだよー。ちょっと待っててねー!」
ロウキとの会話をしていると、緑色のスライム・ルドがピョンピョンとこちらにやってきた。
「今度は自分の番だよ」と言い、ラピスにセルリアの延べ棒の解析を頼んでいた。
ラピスは延べ棒を口の中に放り込み、体をクネクネさせながら解析を開始。
しばらくするとポイッと延べ棒を取り出し、そのままルドにピタリとくっ付いた。
その姿は、揃えて消すあのゲームのようで、めちゃくちゃ可愛くて思わず口をキュッと結んだ。
俺が一人想像している間に情報伝達が終わったのか、今度はルドが延べ棒をパクリと食べた。
そして、しばらく待っていると、ルドの口からポイッ、ポイッと複製されたセルリアの延べ棒が飛び出してきた。
「できたー!どうだー!鑑定してみて!」
「見事に複製したな。かなり有能だぞ、ルド。」
「鑑定してみようかね。
……本当に見事に複製してる…これはマズイ…
絶対に人に見せないようにしなきゃ…うちの子たち、全員狙われるな…」
ルドが複製したセルリアの延べ棒は、それはそれは綺麗で完成度が高く、
鑑定スキルを使って見てみると、元の延べ棒とまったく同じもので驚かされた。
やっぱりスライムはとても優秀で、俺なんかよりはるかに役に立つんだなぁ……。
そう思うと同時に、この事実が広まってしまえば狙われる可能性もある。
だからこそ、気をつけなければ。そう強く感じていた。
ラピスたちにも、この領地以外では絶対に能力を使わないようにと注意しておかなくちゃ。
「変な人間とかに捕まって、悪用されなくて本当に良かった…
領地以外では、みんなその能力を見せないように!いいね?」
「はーい!」
「それじゃあ、ふれあい広場も無事に片付いたことだし…
今後、もし傷ついた動物や魔物がいたら俺に教えて!助けられる子は、ちゃんと助けたいから!」
「分かったー!じゃあ、俺はユキと早速パトロールしてくるぜ!」
「クロ兄さん、行きましょう!」
「二人とも、領地から出ないようにな!」
「分かりました!行ってきます!」
注意すると、みんな素直に「はーい」と言ってピョンピョン跳ねていたけど…
本当にちゃんと分かってるかな。
自分たちが思っている以上に、君たちのその能力は人間にとって必要で、
利用価値があると判断されてしまう可能性があるんだからな。
そう思うと、少し心配になった。
そんな中、今後この場所に傷ついた子がいたら連れてきてと伝えると、
早速クロとユキは「パトロールに行ってくる!」と張り切って出かけていった。
なんと可愛らしい警備隊なんだろう。
そう思いながら、皆で一度家に戻った。
この領地にどんな子たちがいるのかはまだ分からないけど、ちゃんと助けられたらいいな。
そして、もし王都やその道中の村などで傷ついた、傷つけられた子がいた時も、可能な限り手を差し伸べたい。
そう思っていた―…。
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