魔王と噂されていますが、ただ好きなものに囲まれて生活しているだけです。

ソラリアル

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85話 男のことは絶対に許さないです

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「何をしている、マルセル・ヴェルミス男爵。」

「?!」

「この地はすでに売りに出されているはず。なぜ今さら、あんたがここにいるんだ?
それに扉…どこに繋がってるんだ?答えろ!」

「お、お、お前たちは?!」


ひとまずロウキたちは姿を隠し、俺とガーノスさんの二人で男爵の元へと向かった。
突然の登場に、男爵は動揺を隠せない様子で目をキョロキョロと泳がせていた。
一方、助けを求めてくれたノエルさんは何も言わず、ただただ俯いていた。
よく見ると、ノエルさんの首には鉄の首輪のようなものがあり、それがなんとも嫌な感じだった。


【ノエルさんの首に付けられているのは“隷属の首輪”です。
奴隷契約と同じで、契約を交わした者の言うことは絶対。
“死ね”と言われれば、望んでいなくても体が勝手に動き、自ら命を絶つという恐ろしい契約です。】


俺の気持ちが伝わったのか、エマがあの首輪について教えてくれた。
その内容を聞いた俺は、だからノエルさんは黙って言うことを聞くしかなかったのかと納得。
同時に、この男爵に対してとてつもない嫌悪感が湧き上がった。


「ここで何をしているんだ?その地下、見せてもらうぞ。」

「ただの実験だ!お前たちに関係ないだろう?!」

「ただの実験なら、どんな実験をしているのか話してもらおうか?
あんたの隣にいるノエルまで巻き込んで、何を研究しているというのか?」

「説明する義務はないっ!!何なんだお前は!私は男爵だぞ?!
お前たち平民どもが爵位持ちに歯向かっていいと思っているのか?!」

「爵位持ち…ねぇ。」


隷属の首輪に対して不快に思っていると、ガーノスさんは男に「何をしているのか」と問いただした。
当然、男爵は答えるわけもなく、「お前たちには関係ない」と言い放った。
そして、爵位持ちに歯向かっていいのかとまで言い始めたわけだけど男爵って、そんなに偉かったっけ?
心の中で色々と思っていると、ガーノスさんは溜息を吐きながら言った。


「爵位云々言うなら、こいつは王国御用達の冒険者だ。
そして俺たちは、王の命を受けてここにいる。
この意味、分かるよなぁ?」

「えっ…王の命を受けてって…な、なぜ王がこの場所を?!」

「お前がやってることは、もう分かってんだ!!大人しくしやがれっ!!」

「ひぃぃっ!!」


ガーノスさんは爵位を振りかざす男に対し、俺が王国御用達の冒険者だと告げ、
今回は王の命を受けてこの場にいると、ドスの利いた声で伝えた。
その瞬間、男の顔色がサッと青くなるのが分かり、ガーノスさんは「すべて分かっている」と言い放った。
男はジリジリと後ろに下がり、開いた扉をチラチラと見ながら、この場をどう切り抜けようか考えているようだった。
もう、絶対にどうにもならないのに。
そう思っていると、男は側にいたノエルさんの胸倉を掴んで叫んだ。


「オラッ!!さっさと呼んで来いっ!!あいつを使ってこいつらを皆殺しにするんだっ!!」

「…っ」

「言うことが…聞けねぇのか、このクズ野郎っ!!誰のおかげで研究ができたと思ってるんだっ!!」


ドコッ!!
ドカッ!!


「やめろっ!!」

「…っ」


男はノエルさんに乱暴に詰め寄り、何かを呼んで来いと叫びながら、彼女を床に叩きつけた。
そしてそのまま何度も蹴り上げる。
思わず「やめろ!」と叫ぶも、ノエルさんは俺たちに助けを求めることなく、
痛みに耐えながら、這うようにして扉の中へと入っていった。
そんなノエルさんを苦しそうな表情で見ていたガーノスさん。
拳を力強く握りしめながら男に詰め寄った。


「ヴェルミス男爵よ…なぜノエルをあんな目に遭わせるんだ。
アイツに何をさせている?」

「クックックッ!アイツの研究内容は知ってるだろうが?
それを資金と魔物を提供して、手助けしてやったまでよ!」

「研究の手助けって…お前、やっぱり魔物の違法改造に手を出したというのか?!」

「ああそうだ!これが成功すれば、私はこの世界の覇者になれる!
今、この地に魔王が誕生したらしいが、そんなものこの私が排除して、
私が魔王として君臨して世界に土下座させてやるわ!
そうすれば、こんな低爵位なんか捨てて、私が世界を牛耳ってやる!!」

「なんて馬鹿で浅はかな考えの奴なんだ…」


ガーノスさんが問い詰めると、男はまるで漫画の世界に入り込み、現実と区別がつかなくなってしまった妄想者のように、現実味のない発言をして下品に笑った。
そんなことのためにノエルさんを隷属契約し、無理やり研究を続けさせたのか。
その結果、あんなに悲痛な叫び声をあげる魔物や魔獣が生まれてしまった。
こんなの、とてもじゃないけど許されない。
そう思った瞬間、口が勝手に動き、男に向かって叫んでいた。


「あんたみたいな人に…魔物や魔獣を傷つけられてたまるかよ…」

「ああん?何だお前。王国御用達の冒険者のくせに、薄汚い魔物の味方をするのか?
あいつらはこの世界に必要のないゴミなんだ。それを私が役立ててやろうってんだ。
感謝してほしいものだがな!」

「なんだとっ?!そりゃこの世界で生きていくうえで、魔物や魔獣に苦しめられることもあるさ。
けど、無抵抗な子たちが泣き叫ぶようなことをしてるお前の方が、この世界に必要のないゴミだろうが!!」

「はぁ?なーに熱くなってんだお前は。お前、どっちの味方なのだ?
人間に害をなす魔物の味方をする奴を王国御用達の冒険者に指定するなんざ、王国もついに狂ったか。
それとも、お前も魔物か?」

「お前っ…」


生まれて初めて、大きな声で相手を罵倒した。
前世では事なかれ主義で、理不尽なことが起きてもグッと堪えて生きてきた。
だけど、黙っていられなかった。
俺が今この世界で生きていけているのは、ロウキをはじめとする魔物や魔獣たちが、俺に寄り添ってくれたから。
だから、そんな心優しい子たちを馬鹿にされて、どうしても言わずにはいられなかった。
心の底から怒りが湧いてくる。
今ならこの男をこの世から抹殺することもできそうなほど、感情で埋め尽くされていた。
その時―


「きゃあああああっ!!」

「ノエルッ!?」


突然響き渡ったノエルさんの叫び声。
ハッとして意識を扉に向けると、男はニヤッと笑い、その扉から少し後ろに下がった。
そして、狂気じみた笑みを浮かべながら言った。


「お前たちも終わりだ!まだ未完成だが、お前ら人間二人を食い殺すなんざすぐだろう!
ここがお前たちの墓場だ!王国に報告なんかされてたまるか!この場で塵になって消えろ!」

「まさかお前っ!解き放ったのか?!噂の違法改造した魔物を!!」

「ああ!あの女に解放させに行かせたんだよ!
叫び声が聞こえたということは、あいつは食われたか?
まぁ、いいさ。実験体はまた探せばいい!同じ研究をする奴はいくらでもいる!」

「……っ」


男はそう言い放ち、すでに勝った気でいるのか、余裕の笑みを浮かべていた。
俺とガーノスさんは扉に視線を向け、何が出てくるのか待つしかなかった。
俺の気配感知の能力では、何が動いているのかは分からないほど強烈で、憎悪に満ちた物体が近づいてくるのが分かった。
絶対にヤバいのが出てくる。
そう思った次の瞬間-


ガンッ!
ガシャアァン!


「グオオオオオオオオオッ!!!」


大きな音と共に、ドオオンッ!!という爆音が響き渡り、
分厚い鉄の扉がまるで破裂した缶詰のように歪みながら後方に吹っ飛んでいった。
そして、その扉の暗闇から怒り、苦しみ、恨みの気配を放つ、見たことのない魔物が姿を現した。
見た目は大きな熊のような、だけど背中には翼が生えている。とても奇妙な見た目だった。


「ヨシヒロ下がれ。」

「ロウキ!皆も!」


魔物が飛び出てた瞬間、ロウキたちが飛び出して、俺たちの前に立った。
ロウキたちの姿を見た男は、何が起きたのかという驚きと困惑の表情を浮かべ、俺たちに向かって叫んだ。


「な、な、な、何なんだ!!フェンリル?!ミノタウロス?!
それに空飛ぶトカゲにスライム…お前っ…いったい何者なんだっ?!」

「この子たちは俺の友達だっ!!」

「と、友達だと?!そんな世界を破滅させることができるフェンリルなどと友達な訳があるか!!
そ、そうか!!お前、悪魔か魔族なんだろうっ?!
だから私がやっている研究で仲間が使われるのが気に食わないのか?!」


俺が「友達だ」と叫ぶと、男はあからさまに「嘘をつくな」というような表情を浮かべた。
そして俺に向かって、「人間じゃなく悪魔か魔物だろう」と言い放った。
そんな男に向かって、俺は拳を握りしめ、冷静に答えた。


「俺は人間だ…。それに、俺が悪魔だろうが魔物だろうが関係ない。
ここにいる皆は、俺にとっては大切な仲間だ。
だから、お前が命をゴミ扱いすることを許すなんて、できるわけがないだろう?!」

「ええいっ!やかましいわっ!!魔物を友達だというふざけた奴は、この世界にとっても私にとっても不要!!
相手がフェンリルだろうが何だろうが、この改造魔物に敵うはずがないのだ!
ヤレッ!魔物よ!お前の力を見せつけてやるのだ!!」

「グオオオオオオオッ!!」

「ガーノス!ヨシヒロ!後ろに下がれ!
あれはアクアベアとフレイムワイバーンを掛け合わせた化け物だっ!!」

「グオオッ…」

「しかし、我に勝てるとでも思っているのか。串刺しにしてくれるわ。
……神槍《ゴッドランス》ーーーッ!!」

「グギャアアアアアァッ!!」


ロウキは俺たちをさらに後ろに下がらせると、神槍の魔法を唱え、大きく長い槍を魔物に向かって落とした。
“神”と付くだけあって、これはとても高位な魔法らしく、魔物は動く間もなくその場に倒れ込んで動かなくなった。
ただ、まだ気配があるということは、瀕死の状態か…。


「バッ、バカな!!私の最高傑作が!!」

「み…未完成だと…言ったはずだ…」

「ノエル!無事だったか!」

「ああ…。そ、その魔物は…まだ…」


虫の息の魔物に男が発狂していた時、カタンッと音がして扉から這うようにしてノエルさんが現れた。
無事だったのかと思い、ホッとして思わず肩の力が抜けた。
すると男はすぐさまノエルさんの元に向かい、胸倉を掴んで脅した。


「お前はっ!!なぜこんな弱い生き物を生んだのだ!!
私が欲しかったのは、こんなすぐ死ぬような魔物じゃないわっ!」

「だから…未完成だと…その前に…フェンリル相手に…勝てるわけが…ない…」

「オイッ!!起きろ!!まだ仕事は終わって―」

「やめねぇか、ヴェルミス!!お前はもう終わりなんだよ。」


ゴンッ―
ドサッ―


「うううっ…」


男はノエルさんに詰め寄り、何度も体を揺さぶって弱い魔物を生んだことを責め立てた。
しかしノエルさんは、体中が血だらけだったせいか、ふっと意識を失ってしまった。
それでもまだ詰めようとする男に対し、ガーノスさんは怒り、ついにその拳を振るった。
殴られた勢いでその場に倒れ込んだ男は、頬を押さえながら目に涙を浮かべて声をあげた。


「いやっ…いやだっ!!私は…こんなところで終わるような人間ではないのだっ!!」

「やかましいっ!!お前は終わりだ…何度も言わせるな。」

「なぜっ…私がっ…」


こうなれば情けないもので、何もできないこと、自分は本当はこうなるはずじゃなかったと嘆くことしかできないんだろう。
泣きわめくその姿はとても見苦しいったらない。本当に軽蔑するな。
なんて思って見ていると、ガーノスさんが自分の持ち物から何かを探していた。
しかし、お目当てのものがなかったのか、俺に問いかけた。


「あー…忘れちまった…。
ヨシヒロ、何か縛るものとか持ってねぇか?」

「あ、それなら…ちょっと待ってくださいね。
・・・・・・クレオ!」


カシャンッ


「何だそれ?」


ガーノスさんは男を縛り付ける道具を持ってくるのを忘れたらしく、何か持っていないかと俺に訊ねた。
だから俺は、「捕まえるものと言えばこれでしょう」と思い、すぐさま生成して渡した。


「これは“手錠”と言って、悪事を働いた人を捕まえるための道具です。
鍵、失くさないでくださいね。
普通は手だけ、こんな風に手錠をかけるんですけど、
あの人に逃げられたらいけないので、足にも付けておいた方がいいかも?」

「ああ。すまない。…相変わらず変なもん作るな?」

「へへっ!」


俺が生成したもの、それはもちろん手錠。
捕まえると言えば縄よりこれだろうと思い、二つ生成して渡した。
やり方の見本を見せると、ガーノスさんは手早く男の手と足に手錠をはめた。
そして、それでも逃げられたらいけないからと、ロウキがユキとミルに見張りをするように指示した。


「そうだ!ノエルさんの怪我と首輪!」


ガーノスさんが男に手錠をかけたあと、ハッとして俺は急いでノエルさんの元へと向かった。
まずは怪我を治してあげなくちゃ!そう思い、すぐさま「ハイヒール」を唱えた。
すると、あっという間に傷口が塞がり、顔色も良くなっていた。
次は、この隷属の首輪か…。少し悩んでいると、男が俺を見ながら言った。


「隷属の首輪は主人にしか外せん!お前が何をしようと無駄だ!」

「へぇ…そうなの?エマ?」

【いえ。Angelic Handで解除可能です。
ただし、使えば使うほどヨシヒロさんは“魔王”としての力が蓄えられ、その噂が広がります。】

「はは、やだよ魔王なんて!でも、俺にできることはやりたいから、やるね。」


隷属の首輪は主人にしか外せないと言われ、確かにそうだろうなと思いながらエマに訊いてみると、
「アンジェリックハンド」で解除可能だと教えられた。
そしてこの魔法は、使えば使うほど“魔王”に近づく。なんて言われて、思わずプッと笑ってしまった。
もう半分諦めてますからね、それに関しては。
そう思い、俺は迷うことなく力を発動させた。


「Angelic Hand!」


ポワアアアッ―

ガシャンッ!


「なっ…バカなっ…!」


迷いもなくアンジェリックハンドを使用すると、その力のおかげでノエルさんの首についていた首輪がパリンッと割れて地面に落ちた。
これでノエルさんは自由だ。
そう思っていると、男は唖然とした表情でその光景を見ていた。
まぁ、そうだよね。俺も最初はびっくりしたし。でも、もう慣れちゃったけどね。


「ふう。これで良しっと。ごめん、ミル。この人、馬車の中に連れて行ってくれない?
ここにいたら危ないからさ。」

「わかった。あるじ、いってくるね。」

「ありがとう、ミル。」


ノエルさんを安全な場所に連れて行かなければと思い、ミルに馬車へ運んでもらうようお願いした。
ミルはコクリと頷いて、ノエルさんを抱きかかえて馬車のある方へと向かってくれた。
ミルは力持ちさんだから、とっても助かるなぁなんて思っていると、男が声を震わせながら俺に向かって叫んだ。


「なんっ…魔獣が…人間の言うことを…?おかしいだろうが!!
お前、何したんだ?!なぜそんな力がある!!」

「知らないよ。知ってても、あんたに教える義理はないね。」

「ぬぐぐっ…その力があれば、世界を変えることだってできるというのにっ…!」

「興味ないよ。俺はこの世界で、のんびりライフを送りたいだけなんだから!」


男は俺の力を目の当たりにして、「その力があれば世界を変えられるのに」と言っていたけど、
俺にはそんなこと、興味がない。
そう伝えると、「あり得ないだろうが」というような表情で俺を睨みつけてきた。
でも、本当に興味ないからね。
俺は、みんなと幸せな“のんびりライフ”を送りたいだけなんだから。

そう思いながら男に背を向け、ロウキが倒した魔物の元へと向かった。
もうダメかもしれないけど…それなら、せめて安らかに眠らせてやりたい。
そう思いながら―…。


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