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92話 判決の内容を知ったあと、新たな依頼を相談されました
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「そういえば、ノエルさんたちのことで話があったんですよね?」
「あぁ。今朝、判決が言い渡されたんだ。これがその判決文だ。
今回の件はヨシヒロにも深く関わっていたからな。
この判決については知らせておこうと思ってな。」
「あ…じゃあ、読ませてもらいますね。」
ガーノスさんが少し落ち着いたところで、本来の目的であるノエルさんたちの件について切り出した。
すると、肩掛け鞄から二枚の書類を取り出し、俺に手渡してくれた。
紐をほどいて中身を確認すると、そこには今回の件に関する判決が記されていた。
【マルセル・ヴェルミス男爵に対し、王国の安全を揺るがす国家反逆の企ておよび、非人道的な違法改造の罪により、爵位を剥奪した上で死罪を執行する。
その財産はすべて没収し、男爵家は家名および家系図より永久に抹消とする。
爵位継承権を持つすべての血族は、直ちに貴族籍を剥奪し、平民に降格させる。
その配偶者および血族は王都より永久に追放し、二度と王都および主要な領地への立ち入りを禁ずる。
彼らに与えられる平民としての市民権は制限され、監視下に置かれるものとする。】
「うわ…これは…死罪に爵位の剥奪…ですか…」
「まぁ、あれだけのことをしたんだ。この判決は妥当だな。」
一枚目の書類には、あの男爵に対する判決内容が記されていた。
男爵は死罪となり、一家は全員が爵位を剥奪され、王都から永久に追放されるというものだった。
日本では考えられない、犯罪者の家族まで処罰されるという厳しい裁き。
これからこの家族に待ち受けるのは、生き地獄なのだろうと、容易に想像がついた。
続けて二枚目に目を通すと、そこにはノエルさんに対する判決が記されていた。
【研究者ノエルに対し、違法改造に加担し王国の秩序を乱した罪により、禁錮50年の判決を下す。
ただし、隷属の首輪による強制を認め、禁錮刑は初めの1年間のみ地下牢にて執行する。
残りの49年間は、王室直属の研究員として厳重な監視下に置き、国家の利益のために魔物・魔獣の研究を続けることを義務とする。】
「これって…死罪は免れたってことですよね…?」
「ああ…。アーロンの恩情ってやつだな。」
「ノエルさん…良かったです…」
ノエルさんの判決を読み終えた俺は、少しホッとしていた。
あっくんやワイバーン、他の子たちのことを考えれば、死罪が妥当なのかもしれない。
でも、ガーノスさんの知り合いという点が、俺をそんな気持ちにさせたのかもしれない。
それに、ノエルさんにとって一番大切な研究を、義務とはいえ続けられるのも良かったと思う。
魔物同士の融合だけでなく、魔物という存在そのものについて研究してもらえたら、
その研究によって救われる命があるかもしれない。
そうなれば、この国の考え方も変わるかもしれない。
簡単なことではないけれど、その“いつか”を、俺は信じていたかった。
「ヨシヒロもそうだが、今回もいろいろと世話になったな。
ロウキたちも、ありがとな。」
「こやつはお人好しだからな。我らはいつも、こやつの意思のもとに行動する。
別に、礼を言われることではない。」
「はは、ありがとな、ロウキ。」
今回の件で、改めてお礼を言ってくれたガーノスさん。
そんな彼に対して、礼を言われることではないと返したロウキの言葉は、どこか彼なりの気遣いのようにも感じられた。
意外と優しい一面もあるから、そのギャップが、いい意味でつい笑ってしまうんだよな。
なんて思っていると、ガーノスさんが少し言いづらそうに口を開いた。
「それで、うちに入ってきた依頼なんだが…」
「…また冒険ですか?」
「いや、今回は王都の中の問題だ。」
「王都で何かあったんですか…?」
ガーノスさんが言いにくそうにしていたのは、どうやら冒険者ギルドに新たな依頼が入ったからだった。
それも王都内での依頼だと言われ、「なぜそれを俺に?」と思ったけれど、
きっと俺にしか頼めない内容なのだろうと察した。
ついこの間、依頼を終えたばかりで、正直なところ家でゆっくり過ごしたい気持ちの方が強かったけれど…。
まぁ、話だけでも聞いておくか。そう思い、ガーノスさんに依頼の内容を尋ねた。
「王都の下町に“エトワール教会”ってのがあるんだけどよ。
そこから夜な夜な歌声が聞こえるだの、礼拝中に白い影が見えるだのって、幽霊騒ぎが起きててな…。
それで今回、調査してくれねぇかって、冒険者ギルドに依頼が入ったってわけで…」
「なぜ…俺たちに?」
「そりゃまぁ…幽霊なんざいないと思いたいが、皆怖がって行きたがらねぇんだよ。
ヨシヒロなら、怖いもんなんてねぇだろ?」
「いやいや!お、俺だって、そういう心霊現象とか、めっちゃ怖いですって!」
ガーノスさんの話を聞いた瞬間、ゾクッとして思わず眉間にシワが寄った。
だって俺は、昔からおばけとか心霊現象とか、本当に苦手だったから。
あの有名な番組だって、最後までまともに見られたことがなかったし、
“世にも~”っていう番組も、たまにゾクッとする回があって、怖くて目をそらしたこともあったくらいなのに…。
それなのに、ガーノスさんは「ヨシヒロなら怖いものなんてないだろ?」なんて言って、当然のように頼んできた。
思わず「怖いです!」と首を横に振ると、ガーノスさんはあからさまに疑いの目を向けてきた。
「嘘つけ!俺からすりゃ、これだけ魔獣に囲まれる方がよっぽど怖いわ!」
「いやいやいや…嫌ですよー…お化け怖いー…!」
ガーノスさんは、「こんなに魔獣に囲まれる方が怖いだろうが」と言いながら、
どうしても俺にこの依頼を受けさせたい様子だった。
これはどう考えても聖職者の仕事じゃないのかよ…!
そう心の中で叫んでいると、その様子を見ていたロウキが、鼻をフンッと鳴らし、呆れたような声で言った。
「ヨシヒロよ…いつからそんなに臆病になったのだ?
怪奇現象には必ず理由があるものだ。たとえそこに霊なるものがいたとしても、
そこに存在している理由があるのだ。それを解決してやれば、怪奇現象は消える。」
「そんな簡単に言うけど!怖いもんは怖いだろ?!だって、お化けだぞ?!」
「はぁ…情けない奴だ。」
ロウキは、霊的なものがいたとしても、そこには必ず存在する理由があると、訳の分からないことを言った。
それでも俺は怖いんだと訴えると、「情けない奴だ」と呟いて鼻で笑ったロウキ。
そりゃロウキほどの存在なら、怖いものなんてないかもしれないけど!
俺はただの人間!それも、この世界とは無縁の世界から来た人間なのよ!
鉄の心臓なんて持ち合わせてねぇ!そう心の中で叫んでいた。
すると、話を聞いていたクロが俺の肩にパタパタと飛んできて言った。
「主、大丈夫だって!俺たちがついてるじゃん!」
「クロ…でもクロは悪魔だから相性悪いだろ?今回は依頼を受けてもお留守番だからな?」
「ええ?!確かに普通は、悪魔にとって教会と神聖魔法は苦手だけど…
でも俺は進化したし、使い魔なんだから主と一緒に行くからな!」
「…大丈夫なのか?」
「大丈夫!俺、強いから!」
「はぁ…」
クロは「俺たちがついてるから大丈夫だよ」と、俺を安心させたくて言ってくれたんだろうけど、
悪魔と教会って、絶対に相性が悪いだろうと思い、今回は留守番だと告げた。
それを聞いた途端、クロは目に見えて落ち込み、「絶対に行く!」と駄々をこね始めた。
まるでワガママを言う子供みたいだけど…本当に連れて行っても大丈夫なんだろうか?
その前に、これってもう俺が依頼を受ける流れになってない?!
「あるじさま。僕たちもご一緒しますから、ご安心ください。」
「あるじ、いつも、おれ、まもるよ。」
「ヨシヒロ様!僕たちもお役に立てますー!スライムがいた方が何かと便利かと思います!」
「ねぇ、ヨシヒロ様。こういうお仕事は私も連れて行ってくださいな。
きっとお役に立てますわ。
この場所にいれば、シンゴもあっくんも私がいなくても大丈夫ですわ。
ガーネットたちが面倒を見てくださいますから。」
「ヨシヒロ様!子守なら私たちに任せて!」
「……っ」
クロが一緒に行くと言い始めると、それに続けと言わんばかりにユキたちも俺に寄ってきて、
「大丈夫だよ」と騒ぎ始めた。
こうなったらもう、この子たちは依頼を受ける気満々で…。
俺の意思なんて、一つも尊重されないことは、もう分かっていた。
「はぁ…ガーノスさん……依頼、受けます…」
「はっはっは!さすがヨシヒロの従魔たちだな。物怖じしない性格は最高だぜ。」
「ううっ…」
「じゃあ、教会と今回の依頼の詳しい内容を説明するかな。」
依頼を断るという選択肢を諦めて受諾すると、ガーノスさんは豪快に笑った。
毎回こうなんだよね。たまに俺の意思を尊重してくれることもあるけど、
基本的には“大丈夫精神”で生きているこの子たちに、背中を無理やり押されてる感じ。
だけど、「嫌だ嫌だ」と思いながらも受けちゃう辺り、俺もこの子たちに弱いってことなんだよねー。
そして、そんな自分が嫌いじゃないって思ってるんだから、きっと好きなんだろうな、この空気が。
とはいえ、今回の依頼は…絶叫待ったなしなんだよなぁ。
よし、今回はロウキの後ろに隠れていよう。
そう心の中で計画を立てていた俺だった―…。
「あぁ。今朝、判決が言い渡されたんだ。これがその判決文だ。
今回の件はヨシヒロにも深く関わっていたからな。
この判決については知らせておこうと思ってな。」
「あ…じゃあ、読ませてもらいますね。」
ガーノスさんが少し落ち着いたところで、本来の目的であるノエルさんたちの件について切り出した。
すると、肩掛け鞄から二枚の書類を取り出し、俺に手渡してくれた。
紐をほどいて中身を確認すると、そこには今回の件に関する判決が記されていた。
【マルセル・ヴェルミス男爵に対し、王国の安全を揺るがす国家反逆の企ておよび、非人道的な違法改造の罪により、爵位を剥奪した上で死罪を執行する。
その財産はすべて没収し、男爵家は家名および家系図より永久に抹消とする。
爵位継承権を持つすべての血族は、直ちに貴族籍を剥奪し、平民に降格させる。
その配偶者および血族は王都より永久に追放し、二度と王都および主要な領地への立ち入りを禁ずる。
彼らに与えられる平民としての市民権は制限され、監視下に置かれるものとする。】
「うわ…これは…死罪に爵位の剥奪…ですか…」
「まぁ、あれだけのことをしたんだ。この判決は妥当だな。」
一枚目の書類には、あの男爵に対する判決内容が記されていた。
男爵は死罪となり、一家は全員が爵位を剥奪され、王都から永久に追放されるというものだった。
日本では考えられない、犯罪者の家族まで処罰されるという厳しい裁き。
これからこの家族に待ち受けるのは、生き地獄なのだろうと、容易に想像がついた。
続けて二枚目に目を通すと、そこにはノエルさんに対する判決が記されていた。
【研究者ノエルに対し、違法改造に加担し王国の秩序を乱した罪により、禁錮50年の判決を下す。
ただし、隷属の首輪による強制を認め、禁錮刑は初めの1年間のみ地下牢にて執行する。
残りの49年間は、王室直属の研究員として厳重な監視下に置き、国家の利益のために魔物・魔獣の研究を続けることを義務とする。】
「これって…死罪は免れたってことですよね…?」
「ああ…。アーロンの恩情ってやつだな。」
「ノエルさん…良かったです…」
ノエルさんの判決を読み終えた俺は、少しホッとしていた。
あっくんやワイバーン、他の子たちのことを考えれば、死罪が妥当なのかもしれない。
でも、ガーノスさんの知り合いという点が、俺をそんな気持ちにさせたのかもしれない。
それに、ノエルさんにとって一番大切な研究を、義務とはいえ続けられるのも良かったと思う。
魔物同士の融合だけでなく、魔物という存在そのものについて研究してもらえたら、
その研究によって救われる命があるかもしれない。
そうなれば、この国の考え方も変わるかもしれない。
簡単なことではないけれど、その“いつか”を、俺は信じていたかった。
「ヨシヒロもそうだが、今回もいろいろと世話になったな。
ロウキたちも、ありがとな。」
「こやつはお人好しだからな。我らはいつも、こやつの意思のもとに行動する。
別に、礼を言われることではない。」
「はは、ありがとな、ロウキ。」
今回の件で、改めてお礼を言ってくれたガーノスさん。
そんな彼に対して、礼を言われることではないと返したロウキの言葉は、どこか彼なりの気遣いのようにも感じられた。
意外と優しい一面もあるから、そのギャップが、いい意味でつい笑ってしまうんだよな。
なんて思っていると、ガーノスさんが少し言いづらそうに口を開いた。
「それで、うちに入ってきた依頼なんだが…」
「…また冒険ですか?」
「いや、今回は王都の中の問題だ。」
「王都で何かあったんですか…?」
ガーノスさんが言いにくそうにしていたのは、どうやら冒険者ギルドに新たな依頼が入ったからだった。
それも王都内での依頼だと言われ、「なぜそれを俺に?」と思ったけれど、
きっと俺にしか頼めない内容なのだろうと察した。
ついこの間、依頼を終えたばかりで、正直なところ家でゆっくり過ごしたい気持ちの方が強かったけれど…。
まぁ、話だけでも聞いておくか。そう思い、ガーノスさんに依頼の内容を尋ねた。
「王都の下町に“エトワール教会”ってのがあるんだけどよ。
そこから夜な夜な歌声が聞こえるだの、礼拝中に白い影が見えるだのって、幽霊騒ぎが起きててな…。
それで今回、調査してくれねぇかって、冒険者ギルドに依頼が入ったってわけで…」
「なぜ…俺たちに?」
「そりゃまぁ…幽霊なんざいないと思いたいが、皆怖がって行きたがらねぇんだよ。
ヨシヒロなら、怖いもんなんてねぇだろ?」
「いやいや!お、俺だって、そういう心霊現象とか、めっちゃ怖いですって!」
ガーノスさんの話を聞いた瞬間、ゾクッとして思わず眉間にシワが寄った。
だって俺は、昔からおばけとか心霊現象とか、本当に苦手だったから。
あの有名な番組だって、最後までまともに見られたことがなかったし、
“世にも~”っていう番組も、たまにゾクッとする回があって、怖くて目をそらしたこともあったくらいなのに…。
それなのに、ガーノスさんは「ヨシヒロなら怖いものなんてないだろ?」なんて言って、当然のように頼んできた。
思わず「怖いです!」と首を横に振ると、ガーノスさんはあからさまに疑いの目を向けてきた。
「嘘つけ!俺からすりゃ、これだけ魔獣に囲まれる方がよっぽど怖いわ!」
「いやいやいや…嫌ですよー…お化け怖いー…!」
ガーノスさんは、「こんなに魔獣に囲まれる方が怖いだろうが」と言いながら、
どうしても俺にこの依頼を受けさせたい様子だった。
これはどう考えても聖職者の仕事じゃないのかよ…!
そう心の中で叫んでいると、その様子を見ていたロウキが、鼻をフンッと鳴らし、呆れたような声で言った。
「ヨシヒロよ…いつからそんなに臆病になったのだ?
怪奇現象には必ず理由があるものだ。たとえそこに霊なるものがいたとしても、
そこに存在している理由があるのだ。それを解決してやれば、怪奇現象は消える。」
「そんな簡単に言うけど!怖いもんは怖いだろ?!だって、お化けだぞ?!」
「はぁ…情けない奴だ。」
ロウキは、霊的なものがいたとしても、そこには必ず存在する理由があると、訳の分からないことを言った。
それでも俺は怖いんだと訴えると、「情けない奴だ」と呟いて鼻で笑ったロウキ。
そりゃロウキほどの存在なら、怖いものなんてないかもしれないけど!
俺はただの人間!それも、この世界とは無縁の世界から来た人間なのよ!
鉄の心臓なんて持ち合わせてねぇ!そう心の中で叫んでいた。
すると、話を聞いていたクロが俺の肩にパタパタと飛んできて言った。
「主、大丈夫だって!俺たちがついてるじゃん!」
「クロ…でもクロは悪魔だから相性悪いだろ?今回は依頼を受けてもお留守番だからな?」
「ええ?!確かに普通は、悪魔にとって教会と神聖魔法は苦手だけど…
でも俺は進化したし、使い魔なんだから主と一緒に行くからな!」
「…大丈夫なのか?」
「大丈夫!俺、強いから!」
「はぁ…」
クロは「俺たちがついてるから大丈夫だよ」と、俺を安心させたくて言ってくれたんだろうけど、
悪魔と教会って、絶対に相性が悪いだろうと思い、今回は留守番だと告げた。
それを聞いた途端、クロは目に見えて落ち込み、「絶対に行く!」と駄々をこね始めた。
まるでワガママを言う子供みたいだけど…本当に連れて行っても大丈夫なんだろうか?
その前に、これってもう俺が依頼を受ける流れになってない?!
「あるじさま。僕たちもご一緒しますから、ご安心ください。」
「あるじ、いつも、おれ、まもるよ。」
「ヨシヒロ様!僕たちもお役に立てますー!スライムがいた方が何かと便利かと思います!」
「ねぇ、ヨシヒロ様。こういうお仕事は私も連れて行ってくださいな。
きっとお役に立てますわ。
この場所にいれば、シンゴもあっくんも私がいなくても大丈夫ですわ。
ガーネットたちが面倒を見てくださいますから。」
「ヨシヒロ様!子守なら私たちに任せて!」
「……っ」
クロが一緒に行くと言い始めると、それに続けと言わんばかりにユキたちも俺に寄ってきて、
「大丈夫だよ」と騒ぎ始めた。
こうなったらもう、この子たちは依頼を受ける気満々で…。
俺の意思なんて、一つも尊重されないことは、もう分かっていた。
「はぁ…ガーノスさん……依頼、受けます…」
「はっはっは!さすがヨシヒロの従魔たちだな。物怖じしない性格は最高だぜ。」
「ううっ…」
「じゃあ、教会と今回の依頼の詳しい内容を説明するかな。」
依頼を断るという選択肢を諦めて受諾すると、ガーノスさんは豪快に笑った。
毎回こうなんだよね。たまに俺の意思を尊重してくれることもあるけど、
基本的には“大丈夫精神”で生きているこの子たちに、背中を無理やり押されてる感じ。
だけど、「嫌だ嫌だ」と思いながらも受けちゃう辺り、俺もこの子たちに弱いってことなんだよねー。
そして、そんな自分が嫌いじゃないって思ってるんだから、きっと好きなんだろうな、この空気が。
とはいえ、今回の依頼は…絶叫待ったなしなんだよなぁ。
よし、今回はロウキの後ろに隠れていよう。
そう心の中で計画を立てていた俺だった―…。
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