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94話 教会で過ごす一日は心が洗われます
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「おはようございます、ダニエル神父様。
今日もいい野菜が入ってますよ。たくさん食べさせてあげてくださいね!」
「神父様、おはようございます!こっちは新鮮な魚だよ!今朝は大量に上がったから!」
「皆さん、おはようございます。いつも皆さまからの頂き物、心より感謝しております。
おかげさまで、子供たちに毎日お腹いっぱい食べさせてあげることができます。」
「いいんだって!少しだけど、俺たちにできることをやってるだけだから!」
朝から教会を訪れる人たちは、この教会が管理する孤児院の子供たちへ食事や贈り物を届けに来ていた。
きっと、様々な理由でこの孤児院で暮らしている子供たち。
皆が笑顔で楽しそうにしているのを見て、
この教会がしっかりと彼らと向き合っているからこそなんだろうな、と俺は思っていた。
「神父様…すみません、娘が怪我を…」
「シスター!俺の方も診てもらえないだろうか?化膿しちゃって…」
「神父様、私、実は昨日…」
子供たちへの贈り物の次に多かったのは、怪我をした人たちの訪問だった。
王都にはもちろん病院もあるし、軽度から中度の怪我なら治せる治癒士もいる。
だけど、病院というのはとてもお金がかかる場所。
日本のような保険制度はなく、治療費はすべて自己負担。
しかも、その治療費自体のレートがかなり高いらしい。
だから、日々の生活で手一杯な人たちにはとても払えない。
そんな人々が、神父様やマリンさんを頼って教会を訪れていた。
そんな中、教会の開いた扉から6、7歳くらいの子供を抱えた父親が血相を変えて飛び込んできた。
「神父様!助けてくださいっ!薬草を取りに行っていたら、息子が魔物にやられちまって!」
「これは酷い…ここまでの傷…。シスター、二人で協力しましょう。」
「痛いよー…ひっく…」
「もう少しですからね。ヒール!
主よ、光を!どうかこの子に救いの手を!」
「ねぇ、ルーナ…あの子、大丈夫だよね?」
「だいぶ弱っていますわね…かなり深手を負っていますわ。魂の揺らぎが弱まっています…」
「でもヒールをダブルだよ?!なんで…?」
ドクドクと血を流す子供を抱えた父親は、薬草採取中に魔物に襲われたと語り、神父様に助けを求めた。
すぐさま神父様がヒールを唱えたが、傷が深すぎるのか回復しきらなかった。
そこでマリンさんも加わり、二人でヒールを唱えて回復を試みていた。
だけど、止血はできているように見えるのに、なぜか血色が戻らない。
疑問に思っていると、エマが神聖光教団のヒールについて教えてくれた。
【神聖光教団が使用するヒール系の魔法は、“邪悪”を排除する力には優れていますが、“失われた生命力”を根本から再生する力は弱いとされています。
そのため、軽度から中度の怪我で命に関わらないものはすぐに回復できますが、
このような大怪我で生死を彷徨う重傷者の場合、止血はできても、失われかけた命の炎を蘇らせるのは難しいという状況なのです。】
「そうなんだ…てっきりヒールって、全部の傷に効くと思ってたよ。」
「このままでは、あの子の命が危ないですわね…。」
「…俺、行ってきても大丈夫かな?」
「…ええ。その後は“他言無用”で、と念を押しておきましょう、ヨシヒロ様。」
「分かった!」
エマから教えてもらった衝撃の事実。
まさか、この場にいる聖職者が使うヒールが、重度の怪我には対応できないなんて。
そんな話、聞いたこともなかったから驚いた。
今にも命の炎が消えてしまいそうな状況に、思わず「俺がやっても大丈夫かな」とルーナに訊ねると、
彼女は静かに頷いて、「あとで他言無用と念を押しましょう」と微笑んでくれた。
その言葉に背中を押され、俺は急いで子供のもとへ向かった。
そしてすぐさま、エマにいつも使っているハイヒールで対応できるか確認した。
「すみません。俺がやります。」
「え?しかしヨシヒロ殿は聖職者では…」
「大丈夫です。エマ…ハイヒールでいける?」
【おすすめはVita Heal(ヴィータ・ヒール)。瀕死の状態からでも使用可能です。】
「了解。
…ヴィータ・ヒール!」
「!!?」
「顔色がっ…!」
俺は、エマに教えてもらった魔法、ヴィータ・ヒールを唱えた。
すると、青白くなっていた顔が少しずつ血色を取り戻していった。
これで、この子はもう大丈夫。
そう思いながら近くに来てくれたルーナに訊ねると、「炎の揺らぎが戻ってきました」と教えてくれて、ホッと胸を撫で下ろした。
「あああっ!兄ちゃん、あんたも神聖魔法の使い手だったのかい?!
息子を助けてくれてありがとうな!ありがとうっ…!本当にっ…!」
「いえいえ。俺にできることをしただけですから。良かったです!」
無事に男の子の治療が終わり、父親が大粒の涙を流しながらお礼を言ってくれた。
その笑顔に一安心していると、一部始終を見ていた神父様とマリンさんが声をかけてきた。
余計なことをしたから怒られるかも…なんて思いながら、話を聞いた。
「ヨシヒロ殿…今の魔法は…」
「あー…」
「古代魔法…ですね?」
「あー…また古代魔法だったのか…
あのっ…申し訳ないのですが…このことはご内密に…」
「…悪意を持って使用しているわけではないことは分かりますので…
今回はこの子の命を救うために致し方なく使用した…。
そういうことにしておきましょう。」
「すみません…面倒かけて…」
「ヨシヒロ殿は、とても強いお力をお持ちなのですね…驚かされました。
今回の件、ヨシヒロ殿になら解決していただけそうですな。」
「そうだといいんですけどね…俺、怖いの苦手で。」
「そうでしたか。それなのにお力添えいただき、ありがとうございます。
我々にもできることがありましたら、遠慮なくおっしゃってください。」
「はい!ありがとうございます。」
エマに教えてもらった魔法について、神父様は「命を救うために使用した」と理解を示し、
この件は黙っていてくれることになり、俺はホッとした。
そして、今回の件は俺たちにならどうにか解決できるかもしれないと、期待の眼差しを向けられた。
その期待に応えられるかどうかは分からないけど、
一刻も早く解決して、恐怖から逃れたい。
今は、ただそれだけを強く願っていた-…
◇
あれからずっとこの場所で見学させてもらっていたけれど、ごくごく普通の光景ばかりで、異変は感じられなかった。
懺悔や相談、商人の訪問などはあったものの、噂に聞く“白い服を着た女性の影”を見ることはなかった。
昼食は孤児院の子供たちと一緒に食べさせてもらった。
皆、俺よりずっと大変な状況の中でも、文句ひとつ言わず楽しそうに笑っていた。
その笑顔を見ていると、何だか俺まで元気になってきて、この子たちに怖い思いはさせたくないな、と思っていた。
「主ーーーっ!」
「ぶっ!」
「やっと日が暮れた!」
一日何事もなく終えた頃、教会の入り口から猛スピードでクロが俺の顔めがけて飛び込んできた。
とんでもなく寂しがり屋だなと思いながら撫でてやると、ようやく安心したような表情に変わった。
「ヨシヒロよ、この場所で何か起きたか?」
「今日はそういった現象は起きなかったよ。たまたまなんだろうけど。
でも、夜の歌声は毎日聞こえてるっぽいから…
ひとまず晩御飯を食べたら、調査してみようかね。」
「うむ。」
「じゃあ、ちょっと家に戻って食事にしますか。」
「わーい!お腹空きました、ヨシヒロ様!」
「ヨシヒロ殿、この教会の鍵をお預けします。
今夜はよろしくお願いしますね。」
「分かりました。明日の朝、またご報告します。」
これから夜の恐怖体験が待っているかもしれないというのに、この子たちは皆ケロッとしている。
まぁ、俺みたいな感覚は持ち合わせていないだろうから当然なんだけど。
食事をしてから調査をしようと決まり、神父様から教会の鍵を預かって一度家に戻った。
このまま何事もなく終わってほしいけど、確実に歌声は聞こえているって話だから…。
その恐怖に打ち勝てるか心配になりつつ、今は食事を楽しんで気持ちを落ち着かせようと自分に言い聞かせた。
「パッパ!おかえり!」
「シンゴー!ただいま!お外で遊んでたのか?」
「あそんだ!おねえちゃんと一緒!」
「ヨシヒロ様、おかえりなさい!シンゴもあっくんも、いい子にしてたよ!」
「そっか!いつもありがとうな!食事の支度をするから、少し待っててね!」
ゲートをくぐると、庭で遊んでいたシンゴがヨチヨチとこちらに向かって歩いてきた。
そんなシンゴを抱き上げ、「遊んでたの?」と訊くと、ガーネットと一緒に遊んだと言った。
いつの間にかお喋りが上手になってきたシンゴ。
少し喋れるようになっただけで、めちゃくちゃ可愛くて。
親の気持ちが本当に分かる気がする。
「もう少し遊んでてね。俺はミルと一緒にご飯作ってくるから。
ミルー!行こう!」
「あるじ、いまいく!」
クシャッとシンゴの頭を撫でたあと、俺はミルと一緒に晩御飯の支度に取りかかった。
今日は鶏肉が多く余ってたから、親子丼にしようかな?
あとはサラダとスープと…デザートは、この前できたばかりのメロンにするか。
なんて、このあと幽霊調査に出かけるとは思えないほど、いつも通りの時間を過ごしてるな。
そんなことを考えながら、本当に“いつも通り”の、ゆるくてのんびりした時間を過ごしていた―…。
今日もいい野菜が入ってますよ。たくさん食べさせてあげてくださいね!」
「神父様、おはようございます!こっちは新鮮な魚だよ!今朝は大量に上がったから!」
「皆さん、おはようございます。いつも皆さまからの頂き物、心より感謝しております。
おかげさまで、子供たちに毎日お腹いっぱい食べさせてあげることができます。」
「いいんだって!少しだけど、俺たちにできることをやってるだけだから!」
朝から教会を訪れる人たちは、この教会が管理する孤児院の子供たちへ食事や贈り物を届けに来ていた。
きっと、様々な理由でこの孤児院で暮らしている子供たち。
皆が笑顔で楽しそうにしているのを見て、
この教会がしっかりと彼らと向き合っているからこそなんだろうな、と俺は思っていた。
「神父様…すみません、娘が怪我を…」
「シスター!俺の方も診てもらえないだろうか?化膿しちゃって…」
「神父様、私、実は昨日…」
子供たちへの贈り物の次に多かったのは、怪我をした人たちの訪問だった。
王都にはもちろん病院もあるし、軽度から中度の怪我なら治せる治癒士もいる。
だけど、病院というのはとてもお金がかかる場所。
日本のような保険制度はなく、治療費はすべて自己負担。
しかも、その治療費自体のレートがかなり高いらしい。
だから、日々の生活で手一杯な人たちにはとても払えない。
そんな人々が、神父様やマリンさんを頼って教会を訪れていた。
そんな中、教会の開いた扉から6、7歳くらいの子供を抱えた父親が血相を変えて飛び込んできた。
「神父様!助けてくださいっ!薬草を取りに行っていたら、息子が魔物にやられちまって!」
「これは酷い…ここまでの傷…。シスター、二人で協力しましょう。」
「痛いよー…ひっく…」
「もう少しですからね。ヒール!
主よ、光を!どうかこの子に救いの手を!」
「ねぇ、ルーナ…あの子、大丈夫だよね?」
「だいぶ弱っていますわね…かなり深手を負っていますわ。魂の揺らぎが弱まっています…」
「でもヒールをダブルだよ?!なんで…?」
ドクドクと血を流す子供を抱えた父親は、薬草採取中に魔物に襲われたと語り、神父様に助けを求めた。
すぐさま神父様がヒールを唱えたが、傷が深すぎるのか回復しきらなかった。
そこでマリンさんも加わり、二人でヒールを唱えて回復を試みていた。
だけど、止血はできているように見えるのに、なぜか血色が戻らない。
疑問に思っていると、エマが神聖光教団のヒールについて教えてくれた。
【神聖光教団が使用するヒール系の魔法は、“邪悪”を排除する力には優れていますが、“失われた生命力”を根本から再生する力は弱いとされています。
そのため、軽度から中度の怪我で命に関わらないものはすぐに回復できますが、
このような大怪我で生死を彷徨う重傷者の場合、止血はできても、失われかけた命の炎を蘇らせるのは難しいという状況なのです。】
「そうなんだ…てっきりヒールって、全部の傷に効くと思ってたよ。」
「このままでは、あの子の命が危ないですわね…。」
「…俺、行ってきても大丈夫かな?」
「…ええ。その後は“他言無用”で、と念を押しておきましょう、ヨシヒロ様。」
「分かった!」
エマから教えてもらった衝撃の事実。
まさか、この場にいる聖職者が使うヒールが、重度の怪我には対応できないなんて。
そんな話、聞いたこともなかったから驚いた。
今にも命の炎が消えてしまいそうな状況に、思わず「俺がやっても大丈夫かな」とルーナに訊ねると、
彼女は静かに頷いて、「あとで他言無用と念を押しましょう」と微笑んでくれた。
その言葉に背中を押され、俺は急いで子供のもとへ向かった。
そしてすぐさま、エマにいつも使っているハイヒールで対応できるか確認した。
「すみません。俺がやります。」
「え?しかしヨシヒロ殿は聖職者では…」
「大丈夫です。エマ…ハイヒールでいける?」
【おすすめはVita Heal(ヴィータ・ヒール)。瀕死の状態からでも使用可能です。】
「了解。
…ヴィータ・ヒール!」
「!!?」
「顔色がっ…!」
俺は、エマに教えてもらった魔法、ヴィータ・ヒールを唱えた。
すると、青白くなっていた顔が少しずつ血色を取り戻していった。
これで、この子はもう大丈夫。
そう思いながら近くに来てくれたルーナに訊ねると、「炎の揺らぎが戻ってきました」と教えてくれて、ホッと胸を撫で下ろした。
「あああっ!兄ちゃん、あんたも神聖魔法の使い手だったのかい?!
息子を助けてくれてありがとうな!ありがとうっ…!本当にっ…!」
「いえいえ。俺にできることをしただけですから。良かったです!」
無事に男の子の治療が終わり、父親が大粒の涙を流しながらお礼を言ってくれた。
その笑顔に一安心していると、一部始終を見ていた神父様とマリンさんが声をかけてきた。
余計なことをしたから怒られるかも…なんて思いながら、話を聞いた。
「ヨシヒロ殿…今の魔法は…」
「あー…」
「古代魔法…ですね?」
「あー…また古代魔法だったのか…
あのっ…申し訳ないのですが…このことはご内密に…」
「…悪意を持って使用しているわけではないことは分かりますので…
今回はこの子の命を救うために致し方なく使用した…。
そういうことにしておきましょう。」
「すみません…面倒かけて…」
「ヨシヒロ殿は、とても強いお力をお持ちなのですね…驚かされました。
今回の件、ヨシヒロ殿になら解決していただけそうですな。」
「そうだといいんですけどね…俺、怖いの苦手で。」
「そうでしたか。それなのにお力添えいただき、ありがとうございます。
我々にもできることがありましたら、遠慮なくおっしゃってください。」
「はい!ありがとうございます。」
エマに教えてもらった魔法について、神父様は「命を救うために使用した」と理解を示し、
この件は黙っていてくれることになり、俺はホッとした。
そして、今回の件は俺たちにならどうにか解決できるかもしれないと、期待の眼差しを向けられた。
その期待に応えられるかどうかは分からないけど、
一刻も早く解決して、恐怖から逃れたい。
今は、ただそれだけを強く願っていた-…
◇
あれからずっとこの場所で見学させてもらっていたけれど、ごくごく普通の光景ばかりで、異変は感じられなかった。
懺悔や相談、商人の訪問などはあったものの、噂に聞く“白い服を着た女性の影”を見ることはなかった。
昼食は孤児院の子供たちと一緒に食べさせてもらった。
皆、俺よりずっと大変な状況の中でも、文句ひとつ言わず楽しそうに笑っていた。
その笑顔を見ていると、何だか俺まで元気になってきて、この子たちに怖い思いはさせたくないな、と思っていた。
「主ーーーっ!」
「ぶっ!」
「やっと日が暮れた!」
一日何事もなく終えた頃、教会の入り口から猛スピードでクロが俺の顔めがけて飛び込んできた。
とんでもなく寂しがり屋だなと思いながら撫でてやると、ようやく安心したような表情に変わった。
「ヨシヒロよ、この場所で何か起きたか?」
「今日はそういった現象は起きなかったよ。たまたまなんだろうけど。
でも、夜の歌声は毎日聞こえてるっぽいから…
ひとまず晩御飯を食べたら、調査してみようかね。」
「うむ。」
「じゃあ、ちょっと家に戻って食事にしますか。」
「わーい!お腹空きました、ヨシヒロ様!」
「ヨシヒロ殿、この教会の鍵をお預けします。
今夜はよろしくお願いしますね。」
「分かりました。明日の朝、またご報告します。」
これから夜の恐怖体験が待っているかもしれないというのに、この子たちは皆ケロッとしている。
まぁ、俺みたいな感覚は持ち合わせていないだろうから当然なんだけど。
食事をしてから調査をしようと決まり、神父様から教会の鍵を預かって一度家に戻った。
このまま何事もなく終わってほしいけど、確実に歌声は聞こえているって話だから…。
その恐怖に打ち勝てるか心配になりつつ、今は食事を楽しんで気持ちを落ち着かせようと自分に言い聞かせた。
「パッパ!おかえり!」
「シンゴー!ただいま!お外で遊んでたのか?」
「あそんだ!おねえちゃんと一緒!」
「ヨシヒロ様、おかえりなさい!シンゴもあっくんも、いい子にしてたよ!」
「そっか!いつもありがとうな!食事の支度をするから、少し待っててね!」
ゲートをくぐると、庭で遊んでいたシンゴがヨチヨチとこちらに向かって歩いてきた。
そんなシンゴを抱き上げ、「遊んでたの?」と訊くと、ガーネットと一緒に遊んだと言った。
いつの間にかお喋りが上手になってきたシンゴ。
少し喋れるようになっただけで、めちゃくちゃ可愛くて。
親の気持ちが本当に分かる気がする。
「もう少し遊んでてね。俺はミルと一緒にご飯作ってくるから。
ミルー!行こう!」
「あるじ、いまいく!」
クシャッとシンゴの頭を撫でたあと、俺はミルと一緒に晩御飯の支度に取りかかった。
今日は鶏肉が多く余ってたから、親子丼にしようかな?
あとはサラダとスープと…デザートは、この前できたばかりのメロンにするか。
なんて、このあと幽霊調査に出かけるとは思えないほど、いつも通りの時間を過ごしてるな。
そんなことを考えながら、本当に“いつも通り”の、ゆるくてのんびりした時間を過ごしていた―…。
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【あらすじ】
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