魔王と噂されていますが、ただ好きなものに囲まれて生活しているだけです。

ソラリアル

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110話 花冥祭のあとに咲いたものを渡されました

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花冥祭が無事に終わってから、2週間ほどが過ぎた。
相変わらずユキは、ユアさんの石碑に向かってお喋りする日々を送っている。
ユアさんの姿を見られたこと、自分の母親がどんな姿だったのかを知れたこと、
そして来年の約束を母親と交わせたこと。その喜びが、ユキの心を満たしているのだろう。

ユキのように、幸せな気持ちで満たされ続けている者もいる。
だけど、死者との対話によって、かえって辛さが増してしまった人もいると聞いた。
全員がすぐに希望を持って歩き出せるわけじゃない。
そんな現実に、少し寂しい気持ちになっていた自分もいたけど、
あの時、皆が精いっぱいやったんだと、自分に言い聞かせていた。


「セドラ、改めてありがとう。
セドラの情報がなければ、きっと分からないままだったよ。」

「いやいや、ヨシヒロたちが頑張ったおかげじゃよ。
それにしても、あんなに小さかったシンゴが、立派なグリフォンになるとはのう。
吾輩もいつか、見てみたいものじゃ。」

「本当にびっくりしたんだよ!まさかシンゴがって。
でも一時的なものだったみたいで、力を使い切った瞬間に戻ったって感じだったよ。」


家の周りで皆がわちゃわちゃと自由に過ごしている中、俺はセドラと話をしていた。
こうして二人でゆっくり話すことなんてなかったから、何だか新鮮だった。
本当に祖父と話しているような、そんな感覚で何だか楽しかった。


「もうすぐ夏が終わるのう。」

「確かに。もう8月が終わって、秋が来るねぇ。
この土地の秋って、どんな感じなんだろう?」

「そうじゃのう。これからの時期は、少し涼しくなって過ごしやすくなるじゃろう。
それに、実りの多い季節になるじゃろうから、魔物たちもその実りを求めて活発化するかもしれんのう。」

「へぇ。やっぱり“実りの秋”なんだなぁ。
でも、それを求めて活発になるのは嫌だなぁ。怖いじゃん。」

「何を言っておるか。ヨシヒロには皆が付いておるんじゃから、大丈夫じゃよ。
それに、ヨシヒロ自身もレベルが上がっておるじゃろうから、少々は問題ないじゃろう。」

「ははは、そうだといいんだけどな。」


セドラが、この地にも“実りの秋”があると教えてくれた。
けれど、それを求めて魔物たちの動きが活発化するということは、怪我人が増える時期でもあるのかもしれない。
魔物たちが動き回り、人間たちも実りを求めて行動範囲を広げる。
それは、必然的に衝突を生むだろう。
仕方のないこととはいえ、討伐も行われるはずだ。
か弱い子たちが巻き込まれないように、少しパトロールを強化しなきゃいけないかな。
そんなことを、秘かに考えていた。


「少しは慣れたかのう?この世界での生活は。」

「そうだなぁ。ずいぶん楽しめるようになった気がするよ。
最初は本当にどうしようかと思ったけど、今じゃこんなにも素敵な仲間に囲まれて、毎日幸せだなって思ってる。」

「そうかそうか。それは良かった。吾輩も皆と一緒に生活できるようになって、本当に楽しいんじゃ。
長生きするもんじゃのう、ってな。」

「セドラ…もっともっと長生きしなきゃな!まだまだ一緒にいたいからさ!」

「そうじゃの。頑張るわい!」


ふいに訊かれた「この世界での生活」。
すっかり慣れた俺は、今ではもう“日本に帰りたい”なんて気持ちになることはない。
社畜だった頃のこともあるけど、それ以上に今の生活が幸せすぎて、絶対に手放したくないって思っているから。
この先もずっと、何も変わることなく、穏やかに過ごしていけたらいいな。
そう、心から願っていた―…。










「主ー!主ー!」

「んー?」

「セシリアとデイジーが来たー!なんか変なのも一緒ー!」

「ふーん……え?セシリア様とデイジーさんが?!
っていうか、“なんか変なの”って何?!」

「分かんないよー!早く来てー!湖のところに案内してるからー!」

「えええっ…ちょ、待ってよー!主を置いてけぼりにしないでーー!!」


家の中でのんびり過ごしていた俺の元に、クロの声が飛び込んできた。
「セシリア」と「デイジー」という単語に反応して飛び起き、
「なんか変なのも一緒」という言葉に、頭の中にはてなマークが浮かんだ。
妖精の村からセシリア様とデイジーさんが来てくれたというのは、まあいい。
だけど、“変なの”って何だよ、“変なの”って…。
とっても嫌な予感がするんですが!!
そう思いながら、慌てて湖へと向かった。


猛ダッシュで湖まで駆けつけると、すでに皆が大集合していて、賑やかな雰囲気になっていた。
その中に、あまりにも自然に馴染んでいるセシリア様とデイジーさんの姿。
湖と自然、魔物たちに囲まれたその光景は、まるで絵画のようだった。


「セシリア様!デイジーさん!お待たせしてすみません!
今日はどうされたんですか?」

「ヨシヒロ殿!突然の訪問を許してほしい。どうしても渡したいものがあって、訪問させていただきました!」

「渡したいもの…ですか?」


声をかけると、二人は振り返って優しい笑顔を見せてくれた。
シキナの件でこちらに来るとは聞いていたけれど、「渡したいものがある」と言われて首を傾げる。
これ以上、俺がいただけるものなんてないと思っていたところに、クロが何やら植木鉢を一生懸命抱えて持ってきた。


「主見て!変なの!」

「え…な、なんですか?この木のおばけ…」


クロが植木鉢を持ってきた瞬間、俺に「変なの!」と叫んでいた理由が分かった。
植木鉢の中にいたのは、トレントの苗木のような、顔のついた木だった。
そりゃ“変”って言うわこれ…。
ちょっと不気味なんだけど、何これ?と思っていると、セシリア様がクスクスと笑いながら教えてくれた。


「ふふっ。それはおばけではありませんよ、ヨシヒロ殿。」

「じゃあ何ですか?…なんか変な声出してますけど?!」


俺がおばけと言うと、セシリア様は「そうではない」と否定した。
いや、どう見てもおばけだよ。
高さ30センチほどで、ねじれた幹の表面には、まるで泣いているかのような小さな人面が浮かび、
葉はシキナと同じ淡い白い光を帯びていた。
そして、その小さな苗木からは、「フゥ……」「ああ……」「またね……」と、無数の悲しげな声が多重音声となって絶えず漏れ出ていて実に不気味。
これをおばけと呼ばずして、何と呼ぶのさ?!


「セシリアよ。この苗木…もしや、心願樹しんがんじゅか…?」

「さすがフェンリル様。その通りです。
この子の正式名称は“心願樹”、通称“追憶の欠片”です。
人々の感情の重みを背負って、生まれてきてしまったのです。」

「人々の感情の重み…ですか?」

「ええ。心願樹は、感情魔力をエネルギー源とする、植物の姿を借りた精霊です。」

「え?せ、精霊なの?!本当に?!」

「こんな見た目ではありますが、精霊なのですよ、ヨシヒロ殿。
通常のトレントや精霊とは異なり、特定の場所の強い感情…
例えば願い、悲しみ、喜びなどの集合体から、突発的に生まれるのです。
今回で言えば、シキナが復活したことで王都で行われた花冥祭にシキナが使用されましたね?
その時の民の感情を吸いまくった結果、この子が誕生しました。」

「……あー、なるほど…でも、何故その精霊を俺に?」


セシリア様から説明を受ける前に、ロウキが知っていたことに驚いた。
さすが世界を知る者だなぁ、と感心していたけれどセシリア様の説明を聞いた俺は、ギョッとした。
どこをどう見たら精霊と呼べるのかという見た目なんだが…。
だけど、誕生の理由が花冥祭だと聞いて、ハッとした。
確かに、あの日は無数の感情が湧き上がっていた。
でも、まさか王都から離れた妖精の村で生まれるなんて、そんな不思議なことがあるのかと驚いた。
そして、何よりもその精霊を、なぜ俺に渡そうとしているのか。
その理由が、まだ分からなかった。


「実はこの子は、貴方の持つ魔力にまるで生まれたばかりの雛鳥のように惹きつけられ、依存しているのです。」

「え…?俺、シキナに関しては何もしてないけど…むしろシンゴの方が仕事してたよね?」

「確かに、あの時はグリフォンの力があってこそシキナの復活がありました。
しかし、この子は何故かヨシヒロ殿の魔力を必要としているのです。
ずっと呼んでいました、貴方の名前を。
貴方の魔力だけが、この子の持つ“人々の追憶”という膨大で不安定な感情魔力を、常に安定した状態に保ち続けることができるのです。
だから、お願いです。この子をヨシヒロ殿と一緒にいさせてあげてほしいのです。
この子を貴方から引き離してしまうと、精神が崩壊し、いずれ王都中に悲しみと絶望の魔力をばら撒く危険性があります。
それを防ぐためには、ヨシヒロ殿が毎日愛情を込めて話しかけ、この子に貴方の魔力を“食事”として与えてあげる必要があるのです。」

「ええと、つまり…俺がこの、うるさい苗木の食事当番と精神安定剤になれってことですか?」

「…そう…なりますわ…」

「マジか…」


セシリア様がこの苗木を俺に渡したい理由を聞いて、俺は頭を抱えた。
だって、ずっと喋ってるんだよ?この苗木。
それを毎日愛情込めて世話して、魔力を与えるってどういう罰ゲーム?!
心の中でそう訴えてみたものの、絶対にこの二人は持って帰らないよな…。


「なぁ、主!これ飼うのか?」

「…できれば飼いたくはないけどね…」

「そうなのか?」

「だってずっと喋ってるよ?!夜中にトイレに起きて喋ってたら怖いじゃん!」

「エントランスホールに置いてたらいいじゃん」

「あそこは声が響くから余計にダメですー!」

「んー…でも可哀想だよ?独りぼっちは。」

「うっ…」

「お願い主!俺たちもお世話するから!」

「んんー…」

「あーるーじー!」

「はぁ…はい、はい…分かりました。
それではこの苗木を、皆さんで可愛がりましょう。」

「わーい!決まりだー!」


どうして俺はこうも甘いんだろうか。
絶対に貰い受けたくなかったのに、この苗木。
クロはこういうのが好きなのか、単純に“孤独は可哀想”と思ったのかは分からないけど、
飼いたいと訴えてきて、俺が根負けした。
まぁ…一応“精霊”って言ってたし…?
しばらくしたら静かになるかもしれないしな。
そう自分に言い聞かせるしかなかった。


「ありがとう、ヨシヒロ殿!お礼と言ってはなんですが、こちらをどうぞ。」

「…鍵?なんの鍵ですか?」

「これは、私たちの妖精の村へと続く扉を開ける鍵になります。
この鍵を持った状態で壁に手を触れると、触れた部分が扉となり、その鍵で開けていただければ、すぐに私たちが住む村へと繋がります。
ヨシヒロ殿や従魔たちが遊びに来たくなった時は、いつでもいらしてください。歓迎しますわ。」

「すげぇ…いいんですか?ありがとうございます。大切にしますね。」


苗木を引き受けたお礼にと、セシリア様は妖精の村にとってとても大事なものを俺にくれた。
妖精の村は、人の目に触れないように守られている場所。
この鍵がもし悪用されたら大変なことになる。
だから、絶対に失くさないようにしなきゃな。そう思いながら、アイテムボックスの鞄にしまい込んだ。


「では、私たちはこれで失礼します。
“追憶の欠片”をよろしくお願いします、ヨシヒロ殿、皆さん。」

「分かりました。また今度ゆっくりいらしてください。その時は一緒に食事でもしましょう。」

「ありがとう、ヨシヒロ殿。それでは、またお会いしましょう。」

「またね!ヨシヒロ様!」


セシリア様とデイジーさんは、今日はあの苗木だけが目的だったようで、
俺たちが面倒を見ると決まったことで安心した様子で、その姿を消して帰っていった。
妖精って、やっぱり姿を見せないのが基本なんだなぁ。
なんて思いながら、地面に置かれていた苗木の植木鉢を持ち上げた。


「またね…大好き……もう嫌……」

「はは、もう嫌はこっちのセリフですからねぇ?
でもまぁ、もう受け入れちゃったし、頑張ってお世話しますかね。」


相変わらず、ずっと喋っている苗木。
悲しそうな表情をしたり、ちょっと笑ったり表情が豊かすぎて、正直怖い。
とんでもないものを引き受けた感が否めないな…。
そう思いながら、しっかりと抱えて家へと歩き始めた。

今から、賑やかになるなぁこれは…。
せめて意思疎通ができたらいいんだけど…
そうはいかなさそうだよな―。
と一人呟きながらため息を吐いた―…。






+++++++++++++++++
いつも読んでくださってありがとうございます!
登場人物たちのキャラクター紹介ページを作りました。
まだ未完成ではありますが…
AIイラストと一緒に、物語の世界を少しでも感じていただけたら嬉しいです。


 https://note.com/sorariaru_17/m/m1837141d8564
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