2 / 24
第2話 頭で割ってしまった卵の正体
しおりを挟む
一体どこまで落ちるのだろうか。
穴に吸い込まれてから、もう1、2分は経っている。
まさか底なしの穴か?なんて思っていたその時―
ゴツンッ!
「いってええええっ!」
頭に何かとても固いものがぶつかり、激痛が走った。
慌てて頭を押さえた瞬間、地面に足がついていることに気づき、痛みを堪えながら顔を上げる。
「これは…え、卵?」
視線の先にあったのは、大きな黒い卵。
もしかして、俺はこれに頭をぶつけたのか?そりゃ痛いわけだ…。
そう思いながら頭をさすっていると、ぶつけた部分にひび割れが入っているのを見つけた。
「これはマズイんじゃ…?」
ひび割れを見ただけでも焦ったのに、それがみるみるうちに四方八方へ広がっていく。
何の卵かは知らないが、これは絶対に魔獣の卵だろ?!
焦った俺は、どこかに隠れる場所はないかと辺りをキョロキョロ見回した。
だけど不運なことに、周囲には避難できそうな場所は一切なく、ガクッと肩を落とす。
そうしている間にも、卵のひび割れはどんどん広がり、ついにはガラガラッと音を立てて割れてしまった。
俺、死んだな…。
そう思い、目をギュッと閉じた。
しかし、何の音も声も聞こえない。
恐る恐る片目ずつ開けてみると、そこには何も存在していなかった。
「え…空?どういうことだ?」
卵から孵ったはずの魔獣の姿はなく、気配すら感じない。
そんなことってあるのか?と首を傾げたその瞬間―
突然、背筋がゾワゾワッとするような感覚に襲われた。
何か…とんでもないものが、ここにいる。
直感でそう感じて、ゆっくりと辺りを見回す。
だけど、やっぱり何もいない。
「何かが…隠れているのか…?」
そう呟きながら、恐る恐る卵に近づいた。
その時、卵の底からふわっと浮かび上がる青く美しい光。
思わず見とれていると、その光は俺の体をぐるりと回り始めた。
不思議と怖さは感じず、ただその光の動きが止まるのをじっと待った。
そして、頭のてっぺんから足の先まで光が巡った瞬間―
ピカッと眩い光が広がり、俺の目の前にドラゴンの形をした光が姿を現した。
呆然とその光の塊を見つめる俺。
恐怖よりも、ただただ圧倒的な存在感に心を奪われていたのかもしれない。
【…この世界に、また我らの血が復活するとはな…】
「え?」
【小さき者よ。貴様はヒューマンか?】
「…ヒューマン…だと思うけど…」
【そうか…まだ気づいておらぬのだな。】
「気づくって…なに…?」
光のドラゴンは、よく分からないことを口にしながら俺に質問をしてきた。
素直に答えている俺もどうかと思うけど、つい返事をしてしまった。
そもそも、光のドラゴンが喋るってどういう状況なんだよ?
このドラゴンが黒い卵の主だということは何となく分かるけど…
もしかして、既に亡くなっていて、その魂が喋ってるってことか…?
「あの…あんたはどうしてここに?」
【我々はこの地を住処としていた。この世界を支配し、この地を守護していた。
だが、時代と共に滅びゆき全てが途絶えた。
我は最後の希望として産み落とされたが、孵ることなくこの地に埋もれてしまっていたのだ。】
「そうなのか…ずっと眠ってたって…可哀想に…」
ドラゴンが、命を得ることなく埋もれていたと知り、胸が締め付けられるような思いがした。
誰にも気づかれない、その孤独と辛さは、俺には痛いほど分かる気がしたから。
それに、“最後の希望”とまで言われていたのに、産まれなかったという事実は、きっとこのドラゴンの親たちにとっても、耐え難い悲しみだったんだろうな。
だけど、なぜ今になってこんな姿で現れたのか。それが不思議で、俺はドラゴンに訊ねた。
「どうして今…その形になってるんだ?」
【我は、既に命の火が尽きた存在。
だが、貴様がこの卵を割った時、わずかに残されていた思念が貴様と共鳴し、こうして姿を見せることができたのだ。】
「俺と共鳴って…なんで俺?」
【貴様は気づいておらぬかもしれぬが…貴様には竜族の血が流れておる。いわば、竜族の末裔だ。】
「俺が竜族の末裔…?あはは、何言ってんだよ!俺はただのヒューマンだよ?」
俺の質問に対する答えは、これまでで一番意味不明だった。
残された思念が光となった…まではまあ、理解できる。
でも、俺があの伝説の竜族の末裔だなんて言われて、はいそうですか、なんて納得できるわけがない。
この世界には、ヒューマン、オーク、エルフ、獣人など多種族が存在していて、
その頂点に君臨していたのが、竜族。ドラゴンの血を継ぐ種族だった。
しかし、いつの間にかその種族は滅び、今では伝説として語られる存在になっている。
そんな種族の末裔が俺だなんて、信じる奴がどこにいるんだよ?
このドラゴンは永い眠りについていたせいで、まだ頭がちゃんと回っていないんじゃないか?
そう思いながら、俺は「なぜそう思うのか」と訊ねた。
「なぁ、なんで俺が竜族の末裔だと思うんだ?どう見てもただのヒューマンだろ?」
【貴様は知らぬだろうが、我ら竜族は滅びの時が来ると悟った時、他の種族にその血を溶け込ませたのだ。
我々はこの世の支配者であったが、それを滅ぼそうとする勢力は多く存在した。
故に、滅びの運命を避けることはできなかった。
そして、竜族の巫女の言霊を受け、一番力を持たぬヒューマンに我らの血を混ぜることで、時を超えて命を繋ぐ道を選んだのだ。】
「それって…ヒューマンと一緒になって命を繋いだってことか?」
【そうだ。純粋な竜族の命は途絶えてしまったが、その血は途絶えていない。
我らの力は混ざり合うことで薄まり、長い長い眠りにつくこととなった。
そして、数多の世代を経て、貴様のように最も濃い血を持つ者が、必ず現れる。
貴様の先祖は、我らの秘密を胸に秘めたまま、この世界で生きてきた。
そして今、貴様がそのすべてを受け継ぐ時が来たのだ。
我が命が尽きてもこの姿となって現れたことが、その証。
今、竜族が再びその力を取り戻す時が来たのだ。】
「へぇ…」
光のドラゴンから事情を聞かされた俺は、話が壮大すぎてとてもじゃないがついていけなかった。
それでも、血を繋ぐこと、命を繋いでいくことの重みは感じていた。
竜族だけでは生き残れないからヒューマンを選んだ。そうまでしてでも、自分たちの存在を無かったことにはしたくなかったんだろう。
まぁ、その気持ちは分かる。
自分の存在がまるで無かったことにされるというのは、とても悲しくて、生きる希望さえ失ってしまう。
そんなことを考えて切なくなっていると、ドラゴンは俺に名前を訊ねてきた。
【貴様、名はなんと申す。】
「俺はオリオン。孤児だからファミリーネームはないんだ。」
【そうか…。では、今後は我の種族名を名乗るがいい。
貴様は今日から、オリオン・カムエルだ。】
「…それってもしかして、あんたが俺の親になるってことか?」
【親か…まぁ、そうだな。今日から我が貴様の親代わりだ。】
「ふーん…オリオン・カムエルか…」
俺の名を訊ねたドラゴンは、ファミリーネームがないと知ると、自分の種族名をくれた。
こんなことされるなんて思いもしなくて、妙に嬉しい気持ちが湧いてきた。
そして「親代わり」と言われた瞬間、初めて自分に“家族”と呼べる存在が現れたことに、疑いや怖さよりも喜びの感情が勝っていた。
光のドラゴンの言葉に、何をそんなに喜んでいるんだろうな、俺は。
そもそも俺が竜族の末裔だなんて、信じられるわけがないのに、胸の奥がやけに熱くなっているのは、どうしてだろう。
それに、家族…ずっと欲しかった家族が、ひょんなことからできたから興奮してるのかもしれない。
そう思いながら、俺はそれを悟られないようにポーカーフェイスでドラゴンの話を聞いていた―…
穴に吸い込まれてから、もう1、2分は経っている。
まさか底なしの穴か?なんて思っていたその時―
ゴツンッ!
「いってええええっ!」
頭に何かとても固いものがぶつかり、激痛が走った。
慌てて頭を押さえた瞬間、地面に足がついていることに気づき、痛みを堪えながら顔を上げる。
「これは…え、卵?」
視線の先にあったのは、大きな黒い卵。
もしかして、俺はこれに頭をぶつけたのか?そりゃ痛いわけだ…。
そう思いながら頭をさすっていると、ぶつけた部分にひび割れが入っているのを見つけた。
「これはマズイんじゃ…?」
ひび割れを見ただけでも焦ったのに、それがみるみるうちに四方八方へ広がっていく。
何の卵かは知らないが、これは絶対に魔獣の卵だろ?!
焦った俺は、どこかに隠れる場所はないかと辺りをキョロキョロ見回した。
だけど不運なことに、周囲には避難できそうな場所は一切なく、ガクッと肩を落とす。
そうしている間にも、卵のひび割れはどんどん広がり、ついにはガラガラッと音を立てて割れてしまった。
俺、死んだな…。
そう思い、目をギュッと閉じた。
しかし、何の音も声も聞こえない。
恐る恐る片目ずつ開けてみると、そこには何も存在していなかった。
「え…空?どういうことだ?」
卵から孵ったはずの魔獣の姿はなく、気配すら感じない。
そんなことってあるのか?と首を傾げたその瞬間―
突然、背筋がゾワゾワッとするような感覚に襲われた。
何か…とんでもないものが、ここにいる。
直感でそう感じて、ゆっくりと辺りを見回す。
だけど、やっぱり何もいない。
「何かが…隠れているのか…?」
そう呟きながら、恐る恐る卵に近づいた。
その時、卵の底からふわっと浮かび上がる青く美しい光。
思わず見とれていると、その光は俺の体をぐるりと回り始めた。
不思議と怖さは感じず、ただその光の動きが止まるのをじっと待った。
そして、頭のてっぺんから足の先まで光が巡った瞬間―
ピカッと眩い光が広がり、俺の目の前にドラゴンの形をした光が姿を現した。
呆然とその光の塊を見つめる俺。
恐怖よりも、ただただ圧倒的な存在感に心を奪われていたのかもしれない。
【…この世界に、また我らの血が復活するとはな…】
「え?」
【小さき者よ。貴様はヒューマンか?】
「…ヒューマン…だと思うけど…」
【そうか…まだ気づいておらぬのだな。】
「気づくって…なに…?」
光のドラゴンは、よく分からないことを口にしながら俺に質問をしてきた。
素直に答えている俺もどうかと思うけど、つい返事をしてしまった。
そもそも、光のドラゴンが喋るってどういう状況なんだよ?
このドラゴンが黒い卵の主だということは何となく分かるけど…
もしかして、既に亡くなっていて、その魂が喋ってるってことか…?
「あの…あんたはどうしてここに?」
【我々はこの地を住処としていた。この世界を支配し、この地を守護していた。
だが、時代と共に滅びゆき全てが途絶えた。
我は最後の希望として産み落とされたが、孵ることなくこの地に埋もれてしまっていたのだ。】
「そうなのか…ずっと眠ってたって…可哀想に…」
ドラゴンが、命を得ることなく埋もれていたと知り、胸が締め付けられるような思いがした。
誰にも気づかれない、その孤独と辛さは、俺には痛いほど分かる気がしたから。
それに、“最後の希望”とまで言われていたのに、産まれなかったという事実は、きっとこのドラゴンの親たちにとっても、耐え難い悲しみだったんだろうな。
だけど、なぜ今になってこんな姿で現れたのか。それが不思議で、俺はドラゴンに訊ねた。
「どうして今…その形になってるんだ?」
【我は、既に命の火が尽きた存在。
だが、貴様がこの卵を割った時、わずかに残されていた思念が貴様と共鳴し、こうして姿を見せることができたのだ。】
「俺と共鳴って…なんで俺?」
【貴様は気づいておらぬかもしれぬが…貴様には竜族の血が流れておる。いわば、竜族の末裔だ。】
「俺が竜族の末裔…?あはは、何言ってんだよ!俺はただのヒューマンだよ?」
俺の質問に対する答えは、これまでで一番意味不明だった。
残された思念が光となった…まではまあ、理解できる。
でも、俺があの伝説の竜族の末裔だなんて言われて、はいそうですか、なんて納得できるわけがない。
この世界には、ヒューマン、オーク、エルフ、獣人など多種族が存在していて、
その頂点に君臨していたのが、竜族。ドラゴンの血を継ぐ種族だった。
しかし、いつの間にかその種族は滅び、今では伝説として語られる存在になっている。
そんな種族の末裔が俺だなんて、信じる奴がどこにいるんだよ?
このドラゴンは永い眠りについていたせいで、まだ頭がちゃんと回っていないんじゃないか?
そう思いながら、俺は「なぜそう思うのか」と訊ねた。
「なぁ、なんで俺が竜族の末裔だと思うんだ?どう見てもただのヒューマンだろ?」
【貴様は知らぬだろうが、我ら竜族は滅びの時が来ると悟った時、他の種族にその血を溶け込ませたのだ。
我々はこの世の支配者であったが、それを滅ぼそうとする勢力は多く存在した。
故に、滅びの運命を避けることはできなかった。
そして、竜族の巫女の言霊を受け、一番力を持たぬヒューマンに我らの血を混ぜることで、時を超えて命を繋ぐ道を選んだのだ。】
「それって…ヒューマンと一緒になって命を繋いだってことか?」
【そうだ。純粋な竜族の命は途絶えてしまったが、その血は途絶えていない。
我らの力は混ざり合うことで薄まり、長い長い眠りにつくこととなった。
そして、数多の世代を経て、貴様のように最も濃い血を持つ者が、必ず現れる。
貴様の先祖は、我らの秘密を胸に秘めたまま、この世界で生きてきた。
そして今、貴様がそのすべてを受け継ぐ時が来たのだ。
我が命が尽きてもこの姿となって現れたことが、その証。
今、竜族が再びその力を取り戻す時が来たのだ。】
「へぇ…」
光のドラゴンから事情を聞かされた俺は、話が壮大すぎてとてもじゃないがついていけなかった。
それでも、血を繋ぐこと、命を繋いでいくことの重みは感じていた。
竜族だけでは生き残れないからヒューマンを選んだ。そうまでしてでも、自分たちの存在を無かったことにはしたくなかったんだろう。
まぁ、その気持ちは分かる。
自分の存在がまるで無かったことにされるというのは、とても悲しくて、生きる希望さえ失ってしまう。
そんなことを考えて切なくなっていると、ドラゴンは俺に名前を訊ねてきた。
【貴様、名はなんと申す。】
「俺はオリオン。孤児だからファミリーネームはないんだ。」
【そうか…。では、今後は我の種族名を名乗るがいい。
貴様は今日から、オリオン・カムエルだ。】
「…それってもしかして、あんたが俺の親になるってことか?」
【親か…まぁ、そうだな。今日から我が貴様の親代わりだ。】
「ふーん…オリオン・カムエルか…」
俺の名を訊ねたドラゴンは、ファミリーネームがないと知ると、自分の種族名をくれた。
こんなことされるなんて思いもしなくて、妙に嬉しい気持ちが湧いてきた。
そして「親代わり」と言われた瞬間、初めて自分に“家族”と呼べる存在が現れたことに、疑いや怖さよりも喜びの感情が勝っていた。
光のドラゴンの言葉に、何をそんなに喜んでいるんだろうな、俺は。
そもそも俺が竜族の末裔だなんて、信じられるわけがないのに、胸の奥がやけに熱くなっているのは、どうしてだろう。
それに、家族…ずっと欲しかった家族が、ひょんなことからできたから興奮してるのかもしれない。
そう思いながら、俺はそれを悟られないようにポーカーフェイスでドラゴンの話を聞いていた―…
132
あなたにおすすめの小説
追放された公爵令息、神竜と共に辺境スローライフを満喫する〜無敵領主のまったり改革記〜
たまごころ
ファンタジー
無実の罪で辺境に追放された公爵令息アレン。
だが、その地では神竜アルディネアが眠っていた。
契約によって最強の力を得た彼は、戦いよりも「穏やかな暮らし」を選ぶ。
農地改革、温泉開発、魔導具づくり──次々と繁栄する辺境領。
そして、かつて彼を貶めた貴族たちが、その繁栄にひれ伏す時が来る。
戦わずとも勝つ、まったりざまぁ無双ファンタジー!
剣の腕が強すぎて可愛げがないと婚約破棄された私は冒険者稼業を始めます。~えっ?国が滅びそうだから助けに戻れ?今さら言われてももう遅いですよ~
十六夜りん
ファンタジー
公爵家の令嬢シンシアは王子との婚約が決まっていた。式当日、王子が告げた結婚相手はシンシアではなく、彼女の幼馴染イザベラだった。
「シンシア、君の剣の腕は男よりも強すぎる。それは可愛げがない。それに比べ、イザベラは……」
怒り、軽蔑……。シンシアは王子に愛想がつくと、家と国を追われた彼女はその強すぎる剣の腕を生かし、冒険者として成り上がる。
一方、その頃。シンシアがいなくなった国では大量の死霊が発生し、滅亡の危機にひんして……。
大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!
向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。
とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。
こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。
土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど!
一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
【状態異常無効】の俺、呪われた秘境に捨てられたけど、毒沼はただの温泉だし、呪いの果実は極上の美味でした
夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ルインは【状態異常無効】という地味なスキルしか持たないことから、パーティを追放され、生きては帰れない『魔瘴の森』に捨てられてしまう。
しかし、彼にとってそこは楽園だった!致死性の毒沼は極上の温泉に、呪いの果実は栄養満点の美味に。唯一無二のスキルで死の土地を快適な拠点に変え、自由気ままなスローライフを満喫する。
やがて呪いで石化したエルフの少女を救い、もふもふの神獣を仲間に加え、彼の楽園はさらに賑やかになっていく。
一方、ルインを捨てた元パーティは崩壊寸前で……。
これは、追放された青年が、意図せず世界を救う拠点を作り上げてしまう、勘違い無自覚スローライフ・ファンタジー!
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる