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第120話 二人の帰還
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領地侵犯の排除行動を行っていたシャーロットとアリシアの「これより帰還する」と管制のやり取りを固唾を呑んで聞いて居た一同から安堵の息が漏れた。
「漸く終わったか。」
「そ、そう見たいね……でも何しに来たんだろう?」
とティナは不安気な表情を浮かべて応えた。
「こんな時だ、大方ジミさんが話してた様な事になってるんじゃないのか?俺を拉致ってスキルを得るとか……若しくは各国の要人が集まる時に一気に叩こうとか……解らんけど。」
と、マサキは軽い感じでティナのそれに答えたのだが、内心ではなんとも言えない危機感を感じていたのだった。
(なんだかマズい状況になってきてる感じがするけど……せめて教導隊のメンバーにはExスキルを身に付けて貰わんと対応しきれなくなりそうだぞ……)
暫くすると轟音を轟かせて二機のシャーロットとアリシアのモアが帰還したのであった。
すると直ちに整備員と皆が駆け寄り、二人の生還を喜んだ。
「お疲れ様!無事で何より。」
マサキ達が近づきが二人に声を掛け、続けてティナも労いの言葉を掛けたのだった。
「い、いえいえ、あ、有難うございます! 」
アリシアは照れ臭そうにモジモジしながら、何故か感謝の言葉を述べて、シャーロットは「もぅ、大変でしたよぉ~!」と通常営業でわざとらしく大袈裟に話したのだった。
(まぁ、シャーロットは恐らく、本当に大変な時でもこう言うんだろうな……それが言えるのは逆にいい事なのかも知れん……)
そんな二人に不意にフィリングが難しい表情で話掛けた。
「奴らの目的は分かったかの?」
シャーロットが敬礼をして姿勢を正しそれに返答する形で話し始めた。
「後程報告書を提出しますが、簡単に概略の説明をしますと、対象は二機で目的は何らかの偵察かと……二機の特徴はロービジリティのアーマージャケット装備で一機がレコンタイプ、もう一機は通常兵装のスホーイでした。」
フィリングは「フムフム」と頷きながら話を聞いていた。
すると話を聞いていたフランクが突然声をあげた。
「スホーイだって?そりゃ、ロードランドの国防軍配備の機体じゃないか!なんだってそんな北国の国防軍がこんな所に!」
(え?スホーイ?スホーイって言ったか?国防軍配備の機体?ってなんだ?他は違うのか?てか、めっちゃロシアなネーミングじゃん!(笑)絶対前世知ってる人が名前つけてるよね……コレって……)
「一機はレコンタイプのスホーイなのは間違い無いのかの?」
フィリングは何かを考えながら二人に問いかけたのだった。
「はい。私が追った対象は間違い有りません。」
それを聞いていたティナが小声で「レコンタイプってなに?」とレコンの意味をマサキに聞いて来た。
マサキは帰還した二人から視線を外して小声でティナに説明を始めたのである。
「レコンタイプっていうのは、偵察機の意味で攻撃や迎撃目的では無い機体の事を云うんだよ。」
(この世界にも偵察機とかそういうタイプ有るのね……)
「なるほど。でも二機居たんでしょ?」
「そりゃ、レコンタイプは記録や偵察任務が主な仕事で、自衛の武装は無いから随伴機……僚機に守って貰う必要があるんだろ?だからツーマンセルで偵察しに来たんじゃないのか?」
(つーか……敵対勢力にも前世からの転生者が居るって事なんだよな。まぁ、普通に考えて自分の周りだけに転生者が居るってご都合主義な展開は無さそうだ罠……向こうにも転生者が居る前提で物事を考えないと行けない事になってきたぞ。面倒な事にならなきゃ良いんだけどな……)
「あ~……そういう事ね。何を偵察しに来たんだろうね?」
「それは俺もなんとも言えんが、普通に考えたら地形とか、こちら側の配置とか色々なんじゃないの?後は……何かしらの威圧行動とか……」
(どちらちせよ偵察しに来たって事は何か事が起こりそうだよな……)
「それを知ってどうするんだろ?イマイチ目的が解らないよね。」
「まぁ、確かに。とは言え、今回それに対応した事で向こうにも情報は少なからず盛れたからな。こっちのスクランブルの速さとか対応の仕方とかさ。」
「それってマズイ事なの?」
「マズイと言うか……何とも言えんけど……どちらにせよ今回の対処方法はもう相手には通用しなくなるだろうな……向こうも馬鹿じゃないんだから、それなりに準備はして来るだろうし、此方側としては何かしら新しい手を考えないと行けないだろなぁ……」
「わ、私が追ったのは通常兵装のスホーイでしたが、お、恐らく相手も攻撃の意思はなく、今回は牽制が目的の様な感じでした……あ、あくまで、私個人の感想ですが……」
アリシアもシャーロットに続いて感想を述べている。
フィリングは二人を見ながら
「そうか、何より無事で良かった。ゆっくり休め。詳しい報告はまた後で。引き止めて悪かったの。」
「いえ、了解です。それでは失礼します!」
二人が声を揃えて返答してその場を後にし、アリスが一言「また」と言って二人について行った。
ティナが「またね、アリスん!」と言ってマサキ達は三人に視線を向けて見送ったのだった。
「さてと、ワシもそろそろとお暇ましようかの、色々と収穫もあった事じゃしの。それと、クラタナ殿、教導隊の教育をなるべく早く完了させては貰えんだろうか?まぁ、現状色々と難しいのも重々承知しとるのだが……今回の様な事はまた有り得る話だもんでの……」
フィリングは先程と打って変わった態度でマサキとティナに真剣な視線を向けて、内心を伝えたのだった。
「ええ、解っています。今までは何となく心情的に対岸の火事みたいな感じだったんですけど、早急に対応するしか無さそうですよね……」
と、マサキも真面目モードに切り替えてそれに返答したのだった。
「くれぐれも宜しく頼む……」
最後に深々とお辞儀をして、フィリングは程なくその場を後にしようとした矢先「あ、それから……」
と踵を返していたフィリングの足が止まった。
「お主の認定式の関係で、丁度ロードランドのギルドマスターも此方に滞在中だもんで、何か分かったら報告を入れるでな。今出来るワシの仕事は現状把握と早急な情報伝達じゃて……」
と言い残しヒラヒラと手を振って去って行ったのだった。
あの、と言うか本部ギルドマスターがあそこまで危機感を抱いてお願いをの行動をするのは、只事では無いとマサキも本能的に感じた瞬間である。
(……にしてもあの爺さん、流石現場叩き上げだな……現場の不安ってのをよく分かってる。取り敢えず今出来ることは、スキルを教えるのが本来の目的何だけど、なんて言うか……スキルよりも有事の際の生き残る術を教えた方が良いのかも知れんな……といっても俺も解らんけど。もしもの時、俺は立体的に動けるから逃げれる選択肢が増えるんだけど、教導隊のメンバーは覚える前にそんな場面に陥ったらどうすればいいんだ?つか、俺も魔法覚えないと行けないし……)
「結局、認定式って何時になるんだろうね?」
「それな!ホントそれ……」
(教導隊のメンバーが悲しいかな、数で押された場合、現状で俺を守り切る事は出来ないだろう。せいぜい時間稼ぎ位だ。でも悠長にスキルを教えてる時間も無さそうだし……自分が拉致られ味方が全滅ってのが一番最悪なシナリオだ。それだけは絶対に避けないと……自分の身は自分で守る他ないか……どうすっかなぁ……向こうにも前世からの転生者居そうだし……)
マサキはそんな事を考えながら、帰還したモアの機体チェックの指示を整備員に出しているフランクに視線を向けた。
「やっぱり兵隊勤務は大変なんだね」
一連の流れを見ていたティナがポツリと漏らした。
「だな。俺には向いて無い職業だよ。」
マサキも三人が去っていった方を見ながらそれに同意したのだった、
「ちょっとそこの坊主……」
不意に声を掛けられ、まさかフランクさんにもその言い方で呼ばれるとは……と面くらって返事をする。
「え?あ?なにか……?」
(もしかして、坊主呼ばわりは決定事項なの?)
「先程のお主の新型の試験じゃけどの、少々前倒しで行こうと思っとるんじゃが……」
「あ~……ですね。その方が良いかもです。」
(少しでも完全な状態にして置いて間違いは無い。それと乗り慣れる必要もあるし……)
「スクランブル騒ぎでおざなりになってしもうたが、新型に乗った感想はどうじゃ?」
強面で真剣な話をされると余計に怖くなり、萎縮しがちにマサキは答えたのだった。
勿論フランクは相手を萎縮させようなんて気持ちはどこにも無いのだが。
「え、ええと……ん~……以前乗った300系と比べると、かなり高出力で軌道が軽い印象でした。あとは着地の挙動がかなり安定してるなって感じです。なんか当たり前の事しか言えなくてすみません……」
そんなマサキの在り来りな返答に満足したのか、フランク自身が設定したハードルを超えた答えだったらしい。
「フム……他に何か要望とかはあるかの?」
「ん~……そうですね……高度計は欲しいかもです。」
(安全面でやっぱり高度計は欲しいよなぁ……数字は偉大だよな)
「高度計?」
「はい。高度計。」
「それは高さを測る物かノ?」
「測ると言うか、自機の高さを知るものですけど、そんな道具というか、装備ってできます?」
フランクは顎に手をやり、暫く考えながら答えを探っていた。
当たり前である。この世に飛行する物が無いのに、高度を測るものなどある訳がなかった。
必要とされない物は存在しないのが世の常である。
「そうじゃの……出来ん事は無いと思うが……そんな物は聞いた事も見た事もないでな……少々作るのは時間が掛かるやも知れんぞ?」
(ですよねぇ……俺だって高度計の仕組とか知らんもん(笑)
「よく分かってなくて言いますけど、魔石から常に魔力って放出されてるんですよね?」
「まぁ、魔石の種類にもよるがの。」
「その放出されてる魔力を地面に反射させて、その反射の強弱で高度を数字化にする事って出来ませんか?」
「そうじゃの。その方法なら何とか出来なくは無いかもしれんが……取り敢えずお主の満足する様な物が出来るか作ってみん事には何とも言えんのぅ……」
(いや、これも前世のアクティブレーダーの知識なんだけどね……詳しい事は全く理解出来てないけど……)
「もしそれが出来るのであれば装備して貰えると助かります!あと、追加なんですけど……」
「まだ他にもあるのか?」
「いや、自分の新型機の事ではなく、教導隊のメンバーの機体にも同じ様に装備して貰えないでしょうか?今後と言うか、スキルを覚えて貰う為に必要になって来るので。」
「出来ん事は無いが、さっきも言ったように先ず先行開発としてお主の満足出来る物が出来た上での話になるがの。」
(まぁ、そうなるよな……)
「アグレッサー機全機じゃ無くても何機かは並行でで良いんですけど……装備して貰いたい機体は此方で選びますので……」
「まぁ……それなら何とかするワイ!とは言ってもくどいようじゃがお主の機体で開発するでの、教導隊の機体は少々後回しになるぞ!」
「それで構いません。」
(追加装備の優先順位をメンバーから選ばんと行けんな……誰からが良いんだろう……)
マサキは順番を誰からにするか考えていた時ふと頭に過ぎった事があったのだった。
「あの~……国防軍配備のスホーイってどんな感じなんです?性能差とか……」
「いや、スホーイとはさっき聞いた物の型式はわからんでの……ただ、スホーイはロードランド国防軍配備しか存在しないと噂では聞いとる。此方で言うなら第4世代の500系と言った所じゃろうか?でも改修はされとるじゃろうから性能的には700系程のポテンシャルはあるじゃろうて……」
「ん~……ちょ、ちょっとイマイチ解らないです……」
(第4世代って言うのは前世のF15イーグル位か?700系が第5世代F22ラプターって考えると……流石にステルス機能とかは無いよなぁ……)
「簡単に言えば、パワー、攻撃力、装甲面に秀でて居るが、攻撃精度や稼働率等で不安が残る機体じゃよ。故障が多いそうだからのぅ。」
「なるほど……」
(今度シャーロットにでもその辺り聞いてみるとするか……てか課題が山積みになってきたぞ……スキルの教育、新型の試験、魔法の取得……装備の選定、後、戦術とかも考えないといけんだろうな……お、俺に出来るんだろうか……マルチタスクは苦手なんだけどなぁ。)
そんな事を考えながら、マサキは脳内でタスクの優先順位を付けて居たのであった。
「漸く終わったか。」
「そ、そう見たいね……でも何しに来たんだろう?」
とティナは不安気な表情を浮かべて応えた。
「こんな時だ、大方ジミさんが話してた様な事になってるんじゃないのか?俺を拉致ってスキルを得るとか……若しくは各国の要人が集まる時に一気に叩こうとか……解らんけど。」
と、マサキは軽い感じでティナのそれに答えたのだが、内心ではなんとも言えない危機感を感じていたのだった。
(なんだかマズい状況になってきてる感じがするけど……せめて教導隊のメンバーにはExスキルを身に付けて貰わんと対応しきれなくなりそうだぞ……)
暫くすると轟音を轟かせて二機のシャーロットとアリシアのモアが帰還したのであった。
すると直ちに整備員と皆が駆け寄り、二人の生還を喜んだ。
「お疲れ様!無事で何より。」
マサキ達が近づきが二人に声を掛け、続けてティナも労いの言葉を掛けたのだった。
「い、いえいえ、あ、有難うございます! 」
アリシアは照れ臭そうにモジモジしながら、何故か感謝の言葉を述べて、シャーロットは「もぅ、大変でしたよぉ~!」と通常営業でわざとらしく大袈裟に話したのだった。
(まぁ、シャーロットは恐らく、本当に大変な時でもこう言うんだろうな……それが言えるのは逆にいい事なのかも知れん……)
そんな二人に不意にフィリングが難しい表情で話掛けた。
「奴らの目的は分かったかの?」
シャーロットが敬礼をして姿勢を正しそれに返答する形で話し始めた。
「後程報告書を提出しますが、簡単に概略の説明をしますと、対象は二機で目的は何らかの偵察かと……二機の特徴はロービジリティのアーマージャケット装備で一機がレコンタイプ、もう一機は通常兵装のスホーイでした。」
フィリングは「フムフム」と頷きながら話を聞いていた。
すると話を聞いていたフランクが突然声をあげた。
「スホーイだって?そりゃ、ロードランドの国防軍配備の機体じゃないか!なんだってそんな北国の国防軍がこんな所に!」
(え?スホーイ?スホーイって言ったか?国防軍配備の機体?ってなんだ?他は違うのか?てか、めっちゃロシアなネーミングじゃん!(笑)絶対前世知ってる人が名前つけてるよね……コレって……)
「一機はレコンタイプのスホーイなのは間違い無いのかの?」
フィリングは何かを考えながら二人に問いかけたのだった。
「はい。私が追った対象は間違い有りません。」
それを聞いていたティナが小声で「レコンタイプってなに?」とレコンの意味をマサキに聞いて来た。
マサキは帰還した二人から視線を外して小声でティナに説明を始めたのである。
「レコンタイプっていうのは、偵察機の意味で攻撃や迎撃目的では無い機体の事を云うんだよ。」
(この世界にも偵察機とかそういうタイプ有るのね……)
「なるほど。でも二機居たんでしょ?」
「そりゃ、レコンタイプは記録や偵察任務が主な仕事で、自衛の武装は無いから随伴機……僚機に守って貰う必要があるんだろ?だからツーマンセルで偵察しに来たんじゃないのか?」
(つーか……敵対勢力にも前世からの転生者が居るって事なんだよな。まぁ、普通に考えて自分の周りだけに転生者が居るってご都合主義な展開は無さそうだ罠……向こうにも転生者が居る前提で物事を考えないと行けない事になってきたぞ。面倒な事にならなきゃ良いんだけどな……)
「あ~……そういう事ね。何を偵察しに来たんだろうね?」
「それは俺もなんとも言えんが、普通に考えたら地形とか、こちら側の配置とか色々なんじゃないの?後は……何かしらの威圧行動とか……」
(どちらちせよ偵察しに来たって事は何か事が起こりそうだよな……)
「それを知ってどうするんだろ?イマイチ目的が解らないよね。」
「まぁ、確かに。とは言え、今回それに対応した事で向こうにも情報は少なからず盛れたからな。こっちのスクランブルの速さとか対応の仕方とかさ。」
「それってマズイ事なの?」
「マズイと言うか……何とも言えんけど……どちらにせよ今回の対処方法はもう相手には通用しなくなるだろうな……向こうも馬鹿じゃないんだから、それなりに準備はして来るだろうし、此方側としては何かしら新しい手を考えないと行けないだろなぁ……」
「わ、私が追ったのは通常兵装のスホーイでしたが、お、恐らく相手も攻撃の意思はなく、今回は牽制が目的の様な感じでした……あ、あくまで、私個人の感想ですが……」
アリシアもシャーロットに続いて感想を述べている。
フィリングは二人を見ながら
「そうか、何より無事で良かった。ゆっくり休め。詳しい報告はまた後で。引き止めて悪かったの。」
「いえ、了解です。それでは失礼します!」
二人が声を揃えて返答してその場を後にし、アリスが一言「また」と言って二人について行った。
ティナが「またね、アリスん!」と言ってマサキ達は三人に視線を向けて見送ったのだった。
「さてと、ワシもそろそろとお暇ましようかの、色々と収穫もあった事じゃしの。それと、クラタナ殿、教導隊の教育をなるべく早く完了させては貰えんだろうか?まぁ、現状色々と難しいのも重々承知しとるのだが……今回の様な事はまた有り得る話だもんでの……」
フィリングは先程と打って変わった態度でマサキとティナに真剣な視線を向けて、内心を伝えたのだった。
「ええ、解っています。今までは何となく心情的に対岸の火事みたいな感じだったんですけど、早急に対応するしか無さそうですよね……」
と、マサキも真面目モードに切り替えてそれに返答したのだった。
「くれぐれも宜しく頼む……」
最後に深々とお辞儀をして、フィリングは程なくその場を後にしようとした矢先「あ、それから……」
と踵を返していたフィリングの足が止まった。
「お主の認定式の関係で、丁度ロードランドのギルドマスターも此方に滞在中だもんで、何か分かったら報告を入れるでな。今出来るワシの仕事は現状把握と早急な情報伝達じゃて……」
と言い残しヒラヒラと手を振って去って行ったのだった。
あの、と言うか本部ギルドマスターがあそこまで危機感を抱いてお願いをの行動をするのは、只事では無いとマサキも本能的に感じた瞬間である。
(……にしてもあの爺さん、流石現場叩き上げだな……現場の不安ってのをよく分かってる。取り敢えず今出来ることは、スキルを教えるのが本来の目的何だけど、なんて言うか……スキルよりも有事の際の生き残る術を教えた方が良いのかも知れんな……といっても俺も解らんけど。もしもの時、俺は立体的に動けるから逃げれる選択肢が増えるんだけど、教導隊のメンバーは覚える前にそんな場面に陥ったらどうすればいいんだ?つか、俺も魔法覚えないと行けないし……)
「結局、認定式って何時になるんだろうね?」
「それな!ホントそれ……」
(教導隊のメンバーが悲しいかな、数で押された場合、現状で俺を守り切る事は出来ないだろう。せいぜい時間稼ぎ位だ。でも悠長にスキルを教えてる時間も無さそうだし……自分が拉致られ味方が全滅ってのが一番最悪なシナリオだ。それだけは絶対に避けないと……自分の身は自分で守る他ないか……どうすっかなぁ……向こうにも前世からの転生者居そうだし……)
マサキはそんな事を考えながら、帰還したモアの機体チェックの指示を整備員に出しているフランクに視線を向けた。
「やっぱり兵隊勤務は大変なんだね」
一連の流れを見ていたティナがポツリと漏らした。
「だな。俺には向いて無い職業だよ。」
マサキも三人が去っていった方を見ながらそれに同意したのだった、
「ちょっとそこの坊主……」
不意に声を掛けられ、まさかフランクさんにもその言い方で呼ばれるとは……と面くらって返事をする。
「え?あ?なにか……?」
(もしかして、坊主呼ばわりは決定事項なの?)
「先程のお主の新型の試験じゃけどの、少々前倒しで行こうと思っとるんじゃが……」
「あ~……ですね。その方が良いかもです。」
(少しでも完全な状態にして置いて間違いは無い。それと乗り慣れる必要もあるし……)
「スクランブル騒ぎでおざなりになってしもうたが、新型に乗った感想はどうじゃ?」
強面で真剣な話をされると余計に怖くなり、萎縮しがちにマサキは答えたのだった。
勿論フランクは相手を萎縮させようなんて気持ちはどこにも無いのだが。
「え、ええと……ん~……以前乗った300系と比べると、かなり高出力で軌道が軽い印象でした。あとは着地の挙動がかなり安定してるなって感じです。なんか当たり前の事しか言えなくてすみません……」
そんなマサキの在り来りな返答に満足したのか、フランク自身が設定したハードルを超えた答えだったらしい。
「フム……他に何か要望とかはあるかの?」
「ん~……そうですね……高度計は欲しいかもです。」
(安全面でやっぱり高度計は欲しいよなぁ……数字は偉大だよな)
「高度計?」
「はい。高度計。」
「それは高さを測る物かノ?」
「測ると言うか、自機の高さを知るものですけど、そんな道具というか、装備ってできます?」
フランクは顎に手をやり、暫く考えながら答えを探っていた。
当たり前である。この世に飛行する物が無いのに、高度を測るものなどある訳がなかった。
必要とされない物は存在しないのが世の常である。
「そうじゃの……出来ん事は無いと思うが……そんな物は聞いた事も見た事もないでな……少々作るのは時間が掛かるやも知れんぞ?」
(ですよねぇ……俺だって高度計の仕組とか知らんもん(笑)
「よく分かってなくて言いますけど、魔石から常に魔力って放出されてるんですよね?」
「まぁ、魔石の種類にもよるがの。」
「その放出されてる魔力を地面に反射させて、その反射の強弱で高度を数字化にする事って出来ませんか?」
「そうじゃの。その方法なら何とか出来なくは無いかもしれんが……取り敢えずお主の満足する様な物が出来るか作ってみん事には何とも言えんのぅ……」
(いや、これも前世のアクティブレーダーの知識なんだけどね……詳しい事は全く理解出来てないけど……)
「もしそれが出来るのであれば装備して貰えると助かります!あと、追加なんですけど……」
「まだ他にもあるのか?」
「いや、自分の新型機の事ではなく、教導隊のメンバーの機体にも同じ様に装備して貰えないでしょうか?今後と言うか、スキルを覚えて貰う為に必要になって来るので。」
「出来ん事は無いが、さっきも言ったように先ず先行開発としてお主の満足出来る物が出来た上での話になるがの。」
(まぁ、そうなるよな……)
「アグレッサー機全機じゃ無くても何機かは並行でで良いんですけど……装備して貰いたい機体は此方で選びますので……」
「まぁ……それなら何とかするワイ!とは言ってもくどいようじゃがお主の機体で開発するでの、教導隊の機体は少々後回しになるぞ!」
「それで構いません。」
(追加装備の優先順位をメンバーから選ばんと行けんな……誰からが良いんだろう……)
マサキは順番を誰からにするか考えていた時ふと頭に過ぎった事があったのだった。
「あの~……国防軍配備のスホーイってどんな感じなんです?性能差とか……」
「いや、スホーイとはさっき聞いた物の型式はわからんでの……ただ、スホーイはロードランド国防軍配備しか存在しないと噂では聞いとる。此方で言うなら第4世代の500系と言った所じゃろうか?でも改修はされとるじゃろうから性能的には700系程のポテンシャルはあるじゃろうて……」
「ん~……ちょ、ちょっとイマイチ解らないです……」
(第4世代って言うのは前世のF15イーグル位か?700系が第5世代F22ラプターって考えると……流石にステルス機能とかは無いよなぁ……)
「簡単に言えば、パワー、攻撃力、装甲面に秀でて居るが、攻撃精度や稼働率等で不安が残る機体じゃよ。故障が多いそうだからのぅ。」
「なるほど……」
(今度シャーロットにでもその辺り聞いてみるとするか……てか課題が山積みになってきたぞ……スキルの教育、新型の試験、魔法の取得……装備の選定、後、戦術とかも考えないといけんだろうな……お、俺に出来るんだろうか……マルチタスクは苦手なんだけどなぁ。)
そんな事を考えながら、マサキは脳内でタスクの優先順位を付けて居たのであった。
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それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
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