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王都に着いた。
門番の列に並び、審査を受ける。
商会の前に着いたら、任務完了だ。
完了のサインをもらい、ギルドへ向かう。
達成報告へ向かうのだ。
「久しぶりだな~王都。」
「あ、そうでしたね。大蛇の皆さんは、王都で活躍されているんですよね。」
「えー、ノアさん。やめてくださいよ~王都で活躍していい気になって、辺境へ向かったら足元にも及ばないなんていう、黒歴史なんですから。」
大蛇のメンバーはここ数か月で、僕への態度はずいぶんフランクになった。
けんか腰→堅苦しい、カタコトな敬語へと、態度も言葉づかいも変化した。
僕の呼び名も、ガキ→ノア様→ノアさんになった。
今や、僕をリスペクトしているらしい。笑
冒険者で様付けとか、すごい可笑しいから、断固拒否したのだ。
そしたら、さん付けになった。
敬語もやめてほしいんだけどな。
「でも、これからどうするんですか?何か月も辺境にいたし、ホームギルドの依頼を受けていなくて大丈夫なのか?」
「ああ、俺たちはノアさんに着いていくと決めましたし、王都での活躍なんて小っちゃいと感じてしまって・・・ホームギルドは、リートルテのメインギルドへ変更しますので!問題なしです。」
ホームギルドとは、その冒険者が拠点にしているギルドの通称。
ホームギルドに申請もなにもいらないが、ギルド側としたら強い冒険者がいると心強いのだ。
だが、冒険者の醍醐味は、”縛られないこと”なので、ホームギルドがない冒険者もいるし、ホームギルドを変えるのも自由だし、もちろん申請もいらないのだ。
「でも、王都ではそこそこ強かったんでしょ?王都は大丈夫なの?」
「なんか、地味にグサっときますね・・・まあ、王都には十分な兵士もいるし、俺らみたいな冒険者がいなくなったって、大丈夫ですよ。」
「なら、いいんだけどさ。」
________________
冒険者ギルドに着いた。
王都のギルドだけあって、小奇麗な建物だった。
一見、ギルドには見えない。
リートルテ領のギルドを、ホームギルドにしている冒険者は、気づかずに通り過ぎてしまうかもしれない。
そういう僕も通り過ぎた一人なのだ。
兄上含む、他のメンバーに笑われた。
「まあ、リートルテにあるギルドは、こんなに洒落た建物じゃないからね。
気づかなくても仕方ないさ。」
ムっとしながら、兄上の言葉を聞いたのだった。
兄上は、何度か王都へ来たことがあったから、知っていたらしい。
前世の通りすがった電気屋さんのテレビに映っていた(テレビなんてものは、家にはなかった)アニメには、リートルテ領にあるようなギルドだった。
こんなお洒落な建物では、なかった。
やっぱり、この世界は現実にあるのだと再認識させられたのだった。
門番の列に並び、審査を受ける。
商会の前に着いたら、任務完了だ。
完了のサインをもらい、ギルドへ向かう。
達成報告へ向かうのだ。
「久しぶりだな~王都。」
「あ、そうでしたね。大蛇の皆さんは、王都で活躍されているんですよね。」
「えー、ノアさん。やめてくださいよ~王都で活躍していい気になって、辺境へ向かったら足元にも及ばないなんていう、黒歴史なんですから。」
大蛇のメンバーはここ数か月で、僕への態度はずいぶんフランクになった。
けんか腰→堅苦しい、カタコトな敬語へと、態度も言葉づかいも変化した。
僕の呼び名も、ガキ→ノア様→ノアさんになった。
今や、僕をリスペクトしているらしい。笑
冒険者で様付けとか、すごい可笑しいから、断固拒否したのだ。
そしたら、さん付けになった。
敬語もやめてほしいんだけどな。
「でも、これからどうするんですか?何か月も辺境にいたし、ホームギルドの依頼を受けていなくて大丈夫なのか?」
「ああ、俺たちはノアさんに着いていくと決めましたし、王都での活躍なんて小っちゃいと感じてしまって・・・ホームギルドは、リートルテのメインギルドへ変更しますので!問題なしです。」
ホームギルドとは、その冒険者が拠点にしているギルドの通称。
ホームギルドに申請もなにもいらないが、ギルド側としたら強い冒険者がいると心強いのだ。
だが、冒険者の醍醐味は、”縛られないこと”なので、ホームギルドがない冒険者もいるし、ホームギルドを変えるのも自由だし、もちろん申請もいらないのだ。
「でも、王都ではそこそこ強かったんでしょ?王都は大丈夫なの?」
「なんか、地味にグサっときますね・・・まあ、王都には十分な兵士もいるし、俺らみたいな冒険者がいなくなったって、大丈夫ですよ。」
「なら、いいんだけどさ。」
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冒険者ギルドに着いた。
王都のギルドだけあって、小奇麗な建物だった。
一見、ギルドには見えない。
リートルテ領のギルドを、ホームギルドにしている冒険者は、気づかずに通り過ぎてしまうかもしれない。
そういう僕も通り過ぎた一人なのだ。
兄上含む、他のメンバーに笑われた。
「まあ、リートルテにあるギルドは、こんなに洒落た建物じゃないからね。
気づかなくても仕方ないさ。」
ムっとしながら、兄上の言葉を聞いたのだった。
兄上は、何度か王都へ来たことがあったから、知っていたらしい。
前世の通りすがった電気屋さんのテレビに映っていた(テレビなんてものは、家にはなかった)アニメには、リートルテ領にあるようなギルドだった。
こんなお洒落な建物では、なかった。
やっぱり、この世界は現実にあるのだと再認識させられたのだった。
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