スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

文字の大きさ
31 / 158

第31話:太りすぎた忍者たち

しおりを挟む
カレー、焼肉、蕎麦、うどん…これまでの冒険で、タカシたちは「食べ過ぎ」という一つの問題を抱えていた。

「…おいタカシ、ズボンきつくないか?」ユウジが目を細めながらタカシを見つめた。

「いや、何言ってるんだよ。忍者のズボンは伸縮自在だろ?」タカシは自信満々に言い返したが、裾がピチピチで足首がほぼ見えない。

「それ、もう限界だぞ…」ユウジは頭を抱え、隣にいるクマ吉を見た。

「おいクマ吉、何だその腹!お前もう、クマじゃなくてどんぐりだろ!」

「おいおい、クマ吉の名誉に関わるぞ!これは鍛えられた筋肉だ!」クマ吉はそう言いながら腹を叩いたが、プヨンと柔らかい音が響いた。

「お前の腹、筋肉じゃなくてカレーうどんが詰まってるんだろ!」タカシとユウジは同時にツッコミを入れる。

痩せ細り島への誘い

そんな中、突然どこからともなく風に乗って聞こえる声が。

「…太りすぎた忍者たちよ…痩せ細り島へ来るがよい…」

「誰だ!?」タカシたちが警戒すると、目の前に一枚の竹札が落ちてきた。そこには達筆な文字でこう書かれていた。

『痩せ細り島にて、お前たちを忍者の理想の体型へ戻す修行を課す。来たれ、忍びたちよ。』

「ちょうどいいじゃねえか!これで俺の腹も元通りだ!」クマ吉は早速やる気満々だが、ユウジは呆れた顔で言った。

「お前、まずその腹をどうにかしてボートに乗れよ。」

痩せ細り島の光景



痩せ細り島は、不思議な場所だった。細長いヤシの木が並び、島全体がなんだかシュッとした雰囲気。到着した瞬間、案内人のような男性が現れた。

「ようこそ、痩せ細り島へ。私はこの島の修行師範、スリム丸です。」

スリム丸は細身のスーツをピタリと着こなした、驚くほどスリムな男だった。そのスリムさにタカシたちは思わず感嘆の声を上げた。

「おお!細っ!足とかうどんの麺みたいだな!」クマ吉が驚くと、スリム丸はニコリと笑った。

「この島に来たからには、お前たちもこうなる。だが簡単ではないぞ!」

「えっ、うどんみたいに細くなるの?」タカシが恐る恐る聞くと、スリム丸は真剣な表情で頷いた。

「そうだ。さあ、まずは『忍者流ダイエット修行』を始めるぞ!」

第一の修行:忍び足エクササイズ

「忍者と言えば忍び足!まずは島の周りを音を立てずに歩くのだ!」

スリム丸の指示で、タカシたちはそっと足を踏み出した。しかし…

「ズシン!」

「おいタカシ、お前の足音、もう恐竜だぞ!」ユウジが振り返ると、タカシは必死の形相。

「くそっ、この腹の重さが邪魔だ!」

「じゃあ腹を置いていけ!」

クマ吉も同じようにズシンズシンと音を立て、地面が揺れている。

「お前ら、全然忍び足じゃねえ!」スリム丸は頭を抱えながら叫んだ。

第二の修行:空腹との戦い

次は、忍耐力を鍛えるための空腹修行。テーブルには美味しそうな料理が並べられたが、食べることは禁止。

「ここは精神力を鍛える試練だ。食べたいという欲望に打ち勝つのだ!」スリム丸が厳しい顔で言う。

「えっ…これは拷問じゃないか!?」タカシは目の前の唐揚げを見つめながらよだれを垂らす。

「唐揚げが俺を見てる…食べてほしいと言ってる…」クマ吉も危ない状態だ。

「お前ら、食べ物と会話するな!」ユウジがツッコむが、唐揚げを前にした仲間たちは限界に近かった。

試練の結末

何とか修行を乗り越えたタカシたち。島を去る頃には、体も軽く、見違えるような姿に戻っていた。

「おお!ズボンがまた楽に履ける!」タカシが嬉しそうに飛び跳ねる。

「腹が…見てくれ!腹が6つに割れてる!」クマ吉は感動の涙を流している。

「それ脂肪のシワじゃね?」ユウジが冷静に突っ込むも、誰も気にしなかった。

こうして、痩せ細り島で修行を終えたタカシたち。スーパー忍者としての道をさらに一歩進むのだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜

☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で身も心もすり減らした相馬蓮司(42歳)。 過労死の果てに辿り着いたのは、剣と魔法の異世界だった。 神様から「万能スキル」を押し付けられたものの、蓮司が選んだのは──戦いでも冒険でもない。 静かな辺境の村外れで、珈琲と煙草の店を開く。 作り出す珈琲は、病も呪いも吹き飛ばし、煙草は吸っただけで魔力上限を突破。 伝説級アイテム扱いされ、貴族も英雄も列をなすが──本人は、そんな騒ぎに興味なし。 「……うまい珈琲と煙草があれば、それでいい」 誰かと群れる気も、誰かに媚びる気もない。 ただ、自分のためだけに、今日も一杯と一服を楽しむ。 誰にも縛られず、誰にも迎合しない孤高のおっさんによる、異世界マイペースライフ、ここに開店!

魔王聖女

未羊
ファンタジー
サンカサス王国には、それは素晴らしい聖女がいる だが、彼女にはとても人に言えない秘密があった 彼女はかつて世界を恐怖に陥れた魔王だったのだ

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  ブックマーク・評価、宜しくお願いします。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

処理中です...