スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

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第72話 水の技伝授

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タカシとユウジは、川辺で泥まみれになりながらも、ようやく水の試練に挑戦し始めた。モスイトスは相変わらず、ふわふわと水しぶきを上げながら歩き回り、二人に次々と「水の技」を教えようとしていた。しかし、ここから先はまさに予測不可能だった。

「よし、じゃあ次はこれだ!」モスイトスがやや興奮気味に言った。彼は両手を広げると、水面に大きな波を引き起こす。二人はその波に飲まれるのではないかと身構えるが、モスイトスはニヤリと笑って言った。

「これは『水のバランス技』だ!」

「水のバランス技…?」タカシが首をかしげながら聞き返した。

「そうだ!水は流れるものだから、バランスを取るのが重要なんだ。だから、この技を覚えれば、水に飲み込まれることもなくなる!さあ、やってみろ!」モスイトスが無邪気に言った。

「バランス?水の上で立つとか…そんな簡単なこと…」ユウジが少し自信満々に言った。しかし、モスイトスの言う通り、水は思ったよりも難しい。

「おいおい、簡単じゃなかったのか?」ユウジは足元がぐらつき、まさかの転倒。水の中にジャボンと落ちる。

「うわっ、やっぱり無理だよ!」ユウジが水面から顔を出しながら叫ぶ。

タカシも真似してやってみたが、すぐに片足を踏み外してバランスを崩し、水に引き込まれてしまった。「これ、どうやってやるんだよ…?」タカシは水面から必死に顔を出しながら呟いた。

モスイトスは二人を見て、満面の笑顔で言った。「いやいや、そうじゃないよ!水は流れているんだから、流れに合わせて動くんだ!」

「流れに合わせて…?」タカシとユウジは再び水に引きずられながら、モスイトスの言葉を必死で考えた。

「そうだ!例えば、こうやってだ!」モスイトスは川の中でしばらく足踏みをして、何かを見つけたかのように立ち止まった。そして、突然、ぴょんっと跳ねた。すると、彼の体が水に飲まれることなく、ふわっと川の上に浮かび上がったのだ。

「うおっ、なんだそれ?」ユウジが驚きの声を上げた。

「ほら、見ろ!これが『水のバランス技』だ!」モスイトスは軽やかに言ったが、その動きはまるで水の精霊が舞っているかのようで、どうにも意味がわからなかった。

タカシとユウジは、お互いに顔を見合わせた。「えっと…これって、何か変な技なんじゃないか?」ユウジがつぶやいた。

「いや、たぶん…」タカシも頷きながら言った。「でも、もう一回やってみるしかないか。」

二人は再度、試してみることにした。ユウジが先に水に足を踏み入れると、今度は流れに合わせて軽く足を動かしながら、モスイトスの真似をしてみた。だが、何度試してもすぐに足がぐらつき、またしても水に飲み込まれてしまう。

「うわぁぁぁ、むずかしい!」ユウジが慌てて水から顔を出しながら叫んだ。

タカシも挑戦したが、同じように転んでしまった。「まさかこんな技がこんなに難しいとは…!」

モスイトスは笑いながら近づいてきて、「お前たち、全然ダメだな。水に流れるように…って、ただ流れるだけじゃダメなんだよ!」と軽く言った。

「じゃあ、どうやるんだよ?」ユウジが水をかぶりながら文句を言った。

「簡単だよ!」モスイトスはまるで魔法を使うかのように言った。「こうやって…!」そう言うと、突然モスイトスは水面をパシャっと叩いた。すると、なんと水面に無数の小さな波紋が広がり、そこから突如現れた水の精霊たちが一斉に踊り出した。

「ほら、これが水の精霊たちだ!流れに合わせるだけじゃなくて、遊んでもらうことも大事なんだ!」モスイトスは得意げに言った。

「なにこれ!?精霊!?どこから出てきたんだよ!?」タカシとユウジは目を丸くして見ていたが、その精霊たちはどう見ても普通の水の中でお遊びしているだけだった。

「精霊の力を借りれば、バランスも取れるし、何でもできるんだよ!さあ、君たちもやってみろ!」モスイトスが興奮気味に言った。

「遊ぶ…って、これが水の技か…?」ユウジが半信半疑で言うと、モスイトスは頷きながら言った。

「そう!水の力を使って、精霊たちと遊ぶんだ!これが本当の『水のバランス技』だよ!」

タカシとユウジは、最初は何が何だか分からなかったが、しばらくしてようやくその「遊び」の意味が分かってきた。水の精霊たちと戯れることで、自然と水の流れに乗る感覚を掴むことができたのだ。

「なるほど…水の流れに身を任せるってこういうことか…」ユウジがようやく納得した顔をした。

「うーん、ちょっとおかしいけど、これでバランス取れるのか?」タカシも何とか試みた。

結局、二人は必死で遊びながら、やっとのことで水の流れに乗る感覚をつかんだ。しかし、技自体はまさに「水の民の遊び」であり、あまりにもくだらないように思えた。

モスイトスは二人の努力を見て、「よしよし、その調子だ!次はもっと面白い技を教えてやるぞ!」と、まだまだ次の技を伝授しようと意気込んでいた。

タカシとユウジは心の中で「これ、絶対に水の試練、過去最高にダメな試練だ…」とつぶやきながらも、次なる「面白技」に挑む覚悟を決めたのであった。

その後、モスイトスは「水の大爆笑技」とか「水のモンスター引き寄せ技」など、聞いたこともないような技を次々に教え始め、二人はもはや試練の意味すら忘れて、ただただその「くだらなさ」に振り回されていった。

試練の終わりが見えない中、二人は笑いながらも、いったいどんな技が待っているのか、すでに恐れているのかもしれなかった。
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