【完結】王太子の求婚は受け入れられません!

みやちゃん

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フィンランの想い(フィンラン視点)

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目の前から王太子とレイシア様が消えた。
フィンランはため息をつく。

王太子が作った仮想空間に飛んだんだと思う。
レイシア様を唯一逃がさない空間。
まぁ、レイシア様の魔力なら壊せるけど、王太子を傷つけてまで出てこないだろう。

本当に長い一年だった。
レイシア様が突然消えてしまった日から王城の全てが変わってしまった‥

警違隊はレイシア様がトップにおさまるはずだった。

正義感が強くて、曲がった事が大嫌い。
半端ない魔力を持っているが、それを鼻にかける様子もなく、誰でも平等に扱う。
レイシア様は、実力主義で家柄など関係なく優秀な人材を入れることで有名だ。
王太子や王に向かっても堂々と意見を言う。
レイシア様は貴族から嫉妬されることも多かったが、平民の憧れの的だった。

レイシア様の提案で平民の教育にも力が入れられ、今までは何をしても無駄だと諦めていた平民も頑張れば認められる事を知り、努力するようになった。
レイシア様に憧れ、平民の王城勤めも増えている。
レイシア様が主導し実力主義が浸透していき、平民にとって生きやすい世の中になってきたのだ。

そんな中、急にレイシア様が消えた。
王太子がレイシア様を望み、レイシア様が王城を追い出されたと噂が流れはじめ‥

アレン様は人が変わったようになり‥

平民達は失望し、レイシア様を追い出した宰相への反発は大きく、仕事をボイコットするという事態に発展した。

その結果、政務にも大きな影響が出ていた。
アレン様はもちろん、平民の政務官達は優秀であり、すぐに代わりなどできるものはいなかったのだ。
貴族の政務官は平民達に仕事をさせ、手柄だけを横取りしている事も判明した。

貴族の出来なさ具合を露見した形となり、力で平民を排除しようとしたが、王妃が平民の政務官達をかばったため、貴族達は表立って批判できなかった。

レイシア様、王太子を崇める貴族達も反発し始め、さらに混乱を招いていた。

それほどレイシア様の存在は皆の支えとして必要な存在だった。

フィンランもレイシアに引き上げられた者の一人だ。
「一緒に来る?あなたのような優秀な存在は貴重よ。ぴったりの仕事があるの。」
孤児のフィンランに手を差し出したレイシア様の笑顔は今でも忘れない。
その笑顔をみて一生ついて行こうと決めていた。

レイシア様が急にいなくなり、王太子はピリピリした雰囲気の中、警違隊に毎日のように顔を出した。

皆の胃がキリキリ痛む日が続く。

警違隊のメンバーはもう来るなと言いたい。
レイシア様の代わりに仮ではあるが、警違隊のトップとなった王太子に誰も何も言えなかった。

「レイシアが連絡してくるとしたら、この警違隊だ。この国の不正を黙っておくことなどできないからな。もし、私への報告を怠るとどうなるか肝に命じて欲しい。」

来てはひたすらピリピリする雰囲気で部屋をウロウロ。

部署移動を出したいが、それすら許されない。

本当に地獄の一年だった。

皆の心は、一つだった‥
レイシア様、早く戻ってきてください!

王太子であってもレイシア様の代わりはできないと皆、思っている。

なぜならレイシア様は本当に世の中の理不尽さや差別に怒りを感じているから。
その熱い想いでこの組織を立ち上げた事を皆、知っているから。

警違隊は貴族の不正を暴く。
貴族たちに睨まれることになるため、その組織に属する事を貴族たちは拒否をし、平民で構成されていた。
誰だって権力のある者や力がある者の敵にはなりたくない。
だが、自分たちの仲間を助ける為に必死になってくれているレイシアに賛同し、レイシア様の熱い想いに応えたくて皆、この組織を志願したのだ。
だからこそ、レイシア様がいなければいけない。



ふぅ。
ちょっと思い出に浸かり過ぎましたね‥

二人はしばらく出てこないだろうし、頼まれていた事をしときましょうか。

「そこの方々、関係者は一緒に領城まで来てもらいましょうか。そこで話を聞くとしましょう。レイシア様のお連れ様も一緒に。」

笑顔で振り返りながら集まっていた人たちをみた。

ドイルは自分は関係ありませんという顔をしつつコソコソ離れようとしていたが‥
しっかりバレていた。

おいおい、こんなのに俺を巻き込むなよ。
あの王太子の殺気はやばいだろ‥
生きて帰れるかな‥

ドイルはニコニコ笑いかけるフィンランを見て逃げる事は諦め、付いていくことにした。
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