【完結】王太子の求婚は受け入れられません!

みやちゃん

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王妃の想い(王妃視点)

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「レイシア様が城をでました。あとを追わなくて本当によろしいのですか?」
密偵から王妃に報告が入る。

「構わないわ。どうせ、すぐに撒かれてしまうもの、意味ないわ。報告ありがとう。下がって。」

王妃は窓の外を眺めた。
もう見える範囲にレイシアはいないことはわかっているが、もしかしたら戻ってきてくれるかもという淡い期待を寄せていた。

「アレンにとって辛い一年でしょうけど、皆にとってはレイシアの存在価値を知る一年になるわね。」
王妃は独り言をつぶやく。

アレンがこの計画を持ってきた時は驚いた。
自分の邪魔をしないようこれからの計画を打ち明けに来たのだ。
アレンのやろうとしていることの一番の障壁になるのが王妃だと知っていたから、打ち明けたにすぎない。
子どもが悩んでいても相談される存在でもない事に胸が痛んだが、そんな事を考えている場合ではなかった。

王妃はその時レイシアに執着するアレンを甘く見すぎていた事に気付いたが、もう遅かった。
もう戻ることができないところまで計画は進んでいる。

計画は予定通り最悪のシナリオを向かっている。
そう、できれば避けたかった計画に突入してしまった。

国が崩れる事はないと信じたいが、確実に乱れるだろう。
どのくらいの被害が出るのかは予測できない。

レイシアを王太子妃にする‥
レイシアに尊敬される人物でいる‥

レイシアの側にいることがアレンの原動力だ。
元々、国や権力に何の興味も示さなかったのだから。
レイシアを失うことができないアレンの執着が国を巻き込んでいく‥

何でアレンを止めなかったか?
止める事に何の意味もない。
だって、アレンが本当にレイシアを失ったら、さらに大きな被害がでることは間違いないのだから。
国が揺らぐ。
その前にこの計画がうまく達成できれば、被害は幾分小さく済む。

「私は見守りのみね。」

王妃はレイシアを見逃す気などなかった。
レイシアが本当に嫌がっていれば、諦めもついた。
もともと国やアレンのために無理やり正妃にするつもりなどなかったのだ。

王妃の目から見てもレイシアは頑なになっているだけで、アレンをとても想っている。
このままでは2人とも不幸にしてしまう。
なら遠慮などしない。
国のためにもアレンのためにも。

レイシア、王、そしてこの国の人間にレイシアしかアレンの妃は務まらない。
それを見せしめるためだけの茶番が始まる。

続いていく国のため一年間の国の損害は目をつぶる。
そして母としては子のただ唯一の望みをかなえる。

それが王妃として、母としての決断。
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