『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)

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「帝都到着と赤髪の第2皇子」

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結局その後、ギルヴァントが私に手を出すことはなかった。

けれど、膝から降ろされることもなく、イザークさんの鋭い監視のもと、馬車は帝国へと進んでいった。



やがて視界に現れたのは、村とは比べものにならない巨大な城と、壮麗な城下町。

その光景に思わず声を失っていると、ギルヴァントが横目で私を見て、口元をゆるめた。



「いずれ、これは全て俺が受け継ぐ。お前のものでもある」



「……はぁ!? 何言ってるの! お妃様にはならないって言ったでしょ。それに私はいずれ帰るんだから!」



「ふん、そんなこと言えなくなるくらい、贅沢も愛情もたっぷり与えてやる。今夜は覚悟しておけ」



「な、なにそれ……!」

顔が熱くなる。――これ、貞操の危機じゃない!? なんとか逃げないと……!



そんなやりとりをしているうちに、馬車は城門前へ到着した。

扉が開かれると、整列した兵士たちが一斉に敬礼し、誰かが高らかに叫ぶ。



「第一皇子ギルヴァント殿下、おなーりー!」



次の瞬間、地響きのような歓声が巻き起こった。

あまりの熱狂ぶりに、私は思わず身を縮こませる。



すると、人混みをかき分けて現れたのは、赤髪短髪の大柄な男。

端正な顔立ちに、どこか余裕を感じさせる笑みを浮かべている。



「兄上! お迎えにあがりました!」

彼はそう言い、私に気づくと視線を上から下まで滑らせ、ニヤリと笑った。



「この女性が兄上が直々に迎えに行った方ですか? 今まで女性に冷たかった兄上が……珍しい。

しかし、これはハーレムの女たちが騒ぎますね。特にアレクサンドラ様が」



――ハーレム!? え、あのハーレム!?

心の中で動揺していると、ギルヴァントが冷たい声で言い放った。



「出迎えご苦労。お前には関係ない。父上のところに行く」



「ハハッ、兄上は相変わらず冷たいなぁ」

男は肩をすくめ、その場を離れた。



私は気になって、ギルヴァントの服の裾を引っ張る。



「あの人は……?」



「第2皇子のガラントだ。母親は違う。最近、父王が病に臥していてな。

俺がいない間、帝位を狙って妙な動きをしていたらしい。だが、俺が生きている限り、その夢は終わりだ」



険しい表情でそう言うギルヴァント。

やっぱり複雑な事情があるらしい。……できるだけ関わらないようにしよう。



そして――ハーレムなんて聞いたら、不安しかない。

……帰りたいよぉ~!

心の中で、私はそっと涙を流した。




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