『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』

透子(とおるこ)

文字の大きさ
33 / 59

「ナディアの正体バレ!?ギルヴァント殿下のまさかの条件」

しおりを挟む
ノックのあと、ドアを開けたのはギルヴァントの義兄弟兼侍従のエレクだった。

「……殿下、お客様です」

その声に反応して、奥から長身の影がゆっくり近づいてくる。



扉の向こう側に現れたギルヴァントは、意外な訪問者に目を細め――そして、甘く色気のある声で笑った。

「どうした? お前から来るなんて。……俺に会いたかったのか?」



――いや、その言い方やめて。心臓に悪い。

私は慌てて手を振る。

「ち、違うわよ! あの、その……ちょっと相談があってね」



「相談?」とギルヴァントが首を傾げた。

視線が私から左右に流れ、イザークとナディア(実はナディール)を鋭く見やる。

「……そういえば、なぜイザークと“ナディア”が一緒にいる?」



ナディールはガクガク震え、イザークは剣の柄に手を添えたまま一触即発の空気。

――やだ、怖い。これ、完全に修羅場の空気じゃない?



私は必死に笑顔を作る。

「あー、えっと、そのね。この“ナディア”なんだけど、ナディアはナディアではなくて……。……ねぇ、これ言っても怒らないでくれる?」

わざとあざとく上目遣いしてみた。こういうときは媚び売り戦術が一番。



ギルヴァントは一瞬目を見開き、そして唇の端を上げる。

「ほう……お前がおねだりか。悪くない。言ってみろ?」



――よし、機嫌は良さそうだ!

私は一気に事の顛末を説明した。



話を聞き終えたギルヴァントは、驚くでも怒るでもなく「なるほど」と一言。

そして、色っぽい笑みを浮かべる。

「では許そう。ただし……貸しはひとつだ」



「殿下、ありがとうございます!」

ナディールは勢いよく床に手をつけ――完全なスライド土下座状態。

――あ、あるんだ、この世界にも土下座文化……。



「我が国もお許しいただけるでしょうか!?」と必死に頭を下げるナディールに、ギルヴァントは私の手をとった。

ギルヴァントが手の甲に唇を落とした瞬間、空気がふわりと微かに震えたような気がした。

自分の知らない力が、何かを守ってくれている――そんな感覚。



――ひゃっ……!? あれ、ビリビリ来ない。むしろ、さっきよりギルヴァントの顔色良い?

私が固まっているのを面白そうに見つめ、ギルヴァントはさらに囁いた。

「ナディールの国のことも許そう。その代わり――ヨウコ、明日は一日、俺と出かけるぞ。二人きりで」



「っ……!」

横でイザークが低く唸る。

「殿下、それは危険すぎる」



しかし涙目のナディールを見て、私は観念してうなずいた。

こうして、命がけ(?)の二人きりデートが決まってしまったのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

異世界から来た華と守護する者

恋愛
空襲から逃げ惑い、気がつくと屍の山がみえる荒れた荒野だった。 魔力の暴走を利用して戦地にいた美丈夫との出会いで人生変わりました。 ps:異世界の穴シリーズです。

ブラック企業に勤めていた私、深夜帰宅途中にトラックにはねられ異世界転生、転生先がホワイト貴族すぎて困惑しております

さら
恋愛
ブラック企業で心身をすり減らしていた私。 深夜残業の帰り道、トラックにはねられて目覚めた先は――まさかの異世界。 しかも転生先は「ホワイト貴族の領地」!? 毎日が定時退社、三食昼寝つき、村人たちは優しく、領主様はとんでもなくイケメンで……。 「働きすぎて倒れる世界」しか知らなかった私には、甘すぎる環境にただただ困惑するばかり。 けれど、領主レオンハルトはまっすぐに告げる。 「あなたを守りたい。隣に立ってほしい」 血筋も財産もない庶民の私が、彼に選ばれるなんてあり得ない――そう思っていたのに。 やがて王都の舞踏会、王や王妃との対面、数々の試練を経て、私たちは互いの覚悟を誓う。 社畜人生から一転、異世界で見つけたのは「愛されて生きる喜び」。 ――これは、ブラックからホワイトへ、過労死寸前OLが掴む異世界恋愛譚。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※アルファポリス先行公開。 ※表紙はAIにより作成したものです。

治療係ですが、公爵令息様がものすごく懐いて困る~私、男装しているだけで、女性です!~

百門一新
恋愛
男装姿で旅をしていたエリザは、長期滞在してしまった異国の王都で【赤い魔法使い(男)】と呼ばれることに。職業は完全に誤解なのだが、そのせいで女性恐怖症の公爵令息の治療係に……!?「待って。私、女なんですけども」しかも公爵令息の騎士様、なぜかものすごい懐いてきて…!? 男装の魔法使い(職業誤解)×女性が大の苦手のはずなのに、ロックオンして攻めに転じたらぐいぐいいく騎士様!? ※小説家になろう様、ベリーズカフェ様、カクヨム様にも掲載しています。

異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。 全123話 ※小説家になろう様にも掲載しています。

面倒くさがりやの異世界人〜微妙な美醜逆転世界で〜

波間柏
恋愛
 仕事帰り電車で寝ていた雅は、目が覚めたら満天の夜空が広がる場所にいた。目の前には、やたら美形な青年が騒いでいる。どうしたもんか。面倒くさいが口癖の主人公の異世界生活。 短編ではありませんが短めです。 別視点あり

処理中です...