異世界の美少女はかくあれかしと思ふ

雲黒斎草菜

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小ノ葉。泳ぐ(おっとっと と4話)

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「お――い。全員集合ぉ!」
 そんなこんなで、杏の号令でプールから上がった。

「お前はドリフかよ」
 突っ込む俺に向かって、杏は血色のいい顔をほころばせる。
「さぁ。ここらで昼飯といこうぜ、イッちゃん」
 ヤシの木の下に引いたゴザの上で荷物を広げようとするので、
「こういうところで食べてもいいのか。ここは市民プールじゃなくてグランホテルのデラックスプールなんだぜ」

「けっこうですよ。ご遠慮なくお弁当にしてください」
 と言って影を落としてきたのは、コンシェルジュのおねえさん。
「熱いお茶のサービスをお持ちしました。もちろん無料ですよ。ここに置いて行きますね」

「いいんですか?」と訊いたのは小の葉で、
「水泳すると意外と身体の芯が冷えるもんです。ポットのお茶が足りなければ、あそこのレストランへ来てくださいね。いくらでもありますから」
 おねえさんは青空の下、ヤシの木の向こうに立つオシャレな南国風設(しつら)えの建物を指差した。

「僕らみたいな高校生にまでこんなにもてなしてくれるんですか?」
「このホテルに来られた方はみなさん平等です」
 透き通った空に負けないほどの爽やかな笑みを浮かべておねえさんは去っていった。

「すげえな。何かあったらこのホテル紹介しようぜ」
 そう感じさせる気持ちの良さだ。
 スマートなサービスに心地よいタイミング。さすがはグランホテルだぜ。
 杏と奈々子ちゃんは目が点になって凝固中だった。

「ほら。ホテルからのお許しも出たんだ。座って座って」
 ふと我に返り、堰を切ったように仕切りだした杏と、それを手伝う小の葉の動きもすっかり板についてきた。

 それにもまして立ち飲み屋『アキ』の長女である杏と、駅前の居酒屋『案山子』の一人娘、奈々子ちゃんの慣れた手つきはどうだい。ゴザの上に置いた紙コップへ熱い番茶を注ぎ、弁当を広げる手際の良いこと。たちどころにヤシの木の下で昼食会が始まった。

 ずらりと並んだ俵型のオニギリは杏のお手製。串カツ、唐揚げのおかずは、お店に出すヤツをくすねてきたというから、出来は保証付き。ソースも本格派。そして奈々子ちゃん進呈のサンドイッチも手作り。こちらは店に出すものでは無いとは言うが、素材がいい上に完成度も高得点。一目見て作り慣れている。ハム、玉子、カツサンドが交互に並ぶオンパレードだ。そしてフルーツの盛り合わせ付きなんて、気が利いているね。

「美味しいよ、奈々子ちゃん」
 キヨッペは泣きださんばかり、杏もその光景を目を細めて見るあたり、兄貴と奈々子ちゃんをくっつける気が大いにあるようだ。

 さてと、俺は杏のオニギリからいただくか。奈々子ちゃんのに手を出すのはもう少しキヨッペが堪能してからだな。
 俺の思いはテレコミとして小の葉に伝わっていたらしく、俺とそろって杏のオニギリに手を出した。

「しかしなー。グランホテルのプールサイドでオニギリを広げるって……」とか漏らしながら口に放り込む。
 すぐに拡散する塩味が少々遊び疲れた体に心地よい。身体の芯まで浸透していく。

「おー。うめえぞ」
 一口食ってわかる。やっぱり杏の腕は大したもんだ。

 奴は指の腹で鼻の下を擦りつつ言う。
「これからのオトコは料理の一つも出来ねえといけねえからな」

 肩が抜けそうになるほどこけたね。
「お前は女で、ついでに料理に関してはパーフェクトだ。だからいい嫁になれる」

「ばっきゃろーオレはオトコだ。嫁さんをもらうほうだ」

「あーしんどいな」
 てな感じで和気あいあいと食事は進み。

「番茶がもうなくなったー」
 軽くなったポットを持ち上げたのは杏で、
「あたしが言ってもらって来るよ」しゅらりと立ち上がる小の葉に添うようにして、
「私もお手伝いします」
 奈々子ちゃんも立ち上がり二人して、おねえさんが教えてくれたレストランへと歩み去った。

 その後ろ姿を見つめながら。
「いい子じゃないか、奈々子ちゃん」と言う俺の脇の下を杏が突っつく。
「にぃやんの彼女なんだからイッチは手を出すなよ」
「おーい。マジかよキヨッペ。もう彼女の認定試験に合格したの?」
「あ、いや。アンちゃんが勝手に進めていくだけだよ」
 とは言ってもまんざらではない様子。
「じゃあさ。来年同じ高校に入学できたらカップル誕生ってワケだ。こりゃあ、めでたいな」
 ほのかな温かみの混ざるヤシの木の下は青春街道まっしぐらさ。

 そんな清々しい空気を払拭するかのごとく、忌々(いまいま)しい声が響いた。
「ほうー。小市民が高級ホテルのプールサイドで宴会をやるとは。このホテルのセキュリティは今日は休みかね」
 ヤシの木の大内寅之助と同じことを言うのは……。
「人が美味い握り飯を食ってんのに……何でこいつが……」
 目を合わせなくても、声だけで誰だかわかる。

「ニギリ飯? すると何かね? このホテルではイヌのエサまで準備してあるのか。さすが高級グランホテルだな。神祈くん」
「テメエ、このヤロウ、野川! ケンカ売る気か!」
 ついこのあいだも商店街の入り口で出会った水泳部のキャプテンだ。何かあるとすぐに俺に絡んでくる超いけ好かない奴ダントツトップの野郎なのだ。

「そういえば、このあいだは商店街でリヤカーを引いていたが、今日はここで何をしておるのだ? お、そうか。プールの清掃だな」
「ぬ、の野郎……」
 奥歯をギリッと軋ます俺の肩を引いたのはキヨッペだ。
「あ。野川くん。どうしてここへ?」
 気付くの遅っ!

「吉沢くんもいたのかね。印象が薄いから見えなかったぞ」
 と言われて、何も言い返せないキヨッペに変わって俺が噛みつく。
「テメエ、水泳部のボッチ野郎が何を言いやがる」 
「どこがボッチだ? こうして美しい女性同伴ではないか。そうか。あまりに美しすぎて目に入らないほどかね?」
 野川は横に立つキレッキレの美女の腰をグイッと抱き寄せた。

「あ、ぐっ!」
 あまりに眩しいボディをした女子を目の当たりにして俺は反射的に息を飲んでしまった。
 小の葉に負けず劣らずのナイスボディにハイレグ仕様の競泳水着。なに者だ、この女。

「はは、キミは相も変わらず男オンナの妹連れで、神祈くんこそボッチでこんな高級ホテルのプールに来たのかね?」
 鼻高々と女子を見せびらかす自慢げな態度に杏が切れた。
「何だと、このニヤケ野郎。ダレが男オンナだ!! オレはオトコだ!」
 おーい。お前、怒り方がおかしいぜ。

 しかしいつもそうだけど、野川の態度だけは気にらない。
「テメエ、バカにすんなよ。キヨッペも彼女連れだし、俺だってカップルだぞ」
「ほお。張り合うつもりかね」
 野川は、拳骨(げんこつ)を喰らわそうとする杏のオカッパ頭を片手で抑え、杏は「にゃろっ、にゃろっ」と拳を振るが、水泳部キャプテンの体躯(たいく)は、それを遥かに凌駕したパワーを持っている。奴のへなちょこパンチなど当たりもしない。

 野川は鼻で笑って杏をいなし、
「ワタシを見てくれたまえ。西立花高校水泳部のキャプテンにふさわしい彼女だろ。せっかくだから紹介してやろう。セントポーレシア学園の同じく水泳部のホープ、伊集院レイナくんだ」
「レイナよ」
 実際綺麗な人なんだが、すげえ刺々(とげとげ)しい態度で肩から歩み出ると、俺たちを一瞥してからツンとすましやがった。

「ふん。セントバーナードか何か知らんけど、」
「セントポーレシアだ。神祈くん」

「よく聞け、野川。今年の俺はちょっと違うんだぜ」
「年がひとつ増えたのか?」
「ちがう! 聞いてないのかテメエ! 俺にも彼女がいるってんだ」
《ヒトじゃないけどね》
〔そう。可変種だぜ。すげえだろ〕

「いないではないか?」
「い……今、お茶をもらいに行ってる」
「お茶などレストランでいただくものじゃないのか。こんな野ざらしの場所でいただくものではないだろう?」
 ヤシの木の葉が大きくざわつき、プールサイドに落とした影が黒々と揺れ動いた。

『おい、小僧。この高飛車なガキは何者だ』
 え?
 頭の中を傲然と響いた念波に驚いた。
『おう。体臭から滲み出る下衆の臭いがたまらなく鼻につくな』
 隣のヤシの木も幹を半分こちらに捻って大きな葉を大きく広げ、俺たちの周りに影ができた。

 俺の高校の水泳部のキャプテンで野川ていう奴なんだ。
 みんなの嫌われ者なんだけど、水泳だけは誰にも負けないので文句も言えないんだ。

『ふんっ。ガキのクセに……』

 すげえ剣呑な雰囲気だが、波動にも似た念波が脳内に伝わってくるのは俺だけで、荒々しい雰囲気を感じて一人息を飲んでいたら、そこへ小の葉と奈々子ちゃんが帰って来た。


「おまちー。番茶もらってきたよ。あれ、どうしたの?」
 小の葉は一瞬で気配を察して、俺たちでなく二本のヤシの木を見上げた。
 ポカンとする俺たちを尻目にヤシの木から説明を受ける小の葉。
「ふ~ん、そうなの。わかったわ」
 俺には一部始終聞こえてくるから問題ないが、他の連中は疑問符の嵐さ。

「こんにちは、野川さん」
 誰も何も言っていないのに、それを先言っちゃったらまずくね。

 俺は眼の玉を点にする野川の前に飛び出て、とにかくごまかす。
「の……野川。この競泳水着の女の子が俺の彼女で小の葉だ。でもってこっち可愛らしい子が北村川奈々子ちゃん、吉沢の彼女だ」
「どうしたの、野川くん?」
 おかしな様子にキヨッペも間に入る。
 奴はヤシの木の気配に凝然としたのではなく、現れた小ノ葉の容姿に凝固していたのだ。
「お前、顎外れてない?」
 点となったヤツの目がパチパチしていた。
 そりゃそうさ。小の葉が前に出て胸を張るだけで、さっきまで光り輝いていたセントポーレシアのお嬢様が3割安に見える。

「なんと……」
 やっと動き出した野川は、二歩ほど退き、
「この美しさは人間離れしている」
 当たらずといえども遠からず。人間離れしてるぜ。

 今度はギンと睨みを利かせた目を俺に向けた。
「神祈くんにはもったいない。ワタシがもらって帰ってもいいかね?」

〔いいよって言う奴がいるかよ!〕

「なに言ってんだお前。壊れたのか」
「くそっ! 仕方がない水泳で勝負しろ! そうだ。50メートルの競泳で勝ったほうがこの子をもらうってのはどうだ?」
 こいつもどこかおかしいよな。

〔こういう奴は、いっぱつガツンとやってやるべきだな〕
《おお。やれやれ》
 脳内人格にそそのかされ俺は奮起する。
「おう。やってやろうじゃないか。受けて立ってやるぜ。絶対に小の葉は渡さない」

「ちょっと野川くん。そりゃ不公平だよ」
 口を出したのはキヨッペだ。
「いくらイッチがスポーツ万能だと言っても水泳部のキャプテンに勝てるわけないだろ」
「にぃやん。イッチなら負けねえぜ」
 と杏。そして野川までも。
「勝負するのはワタシでない。レイナくんと勝負しろ」
「おい。男相手に勝てるのか?」
「心配ない。この子はセントポーレシア水泳部のホープ伊集院レイナくんだぞ」
「レイナよ」
 うっせえな。こいつ。

「言い出したのはお前なんだから、自分が出て来いよ」

「ワタシは中耳炎で泳げんのだ。だが悔しいではないか、そのおっぱい……」
 と言って咳払い。
「ゴホン」
 派手に首を振って、
「ち……違う! その美貌はエリートのグループにそろえるべき美貌なのだ。伊集院くんのように。ワタシのそばに置くべきである」
「何でー? オメエも身体を張れよ。オトコらしくねえな。中耳炎ぐらいで引き下がるな。それかイッちゃんが怖いんだろ」
 杏に言われてやがんの。

「はっきりものを言うやつだな。吉沢の男オンナめ。ワタシは秋の大会までに耳を治したいのだ」
 ついと前に出た美少女が、言う。
「あなたが出る必要はありません。この勝負、レイナ独りで戦って見せます」
 このオンナもどこかおかしいな。

「いくらなんでも。俺、オンナ相手できねえぜ」
 とまあ、これは俺の見解で。
『なら姫様が代わりにいかがでござる?』
 何でここでヤシの木が割り込んでくるかな。
(あたいしなら別にかまわないよ)

『こんなイケスカンカップルは一度コテンパンにして、出張った鼻をへし折ってやるべきだ』
『拙者も賛成じゃ。姫様、ぜひ我々にあなた様の秘めたる能力を拝見させていただきとうございます』

(これから何すればいいの?)
 さっきの小ノ葉を見ただろ。浮くのがやっとなんだ。こいつは競泳の意味どころか、泳いだことすらないはずなのだ。
 なのに相手は水泳部のキャプテンが一押しする女子高のホープだ。勝てるわけが無い。
(あたしだって村ではホープだったのよ)
 何のホープだか。

「神祈くん。無理しなくてもいい。その代わりこの子はワタシの傘下に入ってもらう。明日から水泳部の置物とさせていただくからな」
「置物って……」
 俺は苦々しく肩をすくめ。小ノ葉は意味も解らずケロリと言いのける。
「どんなポーズで固まればいいの? あたしそういうの得意よ」
 マジこいつならフランス人形であろうが、高級市松人形であろうが、完ぺきになり切れるだろうけど。

「そんなこと、俺が許さん」
 メラメラと怒りの炎をたぎらせる俺の肩に小ノ葉が手を添えた。
「心配しないで、大内さんから絶対に勝てる方法を聞いたわ」
 ヤシの木に何ができるんだよ?

「しゃらクサイわね。わたくしもセントポーレシアのホープですわよ……なっ……何をクンクンしてるのです?」
「え? なんか臭いんでしょ?」
 小の葉は屈んで可愛い鼻を引くひく。

「えーい。くやしいわ。こんな女に負けたくはありません。いざ尋常に勝負!」
 おかしな男にはけったいな女がよく似合う、の典型例だな。

 そしてそのけったいな女に勝負を挑まれ、ヤシの木の大内さんにそそのかされた小の葉は妙にご機嫌な態度で、不安を寄せる俺とキヨッペを引き連れて立ち上がった。

「さぁ。今から何するの?」

  おーい、小ノ葉。なんにも解かってねえぜ。
  
  
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