異星人が見た異世界転生記(我輩はゴアである・改)

雲黒斎草菜

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第四巻・反乱VR

 量子軍 VS 娘子軍

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「列車事故のシミュレーションなんかやめてくれ――っ!」
 喉を枯らして叫ぶが、願いは虚しく置き去りに。いきなり車内の照明が消えて轟音と共に車体が浮いた。

「ぐわわわわわわ――っ!」
「どひゃひゃ――っ!」
 瞬時に車内が横倒しになり、シッチャカメッチャカである。金属がへしゃげる悲鳴みたいな音に続いて、砂ぼこりと爆砕した車体の破片が前の車両から突入してきた。車体はえぐれ炎を上げ目の前が真っ赤に。

「ぐわぁぁぁ…………あ?」
 心臓があり得んばかりの高速脈打ちをしており、全身から吹き出した汗でまみれていた。
 実際に起きた事故の正しいシミュレートだとすると。スペインではとんでもない事が起きのだ。


 長いんだか短いんだか、よく分からない時間が経過して。あっちの方から情けない声が。
「ゴア……。ワテ、ちびった……」
 床に転がるギアがゴソゴソして体を起こす気配でようやく我に返った。我輩は下半身丸出しでひっくり返っていたが、魂が吹っ飛んでおりそれがどういう状況かさえも考えられずに、想像を絶する悲惨な事件を身を以(もっ)て体験した手足がブルブル震えるのを収まるのを待つのみであった。

「電磁生命体ではあり得ない形での死だ。我輩、ヒューマノイドであることがこんなに怖いとは思ってもいなかった」
 天井に向かってそう言う我輩を覗き込んで来たのは、丸い目をぱちくりさせた萌え顔のレイチェルくんだ。今のダメージを微塵も感じていない電脳的仕様が羨ましい。

 続けてドルベッティくんも起き上がる。
「航空機の墜落はどうでもなるけど……さすがに列車の横転は精神的にびっくりだな」
 それほどショックは受けてないようだが、彼女の顔色もそこはかとなく良いとは言えなかった。

「それがカーネルの狙いでしょう。精神的に追い詰めて、強い恐怖から心臓を止めさせようとしているのですが……どうやら肝心のこの人には訊かないようですワ」

 そう。アキラは相変わらずケロッとしており、
「あれ? ここはドルベッティちゃんの飛行機の中だ」

 またもや閃光が弾け。
「ちぇーっ! こういう直接的な恐怖はバカには通じないみたいね」
 我輩は舌打ちと共に光の中から現れたリョウコくんに飛びついた。
「もうやめてくれ。リョウコくん。我々の繊細な神経では耐え切れない」

「白衣を広げて下半身丸出しにした者のどこが繊細な神経なのよ? ちゃんちゃらおかしいわ」
 強く助命を懇願する我輩をリョウコくんは鼻で笑い、キヨ子どのも平然と起立するとワンピの裾を片手で払った。
「お洋服が汚れましたわ。こんな細かいところまでシミュレーションするとはさすがですわね」

 この子も今の恐怖をまったく感じていない。なぜだ? 我輩の疑問は膨らむ一方だ。
 アキラは別として、どうしてキヨ子どのは平気なのだろう?

「私はNAOMIさんのスピリチュアルインターフェースのおかげですわ」

 ならば。
「NAOMIさん。我輩たちもインターフェースしてくれないか? このままでは精神的にやられてしまう」
 助けを求める我輩にNAOMIさんはあっけらかんと。
「残念でしたぁ。スピリチュアルインターフェースはキヨ子さん専用でーす」

「カーネルの存在なんかひとまず忘れよう」
 と言って動き出したのはドルベッティ。毅然とした態度で、操縦席の隣にシンクロするように添い立つ少女に命じる。
「レイチェル。現状報告」
『リアクターの反物質反応レベル15パーセント。インパルスエンジン出力レベル3。彗星の破片の裏に沿って秒速45キロで移動中』

「ふーん。彗星を隠れ蓑にして近づく……。なーんだ。使い古された作戦だね」
 黒髪セミロングが楽しげに揺れていた。

「横から敵に覗きこまれていては、作戦もへったくれもない。このミッションを遂行する意味があるのか」
 と問う我輩にドルベッティくんが首を振る。
「クララお姉さまが絶対的に正しい。だから中止命令が出るまでは続行するまでさ」
 クイーン崇拝も行き過ぎると崩壊するのだが、ここまではっきりと言い切られたら反論する気が失せる。

「レイチェル。彗星の破片が敵船の最も近づく点で離脱。ディフェンスフィールドを突破して侵入するぜ」
『了解。準備よし。離脱まで残り5分』

「バッカみたい」
 リョウコくんはそう言って指を鳴らすと、その場から消えた。

「しかし君たちの息は合っておるな」
 ファミレスで説明されたとおり、ドルベッティくんとレイチェルくんの気持ちが通じ合っており、見ていて気持ちが良いのだ。

「そらそうさ。でなきゃ。ディープレイゾンの磁場嵐の中なんか飛べないぜ。コンマゼロ何秒の遅れで磁場放電の直撃を喰らうんだ。シャトルなんか一瞬で制御不能になる」
「ウワサ通りの難所だな」
「ああ。アタイはレイチェルに何度助けられているか」
『あら。ワタシだってドルの機敏で精細な神経がなければ、とうにスクラップ工場に並んでるわよ』

「いやはや。きみたちが素晴らしいのはよく分かった。二人は一心同体なのだ。我輩とギアの正反対だな」
「当たり前や。こっちかって真っ裸で白衣一丁のヘンタイオヤジと一緒につるみたないワ」
「そっくりそのまま返してやろう。我輩だって天辺ハゲタカのステテコオヤジと一緒に歩きたくないぞ」

 いがみ合う我輩とギアのあいだに棒の付いた手が差し込まれ、
「お互いの傷をいじりあうのは、もうよしなさい」
「NAOMIさん。傷の舐めあいとは聞いたことがあるが、傷のいじり合いと言うのはどういう意味であるか?」
「二人で痛いところをつつきあって、苦痛を共有してるところよ」

「ぬはぁー」
「…………」
 何も言えぬな。


 そこへ――。
『ドル聞こえるか?』
 無線機から流れて来たのはクララの声。

「はい。お姉さま」
『これよりNANAは攻撃態勢に入る。そっちからは彗星の破片がジャマをして戦況が見えないだろうから、こちらの映像を流してやる。オマエは予定通り破片が最接近した時に飛び出せ。それまで我々が掩護する』

「ちょーと待つのだ、クララどの」
『何だゴア? 怖気ついたのか?』
「いや。そうではなくて。我輩たちは今、この場所から飛ばされて、色々な地域で悲惨な目に遭っていたのだぞ。気付かなかったのであるか?」

『何を言っている? 彗星から剥離した氷の塊に隠れて敵船に向かってる最中だ。シャトルの航行モニターも短距離スキャンもすべて異常無しを示しておるぞ』
「い、いや。そのあいだに我々はファミレスで食事をして、飛行機の墜落に遭い、列車事故にも遭遇したのだ」

『オマエ、夢でも見ていたな。何バカなことを言ってるんだ』
「そうじゃなくて……」
 キヨ子どのが白衣の袖を引いた。
「言っても無駄です。あの人には認知できません。これが量子テレポーテーションです。すべてのタスクは並行して同時に実行可能なのが量子デバイスなのです」
「こんな広範囲を……か?」
「地球上で暮らす人類の営みから、ここ恒星キャルパの星系の出来事まですべて再現できます」

 まさに……神だな。


 NANAではクララが命じる。
『目視領域に入るぞ……。プローブを発射してみろ、レナ」
『了解』
『いいか。そっちにも敵艦の姿を拝ませてやるからな』
 クララが言ったプローブとは小型の探査機のことだ。彗星の陰に入るNANAからも敵艦が見えないからである。潜水艦が潜望鏡を海面に浮上させるようなものだな。


『むぉぉ……』
 通信機から流れたクララの官能的にさえも聞こえる吐息の混ざった声に続いて、量子軍の大型戦艦がディスプレイに映った。

「なんだこれは? 緑色のカビを被ったジャガイモを少し細長くしたようだな。遠くから見たのとはだいぶ違う」
 巨大な戦艦を目の当たりにした、最初の感想である。

「独特の形してまんな。あんな宇宙船初めて見まっせ」
「苔(こけ)の生えたジャガイモみたいだね」
 先に我輩が言ったぞ、アキラ。

 誰もがそう想起するのは仕方が無い。我々の想像する宇宙船の姿カタチではなかった。

「第三銀河星域の流動生命体があんな船に乗っていたな」
 漏らしたドルベッティくんへ、キヨ子どのはドングリマナコを向ける。
「流動生命体?」

「ああ。アメーバーみたいな連中なんだ。こっちの攻撃が通じなくて苦労したんだぜ」
「アメーバーが宇宙を飛ぶのですか?」
「宇宙は広いぜ、キヨ子。ビックリするような生命体がウジャウジャいるんだ」
 電磁生命体が稀有な存在だと偉そうに言えなくなってきたのである。


「うはあ。蜂の巣をつついたみたいでっせ」
 キャノピーの外に固定していた視線を剥がしてギアが振り返った。
 まるでカビた食べ物からコバエが飛び立つようだ。

『よーし。全機発進! ジュン・大岡! 彗星の裏から離脱するぞ』

 スクリーンに広がる緑の毛の生えたジャガイモから一斉に飛び立つ小型艇へ向かって、勇敢なるキャザーンの攻撃隊が突っ込んで行く。やがて戦闘機から発射されたミサイルが爆発。光球が次々と広がり始めた。

 しかし一刻も過ぎないうちに。
「な、なんや?」
 轟く不気味な波動が船内をブルブル震わした。
「敵の攻撃ではないか、ほらみんな騒ぎ出したぞ」
 量子軍からの何らかの妨害工作だと思えたのは、連続して入る無線が悲鳴めいた会話を始めたからだ。

『アビオニクス機能不全! 飛行できません!』
『計器が変です、お姉さま』
『上下左右が逆に示します。照準器誤作動! 意味解りませーん』

『そんな物に頼るな! これは敵艦のかく乱戦法だ! オマエの目を信じて飛べ』

 ドルベッティはギリッと奥歯を噛みしめて、窮地に追い込まれていく仲間を凝視して耐え忍んでいる。おそらく飛んで行って手を出したい心境なはずだ。

『リリー。砲撃戦に入る。火器管制、手前のチンカス野郎に照準を合わせろ!』
「ち……チンって」
「クララどの……その綺麗な顔でよくもまぁー」

「本気になってくるともっと言葉が乱れるぜ」と告げるのはドルベッティ。
「あの美人顔でか? ちょっと聞いてみたいな」
「ヘンタイ……」
 そんなひと言で片付けないでほしいぞ、キヨ子どの。

 NANAは迫撃砲の水平発射を始めると同時に、回転を始めた。巨大戦艦が無秩序に回転を始めたのである。
「リリー大佐の得意技さ。光子魚雷を撃ちまくりながら、NANAをランダムに回転させて敵のど真ん中に突っ込んで行くんだ」

「なんだかヤケッパチみたいだな」
 見たままの感想を述べる我輩に向かって、ドルベッティはにやりと笑い、
「そうでもないぜ。だいたいの敵は対処の仕方が解からず怖気つくんだ」
「あんな巨大な乗り物をムチャクチャに回転させてよく潰れませんわね。重力加速度を受ける位置が変化して普通ならバラバラに分解しますわよ」

「だからNANAが最適な構造維持を瞬間に計算して重力定数を変化させてんだ。NANAだって量子コンピュータさ、バカにすんなよ」
 バカにはしていないが、そのスーパーコンピュータをキヨ子どのが悟らせて、戦艦NANAを自爆に追いやったのは、そう遠くない過去の話なのである。

 胞子の林から一斉に飛び出した敵攻撃隊を向かい撃つキャザーンの娘子軍。続いてネズミ花火と化した戦艦NANAが青白いスパークに包まれた。NANANが張り巡らせたディフェンスフィールドに、敵艦が触れて消滅する発光なのだ。

『ドル。敵艦に最接近したわ。発進して!』
 ふいにレイチェルくんが動いた。

 こちらも出陣である。
「よっしゃぁーっ! 我慢した甲斐があるぜ。今アタイは猛烈に燃えてる!」
 冷静にたのみますよ。パイロットくん。


 白く凍りついた彗星の破片から飛び出したドルが操縦するレイチェル・ショーマンリュートは、銀の翼を広げたハヤブサであった。飛び交う敵ミサイルの隙間を掻い潜り、次々と敵機を破壊して突き進んでいく。

「敵の戦闘機って、まるでクリオネですわね」
「ほんとだ。クネクネして透明な飛行機って初めて見たよ」
 アキラはSF向きではないな。飛行機と宇宙船の区別がついていないのだろう。

「いや。この際どうでもエエんちゃうか。あれって生命体でっせ」
「たしかにクネクネと柔らかそうな身体で飛ぶ姿は生命体だが、ここは宇宙空間だぞ」

「真空中にだってエネルギーはあるんだ。海水みたいにして泳ぎ回る生物がいたって不思議でもなんでもない」
「宇宙人の我輩が言うのも何だが。宇宙は謎に満ちておるな。こんな種族は初めてである」
「わかりませんよ。カーネルの想像物かも知れません」
 キヨ子どのは冷静なものだ。


「レイチェル。一気に敵艦に張り付くぜ。慣性ダンプナー起動。レベル最大」
『了解! 左右ナセル異常無し。制動抑制バーニアよし、次元フィールド抑制ディフレクター正常。全速前進!』

「リアクターとの精神反応率を最大にして。速度は光速の1パーセントまで増加して」
『了解。秒速3124キロメートル。精神反応率最大』
 機敏に動き出した二人のコンビネーションは胸がすく思いで、続いてぐいっと座席に沈む心地良い加速を感じた。

 ところが――。
『あ、だめ。また正体不明の搬送波だわ。リアクターの制御システムがおかしい』

「リアクターはまずいそ、ドルくん!」
 思わず叫んだ。
 我輩には五寸釘を心臓に打たれたような衝撃が走ったのだが、キヨ子どのの目の奥では、期待に揺れる光が灯っていたのだ。
「餌(エサ)に食いつきましたね」
「バカな子ねー」
 NAOMIさんも否定せず。
 どうやらこの事象は想定内のモノであるようだ。

「なんででんねん? ゆったりしてるヒマはおまへんデ。こっちが何をやるか向こうにバレてんねんデ」
「我輩もよく解らんが、キヨ子らには何らかの手があるようだ」
「ほんまかいな。別の対策をチャッチャと打たんと、こっちは無駄死にやがな」

 ワサワサしだす我輩たちに、ドルベッティくんはとても穏やかに、まるで遠い過去に思いを馳せるみたいに言う。
「いいんだよ……このままで……」
「何か悟っておるように見えるが?」
「ああ……」
 と言ったきり何も言わなくなった。

『リアクター制御不能! 反応率68パーセント』
 レイチェルくんとは別の声が船の天井から渡った。

『反応率85パーセント』
「これって……」
 我輩も技術文明の進んだ種族を数多く見て来たのである。この状況が何を意味するものか理解しておる。

「この状況はリョウコくんがやったのか?」
 我輩の問いに淡々と答えるドルベッティくん。
「アタイの記憶から探り出したんだろうな」

「まじでっか? これってリアクターの暴走でっしゃろ?」
「そうさ。昔、これと同じ目に遭ったんだ」
 声は爽やかさを装っておるが、慨嘆(がいたん)に耐え忍ぶ憂いた表情はひどく暗かった。

「じゃあ、これはシャトルのリアクターが爆発した時の再現なのか?」
 訊きづらいが、そうも言ってられない。

「そうさ。その時と同じシチュエーションだ。カーネルはアタイの過去を読み出して、もう一度あの試練をやらせようとしてんのさ」
「試練? 何が起きたのだ? 反応炉が爆発したら死ぬんだぞ」

 ドルベッティは、はははと笑い。
「アタイは死にゃあしないさ。だってこうして生きてるだろ。でもな……」
 と言ってから、
「でも死ぬより辛い目に遭ったんだ」

「レイチェルちゃんとの別れね」
 人形の手でドルベッティくんの肩をペタペタするNAOMIさん。
 我輩は黙ってドルベッティの横に立つ銀髪の少女へ視線を移した。
 彼女は黙ってキャノピーの向こうを見ていた。

『反応率90パーセント。爆発まで残り3分』

 強く拳を握ったドルベッティくんは、悲しげな視線を少女に振る。
「レイチェル…………」
『あの時と同じ……お別れの時が来たわ』
 レイチェルは真っ直ぐにキャノピーを見つめていた。

 それに応えるドルベッティくん。
「最後の願いを聞いてくれ……」

『なあに?』

「リアクターが爆発する前に、神経インターフェースモジュールを射出するんだ」
『どうして? もう必要ないでしょ』

「オマエを手放したくない。どんなことがあっても、ぜったいに回収するから射出してくれ。それまでちょっとの我慢さ」

 レイチェルは少し間を空けたが、輝く瞳でドルベッティを見つめた。
『わかった……。あなたを信じてます』

 沈黙する機内。
「友との別れか……辛いわね……」
 最初に口を開いたのはNAOMIさん。
「仲間を失った悲しみですわ」
 ドルベッティは晴れやかな顔でキヨ子どのに振り返った。
「だいじょうぶ。あの後、神経インターフェースのモジュールは無事に回収できたんだ。だからレイチェルはアタイの手元に戻ってる」

「せやけど、地球では元に戻せる技術がおまへんやろ?」
「まあな。でもいつか……」

「あるぞ! 北野博士なら再起動できる」
 トントンと白衣の背を指でつつく小さな感触。
「私をお忘れですわ」
「お――、灯台下暗しなのである」
「東大元暮らしってなんや知らんけど。そういうこっちゃなら事は簡単やんか」

 深緑色の瞳を潤ませて、ドルベッティはすがりつくように6才児を見つめた。
「ほんと? じゃあ、このミッションを成功させたら、レイチェルに逢わせてくれる?」
 キヨ子は力強くうなずき、
「外に出られたら何だってできます。私にお任せください」
「レイチェルはんの再起動ならワテらも手伝いまっせ。電力なら何ぼでも提供しま。ついでにアキラも何か手伝わせたる……なぁ?」

 後ろの反応が無いので振り返るギア。
「あかん。この状況で寝てケツカル。やっぱ大物やでこいつは」

 ドルベッティは見る間に明るい表情を取り戻し、
「ありがとう。その言葉で勇気100パーセントだ。よーし、あとはアタイに任せろ」

「そりゃぁ、あんたにまかせるしか無いねんけどな。リアクターの暴走は加速しまんのや。どうやってこの危機から逃れたんでっか?」
 そう。レイチェルとドルベッティくんは、この後何が起きたのか経験済みのようだが、我々は何も知らないのである。
 不安を滲ませる我々に、ドルベッティくんは天使のような笑みを注ぎ、最後の命令をシャトルへ下した。

「レイチェル。ジーラへ全員を緊急転送してくれ」
  
  
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