170 / 173
番外編 クルミ
魔王の反応2
しおりを挟む
「はぁ~~~俺の番可愛い、最高。誰にも見せたくない……」
父様は私の格好をみてもしっかりいつも通りで母様を抱き上げて嬉しそう。
クロム兄様の魔力を宿す指輪をして、クロム兄様の色に包まれているというのに。
「じゃあクルミ、会場でね?」
「あ……うん」
母様が気を利かせてくれた。
クロム兄様が来てから4人で移動なんて地獄だもの。
兄様を待つ間、ソワソワしてしまう。ミリーナが後ろで呆れるぐらい。
匂いと気配で庭からやってくるのが分かってどんな顔で会えばいいのか分からなくなる。
勝手にニヤニヤしてしまう口元を誤魔化す為に頬をつねったら、ミリーナに触るなと怒られた。
「クルミ?凄く……可愛い、行くのやめる?僕とデートに変更しようか」
「兄様も、父様みたい」
大笑いする兄様にびっくりする。
本当に楽しそう。あと、嬉しそう。
そんな兄様は近衛の式典用の物なのか、紺地に金と銀の装飾が為された軍服を着ている。
かっっっこいい!!
金の飾緒が肩から揺れて、胸には青い宝石が嵌め込まれた勲章が光る。
「兄様こそ……素敵です……」
「あはは、近衛の軍服は豪華なだけだよ、さぁ行こうか。お手をどうぞ?お姫様」
うちの軍隊にはない騎士の礼をして私に手を差し出す。
キャパオーバーで鼻血が出そう!!!
◇◆◇
「我ら竜族、中立者の元に天馬が聖地を定めた事、ラズウェルが益々の神威の庇護にあずかる事と同意である。世界は神威にて護られ、いかなる悪しきものも寄せつけぬ。
各々肝に銘じ、神託のままに勤めを果たせ」
フォルド伯父様、何言ってんだろ。テトが集めちゃっただけなのに…………無理やりすぎない?
みんな信じてるっぽいしまぁいいけど。
伯父様は小難しい言葉で簡単に他国を騙してこの問題を終わらせてしまった。
ポンコツだけど、頭は凄くいい。実は威厳もある。喋らなければ。
音楽が鳴り始め会場の緊張感がほぐれて、ざわざわとしたお喋りが始まった。
————「クルミ姫!」
懐かしい声がして振り返ると、シルバーグリーンの髪を片側だけあげてオシャレをしたライがいて、私の前で礼の姿勢を取る。
「ライ!久しぶり!招待されていたの!?会えて嬉しい!お国はどう!?」
ライを立ち上がらせて、礼を断り話しかける。
「ああ!もうかなり復旧してきたんだ!!また遊びに来て欲しい、春には雪が溶けてまた街並みがかわるから」
レスター兄様が壇上からこちらに気付いて降りてくるのが見える。
レスター兄様がわざわざ降りてしゃべりに来る程の国、と周りには伝わる。
パーティーとはそういう政治的な面が大きい。
だから母様は嫌いなのかも。
「よう、ライ」
ライが跪いて礼を取る。
「王太子殿下におかれましてはご機嫌麗しく、日々お健やかにお過ごしのことと存じます」
「礼はいい、立て。その後はどうだ」
ゆっくり立ったライは私達に笑いかける。
「溺れる程の祝いを貰ったんだ、立ち直れないはずがないよ」
「ダチの所に天馬が嫁いだからな。気持ち足しただけだよ」
ああまだそういう設定か。みんな耳を大きくして聞いてるもんね。
でも、レスター兄様と気安く喋る国の王子というだけで、もうすでに世界中から信頼を集めたも同意だ。ライ本人は弱小国と揶揄っていたけれど、もうバカにする国もいなくなる。バックにエルダゾルクがついているのだから。
「あとはまぁ、失恋への見舞いだな!わははは!!うちの妹はダメだ!軍神が目を光らせてる!気晴らしにトーナメントしようぜライ!!」
「うちは集団で弓で戦うのが戦法なんだぞ!!勘弁してくれ!!!」
「へぇ、弓か。弓の競技はあんのか?」
「競技?それは楽しそうだな。やってみたい」
「トーナメントに弓競技いれてやる!」
ガシッと肩を組んだレスター兄様がライの頭をワシワシとなでる。
「うわっ!やめろよ!精一杯カッコつけてきたんだぞ!!」
「さあクルミ、羽とレスターはほっといて踊ろう」
兄様が私の手を引く。
兄様、まだライのこと羽って呼んでた…………
◇◆◇
「クルミ?周りばかり気にしてるとつまずくよ?」
「に、兄様が素敵すぎて、ご令嬢の目が……殺気が…………」
兄様に群がる(私が隣にいるのに!)全令嬢を微笑でかわし、私とダンスを踊る兄様は本当に王子様みたいでうっとりするほど素敵。
レスター兄様のおかげでエルダゾルクにもかなりダンスの習慣がついてきた。他国が招かれるパーティーではダンスも催されるようになったもの。
レスター兄様はまだライと喋っていて楽しそう。
秋は最近パーティーにお呼ばれするのが趣味になったアイラちゃんのエスコートをしてる。
アイラちゃんの外国風のフリフリドレス、なかなか可愛い。似合ってる。
母様は父様と二階の王族専用スペースにずっと引っ込んでる。何しにきたんだ。ほんと嫌いだな、パーティー。
「キョロキョロしてるのも可愛いけど、僕に集中して?」
兄様が私の肩におでこをスリっと擦り付ける。子供みたいな仕草に笑ってしまう。
公爵様で、陛下の側近で、凄くカッコいい人が。
「兄様、私、ずっと兄様のこと、好きで」
「ん」
「…………兄様も?」
多くを語ってはくれない兄様に、これからはたくさんの質問をしたい。優しいから、全部答えてくれるはず。
「そうだよ?知らなかったのはクルミだけじゃない?あ、母上は加護がある筈なのに自分の願望と一緒になっちゃって、わかってなかったみたいだね」
「…………すごく、嬉しい……です」
「ん」
やっぱりお返事は短いけれど、それも心地いい。
「あとは僕が頑張らないとね……」
曲の終わりにボソッと言った兄様は、私を秋に託してから壇上を向いた。
いつの間にか父様がいて、他国の王族達から挨拶をうけている。
母様はと探すと、クレア様とレアット様と3人で休憩スペースでお茶会を始めている。
本当に自由な人だよ。
ガチガチに周りを軍部が警備していて、父様の過保護がやばい。挨拶すら全拒否の構え。
「秋、必ず守れ、傷一つつけるな」
「はっ!」
秋が真面目な返事をしてる。兄様がピリついているからだ。何?どうしたの?
そのままツカツカとどんどん父様に近づくクロム兄様の背中を見送る。
父様が兄様に気付き、賓客達が下がる。
——————兄様は父様の数メートル前で止まると、二振りの刀を片手に持ち、フロアにダンッっと鞘底を鳴らして打ち付けながら跪き頭を垂れた。
父様は私の格好をみてもしっかりいつも通りで母様を抱き上げて嬉しそう。
クロム兄様の魔力を宿す指輪をして、クロム兄様の色に包まれているというのに。
「じゃあクルミ、会場でね?」
「あ……うん」
母様が気を利かせてくれた。
クロム兄様が来てから4人で移動なんて地獄だもの。
兄様を待つ間、ソワソワしてしまう。ミリーナが後ろで呆れるぐらい。
匂いと気配で庭からやってくるのが分かってどんな顔で会えばいいのか分からなくなる。
勝手にニヤニヤしてしまう口元を誤魔化す為に頬をつねったら、ミリーナに触るなと怒られた。
「クルミ?凄く……可愛い、行くのやめる?僕とデートに変更しようか」
「兄様も、父様みたい」
大笑いする兄様にびっくりする。
本当に楽しそう。あと、嬉しそう。
そんな兄様は近衛の式典用の物なのか、紺地に金と銀の装飾が為された軍服を着ている。
かっっっこいい!!
金の飾緒が肩から揺れて、胸には青い宝石が嵌め込まれた勲章が光る。
「兄様こそ……素敵です……」
「あはは、近衛の軍服は豪華なだけだよ、さぁ行こうか。お手をどうぞ?お姫様」
うちの軍隊にはない騎士の礼をして私に手を差し出す。
キャパオーバーで鼻血が出そう!!!
◇◆◇
「我ら竜族、中立者の元に天馬が聖地を定めた事、ラズウェルが益々の神威の庇護にあずかる事と同意である。世界は神威にて護られ、いかなる悪しきものも寄せつけぬ。
各々肝に銘じ、神託のままに勤めを果たせ」
フォルド伯父様、何言ってんだろ。テトが集めちゃっただけなのに…………無理やりすぎない?
みんな信じてるっぽいしまぁいいけど。
伯父様は小難しい言葉で簡単に他国を騙してこの問題を終わらせてしまった。
ポンコツだけど、頭は凄くいい。実は威厳もある。喋らなければ。
音楽が鳴り始め会場の緊張感がほぐれて、ざわざわとしたお喋りが始まった。
————「クルミ姫!」
懐かしい声がして振り返ると、シルバーグリーンの髪を片側だけあげてオシャレをしたライがいて、私の前で礼の姿勢を取る。
「ライ!久しぶり!招待されていたの!?会えて嬉しい!お国はどう!?」
ライを立ち上がらせて、礼を断り話しかける。
「ああ!もうかなり復旧してきたんだ!!また遊びに来て欲しい、春には雪が溶けてまた街並みがかわるから」
レスター兄様が壇上からこちらに気付いて降りてくるのが見える。
レスター兄様がわざわざ降りてしゃべりに来る程の国、と周りには伝わる。
パーティーとはそういう政治的な面が大きい。
だから母様は嫌いなのかも。
「よう、ライ」
ライが跪いて礼を取る。
「王太子殿下におかれましてはご機嫌麗しく、日々お健やかにお過ごしのことと存じます」
「礼はいい、立て。その後はどうだ」
ゆっくり立ったライは私達に笑いかける。
「溺れる程の祝いを貰ったんだ、立ち直れないはずがないよ」
「ダチの所に天馬が嫁いだからな。気持ち足しただけだよ」
ああまだそういう設定か。みんな耳を大きくして聞いてるもんね。
でも、レスター兄様と気安く喋る国の王子というだけで、もうすでに世界中から信頼を集めたも同意だ。ライ本人は弱小国と揶揄っていたけれど、もうバカにする国もいなくなる。バックにエルダゾルクがついているのだから。
「あとはまぁ、失恋への見舞いだな!わははは!!うちの妹はダメだ!軍神が目を光らせてる!気晴らしにトーナメントしようぜライ!!」
「うちは集団で弓で戦うのが戦法なんだぞ!!勘弁してくれ!!!」
「へぇ、弓か。弓の競技はあんのか?」
「競技?それは楽しそうだな。やってみたい」
「トーナメントに弓競技いれてやる!」
ガシッと肩を組んだレスター兄様がライの頭をワシワシとなでる。
「うわっ!やめろよ!精一杯カッコつけてきたんだぞ!!」
「さあクルミ、羽とレスターはほっといて踊ろう」
兄様が私の手を引く。
兄様、まだライのこと羽って呼んでた…………
◇◆◇
「クルミ?周りばかり気にしてるとつまずくよ?」
「に、兄様が素敵すぎて、ご令嬢の目が……殺気が…………」
兄様に群がる(私が隣にいるのに!)全令嬢を微笑でかわし、私とダンスを踊る兄様は本当に王子様みたいでうっとりするほど素敵。
レスター兄様のおかげでエルダゾルクにもかなりダンスの習慣がついてきた。他国が招かれるパーティーではダンスも催されるようになったもの。
レスター兄様はまだライと喋っていて楽しそう。
秋は最近パーティーにお呼ばれするのが趣味になったアイラちゃんのエスコートをしてる。
アイラちゃんの外国風のフリフリドレス、なかなか可愛い。似合ってる。
母様は父様と二階の王族専用スペースにずっと引っ込んでる。何しにきたんだ。ほんと嫌いだな、パーティー。
「キョロキョロしてるのも可愛いけど、僕に集中して?」
兄様が私の肩におでこをスリっと擦り付ける。子供みたいな仕草に笑ってしまう。
公爵様で、陛下の側近で、凄くカッコいい人が。
「兄様、私、ずっと兄様のこと、好きで」
「ん」
「…………兄様も?」
多くを語ってはくれない兄様に、これからはたくさんの質問をしたい。優しいから、全部答えてくれるはず。
「そうだよ?知らなかったのはクルミだけじゃない?あ、母上は加護がある筈なのに自分の願望と一緒になっちゃって、わかってなかったみたいだね」
「…………すごく、嬉しい……です」
「ん」
やっぱりお返事は短いけれど、それも心地いい。
「あとは僕が頑張らないとね……」
曲の終わりにボソッと言った兄様は、私を秋に託してから壇上を向いた。
いつの間にか父様がいて、他国の王族達から挨拶をうけている。
母様はと探すと、クレア様とレアット様と3人で休憩スペースでお茶会を始めている。
本当に自由な人だよ。
ガチガチに周りを軍部が警備していて、父様の過保護がやばい。挨拶すら全拒否の構え。
「秋、必ず守れ、傷一つつけるな」
「はっ!」
秋が真面目な返事をしてる。兄様がピリついているからだ。何?どうしたの?
そのままツカツカとどんどん父様に近づくクロム兄様の背中を見送る。
父様が兄様に気付き、賓客達が下がる。
——————兄様は父様の数メートル前で止まると、二振りの刀を片手に持ち、フロアにダンッっと鞘底を鳴らして打ち付けながら跪き頭を垂れた。
2,011
あなたにおすすめの小説
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました
成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。
天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。
学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる