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オヤの街のハーフリングとオーク
247.オークロードの本性
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キングのスキルが乱れると、集められた靄が再び拡散して消滅が始まる。その一方で傷つきボロボロとなって消滅する寸前だったロードは、その飛散した靄を吸収することで急速に傷ついた体の回復が始まる。
半ばで落ちかけていた左肘が回復すると、地面に突き刺していた槍を引き抜く。まだ完全に体の回復は終っていないが黒い靄を吸い込みながら、不敵な笑みを浮かべ近付いてくる。誰にも邪魔されずに己の力を発揮出来るという喜びの声が聞こえる。
呆然と立ち尽くすキングを横目にして、俺達の間へと割って入ってくる。キングを守る行動を取りこそすれど、そこには忠実なキングの駒だったロードの顔なく少し侮蔑したような表情を浮かべる。
絶対的な精霊樹という存在に捕らわれてしまったキングの戦いはロードの力を大きく制限し、俺達はロードの力を解放してしまったのかもしれない。
そしてロードは片手で槍を大きく振り抜いてくる。それは、俺達が戦う相手に相応しいかを品定めするかのような攻撃になるが、まともに当たれば無事では済まないだけの威力がある。
それにウィプス達が真っ先にサンダーボルトで反撃する。守護者との戦いでもオークには雷属性の攻撃が有効だったが、サンダーボルトはロードの体に当たってくれない。
ロードは柄の中心を持つと、それを前に出して盾をつくる様に回し出す。その槍の防御を、サンダーボルトはすり抜ける事が出来ずに消えてしまう。
そして再び俺達に向けて槍を振るうと、穂先から何かが飛び出し、それと同時に一直線に俺へと向かってくる。
バシッ、バシッ、バシッ
展開しているマジックシールドで受け止めると同時に、距離を詰めてくるオークに対してはウィンドカッターを放つ。ウィプス達も足止めするように足元へとサンダーボルトを放つが、全て黒槍に引き寄せられ吸収されてしまう。
「カショウ、俺様の分析では黒槍から放たれたのはウィプス達のサンダーボルトで間違いないぞ。吸い込んだ魔法を、ほぼそのまま返してきているな」
「全てじゃないんだな?」
「ああ、僅かにっだが威力は落ちている。だけど魔力の質が全く一緒だから、魔法吸収しても大丈夫かもしれんな」
イッショの分析に、ムーアは嬉しそうに笑みを浮かべる。何を考えてるかは、聞かなくても分かる。
「そんな、ぶっつけ本番の一発勝負はやらないからな!」
『分かってるわよ。もう少し、ロードの戦い方を見極めてからでしょ♪』
「絶対にやらないからな!」
守護者とオリジナルのロードの戦い方とは全く違う。ムーアが、どのロードも戦闘狂と言ったことがあったが、今ならその言葉を肯定出来る。
守護者はオリジナルの劣化版であるが、戦い方や性格も似ているし攻略の手掛かりになるはずだった。しかし槍を構え目の前に対峙しているロードは、守護者のコピー元とは思えない全く別物の存在。
高揚感に包まれ喜びを感じているロードは、俺達を戦うべき相手と認識している。その一方でキングからは何の感情も聞こえてこない無の状態で、まだ呆然と立ち尽くしたままでいる。
「それにしても、あの黒槍は厄介そうだな」
オリジナルのロードが持つ片鎌の黒槍は、ソースイの持つ黒剣や漆黒の盾と同様に優れた武器だという事は一目で分かる。ロードですら黒い雷を受けて無傷ではいられなかったのに、黒槍はその身に雷を流し続けても、柄や穂には損傷一つ見られない。
『魔法を吸収して、放出するなんて!まるでオークのような槍よね』
「まだ黒い靄も吸収している!」
ウィプス達のサンダーボルトを吸収して跳ね返しただけでなく、尚黒槍からはオークの負の感情が聞こえてくる。
ロードのスキルと黒槍の魔法吸収があれば、魔法でダメージは与える事は難しいだろう。さらに、黒槍の攻撃と吸収した魔法の放出で、攻撃の手数も増えている。さらには、黒槍からの魔法を放出して吸収すれば回復も出来る。
それに、この場所には飛散した靄が溢れている。ダメージを受けても、ロードが回復する為の魔法が溢れている。時間をかければ靄は消滅するかもしれないが、膨大な量の靄が消えるにはかなりの時間がかかり、キングがこのままの状態でいてくれるとも思わない。
「もう少し様子を見たいが、あまり時間は掛けられない」
『ダメなら、魔石を狙いましょう♪』
半ばで落ちかけていた左肘が回復すると、地面に突き刺していた槍を引き抜く。まだ完全に体の回復は終っていないが黒い靄を吸い込みながら、不敵な笑みを浮かべ近付いてくる。誰にも邪魔されずに己の力を発揮出来るという喜びの声が聞こえる。
呆然と立ち尽くすキングを横目にして、俺達の間へと割って入ってくる。キングを守る行動を取りこそすれど、そこには忠実なキングの駒だったロードの顔なく少し侮蔑したような表情を浮かべる。
絶対的な精霊樹という存在に捕らわれてしまったキングの戦いはロードの力を大きく制限し、俺達はロードの力を解放してしまったのかもしれない。
そしてロードは片手で槍を大きく振り抜いてくる。それは、俺達が戦う相手に相応しいかを品定めするかのような攻撃になるが、まともに当たれば無事では済まないだけの威力がある。
それにウィプス達が真っ先にサンダーボルトで反撃する。守護者との戦いでもオークには雷属性の攻撃が有効だったが、サンダーボルトはロードの体に当たってくれない。
ロードは柄の中心を持つと、それを前に出して盾をつくる様に回し出す。その槍の防御を、サンダーボルトはすり抜ける事が出来ずに消えてしまう。
そして再び俺達に向けて槍を振るうと、穂先から何かが飛び出し、それと同時に一直線に俺へと向かってくる。
バシッ、バシッ、バシッ
展開しているマジックシールドで受け止めると同時に、距離を詰めてくるオークに対してはウィンドカッターを放つ。ウィプス達も足止めするように足元へとサンダーボルトを放つが、全て黒槍に引き寄せられ吸収されてしまう。
「カショウ、俺様の分析では黒槍から放たれたのはウィプス達のサンダーボルトで間違いないぞ。吸い込んだ魔法を、ほぼそのまま返してきているな」
「全てじゃないんだな?」
「ああ、僅かにっだが威力は落ちている。だけど魔力の質が全く一緒だから、魔法吸収しても大丈夫かもしれんな」
イッショの分析に、ムーアは嬉しそうに笑みを浮かべる。何を考えてるかは、聞かなくても分かる。
「そんな、ぶっつけ本番の一発勝負はやらないからな!」
『分かってるわよ。もう少し、ロードの戦い方を見極めてからでしょ♪』
「絶対にやらないからな!」
守護者とオリジナルのロードの戦い方とは全く違う。ムーアが、どのロードも戦闘狂と言ったことがあったが、今ならその言葉を肯定出来る。
守護者はオリジナルの劣化版であるが、戦い方や性格も似ているし攻略の手掛かりになるはずだった。しかし槍を構え目の前に対峙しているロードは、守護者のコピー元とは思えない全く別物の存在。
高揚感に包まれ喜びを感じているロードは、俺達を戦うべき相手と認識している。その一方でキングからは何の感情も聞こえてこない無の状態で、まだ呆然と立ち尽くしたままでいる。
「それにしても、あの黒槍は厄介そうだな」
オリジナルのロードが持つ片鎌の黒槍は、ソースイの持つ黒剣や漆黒の盾と同様に優れた武器だという事は一目で分かる。ロードですら黒い雷を受けて無傷ではいられなかったのに、黒槍はその身に雷を流し続けても、柄や穂には損傷一つ見られない。
『魔法を吸収して、放出するなんて!まるでオークのような槍よね』
「まだ黒い靄も吸収している!」
ウィプス達のサンダーボルトを吸収して跳ね返しただけでなく、尚黒槍からはオークの負の感情が聞こえてくる。
ロードのスキルと黒槍の魔法吸収があれば、魔法でダメージは与える事は難しいだろう。さらに、黒槍の攻撃と吸収した魔法の放出で、攻撃の手数も増えている。さらには、黒槍からの魔法を放出して吸収すれば回復も出来る。
それに、この場所には飛散した靄が溢れている。ダメージを受けても、ロードが回復する為の魔法が溢れている。時間をかければ靄は消滅するかもしれないが、膨大な量の靄が消えるにはかなりの時間がかかり、キングがこのままの状態でいてくれるとも思わない。
「もう少し様子を見たいが、あまり時間は掛けられない」
『ダメなら、魔石を狙いましょう♪』
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