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タイコの湖
314.ゴルゴンとコール
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『あなたの横を見てみなさいよ♪』
衝撃を受けた背中の痛みに必死に耐えていたが、そこで始めて自分が何にぶつかったのかという事を意識する。突き破ろうとした障壁に弾き返され、この部屋の反対側まで飛ばされた。
そして、俺の動きを止めたものは?そして、このパラパラと落ちてくる感触は?
「もしかして壁なのか?」
俺の体は壁に食い込んで止まっている。不思議な紋様が描かれた壁は、上位精霊以上の存在によって作られた結界で間違いない。そして、俺が衝突したことで描かれた紋様の一部が崩れ落ちている。
『ストーンバレット』
ムーアがオニの小太刀から放った魔法は、何の抵抗も受けずに壁にぶつかると、さらに描かれた紋様を壊す。
『ほらね、もう結界の機能は停止しているわよ!』
そして、部屋のいたるところから壁を破壊する音が聞こえ始める。
『放っておけば勝手に再生してしまうかもしれないから、徹底して壊すわよ!』
「そんなことしても大丈夫なのか?」
『そもそも、ここから出る方法が見つからないんだから仕方がないでしょ。ここに閉じ込めておく結界なんだったら壊さないと抜け出せないし、壊されたくないなら姿をさっさと現しなさいよ!』
さらに破壊が進むと、この部屋の床や壁となっていた赤茶色したレンガが色褪せて、徐々にゴツゴツしたむき出しの岩へと変わり始める。
「この空間は、どうなってるんだ?」
『ダンジョンと呼ばれる空間から、本来の地下の空洞へと戻ったのよ』
「ダンジョンと、この空洞って違うのか?」
『そうね、この空洞に全く違う次元のダンジョンという空間がつくられていたってことなんだけど···理解出来てないわね』
「まあっ、そうだな···」
しかしムーアの説明を聞いても、何が起こったのかはピンとこない。
「カショウ、ブレスレットを考えてみて。僕たちが居るところがダンジョンみたいなものだよ」
「ブレスレットの中がダンジョンか?」
「そんな感じに近いかな。今は結界を壊したから、僕達は元の場所へと戻されたんだよ」
「それなら、ゴルゴンはどこに戻されたんだ?」
そこで、慌ててゴルゴンが無事なのかを確認してしまう。俺が引き起こしたことで、巻き込まれたゴルゴンが無事なのかということは勿論だが、ゴルゴンもイッショにこの空間へと戻されたのだろうか?
「良かった、まだ生きてる!」
部屋の中央には、まだゴルゴンの魔力が感じられるが、か細く今にも消えてしまいそうなくらいにしか感じられない。ゴルゴンに駆け寄ろうとするが、背中に受けた衝撃の影響は大きくて、体はしばらく動きそうにない。
『ブロッサ、助けれるの?』
俺に使う予定であったポーションをゴルゴンへと使ってみるが、急速に萎んでゆく魔力を緩やかにすることしか出来ない。
そして、ムーアがゴルゴンにポーションを振りかける手を止めてしまう。イスイの街に大量のポーションを置いてこなければ、ふんだんに使う事が出来た。しかし、今は残されたポーションにも限りがあり、それを使い切ったとしてもゴルゴンを助けられる見込みは低い。
ポーションを使い少しでも延命するよりも、このまま終わらせてやるのがイイと判断したのだろう。しかし、俺以外にもゴルゴンの存在に反応しいたものが居る。
翼を持った少女姿のスライムのコールが、ゴルゴンにが引き寄せられるようい近付いてゆく。
「コール、どうした?」
しかし、コールは俺の声には反応しない。痛みを堪えながら後を追いかけるが、コールはまるで何かに取り憑かれたかのように、一直線にゴルゴンへと近付いてゆく。
「コール、聞こえているか?」
「カショウ、待っテ!このままで大丈夫かもしれなイワ」
俺の声にコールは反応しないが、コールを見たブロッサは何かに気付いたようで、そのままコールの動きを見守る。そして、コールはゴルゴンの体へと吸収されるようにして消えてしまう。
「何があった?」
ゴルゴンに寄生して、魔力を吸収しようとしているのだろうか?それとも、スキルや能力を吸収してしまうのか?分かるのは、ゴルゴンの魔力の減少が止まり、コールはゴルゴンから何かを奪うのではなく、逆に魔力を与えている。
「見れば分かルワ」
そして、全く動くことの出来なかったゴルゴンが、ゆっくりと立ち上がってこちらを振り返る。
衝撃を受けた背中の痛みに必死に耐えていたが、そこで始めて自分が何にぶつかったのかという事を意識する。突き破ろうとした障壁に弾き返され、この部屋の反対側まで飛ばされた。
そして、俺の動きを止めたものは?そして、このパラパラと落ちてくる感触は?
「もしかして壁なのか?」
俺の体は壁に食い込んで止まっている。不思議な紋様が描かれた壁は、上位精霊以上の存在によって作られた結界で間違いない。そして、俺が衝突したことで描かれた紋様の一部が崩れ落ちている。
『ストーンバレット』
ムーアがオニの小太刀から放った魔法は、何の抵抗も受けずに壁にぶつかると、さらに描かれた紋様を壊す。
『ほらね、もう結界の機能は停止しているわよ!』
そして、部屋のいたるところから壁を破壊する音が聞こえ始める。
『放っておけば勝手に再生してしまうかもしれないから、徹底して壊すわよ!』
「そんなことしても大丈夫なのか?」
『そもそも、ここから出る方法が見つからないんだから仕方がないでしょ。ここに閉じ込めておく結界なんだったら壊さないと抜け出せないし、壊されたくないなら姿をさっさと現しなさいよ!』
さらに破壊が進むと、この部屋の床や壁となっていた赤茶色したレンガが色褪せて、徐々にゴツゴツしたむき出しの岩へと変わり始める。
「この空間は、どうなってるんだ?」
『ダンジョンと呼ばれる空間から、本来の地下の空洞へと戻ったのよ』
「ダンジョンと、この空洞って違うのか?」
『そうね、この空洞に全く違う次元のダンジョンという空間がつくられていたってことなんだけど···理解出来てないわね』
「まあっ、そうだな···」
しかしムーアの説明を聞いても、何が起こったのかはピンとこない。
「カショウ、ブレスレットを考えてみて。僕たちが居るところがダンジョンみたいなものだよ」
「ブレスレットの中がダンジョンか?」
「そんな感じに近いかな。今は結界を壊したから、僕達は元の場所へと戻されたんだよ」
「それなら、ゴルゴンはどこに戻されたんだ?」
そこで、慌ててゴルゴンが無事なのかを確認してしまう。俺が引き起こしたことで、巻き込まれたゴルゴンが無事なのかということは勿論だが、ゴルゴンもイッショにこの空間へと戻されたのだろうか?
「良かった、まだ生きてる!」
部屋の中央には、まだゴルゴンの魔力が感じられるが、か細く今にも消えてしまいそうなくらいにしか感じられない。ゴルゴンに駆け寄ろうとするが、背中に受けた衝撃の影響は大きくて、体はしばらく動きそうにない。
『ブロッサ、助けれるの?』
俺に使う予定であったポーションをゴルゴンへと使ってみるが、急速に萎んでゆく魔力を緩やかにすることしか出来ない。
そして、ムーアがゴルゴンにポーションを振りかける手を止めてしまう。イスイの街に大量のポーションを置いてこなければ、ふんだんに使う事が出来た。しかし、今は残されたポーションにも限りがあり、それを使い切ったとしてもゴルゴンを助けられる見込みは低い。
ポーションを使い少しでも延命するよりも、このまま終わらせてやるのがイイと判断したのだろう。しかし、俺以外にもゴルゴンの存在に反応しいたものが居る。
翼を持った少女姿のスライムのコールが、ゴルゴンにが引き寄せられるようい近付いてゆく。
「コール、どうした?」
しかし、コールは俺の声には反応しない。痛みを堪えながら後を追いかけるが、コールはまるで何かに取り憑かれたかのように、一直線にゴルゴンへと近付いてゆく。
「コール、聞こえているか?」
「カショウ、待っテ!このままで大丈夫かもしれなイワ」
俺の声にコールは反応しないが、コールを見たブロッサは何かに気付いたようで、そのままコールの動きを見守る。そして、コールはゴルゴンの体へと吸収されるようにして消えてしまう。
「何があった?」
ゴルゴンに寄生して、魔力を吸収しようとしているのだろうか?それとも、スキルや能力を吸収してしまうのか?分かるのは、ゴルゴンの魔力の減少が止まり、コールはゴルゴンから何かを奪うのではなく、逆に魔力を与えている。
「見れば分かルワ」
そして、全く動くことの出来なかったゴルゴンが、ゆっくりと立ち上がってこちらを振り返る。
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