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第一部 日露開戦編
坂本龍馬と海援隊
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「あまり罰当たりな事はしないでくださいよ」
「そんなまどろっこしいこと出来るか」
龍馬の姿勢を鯉之助はたしなめるが、龍馬は聞かない。
転生した世界の坂本龍馬は、史実の龍馬と違い、かなりアクティブで積極的だ。
例えば、海援隊は史実より収入が多く規模が大きい。
本業の武器の販売代行と貿易を上手くいかせたこともあるが一番の理由は、仏具や寺院、城郭の海外への輸出だった。
幕末、龍馬が薩摩を訪れたとき、丁度廃仏毀釈が行われていた。
神仏分離を大義名分としていたが、実際は薩摩藩が偽金作り、天保銭の偽物作りの原材料として仏具を徴収しその胴を使おうとしたからだ。
それを知った龍馬は、没収された仏具を上海へ持ち込み、英仏の商人に美術品として販売。
来歴書を作り、あるいは古めかして偽造し高値で販売した。
偽金以上の収入になった薩摩藩は、没収した仏具を海援隊に二束三文で売り払い、大金を手に入れた。
タダで没収した寺院が金になるので廃寺は進み、やり過ぎて薩摩藩の寺が全て無くなってしまった。
これは史実でも同じで薩摩藩内のお寺一六一六箇所全て消えてしまっているのでたいした事ではない。
だが倒幕派諸藩も同じように海援隊を頼り自領の寺を廃寺にし、明治以降も暫く続いたため廃仏毀釈の規模は更に大きくなる。
明治維新を過ぎても廃仏毀釈は手っ取り早い収入源となり、比例して海援隊の規模も大きくなった。
そのため海援隊と龍馬は仏敵とされたが、バーミヤンの石仏と違い国外流出したが現物は残っているため、後日一部は取り戻すことが出来た。
実際に破壊から助かった国宝級の仏像も多く、流出した物は状態が良い物が多かったため、買い戻しにより国宝の指定数が史実より三倍程になったとされている。
それはともかく、海援隊はかなり優良な会社として存在する事が出来た。
「罰当たりなのによく近江屋で生き残れましたね」
そして近江屋で襲撃され暗殺されていたはずの龍馬なのだが、偶然持っていた拳銃で刺客を撃退。
近江屋から逃れると薩摩藩の屋敷へ逃げ込み一命を取り留めた。
「あれには懲りたのう。大政奉還を成し遂げたが、それ故に日本中敵ばかりになって仕舞ったわ」
難を逃れた龍馬だが、自分を狙う者が多いことを感じていた。
龍馬は薩長のみならず徳川と共に近代日本を作り上げるべく大政奉還を進言し慶喜公を将軍職から辞職させ一諸侯として天皇中心の政府に迎えようとした。
だがこの行為は佐幕派からは将軍を引きずり下ろした大逆人、討幕派からは外国に日本を売る徳川将軍家を滅ぼすという大義名分が失わせ徳川を生き残らせたと考えられたため、龍馬を恨む人間が多かった。
「じゃから前から考えていた世界進出を思い切ってやったのじゃ」
刺客だらけの日本を脱出するべく龍馬は海援隊を引き連れて、日本を飛び出し海外貿易に出向いた。
最初は上海に出て行ったが、米国の産業を見るべく太平洋を渡った。
「で、途中で母と知り合ったんですよね」
「おう、イイ女じゃったのう」
懐かしむように龍馬が言う姿を見て、皮肉も通じないと鯉之助は呆れた。
視察の途中、ハワイに寄港した龍馬は現地のハワイ人女性マヒナと関係を持ち、彼女は身ごもる。
史実では接待や慰労と称して遊郭遊びをしたため梅毒になり子供は出来なかったとされるが、この龍馬は何故かかからず、子供が出来た。
生まれた男子は、いずれ龍になるようにと言う願いを込め、鯉はいずれ滝を登り龍となるという言い伝えから、鯉之助と名付けられた。
「その後、殺されていたら良かったのに」
だが当時龍馬には既に妻としてお龍がいて婚約者として千葉さな子がいる。
龍馬、お龍、さな子の三人の間で殺し合い寸前の痴話げんかが勃発したが乙女大姉の龍馬への説教という名の仲裁が入り、龍馬は死を免れた。
「戊辰戦争が始まっていなければ殺されていたじゃろうな」
龍馬が三人に殺されずに済んだのは戊辰戦争が勃発したとの報が入ってきてその対応を求められたからだ。
龍馬は直ちに計画を検討し海援隊に指示を出した。
そして、死地を脱出し、戦争を終わらせるべく身重のマヒナを残して太平洋と欧米を奔走する。
全ての支度を終えた龍馬は一一月に日本に帰国し箱館仲裁へ向かう。
「榎本総裁が話の分かる人でよかった」
「褒められるようなやり方とは言えないでしょう」
自画自賛する龍馬に鯉之助は呆れる。
龍馬は、かなり悪辣な策略を用いて榎本を説得したどころか明治政府さえ脅迫して箱館政府を明治政府に帰属させた。
「そんなまどろっこしいこと出来るか」
龍馬の姿勢を鯉之助はたしなめるが、龍馬は聞かない。
転生した世界の坂本龍馬は、史実の龍馬と違い、かなりアクティブで積極的だ。
例えば、海援隊は史実より収入が多く規模が大きい。
本業の武器の販売代行と貿易を上手くいかせたこともあるが一番の理由は、仏具や寺院、城郭の海外への輸出だった。
幕末、龍馬が薩摩を訪れたとき、丁度廃仏毀釈が行われていた。
神仏分離を大義名分としていたが、実際は薩摩藩が偽金作り、天保銭の偽物作りの原材料として仏具を徴収しその胴を使おうとしたからだ。
それを知った龍馬は、没収された仏具を上海へ持ち込み、英仏の商人に美術品として販売。
来歴書を作り、あるいは古めかして偽造し高値で販売した。
偽金以上の収入になった薩摩藩は、没収した仏具を海援隊に二束三文で売り払い、大金を手に入れた。
タダで没収した寺院が金になるので廃寺は進み、やり過ぎて薩摩藩の寺が全て無くなってしまった。
これは史実でも同じで薩摩藩内のお寺一六一六箇所全て消えてしまっているのでたいした事ではない。
だが倒幕派諸藩も同じように海援隊を頼り自領の寺を廃寺にし、明治以降も暫く続いたため廃仏毀釈の規模は更に大きくなる。
明治維新を過ぎても廃仏毀釈は手っ取り早い収入源となり、比例して海援隊の規模も大きくなった。
そのため海援隊と龍馬は仏敵とされたが、バーミヤンの石仏と違い国外流出したが現物は残っているため、後日一部は取り戻すことが出来た。
実際に破壊から助かった国宝級の仏像も多く、流出した物は状態が良い物が多かったため、買い戻しにより国宝の指定数が史実より三倍程になったとされている。
それはともかく、海援隊はかなり優良な会社として存在する事が出来た。
「罰当たりなのによく近江屋で生き残れましたね」
そして近江屋で襲撃され暗殺されていたはずの龍馬なのだが、偶然持っていた拳銃で刺客を撃退。
近江屋から逃れると薩摩藩の屋敷へ逃げ込み一命を取り留めた。
「あれには懲りたのう。大政奉還を成し遂げたが、それ故に日本中敵ばかりになって仕舞ったわ」
難を逃れた龍馬だが、自分を狙う者が多いことを感じていた。
龍馬は薩長のみならず徳川と共に近代日本を作り上げるべく大政奉還を進言し慶喜公を将軍職から辞職させ一諸侯として天皇中心の政府に迎えようとした。
だがこの行為は佐幕派からは将軍を引きずり下ろした大逆人、討幕派からは外国に日本を売る徳川将軍家を滅ぼすという大義名分が失わせ徳川を生き残らせたと考えられたため、龍馬を恨む人間が多かった。
「じゃから前から考えていた世界進出を思い切ってやったのじゃ」
刺客だらけの日本を脱出するべく龍馬は海援隊を引き連れて、日本を飛び出し海外貿易に出向いた。
最初は上海に出て行ったが、米国の産業を見るべく太平洋を渡った。
「で、途中で母と知り合ったんですよね」
「おう、イイ女じゃったのう」
懐かしむように龍馬が言う姿を見て、皮肉も通じないと鯉之助は呆れた。
視察の途中、ハワイに寄港した龍馬は現地のハワイ人女性マヒナと関係を持ち、彼女は身ごもる。
史実では接待や慰労と称して遊郭遊びをしたため梅毒になり子供は出来なかったとされるが、この龍馬は何故かかからず、子供が出来た。
生まれた男子は、いずれ龍になるようにと言う願いを込め、鯉はいずれ滝を登り龍となるという言い伝えから、鯉之助と名付けられた。
「その後、殺されていたら良かったのに」
だが当時龍馬には既に妻としてお龍がいて婚約者として千葉さな子がいる。
龍馬、お龍、さな子の三人の間で殺し合い寸前の痴話げんかが勃発したが乙女大姉の龍馬への説教という名の仲裁が入り、龍馬は死を免れた。
「戊辰戦争が始まっていなければ殺されていたじゃろうな」
龍馬が三人に殺されずに済んだのは戊辰戦争が勃発したとの報が入ってきてその対応を求められたからだ。
龍馬は直ちに計画を検討し海援隊に指示を出した。
そして、死地を脱出し、戦争を終わらせるべく身重のマヒナを残して太平洋と欧米を奔走する。
全ての支度を終えた龍馬は一一月に日本に帰国し箱館仲裁へ向かう。
「榎本総裁が話の分かる人でよかった」
「褒められるようなやり方とは言えないでしょう」
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龍馬は、かなり悪辣な策略を用いて榎本を説得したどころか明治政府さえ脅迫して箱館政府を明治政府に帰属させた。
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