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第一部 日露開戦編
皇海型戦艦の苦労
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技術的には完成レベルだったがさすがに兵器を、技術が劣る日本国内で建造するのは難しい。
当時世界最先端の技術力を持つイギリスで建造するしか無かったが、さすがに許可が下りなかった。
そこで鯉之助は英国地中海艦隊司令長官フィシャー大将とイタリアのクニベルティ造船中将を海援隊が作った伝で主催するパーティーに呼び寄せて引き合わせた。
そして鯉之助がクニベルティが抱いていた新型戦艦の構想をフィッシャーに聞かせた。クニベルティの話しに乗り気になったフィッシャーの帰国と同時に海軍本部に新型戦艦の建造を願い出た。
その圧倒的な性能に興味を抱いた英国海軍は、自ら建造することを決断。
鯉之助の助力もあり短期間で建造が行われドレッドノートとして完成させた。
同時に協力者として鯉之助提案の皇海も同時に建造を行った。
だが、よく言って伝統的、悪く言えば硬直化した英国の設計陣は皇海のプランを拒絶した。
海外への輸出艦に様々な最新鋭技術を詰め込むのが英国造船界の基本だったが、鯉之助の皇海建造プランはあまりにもぶっ飛びすぎて躊躇してしまった。
ドレッドノートで却下された背負い式の主砲配置、水雷兵装の全廃、クリッパー型の艦首の採用、上甲板より下の大砲廃止。
あまりにもぶっ飛びすぎていて、全てのアイディアを採用するのを英国面技師、もといイギリス人技師達は尻込みした。
そこを補ってくれたのが、出張に同行してくれた平賀譲造船大技士だ。
綾波型駆逐艦の建造で設計図を引いてくれた彼が英国の設計士に代わり鯉之助の望む皇海の図面を引かせ、英国の造船所に製作させた。
さすがに英国の設計士達も鯉之助の本気を見て、受け入れざるを得ず、彼らは設計に加わった。
こうした紆余曲折もありようやく皇海は完成した。
しかし、日本に持ち帰るだけでも一苦労だった。
「完成したのが去年の暮れちかくでしたからね」
英国の驚異的な建造速度を以てしても皇海が完成したのは一九〇三年の後半。
日露開戦が迫っており、一刻も早く日本本土に送らなければならない。
海援隊の支援で要員を確保し、スエズ運河へ。
途中からロシアの巡洋艦の追跡を受けるが英国海軍が間に割り込んでくれて事なきを得る。
喫水がギリギリでスエズ運河の底の砂を復水器が吸い込んでしまい故障するのを防ぐため機関停止の後、タグボートで曳航して突破。
インド洋を越え、日本本土に滑り込んだのは年末だった。
途中から乗員を乗せて訓練を行っていたが、それでも大変だった。
航海しながら、初めて装備を触るので故障しないか心配だったのだ。
それでもどうにか、一月末には訓練を修了し、とりあえず戦闘可能になった。
そしてイギリスから部品を購入して海龍商会の室蘭造船所で組み立てていた白根が開戦直前に就役。
皇海と共に第一一戦隊を組み、一通り戦隊としての訓練を終えると第一義勇艦隊に配備され開戦に臨んだ。
「まあ回航前のロシアとの交渉と南米巡り大変だったんですけど」
皇海の引き渡しの前に、鯉之助は南米へ行き不眠不休でアルゼンチン、ブラジル、チリの三カ国の交渉をまとめ上げて、イギリスにとんぼ返りしたばかりだった。
その前にも、ロシアとの戦争回避の交渉を海龍商会として行っていた。
これはロシア側が極東進出を止める気が無かったため徒労に終わった。だが、開戦不可避という確信を鯉之助に抱かせ、史実から変わることはないという思いを鯉之助の中で確固たる物にした。
以降は日露開戦に備えての準備に邁進していった。
「じゃが、残りの艦は間に合わなかったな」
悔しそうに秋山は言う。
当時世界最先端の技術力を持つイギリスで建造するしか無かったが、さすがに許可が下りなかった。
そこで鯉之助は英国地中海艦隊司令長官フィシャー大将とイタリアのクニベルティ造船中将を海援隊が作った伝で主催するパーティーに呼び寄せて引き合わせた。
そして鯉之助がクニベルティが抱いていた新型戦艦の構想をフィッシャーに聞かせた。クニベルティの話しに乗り気になったフィッシャーの帰国と同時に海軍本部に新型戦艦の建造を願い出た。
その圧倒的な性能に興味を抱いた英国海軍は、自ら建造することを決断。
鯉之助の助力もあり短期間で建造が行われドレッドノートとして完成させた。
同時に協力者として鯉之助提案の皇海も同時に建造を行った。
だが、よく言って伝統的、悪く言えば硬直化した英国の設計陣は皇海のプランを拒絶した。
海外への輸出艦に様々な最新鋭技術を詰め込むのが英国造船界の基本だったが、鯉之助の皇海建造プランはあまりにもぶっ飛びすぎて躊躇してしまった。
ドレッドノートで却下された背負い式の主砲配置、水雷兵装の全廃、クリッパー型の艦首の採用、上甲板より下の大砲廃止。
あまりにもぶっ飛びすぎていて、全てのアイディアを採用するのを英国面技師、もといイギリス人技師達は尻込みした。
そこを補ってくれたのが、出張に同行してくれた平賀譲造船大技士だ。
綾波型駆逐艦の建造で設計図を引いてくれた彼が英国の設計士に代わり鯉之助の望む皇海の図面を引かせ、英国の造船所に製作させた。
さすがに英国の設計士達も鯉之助の本気を見て、受け入れざるを得ず、彼らは設計に加わった。
こうした紆余曲折もありようやく皇海は完成した。
しかし、日本に持ち帰るだけでも一苦労だった。
「完成したのが去年の暮れちかくでしたからね」
英国の驚異的な建造速度を以てしても皇海が完成したのは一九〇三年の後半。
日露開戦が迫っており、一刻も早く日本本土に送らなければならない。
海援隊の支援で要員を確保し、スエズ運河へ。
途中からロシアの巡洋艦の追跡を受けるが英国海軍が間に割り込んでくれて事なきを得る。
喫水がギリギリでスエズ運河の底の砂を復水器が吸い込んでしまい故障するのを防ぐため機関停止の後、タグボートで曳航して突破。
インド洋を越え、日本本土に滑り込んだのは年末だった。
途中から乗員を乗せて訓練を行っていたが、それでも大変だった。
航海しながら、初めて装備を触るので故障しないか心配だったのだ。
それでもどうにか、一月末には訓練を修了し、とりあえず戦闘可能になった。
そしてイギリスから部品を購入して海龍商会の室蘭造船所で組み立てていた白根が開戦直前に就役。
皇海と共に第一一戦隊を組み、一通り戦隊としての訓練を終えると第一義勇艦隊に配備され開戦に臨んだ。
「まあ回航前のロシアとの交渉と南米巡り大変だったんですけど」
皇海の引き渡しの前に、鯉之助は南米へ行き不眠不休でアルゼンチン、ブラジル、チリの三カ国の交渉をまとめ上げて、イギリスにとんぼ返りしたばかりだった。
その前にも、ロシアとの戦争回避の交渉を海龍商会として行っていた。
これはロシア側が極東進出を止める気が無かったため徒労に終わった。だが、開戦不可避という確信を鯉之助に抱かせ、史実から変わることはないという思いを鯉之助の中で確固たる物にした。
以降は日露開戦に備えての準備に邁進していった。
「じゃが、残りの艦は間に合わなかったな」
悔しそうに秋山は言う。
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