25 / 50
第一部 日露開戦編
開戦による規制
しおりを挟む
皇海はドレッドノートに匹敵する高性能な艦のため、海援隊も帝国海軍も大量建造を決定し三番艦、四番艦が国内で建造中だ。
これは純国産軍艦建造のために日本国内で全ての部品製造が行われている。
軍艦は購入できても修理が出来なければ意味が無い。さらに二十年近く運用するとその間に近代化改装が含まれる。その際、建造に匹敵する技術を持たなければ上手くいかない。
なにより幕末以来、海外からの脅威に対抗するべく近代化していた明治政府が軍備の国産化を進めている。戦艦を含む大型軍艦も国産出来なければ日本は維持できないと考えており、日本国内での建造となった。
日本初の一万トンを超える大型艦であり、白根の時は無事に進水できるか在留外国人の賭けの対象になったほどだが、無事に成功させ日本が有力な国である事を証明した。
その勢いで全ての部品を国内で建造することになった。
この方式は成功し、この後、超弩級巡洋戦艦金剛型の時も同じ方式が採用される事になった。
だが日露開戦が迫ったため国内だけで建造が追いつかないため、五番艦、六番艦もイギリスに発注していた。
「突貫工事をしたが無理だった」
日露開戦が迫り皇海型三番艦から六番艦も大急ぎで建造させてたのだが、開戦には間に合わなかった。
日英同盟を締結していたが、締結しても条約では好意的中立までで、ロシア以外から宣戦布告されなければイギリスは参戦しない。
一見薄情で、イギリス有利な条項だが、もし日英同盟がなかったら、ロシアの同盟国であるフランスも参戦し、さらに植民地獲得に野望を燃やしているドイツも参戦してくる可能性があり、日本の勝利など無いも同然だ。
同盟したことでロシア以外の欧州列強をイギリスが抑えてくれている、というのも利点だった。
そして恐ろしいのは、イギリスが参戦した場合、ロシアの同盟国となるフランスも参戦し、欧州でも戦争が始まってしまう可能性がある。
そのため、フランスやドイツも下手な行動に出られないし、イギリスも下手な行動――参戦することができない。
以上の点から、イギリスは日露戦争で好意的中立を維持している。
多少の目こぼし、ロシアに対するサボタージュや圧力、日本への情報提供、密かな軍需物資の提供は行ってくれる。
だが、イギリスで建造させた戦艦を戦争中の日本へ引き渡すのは明らかな中立義務違反であり、世界から糾弾されてしまう。
当時の戦艦は、国家権力の象徴、二一世紀で言うと核兵器にも似た扱いであり、戦艦の隻数が軍事バランスを左右している。しかも最新鋭で超絶した性能を持っているのならなおのことだ。
だから戦争中は当事国への武器輸出を禁じた条約に明らかに抵触する戦艦の輸出はできない。
「まあ戦艦の数では国内建造もあるから大丈夫だがな」
三番艦、四番艦を国内建造したのは開戦に間に合わず、調達できないことを考慮してのことだった。
更に建造を考えていたが国内の余力が無く五番艦、六番艦は英国で建造される事になった。
勿論、その不安があったので新たに七番艦、八番艦が建造されていた。
他にも装甲を薄くして速力を高めた巡洋戦艦筑波級の建造が行われている。
度重なる軍艦建造に国内では不満があったが日英同盟で太平洋海域でロシアを上回る排水量を維持することが求められていたため、ロシアが発表した太平洋艦隊の増強に対抗するべく海軍力を増強せざるを得なかった。
秘密条項でイギリスのライバルであるフランスの東洋海軍戦力もロシア太平洋艦隊と合算するように求められているので、建造は仕方なかった。
他にも様々な兵器を購入していたが、開戦で日本へ輸出できなくなった。
開戦を悟らせないためにあえて購入した武器もあるが、無駄になって仕舞った。
輸入できず、戦場へ投入できずに倉庫で死蔵されている兵器群は皇海級五番艦と六番艦をはじめ、軍艦数隻、陸軍兵力で数個師団分ぐらいはある。
これらの武器が、終戦直前に大活躍するのだが後の話だ。
「皇海の建造もそうだがよく調達できたな。特に資金面で」
「皇海の方は簡単だったよ。オプションを付けた」
「なにを売ったんだ?」
「先日の戦闘データ、戦闘詳報だ。発砲速度、命中率、故障箇所、燃料消費など、あらゆるデータを集めて送る取り決めをしている」
これは純国産軍艦建造のために日本国内で全ての部品製造が行われている。
軍艦は購入できても修理が出来なければ意味が無い。さらに二十年近く運用するとその間に近代化改装が含まれる。その際、建造に匹敵する技術を持たなければ上手くいかない。
なにより幕末以来、海外からの脅威に対抗するべく近代化していた明治政府が軍備の国産化を進めている。戦艦を含む大型軍艦も国産出来なければ日本は維持できないと考えており、日本国内での建造となった。
日本初の一万トンを超える大型艦であり、白根の時は無事に進水できるか在留外国人の賭けの対象になったほどだが、無事に成功させ日本が有力な国である事を証明した。
その勢いで全ての部品を国内で建造することになった。
この方式は成功し、この後、超弩級巡洋戦艦金剛型の時も同じ方式が採用される事になった。
だが日露開戦が迫ったため国内だけで建造が追いつかないため、五番艦、六番艦もイギリスに発注していた。
「突貫工事をしたが無理だった」
日露開戦が迫り皇海型三番艦から六番艦も大急ぎで建造させてたのだが、開戦には間に合わなかった。
日英同盟を締結していたが、締結しても条約では好意的中立までで、ロシア以外から宣戦布告されなければイギリスは参戦しない。
一見薄情で、イギリス有利な条項だが、もし日英同盟がなかったら、ロシアの同盟国であるフランスも参戦し、さらに植民地獲得に野望を燃やしているドイツも参戦してくる可能性があり、日本の勝利など無いも同然だ。
同盟したことでロシア以外の欧州列強をイギリスが抑えてくれている、というのも利点だった。
そして恐ろしいのは、イギリスが参戦した場合、ロシアの同盟国となるフランスも参戦し、欧州でも戦争が始まってしまう可能性がある。
そのため、フランスやドイツも下手な行動に出られないし、イギリスも下手な行動――参戦することができない。
以上の点から、イギリスは日露戦争で好意的中立を維持している。
多少の目こぼし、ロシアに対するサボタージュや圧力、日本への情報提供、密かな軍需物資の提供は行ってくれる。
だが、イギリスで建造させた戦艦を戦争中の日本へ引き渡すのは明らかな中立義務違反であり、世界から糾弾されてしまう。
当時の戦艦は、国家権力の象徴、二一世紀で言うと核兵器にも似た扱いであり、戦艦の隻数が軍事バランスを左右している。しかも最新鋭で超絶した性能を持っているのならなおのことだ。
だから戦争中は当事国への武器輸出を禁じた条約に明らかに抵触する戦艦の輸出はできない。
「まあ戦艦の数では国内建造もあるから大丈夫だがな」
三番艦、四番艦を国内建造したのは開戦に間に合わず、調達できないことを考慮してのことだった。
更に建造を考えていたが国内の余力が無く五番艦、六番艦は英国で建造される事になった。
勿論、その不安があったので新たに七番艦、八番艦が建造されていた。
他にも装甲を薄くして速力を高めた巡洋戦艦筑波級の建造が行われている。
度重なる軍艦建造に国内では不満があったが日英同盟で太平洋海域でロシアを上回る排水量を維持することが求められていたため、ロシアが発表した太平洋艦隊の増強に対抗するべく海軍力を増強せざるを得なかった。
秘密条項でイギリスのライバルであるフランスの東洋海軍戦力もロシア太平洋艦隊と合算するように求められているので、建造は仕方なかった。
他にも様々な兵器を購入していたが、開戦で日本へ輸出できなくなった。
開戦を悟らせないためにあえて購入した武器もあるが、無駄になって仕舞った。
輸入できず、戦場へ投入できずに倉庫で死蔵されている兵器群は皇海級五番艦と六番艦をはじめ、軍艦数隻、陸軍兵力で数個師団分ぐらいはある。
これらの武器が、終戦直前に大活躍するのだが後の話だ。
「皇海の建造もそうだがよく調達できたな。特に資金面で」
「皇海の方は簡単だったよ。オプションを付けた」
「なにを売ったんだ?」
「先日の戦闘データ、戦闘詳報だ。発砲速度、命中率、故障箇所、燃料消費など、あらゆるデータを集めて送る取り決めをしている」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる