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<キングⅡ>レイテ攻略作戦最終確認
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「やあ諸君元気かね。益しに残る大仕事が待っている。大変だろうが、達成したあかつきには歴史上類を見ない栄光と賞賛を得られるぞ」
部屋に入った南西太平洋方面軍最高司令官マッカーサー元帥は開口一番に朗らかに言った。
とても六十過ぎの老人とは思えない程、精悍で快活で会う人を虜にする陽気な人物だ。
勿論例外は居るが、部屋の面々の多くはマッカーサーに好意的だった。
「さて、レイテ攻略前の最終確認を行おう」
ウルシー環礁の泊地にレイテ攻略作戦<キングⅡ>を前に参加する指揮官達と最後の打ち合わせを行っていた。
既に作戦は発動されており中止はない。
アイ・シャル・リターンを公言しフィリピン奪還を願うマッカーサーにとって好ましい状況と言えた。
「レイテ上陸にあたり、君たちにはそれぞれ役目を果たして貰う。それぞれの職分において最善を果たしてくれ給え」
今回のレイテ攻略のみならず上陸作戦には陸軍、海軍、海兵隊と三つの軍、そしてその下に、陸軍と海兵隊は上陸部隊、航空隊、海軍は空母部隊の他、揚陸支援部隊、補給部隊、輸送部隊が参加する。
上陸作戦は、海を渡り、攻略目標と周囲の島に作られた敵の陣地や部隊を破壊。目標の島に部隊を上陸させ、敵陣地を制圧し、占領する必要がある。
そのためには一つの部隊では不可能だ。
航空機、船舶、陸上部隊など異なる特性を持つ部隊を最適な状況、必要な場所に確実に投入し使用する必要がある。
そしてそれぞれの部隊には長所と短所がある。
例えば航空機は一千キロ近い航続距離と三百キロ以上で飛行し急行し爆弾や機銃掃射を行える能力がある。
しかし、悪天候や夜間は飛べないし、遠隔地で飛べる時間は僅かな上、一回攻撃すると基地で補給を受けなければ武器を再装填できない。
戦艦部隊は強力な艦砲を持っており陸上部隊より攻撃力がある。しかし、海しか航行出来ず内陸部への攻撃は出来ない。そして航空機の攻撃に弱い。
陸上部隊は海を渡れないし、飛行機より遙かに遅い。だが、敵の陣地を占領し維持防衛するには彼らが必要だ。
他にも、上陸を助ける上陸艇部隊、防御力貧弱だが大量の補給物資を各部隊に供給してくれる補給船部隊など、特性も弱点も違うが必要不可欠な部隊をそれぞれの能力、状況に応じて投入する必要がある。
既に参謀部が作戦計画を立案しスケジュールに従って進行している。
参加部隊があまりに多くいるため、各泊地の収容能力の限界からアメリカ本土から出発しなければならない船団もいるからだ。
現時点では予定通り進んでいる。
しかし彼らは今戦争をしているのであり、敵の攻撃や予期せぬアクシデントで支障が出る可能性がある。
その時、対応し命令を下すのが司令官だ。
だが、司令官も人間であり、間違いを犯す。しかも複数の部隊が参加すると複数の司令官、それも同格の者が多くなり、人間関係がこじれ、指揮系統が混乱する可能性もある。
それを上位の司令官は上手く纏めなければならない。
その点、マッカーサーは優れていた。
陽気で明るい性格、あるいは演技が出来るマッカーサーは多くの人から、そして部下達からも好かれるため、人間関係を円滑に出来る人物という点で司令官にふさわしかった。
「作戦は順調に進み実行出来そうだね」
部下達の報告を聞いて順調に進んでいることにマッカーサーは満足した。
「ですが、敵の機動部隊の動向が不明です」
ただ一人、マッカーサーに悪感情を抱いているニミッツが反発した。
ニミッツは太平洋艦隊司令長官だが、同時に南太平洋軍最高司令官であり、マッカーサーと同格だ。
それだけならライバルとして良いが、マッカーサーの強引な作戦に指揮下の艦隊を引き抜かれたことが度々あった。
特にソロモンの消耗戦では、新戦艦三隻を失い、稼働空母が一時無くなる事態まで起きている。
それなのにマッカーサーは攻撃を続行しておとがめ無しだ。
これではいくら人格者のニミッツでも頭にくる。
戦力が揃った43年からニミッツの担当方面、オレンジプランから続く、クウェゼリンマリアナと進む対日侵攻ルートを進めているが、マッカーサーのニューギニア方面からフィリピンへ向かうルートも同時並行で進められている。
そのためマッカーサーの作戦支援のため太平洋艦隊の艦艇は引き抜かれ、ニミッツの作戦は度々中断を余儀なくされている。
これはマッカーサーも同じで、ニミッツの作戦のために艦隊を手元に置けないことに苛立ちを感じていた。
上層部もこのことを問題視していたが、今日まで放置されていた。
ニミッツの案もマッカーサーの案も特に不可がないのと、アメリカの膨大な国力が、二つのルートの同時進行を可能にしていたため、統合する事はなかった。
それに、米軍の攻撃を受けて立つ日本軍は二つの侵攻ルートのどちらから来るか分からず守備計画に混乱を来した。
結果、二つのルートに守備兵力を割かねばならない状況に置かれており、太平洋各地に守備隊を派遣し事実上遊兵化することとなる。
おかげで、米軍は日本軍の防衛戦力が比較的少なくなり多数の損害を出しつつも、マリアナ、ニューギニアまで進撃できた。
だが、指揮系統の一本化という軍事上の常識から外れ、マッカーサーとニミッツという二つの軍が太平洋方面に存在する事となった。
アメリカの国力により、分配問題はあるが戦力面で大きな問題は出ていない。
マッカーサーがオーストラリアからソロモン、ニューギニアへ進軍。
ニミッツがハワイから中部太平洋のクウェゼリンマリアナと侵攻。
ルート上も離れており、対立は表面上穏やかだった。
だが、フィリピン攻略の面で再び問題が発生した。
「日本艦隊の出現に備えて第三艦隊は太平洋艦隊の指揮下に置かせて貰いたい」
部屋に入った南西太平洋方面軍最高司令官マッカーサー元帥は開口一番に朗らかに言った。
とても六十過ぎの老人とは思えない程、精悍で快活で会う人を虜にする陽気な人物だ。
勿論例外は居るが、部屋の面々の多くはマッカーサーに好意的だった。
「さて、レイテ攻略前の最終確認を行おう」
ウルシー環礁の泊地にレイテ攻略作戦<キングⅡ>を前に参加する指揮官達と最後の打ち合わせを行っていた。
既に作戦は発動されており中止はない。
アイ・シャル・リターンを公言しフィリピン奪還を願うマッカーサーにとって好ましい状況と言えた。
「レイテ上陸にあたり、君たちにはそれぞれ役目を果たして貰う。それぞれの職分において最善を果たしてくれ給え」
今回のレイテ攻略のみならず上陸作戦には陸軍、海軍、海兵隊と三つの軍、そしてその下に、陸軍と海兵隊は上陸部隊、航空隊、海軍は空母部隊の他、揚陸支援部隊、補給部隊、輸送部隊が参加する。
上陸作戦は、海を渡り、攻略目標と周囲の島に作られた敵の陣地や部隊を破壊。目標の島に部隊を上陸させ、敵陣地を制圧し、占領する必要がある。
そのためには一つの部隊では不可能だ。
航空機、船舶、陸上部隊など異なる特性を持つ部隊を最適な状況、必要な場所に確実に投入し使用する必要がある。
そしてそれぞれの部隊には長所と短所がある。
例えば航空機は一千キロ近い航続距離と三百キロ以上で飛行し急行し爆弾や機銃掃射を行える能力がある。
しかし、悪天候や夜間は飛べないし、遠隔地で飛べる時間は僅かな上、一回攻撃すると基地で補給を受けなければ武器を再装填できない。
戦艦部隊は強力な艦砲を持っており陸上部隊より攻撃力がある。しかし、海しか航行出来ず内陸部への攻撃は出来ない。そして航空機の攻撃に弱い。
陸上部隊は海を渡れないし、飛行機より遙かに遅い。だが、敵の陣地を占領し維持防衛するには彼らが必要だ。
他にも、上陸を助ける上陸艇部隊、防御力貧弱だが大量の補給物資を各部隊に供給してくれる補給船部隊など、特性も弱点も違うが必要不可欠な部隊をそれぞれの能力、状況に応じて投入する必要がある。
既に参謀部が作戦計画を立案しスケジュールに従って進行している。
参加部隊があまりに多くいるため、各泊地の収容能力の限界からアメリカ本土から出発しなければならない船団もいるからだ。
現時点では予定通り進んでいる。
しかし彼らは今戦争をしているのであり、敵の攻撃や予期せぬアクシデントで支障が出る可能性がある。
その時、対応し命令を下すのが司令官だ。
だが、司令官も人間であり、間違いを犯す。しかも複数の部隊が参加すると複数の司令官、それも同格の者が多くなり、人間関係がこじれ、指揮系統が混乱する可能性もある。
それを上位の司令官は上手く纏めなければならない。
その点、マッカーサーは優れていた。
陽気で明るい性格、あるいは演技が出来るマッカーサーは多くの人から、そして部下達からも好かれるため、人間関係を円滑に出来る人物という点で司令官にふさわしかった。
「作戦は順調に進み実行出来そうだね」
部下達の報告を聞いて順調に進んでいることにマッカーサーは満足した。
「ですが、敵の機動部隊の動向が不明です」
ただ一人、マッカーサーに悪感情を抱いているニミッツが反発した。
ニミッツは太平洋艦隊司令長官だが、同時に南太平洋軍最高司令官であり、マッカーサーと同格だ。
それだけならライバルとして良いが、マッカーサーの強引な作戦に指揮下の艦隊を引き抜かれたことが度々あった。
特にソロモンの消耗戦では、新戦艦三隻を失い、稼働空母が一時無くなる事態まで起きている。
それなのにマッカーサーは攻撃を続行しておとがめ無しだ。
これではいくら人格者のニミッツでも頭にくる。
戦力が揃った43年からニミッツの担当方面、オレンジプランから続く、クウェゼリンマリアナと進む対日侵攻ルートを進めているが、マッカーサーのニューギニア方面からフィリピンへ向かうルートも同時並行で進められている。
そのためマッカーサーの作戦支援のため太平洋艦隊の艦艇は引き抜かれ、ニミッツの作戦は度々中断を余儀なくされている。
これはマッカーサーも同じで、ニミッツの作戦のために艦隊を手元に置けないことに苛立ちを感じていた。
上層部もこのことを問題視していたが、今日まで放置されていた。
ニミッツの案もマッカーサーの案も特に不可がないのと、アメリカの膨大な国力が、二つのルートの同時進行を可能にしていたため、統合する事はなかった。
それに、米軍の攻撃を受けて立つ日本軍は二つの侵攻ルートのどちらから来るか分からず守備計画に混乱を来した。
結果、二つのルートに守備兵力を割かねばならない状況に置かれており、太平洋各地に守備隊を派遣し事実上遊兵化することとなる。
おかげで、米軍は日本軍の防衛戦力が比較的少なくなり多数の損害を出しつつも、マリアナ、ニューギニアまで進撃できた。
だが、指揮系統の一本化という軍事上の常識から外れ、マッカーサーとニミッツという二つの軍が太平洋方面に存在する事となった。
アメリカの国力により、分配問題はあるが戦力面で大きな問題は出ていない。
マッカーサーがオーストラリアからソロモン、ニューギニアへ進軍。
ニミッツがハワイから中部太平洋のクウェゼリンマリアナと侵攻。
ルート上も離れており、対立は表面上穏やかだった。
だが、フィリピン攻略の面で再び問題が発生した。
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