未来への転送

廣瀬純七

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過去の両親

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リョウと沙織は、今度は自分たちが生まれる前の時代、両親が若かったころの世界を訪れることにした。二人は過去に行っても体が入れ替わることはないと分かっていたので、穏やかな気持ちで準備を進めていた。

「私たちの両親に会えるなんて、まるでタイムカプセルを開けるみたいね」と沙織が嬉しそうに話すと、リョウも同意して「両親がどんな若い時代を過ごしていたのか、少しでも知れたら面白いな」と返した。

二人は転送装置に乗り込み、装置が作動するのを待った。光が彼らを包み、時空を越えて遠い昔の時代へと降り立つ。

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目を開けたとき、そこにはどこか懐かしさを感じる風景が広がっていた。街並みは古風で、懐かしい車や看板が並んでいる。二人はまず沙織の両親を訪ねることにした。

若い頃の沙織の母親は、今よりも少し生真面目な雰囲気があり、リョウと沙織は二人で協力しながら話しかけた。母親は若い二人を見て不思議そうに微笑み、気さくに話しかけてくれた。リョウは、彼女の中に沙織の面影を見つけ、どこか愛おしさを覚えた。

続いて、リョウの両親に会いに行くと、沙織は若いリョウの父親に驚いた。彼の父親は今とは違う活気ある姿で、情熱的に仕事の話をしていた。沙織は彼が情熱を持って何かに取り組む姿勢がリョウに似ていると感じ、思わず微笑んでしまった。

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やがて、別れを告げる時が訪れた。二人は自分たちの存在が未来に影響を与えないように気を配りながら両親たちに手を振り、再び転送装置に戻った。二人の心には、両親の若かりし姿に触れたことで、過去からの温かなつながりが残っていた。

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光に包まれて現代に戻ってきた二人が、装置から出ると同時に強烈な違和感が襲った。視界の高さが変わり、見慣れたはずの自分の手が、別の人のものに見える。

「え…また入れ替わってるの!?」と沙織(リョウの姿)が驚いて自分の体を確認すると、リョウ(沙織の姿)も「まさか、戻ってきてから入れ替わるなんて」と驚きの表情を見せた。

二人は、体が入れ替わったことをしばらく信じられないまま、戸惑いながらもお互いの顔を見合わせて笑い出した。

「まあ、これも運命ってことなのかもね」とリョウ(沙織の姿)が言うと、沙織(リョウの姿)も「そうね。でも、お互いの視点をまた体験できるから、これはこれで面白いわ」と笑顔で応えた。

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それからしばらくの間、リョウと沙織は入れ替わった体で新しい生活を始めることになった。お互いの仕事や日常に慣れていくうちに、以前よりも深い理解が生まれ、お互いの個性や魅力を再発見する日々が続いた。

やがて、元の体に戻るかもしれないという淡い期待も持ちながら、彼らは入れ替わったままの生活を楽しみ始めていた。
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