宇宙人へのレポート

廣瀬純七

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体の異変

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その朝、直人は紗栄子の体で目を覚ました瞬間、異様な腹部の重さと鈍い痛みを感じた。「なんだ…?お腹が変な感じだな…」と思いながら布団を出ると、さらに体がだるく、まるで風邪でも引いたかのような感覚が襲ってきた。

しかしすぐに、彼は一週間ほど前に紗栄子から聞いた話を思い出した。「もしかして…これが生理ってやつなのか?」頭の中でその可能性を理解したものの、初めての感覚にどう対応していいのか見当もつかない。

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**朝:紗栄子とのメッセージ**

**直人**:「おい紗栄子、なんか腹が痛くてだるいんだけど、これってまさか…」

**紗栄子**:「ああ、それ…そうね、初めてだからびっくりするかもしれないけど、たぶん生理よ。大丈夫?」

**直人**:「いや、正直どうしたらいいのかわからなくて…。あと、こんなに体が重くてしんどいとは思わなかった」

**紗栄子**:「うん、慣れないと辛いよね。痛み止めとかカイロも使ってみたら?少しは楽になるかも」

紗栄子からのアドバイスを頼りに、直人は痛み止めを飲み、温かいカイロをお腹に当ててみた。それでも完全に痛みが和らぐわけではなく、重苦しい鈍痛が一日中付きまとった。

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**授業中の直人**

大学の授業が始まると、直人は椅子に座っているだけでもお腹の違和感が気になり、なかなか集中できなかった。講義の内容は頭に入ってこないし、周りからの視線がいつもより気になって、イライラが募る。「紗栄子は、毎月こんなことを体験してるのか…」と驚きと尊敬が入り混じった気持ちが沸いてきた。

さらに昼食の時間になっても、食欲が湧かず、少しスープを口にしただけでお腹が重く感じられた。「まさか、こんなふうに体が自分の思うように動かなくなるとは思わなかった…」と、これまで想像もしていなかった生理の大変さを痛感する。

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**その日の夜:二人のカフェでの会話**

どうにか一日を乗り越えた直人は、大学帰りに紗栄子とカフェで合流した。会うなり直人は、疲れ果てた顔で椅子に座り込み、ため息をついた。

「まさか、こんなに大変だとは思わなかったよ…」と、彼は紗栄子にぼやいた。

「でしょ?男性にはなかなか理解してもらえないけど、これが毎月続くんだから、慣れるまではきついのよね」と紗栄子も優しい笑みを浮かべた。

「毎月これなんて、正直信じられないよ。気分も沈むし、やる気も出ないし…本当に尊敬するよ、こういう状況でいつも生活してるなんて」

二人はしばらくお互いの体験を語り合い、笑いながら共感し合った。入れ替わる前は想像もできなかった「日常の大変さ」を、お互いに少しずつ理解していく。その一つひとつの違和感が、二人の間に新たな絆を生み出していた。

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その夜、直人は宇宙人へのレポートに、今日の「特別な体験」について詳しく書き込んだ。これまではただの好奇心に思えていた観察も、少しだけ違った見方ができるようになった気がする。

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**直人のレポート**:

> 今日は初めて生理を体験しました。腹部の痛み、だるさ、精神的な不安定さが一日中続き、通常の活動が非常に困難になることがわかりました。普段の健康な状態とは異なる負担がかかり、女性の生活におけるこの課題の重要性を理解しました。

こうして彼は、ただ観察するだけでなく、相手の視点から物事を知るための学びを少しずつ深めていった。
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