宇宙人へのレポート

廣瀬純七

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紗栄子の異変

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その朝、紗栄子はいつもとは違う感覚で目を覚ました。何か妙に不快な感じがする。ぼんやりとした頭で布団をめくってみると、シーツに少し湿った感触があることに気づいた。

「…えっ、なにこれ…?」

しばらく混乱したまま状況を理解できずにいたが、次第に現実が見えてきた。これがいわゆる「夢精」という現象なのだと気づくと、全身が一気に熱くなるような恥ずかしさを感じた。直人からも話を聞いたことはなかったし、何よりも、こんなことが起こるとは思ってもみなかった。

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**その朝:直人とのメッセージ**

何とか落ち着こうと深呼吸をしたが、頭の中は困惑でいっぱいだった。どうしても解決法がわからなかった紗栄子は、思い切って直人にメッセージを送ることにした。

**紗栄子**:「おはよう直人…あの、朝からすごく恥ずかしいんだけど、ちょっと相談があるの」

**直人**:「おはよう、どうした?何かあったのか?」

**紗栄子**:「うん…実は、その…朝起きたらシーツが濡れてたの。これ、夢精ってやつだよね?」

**直人**:「…えっ!?ああ、それか…!ごめん、なんていうか、その、男としては普通のことなんだけど…戸惑うよな」

直人からのメッセージを見て、少しだけ安心するも、紗栄子はまだ恥ずかしさから抜け出せずにいた。「普通のこと」と言われても、自分にとっては全く未知の体験で、どう処理していいか分からない。

**紗栄子**:「その…こんなこと、どうやって対処したらいいの?」

**直人**:「うーん、正直言うと、朝にそういうことが起きるのは男性にとって珍しくないから、あまり気にしないで大丈夫だよ。でも、もし気になるならシーツを洗って、替えのシーツを用意するくらいでいいと思う」

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紗栄子は直人のアドバイス通り、なんとかシーツを替えて気を落ち着かせることにしたが、まだモヤモヤした気持ちが残っていた。「これが直人の体で生活するってことなのね…」と、彼の立場での生活に思いを馳せた。

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**大学での二人の会話**

その日の放課後、二人は再び大学近くのカフェで落ち合った。紗栄子は、まだ朝の出来事について直人と話すことが少し恥ずかしかったが、相手の体のことを知るためには話し合いが必要だと思い、思い切って切り出した。

「…ねえ直人、やっぱり、男の体って私が思ってた以上に色々と違うんだね」と紗栄子は少し照れながら言った。

「うん、そうだよな。俺も紗栄子の体になってから、いろいろと考えさせられるよ。毎月の生理もそうだけど、男女の違いって思ったよりも生活に影響してるんだなって実感した」

「そうね…今まで理解しているつもりだったけど、実際に体験してみると全然違う。今回のことで、少しずつだけど、あなたの気持ちがわかってきた気がする」

二人はお互いに笑顔を交わしながら、相手の立場を理解しようとする気持ちが強まっていることを感じた。この奇妙な体験が、二人を不思議と近づけているのを自覚し、互いの異なる感覚や視点を少しずつ共有することの大切さを知るのだった。

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**その夜のレポート**

その夜、紗栄子は夢精のことについて宇宙人へのレポートに書き込むべきか少し悩んだ。どこまで正直に報告するべきかと迷いつつも、正確に観察を伝えるのが彼女の役目だと考え、簡潔に記述することにした。

**紗栄子のレポート**:

> 今日、男性の体で「夢精」と呼ばれる現象を体験しました。突然の体の反応に驚きましたが、こうした生理現象も人間の自然な一部だと学びました。これは、男女の体がそれぞれ異なるメカニズムで動いていることを理解するための貴重な経験だったと思います。

こうして、また一つ新たな学びを得た二人は、宇宙人からの観察指令に応じながらも、自分たちの関係と理解を深めていった。
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