宇宙人へのレポート

廣瀬純七

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未来からの訪問者

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雪が降り始めたある冬の日、直人と紗栄子はいつものように観察レポートの締め切りに追われていた。二人でカフェに入って暖を取りながら、毎日感じたことや気づきをノートに書き留めていたそのとき、不意に窓の外から視線を感じた。振り返ると、見知らぬ少女が二人をじっと見つめていた。

彼女は12、3歳くらいの少女で、薄いピンクのマフラーに赤いコートという寒さ対策の万全な格好で立っていた。どこか見覚えのある表情や雰囲気に、直人と紗栄子は視線を交わし、戸惑いながらも窓の外にいる彼女に手招きした。

少女は少し微笑みながらカフェのドアを開け、直人と紗栄子の席に向かって歩み寄ってきた。彼女が椅子に座り、まっすぐに二人を見つめると、不思議な感覚に包まれた。

「あなたたちは…直人さんと紗栄子さんですよね?」と少女が言った。

「ええ、そうだけど…君は?」と直人が聞き返すと、少女は少し照れくさそうに笑みを浮かべた。

「私…未来から来た、あなたたちの娘です」

その言葉に、二人は一瞬、呆然としてしまった。まるで現実味のない話だったが、なぜか信じられる気もしてくる。彼女の目の中には、紗栄子の優しさと直人の芯の強さが映り込んでいるようで、どこか懐かしさすら感じたのだった。

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**初対面の驚き**

「そ、そんな、どうして未来から…?そして、どうして僕たちに会いに?」と直人は興奮しながら問いかけた。

「実は、宇宙人の技術で時間を超えてこちらに来られるチャンスが与えられたの」と少女は簡潔に説明した。「あなたたちが入れ替わったことや、それに関連する観察データが未来で非常に重要視されていて…その影響で、私も実はこのことを知っているの」

「なるほど…でも、あなたが私たちの娘だなんて…」紗栄子はまだ信じられない様子でいたが、どこかうれしそうでもあった。

「それで、名前を聞いてもいいかな?」と紗栄子が尋ねると、少女は微笑みながら答えた。「私の名前は、ゆき。お母さんとお父さんがつけてくれた名前なの」

その言葉に、二人はますます驚いた。未来の自分たちが愛情を込めてつけた名前を目の前の少女が語り、親しみを込めて二人を「お父さん」「お母さん」と呼ぶ。突然訪れた未来の家族との出会いに、直人も紗栄子も心が揺れ動いていた。

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**未来の「私たち」について**

温かい飲み物を飲みながら、ゆきは少しずつ話をしてくれた。二人が未来でどのように過ごしているか、そして家族としてのささやかな日常や思い出。直人と紗栄子は初めて聞く話にワクワクしながら耳を傾けた。

「未来の二人も仲が良くて、お互いを支え合ってるの。特に、二人で旅行に行くのが好きみたい。私が小さいころも、家族でたくさんの場所に行ったことを覚えているよ」

その話に、二人は互いに目を合わせ、ほっとしたように微笑んだ。未来の二人が今と変わらず、強い絆で結ばれているというのは、何よりもうれしいことだった。

「でも、未来で私たちの体がまた入れ替わるなんてことは…ないのかな?」と直人が少し冗談っぽく尋ねると、ゆきは笑いながら首を横に振った。「入れ替わることはなかったけど、その経験があったおかげで、二人はお互いを本当に理解し合えているんだと思う」

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**別れの時**

時間が経つのも忘れて会話をしていると、ゆきはそろそろ帰らなくてはならないことを告げた。

「まだまだ話したいことがたくさんあるけれど…時間が限られているの。今日会えて、本当にうれしかった」とゆきが言うと、二人も寂しさを覚えたが、出会えた喜びがそれ以上に胸に満ちていた。

「気をつけて帰るんだよ、未来で会える日を楽しみにしている」と直人が言い、紗栄子も「あなたが元気でいてくれるなら、それだけでうれしい」とゆきを優しく抱きしめた。

ゆきは二人に手を振り、静かに去っていった。その姿が見えなくなると、二人はふと現実に戻ったように静まり返ったが、心の奥底には温かい感情が溢れていた。

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**未来への希望**

帰り道、二人はお互いに手を取り合いながら歩いた。目の前の雪景色が、これから続く未来の道を象徴しているかのように感じられた。

「未来であの子と会えると思うと、なんだか楽しみだね」と紗栄子が微笑むと、直人も「うん。今日の出会いを忘れないように、これからも一緒に頑張っていこう」と誓った。

二人はこの日をきっかけに、未来への希望と絆を深めながら、新たな日常へと歩み出したのだった。
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