俺が咲良で咲良が俺で

廣瀬純七

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健太のチャレンジ

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次の日、放課後のサッカーグラウンドは夕日に照らされていた。健太の体に入った咲良は、咲良の体に入った健太とともに、シュート練習に励んでいた。  

「咲良!もっと力を入れて蹴ってみて!」  

「あなたの体だからって、簡単にはいかないのよ!」  
健太(咲良)は額の汗を拭いながらボールをセットし直す。  

その様子を少し離れた場所から見ていたのは、サッカー部のキャプテン、伊藤亮だった。彼は腕を組みながら感心したように頷き、練習を終えた二人に近づいてきた。  

「お疲れ、二人とも。」  

「お疲れ様です!」と咲良(健太)が元気よく挨拶する。  

一方、健太(咲良)はハッとし、緊張した表情で「キャプテン、お疲れ様です!」とぎこちなく答えた。  

「健太、最近調子良さそうだな。それに……」  
キャプテンは少し驚いたような顔で咲良を見た。「咲良ちゃんも最近、すごくサッカー上手くなってない?さっきのシュートはなかなかだったよ。」  

「えっ!?そ、そうですか?」  
咲良の体の健太は目を丸くしながらも、褒められたことに少し照れた様子を見せる。  

「うん。普通、あの角度からあんなに正確に決められる女子は少ないよ。どうだ、明日の練習試合に参加してみないか?」  

「えっ……!?」  
咲良(健太)は驚きのあまり言葉を失った。  

隣にいた健太(咲良)はすぐにフォローに入った。「いやいや、咲良はまだ素人みたいなもので……」  

「そんなことないだろ?」キャプテンは笑いながら言った。「さっきの動きは素人じゃできないよ。それに、試合で女子が活躍してくれるのもチームとして盛り上がるし、いい刺激になると思うんだ。」  

「で、でも……!」  

健太(咲良)は困惑して咲良(健太)の方を見つめた。健太(咲良)は少し考えてから微笑んだ。「いいじゃない、練習試合で実力を見せてみて!」  

「うん、わかった!」

「大丈夫よ。わたしがついてる。」  

その言葉に励まされ、咲良(健太)は小さく頷いた。「はい頑張ります!」  

「よし、決まりだな!」  
キャプテンは満足そうに笑いながら、二人を見送った。  

---

### 不安と期待

練習後、帰り道を歩きながら、健太(咲良)はぽつりと呟いた。「本当に大丈夫?女の子の体だよ……。」  

「大丈夫だよ。中身は俺だから」咲良(健太)は優しく健太(咲良)の肩を叩いた。

「……頑張ってね、健太。」  
健太(咲良)からそう言われた咲良(健太)は微笑み、決意を新たにした。  

明日の練習試合、咲良(健太)にとってはサッカー部の新たな一歩であり、健太(咲良)との絆をさらに深める日になりそうだった。
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