俺が咲良で咲良が俺で

廣瀬純七

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成績発表のサプライズ

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テストが終わり、教室には張り出された成績順位表を見ようとする生徒たちで賑わっていた。田中健太の体に入った咲良は、成績発表に全く興味がないように見せかけながらも内心ではドキドキしていた。  

「私、健太君の代わりに勉強頑張ったけど、結果どうなってるのかしら……。」  

一方、咲良の体に入った健太は、成績なんて二の次だとばかりに余裕の表情を浮かべている。「まあ、俺なりに頑張ったし、赤点さえ取らなければいいだろう。」  

順位表の前には人だかりができていて、次々と驚きの声が上がる。  
「えっ、健太がこんな上位に?」  
「まさか、田中が10位以内に入るなんて……。」  

二人は互いに顔を見合わせ、健太(咲良の体)が「あれ、なんでこんなにざわざわしてるんだ?」と首をかしげた。咲良(健太の体)は不安そうに順位表へ近づいた。  

すると、田中健太の名前が堂々と**8位**に輝いていた。  

「えええっ!?」  

咲良(健太の体)は自分の目を疑った。一方、咲良が自分の体で受けた成績は、いつもより若干低めの中位に収まっていた。  

クラスメートたちが次々に声をかけてくる。  
「田中、どうしたんだよ急に!天才だったのか?」  
「最近、なんか雰囲気違うと思ってたけど、まさかこんなに成績が良くなるとは!」  
「もしかして、隠れて勉強してた?」  

健太(咲良の体)は笑顔で手を振りながら適当にごまかそうとする。  
「いや、まあ、ちょっと頑張っただけだよ。」  

だが、その横で咲良の体の健太がしれっと順位を確認し、「俺の方はどうかな……ああ、真ん中くらいか。」とつぶやいた。クラスメートたちがその様子を見逃すわけがない。  

「咲良ちゃん、いつももっと上位だったよね?どうしたの?」  
「なんか健太と逆転してない?」  

二人は焦った表情を隠そうとしながらも、心の中でひそかに言い合った。  
「ねえ、健太君、これ私の評判が落ちちゃうんだけど!」  
「いやいや、俺だってなんでそんなに上位に入ったのかビビってるんだぞ!てか、俺の体で良い成績取るなよ!」  

最終的に、クラスメートたちは「健太が覚醒した」だの「咲良ちゃんがスランプに陥った」だの勝手な憶測をして大騒ぎしていた。  

放課後、二人は机を並べてため息をつきながら話し合った。  
「これからはもう少し成績バランスを考えましょう……。」  
「同意。でも、俺の体で8位って、ちょっと快感だったぞ。」  

その日も二人は性別が入れ替わったままの生活に奮闘しながら、次の試練に備えるのだった。  
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